2012年5月21日 (月曜日)

金環日食を楽しみました・・・

2012年5月21日(月)。待ちに待った金環食の日です。今日は金環食をじっくりと観察したいので、本業は「私事都合」でお休みにしました。これだけ日本の広範囲で金環食が見られるのは、932年ぶりとのことなので罰は当たらないでしょう(笑)。
 
さて、
ここ千葉県北西部地方では、部分日食は6時19分8秒に始まり、太陽の右上側から欠け始めます。このときの太陽高度は20度。今朝の天気は薄雲がかかってはいるが晴れ。太陽も十分に見られる程度の薄雲なので問題無し。6時20分を過ぎて、太陽を見てみると、結構、欠けているのが判る(6時30分頃・写真下)。

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フィルターを通しての画像なので、空の色が変ですが、右上が欠けているのが判ります。この時点では天気もまずまずで、これはいけるな、と思っていたのですが・・・。

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7時を過ぎる頃に、一転、にわかにかき曇り・・・。結構厚めの雨雲の様な雲が広がって太陽を隠し始めます(7時12分頃・写真上)。7時20分を過ぎることには「快曇」。西の空に少し青空が残っているだけで、怪しい風も吹き始め、にわか雨でも来るのか、と沈鬱な雰囲気に・・・。

我が千葉県北西部地方では、金環食が始まる時間は7時32分15秒、終わる時間は7時37分16秒で、5分1秒間継続する。なんと、継続時間は5分以上に達し、今回の金環食では日本国内屈指の好条件とのこと。でも、晴れなければ意味が無い。7時25分を過ぎても雲は取れず、諦めムードに・・・。

しかし、金環食に入った時間に、突如、奇跡的に雲の切れ間がやってきて、ちょっと厚い雲を通して、金環食を見ることが出来た。ほんま奇跡的や〜。ちょっと厚い雲が日食ガラスの役割を果たしてくれて、金環食のリング状態は、雲を通して肉眼で見ることが出来た。かなり幻想的。素晴らしい。生まれて初めて金環食を体験した(7時34分頃・写真下)。

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いや〜諦めてはいけませんね。快曇状態なので、もう金環食状態は見ることが出来ない、と諦めて、テレビの観望に切り替えるか、と思っていたのですが・・・。確かに粘りは必要ですね〜。

しかし、金環食というが、確かに「金環」食やった。金色のリング状の太陽が空にポッカリと浮かんでいる。ある意味、皆既日食より神秘的な絵ではないだろうか・・・。

そして、金環食を終えた太陽は、どんどん元の大きさに戻っていきます。雲を通して、その三日月の形がくっきりと肉眼で見えます。これってかなり神秘的な絵ですね(7時52分頃・写真下)。

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太陽のかけ終わりまで30分を切ったところで、再び晴れてきた千葉県北西部地方(笑)。金環食の始まり10分前の頃は本当に焦った。奇跡的に訪れた「雲の切れ間」に感謝感謝である。

昨年の皆既月食に続いて、なんとか、金環日食も見ることが出来た。良かった。雲が出てきたことで、雲が日食ガラスの役割を果たして、肉眼で金環食を見ることが出来たのは、ある意味、ラッキーだった。雲を通して肉眼で見る金環食は、かなり「神秘的」だった。荘厳な雰囲気が漂う、素晴らしい天文ショーだった。

 
 

大震災から1年が過ぎた。決して忘れない。常に関与し続ける。
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2011年12月11日 (日曜日)

大変美しい皆既月食でした

昨晩は皆既月食でした。皆既月食とは、満月が地球の影に丸々スッポリ入る天文現象。始まりから終わりまで約3時間半の皆既月食を全国で観測できるのは、2000年7月16日以来、11年5カ月ぶりとのこと。

昨日は日中から快晴で、恐らく天気的には問題無いだろうと、いそいそと昼過ぎから準備を始めました。月食のスナップ写真を撮ろうと目論見、フィルム一眼時代の135mmの望遠レンズのデジタル一眼にアダプター経由でセット。デジタル一眼に135mmの望遠レンズをセットすると、フィルムの場合の200mm望遠レンズ相当のイメージになる。月食のスナップ撮影としては十分だろう。

天文は40年以上続いている趣味なので、皆既月食などは絶対に外せない。しかし、この10年ほどは、ゆっくりと定期的に夜空を見上げる余裕が無かったことに、最近、やっと気が付いた。転職とか、私的な面で、ややこしいことが色々あったので、心の余裕が無くなっていたんだろう。今回、入院している時に、本当に真面目につらつらと反省した。これだけ余裕が無くなれば、そりゃ〜病気にもなる。
 
Lunar_eclipse_20111210_224622
  
そういうことで、万感な想いを胸に、天文の趣味にしっかり返り咲くべく、時を待つ。皆既食の始まりは21時45分頃。満を持して、ルーフバルコニーへ。夕飯を食べた後、19時頃は晴天だったので安心していたのだが、さにあらず。夜空のど真ん中、天頂を中心に、南西から北東の方向に帯状の雲がたなびき、ちょ うど、月のある部分に南の空から川の流れのように雲が流れている。部分月食の状態の月は常に薄雲の中。酷い時は雲に隠され、月の姿が見えなくなる。おいお い勘弁してくれよ、とちょっとイライラ。

まあ、この雲の流れは、この地方特有の傾向ではあるので、じっと雲が無くなるのを待つしか無い。薄雲の通して、ボンヤリと浮かぶ月がどんどん欠けていくのが判る。そして、徐々に雲が切れ始めて、雲の切れ間、切れ間で部分食状態の月がハッキリ見て取れるようになる。ちょうど、8分ほど欠けた頃、なんとか写真にも綺麗に写るようになった(写真上・22時46分頃)。

そして、23時05分。いよいよ皆既月食の始まりである。そこは晴れ男の面目躍如。皆既月食が始まった途端に、雲が切れて晴れ渡り、ばっちりと皆既中の赤銅色の月がぽっかりと浮かび上がりました。ふふっ、昔からいざという時は晴れるのだ。天頂付近の夜空では、オリオン座と牡牛座に挟まれて、赤銅色の月がポッカリと浮かんでいる。幻想的な夜空。久し振りである。皆既月食の月はいつ見ても神秘的で美しい(写真下・23時07分頃)。
 
Lunar_eclipse_20111210_230736

しかし、皆既月食って、実に神秘的な光景だよなぁ〜。久し振りに感動した。いや〜晴れて良かった。しかも、病み上がりの身の上、このところの寒さが心配だったが、夜半前までは思っていたより寒くなかったので、良かった、良かった。しっかりと防寒服に身を固め、意外とぬくぬくと皆既月食を楽しむ事ができました。

振り返ってみて、この10年間ほど、心の余裕を完全に無くしていたことに気が付きました。これからは、余裕を持って、あまり細部にこだわることなく、天文の趣味と再び付き合っていこうと思いました。
 
今回の急な入院といい、今回の皆既月食といい、いろいろと思い直すチャンスがあって、入院は辛かったけど、もしかしたらラッキーだったのかも、とポジティヴに感じています。やっぱり、天文って良いです。

 
 

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2007年10月29日 (月曜日)

速報・ホームズ彗星が大増光

先週の木曜日、とある天文台のブログを見てビックリ。「17Pホームズ彗星が肉眼で見えている!」。え〜っ、ホームズ彗星って、現在の予報光度って、17等級位じゃなかったか。翌日の金曜日には「ホームズ彗星が肥大化」。全光度2等級。これって、都会でも肉眼で見えるやん。

東京天文台のサイトをチェックしてみると、「ホームズ彗星(17P/Holmes)が大アウトバースト。10月24日〜25日には約3等級の明るさとなり、肉眼でも見える」とある。続けて、「ホームズ彗星(17P/Holmes)は、公転周期が約7年の短周期彗星。(中略)現在の地球からの距離は約1.6天文単位。10月23日には、約17等。しかし、その直後の10月24.067日(世界時)に、8.4等と約9等も増光。その後も急速に増光し、10月24.55日(世界時、日本時22時12分)には、約3.5等。その後も日本各地で、さらに増光する彗星の様子が捉えられ、25日の(日本の)明け方には約2.9等と2等台に突入。」とある。

これは、えらいこっちゃ。先月から書庫を片付けつつ、天文の趣味再開の準備をしていて良かった。昨日、早速、10cm双眼鏡の架台をルーフバルコニーに設置、夜を待つ。日が沈み、午後7時過ぎ、晩ご飯もそこそこに、5cm×10双眼鏡を持ってルーフバルコニーへ。日中は台風一過の晴天だったが、日が沈んで雲が多い。目標のペルセウス座は雲の中。もともと、ここ千葉県北西部地方は、日中晴天の夜は、20時位まで雲が出て、その後、一気に晴れることが多い。気長に雲が切れるのを待つ。

そして、20時近くなり、雲がちぎれて晴れ間が多くなる。目的のペルセウス座の所々が見える。α星をさがす。そして、ぎょしゃ座の一等星カペラを探す。そして、ペルセウス座α星を双眼鏡の視野に入れて、真っ直ぐ、ぎょしゃ座のカペラの方向に視野を下げると・・・。おおっ、ぼんやりとした丸い形の星雲の様な天体がいきなり視野に入ってきた。結構、拡散し始めていて、明らかに彗星なのが判る。

さて、準備していた我が10cm×20双眼鏡。しっかりと架台に据え付け、同じようにペルセウスα星からカペラの方へ真っ直ぐ視野を下げる。おおお〜、入ってきた。ホームズ彗星、キャッチの瞬間である。ちょうど、左の写真の様に見えました。夜空をバックに、ペルセウス座の星々の中に、ポッカリと浮かんだ彗星。実に神秘的です。核はかなり明るく、しっかりしています。ちょっと黄色っぽいかな。まん丸でボンヤリとした雲状に拡散した姿はまさに彗星。1時間ほど、見とれていました。

そして、なんと、都会の空、満月に近い月がこうこうと照りつける中、やおら肉眼で確認すると、確認できるじゃないですか。ペルセウス座α星の下方、α星より、やや暗い2.5等級の恒星状に見えます。ホームズ彗星大増光の情報を知らなければ、ペルセウス座に超新星が出たか、と間違うくらい、はっきりと恒星状に確認できました。いや〜、こんな都会で彗星を確認出来たこと、感動的でした。
 

Holmes_stardust

 
さて、昨晩のホームズ彗星の大増光を確認した余韻さめやらぬ中、朝の通勤音楽は「やっぱり、星関係やろ〜」ということで、iPodのジョグダイヤルをグリグリしていたら、ロン・カーターの「Stardust」(写真右)が引っかかったんで、今朝はこれでいく。

Ron Carterの比較的新しいリーダー・アルバムで、2001年4月の録音。メンバーは、Ron Carter(b)、Benny Golson(ts)、Roland Hanna(p)、Joe Locke(vib)、Lenny White(ds)。いや〜、渋いメンバーですなあ。手練れ揃い、職人揃いで、全曲、楽しめます。Oscar Pettifordのオリジナル、しかも極め付きと評判の高い3曲「Tamalpais」、「Bohemia after Dark」、「Blues in the Closet」が注目。特に冒頭の「Tamalpais」は美しい旋律も持った隠れた名曲だと思います。

そして、目標の「Stardust」はラストの8曲目。このアルバムって、ロン・カーターのリーダー・アルバムだった。ということは、「Stardust」は、ロンのベースがソロを取るんだったか、と思っていたら、やっぱりそうでした。ロンのベースには、昔、良い印象が無かったんですよね。

マイクのアタッチメントを付けて、ベースの生音を電気的に増幅して「ボワン、ボワン」と締まりのない緩んだベース音を聴かせ、しかも、70年代のロンのベースはピッチがあってないものがほとんど。ロンって音感がないのか、チューニングしないのか、と思ったくらい、ひどく外れていた。しかも、締まりのない緩んだ、ピッチの外れた大音量のベースが、これでもか、と言わんばかりに、前にしゃしゃり出て、目立ちたがる、目立ちたがる。

で、この「Stardust」はどうか。ご心配なく。90年代後半から、ベースのピッチも合い出して、ベース音も無理して増幅することもなくなり、生音で録音するようになり、グループサウンズを重視して、ロンのベースが前へ前へ、しゃしゃり出なくなった。こうなれば、ロンのベースはもともと趣味が良いモダン・ベースなので、心地良さが感じられるようになる。

この「Stardust」のロンのベース・ソロ。最近のロンのベース・ソロの中でも、良い出来だと思います。ベース音の心地よさが、ズンズン伝わってきます。ベース音が好きな方にお勧めです。ベースがソロを奏でるような、異色の「Stardust」も時には良い。他の曲も良い演奏してます。お勧めの一枚です。

昨晩、ホームズ彗星を見て感動し、その余韻から、今朝、ロン・カーターの「Stardust」を聴いて感動する。なんだか、ちょっぴり良い時間を過ごしている感じがして、ちょっと得した気分です。
 
 
 
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