2009年12月14日 (月曜日)

なかなかのジャズ・ピアノである

昨日の夜半頃から雨が降り始めた、我が千葉県北西部地方。ええ〜っ、月曜日の朝から雨か〜、と思っていたら、朝には雨は上がっていた。ラッキ〜。雲が割れて、朝日が差し込んできて美しい。昨晩の雨のお陰で、適度な湿気が残っていて心地良い。しかも、あまり冷え込むことも無く、適度な寒さ。こんな月曜日の朝って、実に気持ちが良い。

清々し 師走の朝の 雨上がり    

さて、最近「おっ、これは!」と思ったジャズ・ピアノがある。その名は、Christian Sands(クリスチャン・サンズ)。1989年5月の生まれ、というから、今年20歳の若手精鋭である。デビューは弱冠12歳。2007年2月にはグラミー賞受賞式でも演奏したという早熟の天才。米国の若きピアニストの注目株である。

そのサンズの2009年の新譜を手に入れた。その名は『Furioso(フリオーソ)』(写真左)。サンズのピアノの特徴が良く判る、選曲も小粋、スタンダードとジャズメン・オリジナルが中心の好盤である。トランペットの名手、ランディー・ブレッカーとフルート&テナーのグレッグ・ハンディーが参加していて、この2人のホーンが、なかなか風情のあるソロで好演しているの嬉しい。

実に聴き応えのあるハードバップな作品であるが、冒頭のBilly Taylorの作なる「Abiento」の美しい旋律とピアノの音色、そして、ジャジーで品の良いビートを聴くと、70年代のフュージョンからスムース・ジャズを経験した、現代のハードバップでないと出せない雰囲気がある。

Cs_furioso

サンズのピアノは、若さとテクニックにまかせて弾き倒すことは全く無く、じっくりと腰を据えて、音の「間」とピアノの「響き」を活かした、音に「ため」と「余裕」のあるインプロビゼーションを繰り広げていて「立派」。とても、20歳のピアノとは思えない、落ち着きと閃きがある。このサンズのピアノは、今まで、ありそうでなかった、独特の個性である。

その個性はスタンダードでより煌めく。2曲目の「On Green Dolphin Street」、5曲目の「Autumn In New York」、6曲目の「My Funny Valentine」など、その演奏とアレンジに感じ入った。特に「Autumn In New York」での、サンズのアレンジ・センスの良さを感じさせる崩し方には「まいった」。そして、僕の大好きなスタンダード「On Green Dolphin Street」では、サンズのピアノの音の「間」と「響き」が美しい。絶品の「On Green Dolphin Street」である。

そして、Miles Davisの作なる「Four」が絶品。この曲はピアノ・トリオのみでの演奏。マイルスのハードバッパーで理知的でファンキーな演奏イメージとは打って変わって、ピアノの音の「間」と「響き」を活かした、ミディアム・テンポの演奏で、実に美しい響きの、含蓄あるアーティスティックな楽曲に変わった。実にセンスあるアレンジと演奏アプローチである。サンズの才能を感じる。

また、サイドメンである、ランディー・ブレッカーとグレッグ・ハンディーも好演。Bobby Hutchersonの作なる、4曲目の「Little B's Poem」では、ランディーのトランペットとグレッグのフルートが活き活きと清々しいブロウを展開して、伴奏に回ったサンズのピアノを逆に引き立てる。このアルバムでのランディーのトランペットとグレッグのテナー&フルートは要所要所で良いアクセントになっていて、この2人の参加も、このアルバムの聴き所となっている。

良いアルバムです。弱冠20歳ではありますが、米国の若きピアニストの注目株の一人でしょう。なかなかのジャズ・ピアノです。まだまだ余裕もあり、これからが楽しみです。暫く注目すべき、要注目ピアニストです。とにかく、サンズの音の「間」と「響き」を活かした、音に「ため」と「余裕」のあるピアノには、いや〜「まいった」である。 
 
 
 
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2009年12月13日 (日曜日)

『Let It Be』のリマスターCD

昨日は予想以上に暖かな一日だった。今日は、昨日より5度ほど気温は低くなるとはいえ、まだ12度辺りと、12月中旬にしては、ちょっと暖か。やはり今年は暖冬か、と思いきや、週間予報を見ると、今週はかなり冷え込むらしい。最高気温予想は一桁台。嫌やなあ。寒いのは大嫌い。冬眠したい位だ(笑)。

時雨去り 地平の向こう 白き富士    

さて、今日は日曜日、日曜日恒例のBeatlesのリマスターCD特集。今日は『Mono Masters』の「DISC TWO」の予定を変更して、『Let It Be』の話題を... 。

『Let It Be』(写真左)は、ファンの方々は既にご存じ、1969年初頭に実施された、通称「ゲット・バック・セッション」で録音された音源を元に、ドキュメンタリー映画『Let It Be』のサントラをも兼ねて、1970年5月に発表されたビートルズのラスト・アルバムですね。

録音順からすると、『Abbey Road』の方が録音時期としては後になるので、 『Abbey Road』を実質的なラスト・アルバムとするのがファンの間では一般的になっていますが、この『Let It Be』は、全編に渡る、いい加減で投げやりで、ちょっと陰鬱で退廃的な雰囲気が、ちょうど「ビートルズの終わり」を強く感じさせるので、この『Let It Be』の方が、ラスト・アルバムという感じがします。

僕が生まれて初めて聴いたビートルズのアルバムは、この『Let It Be』でした。ちょうど中学2年生の秋かな。金持ちの友人の家で聴かせてもらいました。ちなみに、その友人のステレオセットは、4チャンネル仕様でした(判るかな?・笑)。

で、初めて聴いたビートルズのアルバム『Let It Be』ですが、一通り聴いて「なんて暗くて、いい加減なアルバムなんだ」と思いました。ロックって、こんなにいい加減な演奏でええんやなあ、と不思議な納得感がありました。当時、僕はバリバリのクラシック少年でしたからねえ(笑)。

Let_it_be_8

特に、この『Let It Be』の全体に流れる、ちょっと陰鬱で退廃的な雰囲気には閉口しました。どう聴いても演奏している4人は楽しんで演奏していない。ところどころ中途半端に挿入される録音時の会話などでは笑い声も上がっていますが、無理して装っている感じがして、どうしても好きになれない。

大学時代になってやっと「どうもこれは、プロデューサーのフィル・スペクターの仕業やな」と思うようになりました。如何に「ゲット・バック・セッション」で色々問題があったにせよ、『Let It Be』に収録されている演奏は、かなりの数がラフでいい加減、アレンジも首を捻る楽曲が多く、どう考えても、Beatlesの4人の仕業と思えず、彼らがこのアルバムについて、リリースをOKしたとも思えませんでした。

まあ、そのことについては、後に、Beatles の4人それぞれのコメントや関係者の証言等によって、明らかにされていく訳ですが、とにかく、僕は、この『Let It Be』の内容は、全編に渡って好きではありません。サウンド・トラックを強調するように、適当に「録音時の会話」を挿入していることや、仰々しい、デコレーションが過ぎる弦のアレンジなど、このアルバムのプロデューサーの能力と感性を全面的に否定したくなるような内容で、今でも好きになれない内容です。

さて、今回のリマスターCDでも『Let It Be』については、格段に音は良くなっています。特に、ポールのベースの音とリンゴのドラムの音が、より生々しく全面に出てきており、非常にビートの効いた『Let It Be』になっています。

ステレオ盤リマスター全般に感じる、音のエッジの「心地良い円滑さ」も、この『Let It Be』でしっかりと実現されています。『Let It Be』については、今回のリマスターCDが一番です。薄い膜をはぎ取ったように、以前のCDに比べて、音の見通しが良くなっており、特に、バックの弦の音の分離が良く、スペクターの弦のアレンジの詳細が良くわかるようになりました。

逆に、今回のリマスターCDの音が素晴らしいだけ、このアルバムの問題点、例えば、適当な「録音時の会話」の挿入や、仰々しい、デコレーションが過ぎる弦のアレンジなど、スペクターのプロデュースの問題点が露わになっています。う〜ん、痛し痒しですね。
 
 
 
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2009年12月11日 (金曜日)

第2期RTF・Polydor3部作完結

朝から、シトシト冷たい雨。午後から徐々に雨足が強くなり、夜、帰宅時には結構強い雨に。しかも、結構、冷え込んで、体に吹き付ける風がかなり冷たい。う〜寒い〜。

氷雨来て 家族団らん 鍋の夜   

さて、今日の話題は、第2期Return To Forever(RTF)の第3作目。第1作『Hymn of the Seventh Galaxy』、第2作『Where Have I Known You Before』、そして、この3作目『No Mystery』(写真左)を併せて、僕は第2期RTF・3部作と呼んでいる。

この3作目『No Mystery』は、1976年のリリース。Chick Corea (p,el-p), Stanley Clarke (b), Lenny White (ds), Al Di Meola (g) のメンバーになって2作目。メンバーの結束も固く、関係も良好。超絶技巧な演奏を軸に、実にこなれた、ハードな「フュージョン・ジャズ」を展開している。しかし、面白いのは、双頭リーダーの、チック、クラーク、それぞれが異なる方向の音楽的志向になってきていること。

1曲目「Dayride」から「Jungle Waterfall」「Flight of the Newborn」「Sofistifunk」までの4曲は、バリバリのファンク・フュージョン。フリー+ファンクの洪水である。ベースのクラークは、もうノリノリ。ブンブン弾きまくる。ドラムのレニーも、結構、余裕で叩きまくる。でもなあ。チックのファンク・キーボードは上手いんだけど、なんか違和感があるし、ディ・メオラのファンク・ギターは、ファンクのビートに演奏が規制されて、なんとなく窮屈そうだ。

No_mystery

逆に、5曲目の「Excerpt from the First Movement of Heavy Metal」「No Mystery」「Interplay」「Celebration Suite, Pt. 1」「Celebration Suite, Pt. 2」の5曲は、スパニッシュ・フレーズがそこかしこに散りばめられた、チック独特の世界が展開されている。当然、チックは、チック独特のフレーズを弾きまくる。キーボードのどこの旋律を切り取っても、どれもが「チックの音」。

そして、ディ・メオラは、バカテク・ギターを伸び伸びと弾きまくる。しかし、クラークのベースは、ちょっと奥に引っ込んだ感じで、目立たない感じ。ドラムのレニーは両刀使い。これまた、結構、喜々として叩きまくっている。

第2期RTFもいよいよ、チックとクラークの音楽性が、はっきりと二分されつつあり、グループ・サウンズとして、先が見えてきたかなあ、という感じのアルバムです。とにかく、ファンク・フュージョンを演奏するチックとディ・メオラは違和感がある。いやいや、テクニック抜群の二人なんで、バッチリとファンク・フュージョンを演奏しているんですよ。でも、なんか窮屈そうというか、乗り切りれていないという感じがします。

この『No Mystery』は、チックとクラークの音楽性が、はっきりと二分されつつあるとは言え、アルバムの内容は上々です。当時、最先端のフュージョン・ジャズだと思います。そして、このアルバムの後、Columbiaに移籍し、あの最高傑作の誉れ高い『Romantic Warrior』を世に出すことになります。そのお話しはまた後日・・・。  
 
 
 
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2009年12月 9日 (水曜日)

隠れ名盤がざっくざく・・・

冬である。朝から、どんより鉛色の空。その鉛色が冬独特の鉛色。風は北風、冷たい北風。時は師走、いよいよ冬たけなわである。これだけ冷えてくると、熱燗が恋しくなる。焼酎のお湯割りが恋しくなる(笑)。

帰路急ぐ 熱燗恋し 冬の月     

さて、ジャズの世界は奥が深い。ふと、そのジャケット・デザインが魅力的で、レコード屋で目にとまったアルバムが、実はなかなかの内容の隠れ名盤だったりする。ジャズの名盤、佳作の類って、何も、ジャズ入門本やアルバム紹介本に挙がったアルバムだけが、全てでは無い。

そんなアルバムの一枚が、Art Farmerの『Isis』(写真左)。パーソネルは、Enrico Pieranunzi (p), Art Farmer (flh), Massimo Urbani (as), Furio Di Castri (b), Roberto Gatto (ds)。1980年12月、ローマでの録音。

ローマでの録音と聴くと、そう言われて改めてパーソネルを見わたすと、そうかそうか、Enrico Pieranunzi (p), Massimo Urbani (as), Furio Di Castri (b), Roberto Gatto (ds)のアルト・サックス+ピアノ・トリオのリズムセクションはイタリア・ジャズの中核メンバー。

このアルバムのジャケット・デザインが実に印象的。童話の挿絵風の、どう考えてもジャズには相応しくない、とても優しいデザイン、とても優しいイラスト。でも、このジャケット・デザインが実に印象に残る。今回、CDを漁っていて、この印象的なジャケット・デザインに出くわして、遙か昔、このアルバムの音を初めて聴いたことを思いだした。

学生時代、このアルバムをレコード屋で手にしたことがある。でも、その時は、なんとなく童話の挿絵風のジャケット・デザインがジャズのイメージ合わなくて、購入を躊躇った。後ろ髪を引かれる思いでレコード屋を離れた。

そして、夕暮れ時、例の大学近くの「秘密の喫茶店」に行くと、なんと、このアルバムがかかった。冒頭「Isis」の出だしのフリューゲル・ホーンとアルト・サックスのハーモニーを聴くだけで、もうそこはハードバップの世界。しかし、音は古くない。切れ味良く、スピード感が溢れている。

Farmer_isis

ファンキーな雰囲気が全開なんですが、音の響きは洗練されていて、決して、1950年代後半から1960年代前半のファンキー・ジャズ全盛期、ハードバップ全盛期の、その時代の音ではない。1980年のその時点のハードバップ・ジャズの最先端に近い音。

「秘密の喫茶店」の若き妙齢のママが言った。「良いでしょう、この雰囲気。イタリアン・ジャズらしいですよ」。Enrico Pieranunzi の名前だけは、ジャズ雑誌で知っていた。でも、音は聴いたことが無い。「綺麗なピアノの音ですね」と言うだけが精一杯だった。今から振り返ると、この時が、ヨーロピアン・ジャズに初めて出会った時だった。なんとなく童話の挿絵風のジャケット・デザインが、やけに印象的だった。

確かに、米国のハードバップ・ジャズの雰囲気とは違う。米国のハードバップ・ジャズは黒い。米国のハードバップ・ジャズは黒いファンキー。このアルバムは違う。洗練された、クリスタルなファンキーっぽさが、実にヨーロピアン・ジャズらしい。

エンリコがアート・ファーマーと組んだ、エンリコ初期の傑作アルバムといって良いだろう。3曲にイタリア最高のアルト・サックス奏者、マッシモ・ウルバーニが参加していることも価値を高めている。僕もこのアルバムで初めて、マッシモ・ウルバーニの名前とその演奏を体験した。しっかりとアルト・サックスを鳴らし切り、エモーショナル溢れる演奏は注目に値する。

アート・ファーマーのフリューゲル・ホーンも、暖かな音色をベースにエモーショナルなインプロビゼーションを展開していて見事である。どの演奏もポジティブでアクティブ。柔らかな、なんとなく童話の挿絵風のジャケット・デザインからは想像出来ない、1980年当時、最先端のハードバップなジャズ演奏がこのアルバムにギッシリと詰まっている。

良いアルバムです。タイトル『Isis』 とは,ライナーによるとエジプトに伝わる「月の神」という意味だそうです。確かに、このアルバム、日中聴くよりは、日が沈んだ後、夜のしじまの中で聴く方が、しっくりくる落ち着きと端正さが素敵な「隠れ名盤」だと思います。
 
 
 
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2009年12月 7日 (月曜日)

第2期RTFの傑作じゃ〜

寒いぞ〜。冷たい北風がピューピュー吹いて、いやはや冬らしい帰り道である。今日は一日快晴の素晴らしい日和かと思ったが、天気予報通り、風が冷たく、ちょっとばかし強く吹いて、嫌でも師走を感じる。
 
木枯らしに 追われて走る 子猫かな     

さて、第2期RTF(Return To Forever)を順番に聴き直している。今日は、第2期RTFの2作目『Where Have I Known You Before』(写真左)。邦題は「銀河の輝映」(なんだかなあ)。ギターが、ビル・コナーズに代わって、アル・ディ・メオラにチェンジしたRTFの74年の作品。

これがまあ、凄い内容ですわ(笑)。フュージョンと言っても、後にスムース・ジャズと呼ばれる様な、ムード優先の、ちょっと軟派なフュージョン・ジャズでは無くて、ガッチリと硬派で超絶技巧なフュージョン・ジャズ。超絶技巧ながら、音楽性豊か、キャッチャーな旋律が満載。非常に聴き応えのある、硬派フュージョン・ジャズの傑作である。

ロック・ギター的雰囲気のビル・コナーズから、正統派フュージョン・ジャズ・ギタリストのアル・ディ・メオラに代わったおかげで、超絶技巧プログレ的な演奏からガラリと変わって、ロック色の強いポップな演奏が、アル・ディ・メオラの正統派フュージョン・ギターによってより洗練され、これぞ、硬派フュージョン・ジャズっていう演奏に昇華されている。見事である。しかも、アル・ディ・メオラは、当時20歳。なんと恐ろしいことか(笑)。

Where_have_i

第2期RTFの2作目だけあって、スタンリー・クラークのベースとレニー・ホワイトのドラム、共に充実したリズム・セクションに仕上がっている。特に、叩きまくるレニー・ホワイトのグルーブ感は素晴らしい。そして、スタンリー・クラークのベースも、大向こう張って前に出しゃばるのでは無く、バックに回って、しっかりとファンキーなビートを押さえており、このアルバムにジャジーでファンキーな雰囲気を供給している。スタンリー・クラークのベースが、このアルバムをジャズたらしめている。見事である。

そして、チック・コリア御大のキーボードは、それはそれは見事なもの。シンセサイザーの使い方、テクニック、共に最高である。とにかく上手い。とにかく超絶技巧。これだけ、シンセを弾きこなせるジャズ・キーボーダーはいないだろう。ジョー・ザビヌルもハービー・ハンコックも、もはや敵では無い(笑)。そして、アコースティック・ピアノの音色も美しい。ジャズ界最高のマルチ・キーボーダーの面目躍如である。見事である。

特に、ラストの演奏時間14分25秒の大曲「Song to the Pharoah Kings」は、聴いていて「仰け反るほど」に素晴らしい。アル・ディ・メオラの超絶技巧エレキギターが炸裂し、チック・コリアのシンセが唸りを上げる。スタンリー・クラークのベースはビンビンにビートを繰り出し、レニー・ホワイトはグルーブ感を振り撒きながら叩きまくる。ジャズの世界って凄い。このアルバムを初めて聴いた時、もうプログレッシブ・ロックには戻れない、と思った。

この第2期RTFの2作目『Where Have I Known You Before』は傑作である。アグレッシブなパワー、シャープでスピーディーな展開、超絶技巧なテクニカルさが全編に溢れていて、第2期RTFの音楽性、ここに完成、である。
 
 
 
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2009年12月 5日 (土曜日)

第2期Return to Forever の船出

やっとこさの土曜日。今週は、先週の新型インフル感染が癒えての「社会復帰」の週だったんだが、これがまた「なんで」という位、忙しかった。まあ、この歳になると、体力的に忙しいのでは無く、知力的に忙しいので、帰宅が深夜に及ぶなんてことは無いんだが、それにしても疲れた。

帰り来る 足下照らす 冬の月  

さて、僕はチック・コリアの大ファンである。よって、彼の千変万化な音楽性の全てが許容できる。アコースティックもエレクトリックもOK。特に彼のエレクトリック・キーボードのテクニックとセンスについては、ジャズ界一だと思っている。

そんなエレクトリックなチックを初めて体験したアルバムが、第2期Return to Forever の第1作『Hymn of the Seventh Galaxy』(写真左)。邦題は『第7銀河の讃歌』(直訳やん・笑)。1973年8月レコードプラネットで録音。パーソネルは、Chick Corea (key, p, org), Bill Connors (g), Stanley Clarke (b), Lenny White (ds, per)。

そう、この時は、まだギターがディメオラではなく、ビル・コナーズである。第1期Return to Forever は硬派な楽園的フュージョン・ジャズ中心だったのだが、この第2期Return to Forever は、徹頭徹尾、ハード・フュージョン・ジャズ。とにかく、ハードである。ただ、旋律はキャッチャーでメロディアスなものが中心なので、ハードな演奏でありながら、聴き辛いものではない。70年代ロックで言うと、プログレ、例えばイエスとかクリムゾン、ELPの演奏が聴けるのならば、全く問題の無いハードさである。

第2期Return to Forever の中で、この『Hymn of the Seventh Galaxy』だけが独特の音の響きを持っているのだが、それは、「くすんだ音でちょっとラフな調子」というビル・コナーズのギターが主な理由くすんだような音が印象的なギターが実に個性的。そして、早いパッセージを弾く時、ビートを崩すというかラフな弾き回しになるんだが、これは彼がロック畑出身ということから来るのだろう (当初ロック畑のスタジオ・ミュージシャンとして働いてきた経緯がある)。というか、わざとロックっぽく弾いている雰囲気がある。

Hymn_seventh_galaxy

主役のチック・コリアのエレクトリック・キーボードについては、申し分無い。というか、これほどまでに、エレクトリック・キーボードを弾きこなせるミュージシャンはいないと思う。それぞれのキーボードに精通し、それぞれのキーボードの個性をしっかり踏まえた使い方については素晴らしい限り。キーボードを趣味にする方でしたら、この辺のところを十分に理解いただけるかと・・・。

もう一つ、チックの凄いところは、このアルバムに収録されている自作曲の出来の良さ。旋律はキャッチャーで、ロマンティックでメロディアス。スパニッシュ・フレーバーが隠し味。この様な「印象的な旋律」を持った曲を中心にこのアルバムが構成されているので、このアルバムは、とても聴きやすく親しみ易く、アレンジも良く考えられており、聴いていて「ノリ易い」。この辺りが、同時代、トニー・ウィリアムス率いたエレクトリック・ジャズバンド「ライフタイム」との違いだろう。

スタンリー・クラークのベースはブンブン唸りを上げ、レニー・ホワイトのドラミングは重爆撃機の様に、ドドドドドと重低音ベースを供給する。この超重量級のビート&リズムも、この第2期Return to Forever の特徴。あの千変万化のチックの重力級キーボードと、ビル・コナーズの重量級エレキギターを相手にするには、これくらいの「超重量級」リズムセクションで迎え撃たないと、バンド演奏全体のバランスが取れないだろう。

ギターがディメオラではなく、ビル・コナーズなので、なんとなく、第2期Return to Forever の諸作の中で、ちょっと評価が一段だけ低めのアルバムですが、どうしてどうして、収録された曲やグループサウンズ全体の雰囲気など、アルバムを総合的に見渡すと、なかなかに平均的の高いアルバムだと思います。ハードな演奏ではあるが、収録されている演奏の根幹をなす旋律は「キャッチャーでメロディアス」なものが中心という部分が高評価ポイントです。

でも、初めて聴いた時は、このエレクトリック演奏のハードさとハイ・テクニックにビックリしました。当時、エレクトリック演奏のハードさとハイ・テクニックさについては、プログレの演奏が最高だと信じていたんですが、その想いは、このアルバムとの出会いによって、粉々になりました(笑)。ジャズの世界ってスゲ〜、と心から感じ入った瞬間でした。  
 
 
 
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2009年12月 3日 (木曜日)

ビル・エバンスの個性全開

朝から雨。朝はシトシトとそぼ降る雨。夜、帰宅時は強い雨。時は12月。冷たい雨。12月の雨は好きではない。

寒々と 帰宅も辛し 氷雨かな

ビル・エバンスは、ジャズ・ピアノ界一のスタイリストである。クラシックに影響を受けた印象主義的な和音の重ね方と独特な響き、ロマンティックでメロディアスな旋律、抑揚と陰影、強弱と緩急を柔軟に織り交ぜた、メリハリのあるリリカルなピアノ・タッチ。音と音との「間」の使い方が本当に美しい。

一聴したら、必ずそれと判るスタイルである。それまでのビ・バップのピアノとは全く異なるというか、完全に一線を画する、ハードバップ以降の主流となるジャズ・ピアノのスタイルの源である。ビ・パップのテクニック一辺倒のジャズ・ピアノを、クラシック・ピアノと同等のアーティステックな世界まで昇華させたのは、ビル・エバンスである。

そんなスタイル、個性の確立が確認できるアルバムが、ビル・エバンス2枚目のリーダー・アルバム『Everybody Digs Bill Evans』(写真左)。パーソネルは、Bill Evans (p), Sam Jones (b), Philly Joe Jones (ds)。1958年12月の録音である。

Everybody_digs_2

2曲目の「Young and Foolish」、3曲目の「Lucky to Be Me」、7曲目の「What Is There to Say?」などのバラード演奏は、それまでのビ・バップのピアノ・トリオでは絶対に聴けなかった演奏である。クラシック・ピアノと同等のアーティステックな世界がここにある。本当に素晴らしいピアノの響きである。本当に素晴らしいピアノの旋律である。

そのリリシズム溢れる、最高にアーティスティックな個性は、ソロ・ピアノのフォーマットで最大限に発揮される。3曲目「Lucky To Be Me」、5曲目「Epilogue」、7曲目「Peace Piece」は絶品である。このソロ・ピアノで、ビル・エバンスの個性は最大限に発揮される。それは、まだ、当時のジャズ界に、ビル・エバンスの個性の邪魔にならず、その個性を更に引き伸ばすような、ビート&リズムの供給を実現できるベーシストとドラマーが存在しなかったことに他ならない。

それでも、このアルバムでの、Sam Jones (b), Philly Joe Jones (ds)は健闘している。ビ・バップの影が残る演奏については、エバンスの強いタッチにピッタリのフィリー・ジョーのドラミングである。サム・ジョーンズのベースも堅実で基本リズムを決して崩さない。当時では、ビル・エバンスが一番やり易かったベース&ドラムではないだろうか。1曲目「Minority」、4曲目「Night and Day」など、実に聴いていて楽しい。大胆かつ繊細なエバンスのピアノは聴き応え十分。

音と音との「間」の使い方、モード的な旋律の展開の仕方、印象主義的な和音の重ね方。どれもが現代のジャズ・ピアノの基本になっている。ビル・エバンスは、ジャズ・ピアノの歴史の中で、最大のスタイリストである。
 
 
 
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2009年12月 2日 (水曜日)

モンクは隠れた佳作が多い

セロニアス・モンクは、リバーサイド・レーベルの一連のリーダー作が面白い。モンクの全盛期なだけに、跳んだり跳ねたり、どのアルバムをとっても、個性溢れるアルバムが多い。

モンクの名盤と呼ばれるアルバムも、このリバーサイド・レーベルの時代に偏っている。「Brilliant Corners」「Monk's Music」、ライブの「Thelonious in Action: Recorded at the Five Spot Cafe」「Misterioso」、そしてソロの「Thelonious Himself 」「Thelonious Alone in San Francisco」。どれもがリバーサイド時代の名盤である。

しかし、リバーサイド時代のアルバムには、ジャズ初心者向けの入門本や、モンクの代表盤には、ほとんと挙げられることは無いが、これがなかなかの佳作、良い出来のアルバム、聴いて楽しいアルバムが意外と多い。今回、久しぶりに聴いた『At the Blackhawk』(写真左)。このアルバムも、そんなアルバムの一枚。

1960年4月、サンフランシスコのブラックホークでのライブを収録したアルバム。西海岸ライブならではの乾いた音とリラックス雰囲気が実に芳しいライブ盤です。

興味をそそるのは、いつものレギュラー・カルテットのメンバーに、管をさらに2名加えているところ。ちなみに、パーソネルは、Joe Gordon (tp) Harold Land, Charlie Rouse (ts) Thelonious Monk (p) John Ore (b) Billy Higgins (ds) 。トランペットのジョー・ゴードンとテナーのハロルド・ランドがその2人(2管)。

ライナーによれば、西海岸のドラマーの第一人者シェリー・マンとモンクの共演作を作るつもりが中止になり、やむなく、ジョー・ゴードン、ハロルド・ランドの2人を加えてのライブ・レコーディングに切り替えた、ということ。

Tm_blackhawk

簡単にいうと、ブッキング・ミスによる偶然の組合せ、偶然の産物である。う〜ん、なんとジャズらしい(笑)。やむない偶然の組合せ、偶然の産物とは言いながら、この内容がなかなか良いから、ジャズって面白い。

ペットのゴードンは、ハイ・テクニックでは無いが、メロディアスで印象に残るフレーズが良い。う〜ん、どう聴いてもハイ・テクニックでは無いけど、ちょっとカクカクカクとスクエアなんだが、滑らかでジャズらしいメロディーのソロ・パフォーマンスが実に良い雰囲気を醸し出している。このペットの存在が、この『At the Blackhawk』の個性を形作っているといっても過言ではない。感覚的にではあるが、実にジャズらしいペットのフレーズである。

ハロルド・ランドのテナーは、西海岸的に乾いた男性的な逞しい音色を振りまきながら、モンクの個性に対しては、我関せず、とばかりにマイペースで吹き上げていく。この独特の、乾いた無頼な感じがランドの持ち味。その無頼な部分を、モンクの相棒、テナーのチャーリー・ラウズがしっかりとサポートし、しっかりとグループサウンズとしてまとめ上げていくことろが、これまた素晴らしい。モンクのライブとしては、モンクのレギュラー・カルテットの当時の実力を確実に理解するに格好な佳作です。

目立たないんですが、リズム・セクションのJohn Ore (b) Billy Higgins (ds)は、モンクの千変万化なリズムとフレーズに翻弄されながらも(ヒギンスなんか部分部分でヘロヘロになってますが・笑)、必死でビートとリズムを供給していて、実に健闘しています。このリズム隊の健闘が、モンクとフロントの3管、ラウズ、ランド、ゴードンにインプロビゼーションの自由を与えています。

ジャケットデザインも何の変哲も無い普通のデザインなんですが、これが意外にも、堅実にリズムを刻むベースとドラムの健闘の上に、モンクのピアノと3管が魅力的なインプロビゼーションを展開していて、単純に、聴いていて楽しいアルバムとなっています。 
 
 
 
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2009年12月 1日 (火曜日)

バイオリン・フュージョン

今日から12月。今日は仕事の都合で早起き。朝6時に起床。東の窓の外を見れば、真っ赤な朝焼け。日の出はまだ。日の出は6時21分。そう言えば、あと20日ほどで冬至である。

凛とした 初冬の朝に 背筋伸び    

おおよそ、クラシックで使用される楽器はジャズでも使用されている。バイオリン然り。でも、その数は少ない。有名どころでは、純ジャズの世界では、パッと浮かぶのが「ステファン・グラッペリ」、日本では「寺井尚子」、フュージョンの世界では「ジャン・リュック・ポンティ」。その数は少ないが、優れたテクニシャンが多い。

今日、聴いたのは、フュージョンにおけるバイオリン奏者の第一人者、ジャン・リュック・ポンティ(Jean-Luc Ponty)の『Imaginary Voyage』(写真左)。邦題は『桃源への旅立ち』。邦題については「なんだかなあ」なんだが、その内容は、実に楽しい、プログレッシブ・ジャズロックである。

ジャン・リュック・ポンティは、1942年フランス・ノルマンディ生まれ。幼いころからクラシック・ヴァイオリンの教育を受け、12歳でパリのある音楽賞を受けた位の天才。が、その後の音楽経歴は実に興味深く、マハビシュヌ・オーケストラに参加したり、フランク・ザッパと活動を共にしてロック、フュージョンの影響を受けるなど、実にユニーク。

僕が、ジャズを聴き始めて、初めて、バイオリン・ジャズを聴かせてくれたのが、この「ジャン・リュック・ポンティ」。この『Imaginary Voyage』は最初のお気に入りアルバムである。1976年のリリース。時は折しも、フュージョン全盛期。このアルバムの内容もコッテコテのフュージョンである。

Imaginary_voyage

でも、冒頭の2曲「New Country」「Gardens of Babylon」は、楽しく躍動的なアメリカン・ルーツ・ミュージックの響きがする。ジャンの奏でるバイオリンの音はまるで「フィドル」。C&Wを聴いているような、ウキウキわくわくな曲想が楽しい。メロディーもキャッチャー。バックのリズムセクションも、事も無げに変拍子を叩き出して、ジャンのバイオリンを盛り立てる。

そして、このアルバムをプログレッシブ・ジャズロックとする、つまりは、ジャズロックに「プログレッシブ」を冠する意味は、LPでB面全面を占めるオリジナルの大曲「Imaginary Voyage, Part 1〜Part 4」を聴けば判る。変拍子で畳み掛ける様にテクニックを駆使し、曲の展開は大仕掛けで大胆、シンセサイザーの音が効果的に駆け抜ける様は、まさにプログレッシブ・ロック。

元来のプログレッシブ・ロックには、翳りと湿り気、思想と思索が錯綜するが、この「Imaginary Voyage, Part 1〜Part 4」は、米国フュージョンらしく、カラッとしていて、あっけらかんとして明るい。楽観的なプログレッシブ・ロックとでも表現したら良いだろうか。

元々、フランク・ザッパ門下生だったと言う経歴からして、なんら不思議のない、この『Imaginary Voyage』の成果であるが、今の耳で聴いてもなかなか楽しく、ちょっと深く聴き耳を立てると、これはこれで、なかなかに興味深い。エレクトリック・バイオリンでのエフェクトを効かせたヘビーなサウンドは、まるでジミヘンのギターのようでもあり、その少し歪んでくすんだ音は、実に英国的。
 
歴史を揺るがすような名盤では無いが、時々、気分転換に聴きたくなる、ジャズ・フュージョンの佳作。実に楽しい、プログレッシブ・ジャズロックである。70年代プログレ・ファンの方々には、ちょっと楽観的なのが気になりますが、なかなかのお勧めでしょうか。
 
 
 
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2009年11月30日 (月曜日)

マリガン Meets モンク

寒くなった。11月も今日で終わり。早くも明日から12月、師走である。1年経つのが早いなあ。この歳になって、これだけ1年経つのが早いと、ちょっと焦る。新型インフル癒えて、今日から社会復帰。さすがに、ちょっと疲れた。

すきま風 師走の暦 安下宿    

さて、リバーサイド時代のセロニアス・モンクを聴き進めている。ジャズ入門書やジャズ盤紹介本に挙がるような定番の「モンクの有名盤」以外にも、リバーサイド・レーベルにはモンクのリーダー作で、なかなかの聴きモノが沢山ある。

今日、聴き込んだモンクのアルバムは『Mulligan Meets Monk』(写真左)。1957年8月の録音。パーソネルは、Gerry Mulligan (bs) Thelonious Monk (p) Wilbur Ware (b) Shadow Wilson (ds)。Gerry Mulligan(ジェリー・マリガン)といえば、米国西海岸ジャズの中心人物、バリトン・サックスの名手。そのマリガンと最盛期のモンク、二人のジャズ・ジャイアンツによるアルバムです。

モンクのあの独特と音の重ね方、あの独特なリズム感、あの独特なフレーズに、マリガンが、どうやって立ち向かうか、が興味の的です。マリガンも、結構柔軟で協調性が高いように見えるんですが、意外と自分のペースを貫き通すところがあるので、ジャズ界の最高の個性であるモンクとの組合せは如何に、というところですが、これが以外や以外、結構、充実した内容になっています。

Mullian_meets_monk

モンクの音に、モンクの演奏に合わせて、マリガンが非常に良く反応しています。モンクの独特のフレーズを良く理解して、変に重ならない様、効果的にユニゾン&ハーモニーが出来る様、注意深く、時に反射的にカウンターをかましていきます。あのでっかいバリトン・サックスを自由に操りながら、モンクの独特なフレーズとリズムに追従するマリガンって凄いですね。

冒頭の「'Round About Midnight」はすばらしい出来です。かなり有名なモンク・スタンダードなんで、どうなることやら、と思いましたが、2人の掛け合いは、程良い緊張感の下、なかなかのものです。

「Sweet and Lovely」は唯一のジャズ・スタンダードですが、モンクのピアノは「どこが、Sweet and Lovelyなんや〜」って感じで、モンクの個性をバンバン振りまいて、圧倒的に「硬派に」ガンガン弾き倒します。マリガンはそんな全快モンクを向こうに回して、モンクのピアノに絶好カウンターをかまして、印象的なフレーズをガンガンに繰り出します。このやりとりを聴くと、ジャズってええなあ、って思います。

ベースのWilbur Ware、ドラムのShadow Wilson は、モンクとマリガンの2人に比べて、あまり目立ちません。モンクとマリガンを自由にコラボさせるべく、しっかりとリズムとビートをキープする役割に徹しているようです。特に、ドラムのShadow Wilsonは目立たない。叩き出すリズムは「ツンツク、ツンツク、ツンツク」という単調な4ビートなリズムが多くて、リズムボックスのよう。もう少し、ドラムとして変化をつけて、モンクとマリガンに絡めば面白かったと思うんですが・・・。

モンクの名盤、マリガンの名盤という類のアルバムではありませんが、聴いていて楽しい二人のコラボ。特にモンクは楽しそう。絶好調にモンク・フレーズをガンガンに叩き出しています。逆に、マリガンはそんなモンクを向こうに回して、疲れたのかなあ。このアルバムの後、二人のコラボが再現されることはありませんでした。

なかなか良いアルバムです。モンクとマリガンの「一期一会の出会い」を心ゆくまでお楽しみ下さい。
 
 
 
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