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2017年8月 7日 (月曜日)

台風に立ち向かう気合いを溜める

台風が近畿地方に上陸した。真夏の台風らしく、動きが遅く進路も定まらず迷走気味。それでいて、一人前の台風なので、湿った南風を大量に日本列島に供給して、全国のあちこちで集中豪雨である。明日、もしかしたら、この台風は現在の予報通りに、日本海側に抜けないかもしれない。関東地方は要注意である。

さて、ここ千葉県北西部地方は、しばしば台風直撃の被害を受ける。もうここ千葉県北西部地方に住んで既に35年になるが、幾度か台風直撃で怖い体験をしている。逆に、直撃でなければ、意外と台風慣れしてしまって、あんまり事前に不安になることもなくなった。ここ大阪から千葉県北西部地方に移り住んで、お陰様で台風と地震については随分慣れた(笑)。

台風が来るぞ、という時、不安がっても仕方が無いので、景気付けに「フリー・ジャズ」を聴いて、気持ちを鼓舞することにしている。フリー・ジャズで耳から脳髄をバッシバッシと刺激して、台風に立ち向かう気合いを溜めるのだ(笑)。そうやって、この35年、台風をやり過ごして来た。ということで、今回、選んだ盤がこれ。
  

Capricorn_rising

 
Don Pullen Featuring Sam Rivers『Capricorn Rising』(写真)。1975年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Don Pullen (p), Sam Rivers (ts, ss, fl), Alex Blake (b), Bobby Battle (ds, tambourine)。リーダーのピアノのドン・ピューレン、僕がジャズを本格的に聴き始めて3年位経った頃、ジョージ・アダムスとの双頭リーダーのバンドと出会っている。そのジョージ・アダムスがサム・リバースに代わった様な布陣。

当時はこの盤を聴いた時、これぞフリー・ジャズと思ったもんだが、今の耳で聴くと、フリー・ジャズというよりは、フリー・ジャズの雰囲気をメインに押しだした、限りなく自由度の高いメインストリーム・ジャズである。ピューレンのピアノをメインとして、アブストラクトではあるが、リズム&ビートが整然と流れていて、その上を自由度高く、リバースのサックスがフルートがモーダルなフレーズを吹き上げていく。

今の耳には、確実に限りなく自由度の高いメインストリーム・ジャズに響く好演で、即興演奏がメインのジャズとして、これぞジャズ、と感じ入るような、イマージネーションと自由度溢れるインプロビゼーションに耳をそばだてることしきり、である。さて、台風に立ち向かう気合いは溜まった。後は進路がどうなるか、である。

 
 

東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

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2013年3月29日 (金曜日)

このアダムス=ビューレンも良し

1980年代初頭。僕は、George Adams & Don Pullen Quartet(以降アダムス=ピューレン4と略す)に出会った。

このアダムス=ピューレン4は、ジョン・コルトレーンの音世界に根ざしながらも、そのコルトレーン・ミュージックを整理し発展させ、R&B的なリズムとメロディーラインを織り交ぜて、より拡がりと彩りのある、自由度の高い即興音楽を表現した。アメリカン・ルーツ・ジャズといった面持ちが聴いていて楽しかった。

僕は、このアダムス=ピューレン4が好きで、どのアルバムを聴いても「オッケーオッケー」となるんだが、そんなお気に入りだらけの盤の中でも、このアルバムは結構繰り返し聴いてきている。1981年4月録音の『Life Line』(写真)である。この盤、ジャケット・デザインが様々あってどれがオリジナルなのか良く判らない状態になっているが、僕は写真左のデザインに親しみがある。

さて、この『Life Line』は、アダムス=ピューレン4の個性の全てがバランス良く配置されていて、アダムス=ピューレン4の代表盤の一枚。フリーな演奏の部分が硬派でハードな分、アダムス=ピューレン4の入門盤というよりは、アダムス=ピューレン4のファンの方々への推薦盤という感じの盤ですかね。

この盤での、アダムスの「フリーキーなテナーの咆哮」と、ピューレンの「ぐりんぐりんなコブシ奏法」が硬派でハード。ジャズ者初心者の方々にはちょっとキツイかも。

しかし、フリー・ジャズを聴き馴れた耳には爽快感抜群に響きます。フリーキーな演奏には疾走感が溢れていて、爽快なスピード感を感じます。冒頭の「The Great Escaple, or Run John Henry Run」なんか素晴らしいですね。
 

Adams_pullen_life_line

 
そして、2曲目の「Seriously Speaking」では、遂にアダムスは歌います。曲調としては、米国の音楽のルーツを感じるヘタウマなR&B的なリズムとメロディーラインがユーモラスで、しかもノリが良い。ソウルフルでアーシーなこの曲の雰囲気は凄く魅力的です。

明るいダンス・ミュージックの様なリズムと、それに乗ってブリリアントに吹き上げるアダムスのテナーが素晴らしい「Soft Seas」。「Nature's Children」では再びアダムスがソウルフルなボーカルを聴かせつつ、その後、インプロビゼーションの展開になって、嵐のようなフリーキーなブロウが襲ってきて、うへっ〜と反っくり返る(笑)。

そして、ラストの「Newcomer; Seven Years Later」が良いです。大らかな展開。これぞ、アダムス=ピューレン4という演奏。アーシーでソウルフルなアダムスのフルートに耳を奪われます。ピューレンのピアノは輝く様な切れ味良いフレーズを叩き出し、キャメロンのベースとダニーのドラムが、アダムス=ピューレンの二人をガッチリと支える。

僕にとってのアダムス=ビューレン4の「お気に入りの3部作」の最初は、アダムス=ビューレン・カルテットの出会いであった、1980年8月の録音の『Earth Beams』。2作目が、1981年4月の録音の『Life Line』。そして、3作目が、1984年2月の録音の『Decisions』。

今日は、この中から1981年4月の録音の『Life Line』を採り上げた。懐かしのアダムス=ピューレン4。今の耳にも十分に通用するアダムス=ピューレン4の個性的な演奏の数々。もっともっと聴きたいですね。お気に入りです。

ちなみに、このアダムス=ピューレン4は、ブログの左の「カテゴリー」に反映していますので、この「アダムス=ピューレン4」をクリックしていただければ、これまでのアダムス=ピューレン4のブログ記事を読むことが出来ます。よろしかったらどうぞ。

  

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2013年2月28日 (木曜日)

アダムス=ビューレン再び・・・

さて、耳休めのハードバップから、ポスト・コルトレーンというか、コルトレーンのフォロワーの話題に戻そう。

George Adams & Don Pullen Quartet、「アダムス=ビューレン・カルテット」の話題に戻しましょうか。僕は、コルトレーンのフォロワーの音を聴くことが、とても楽しくなってきた1980年代初頭、アダムス=ビューレン・カルテットに出会った(2月20日のブログ参照・左をクリック)。

ジョン・コルトレーンの音世界に根ざしながらも、そのコルトレーン・ミュージックを整理し発展させ、より拡がりと彩りのある、自由度の高い即興音楽に度肝を抜かれ、それから、アダムス=ビューレン・カルテットに「ぞっこん」。今では、アダムス=ビューレン・カルテットの「お気に入りの3部作」が、時々取り出してきては聴く、長いスパンでの「ヘビロテ盤」になっている。

そのアダムス=ビューレン・カルテットの「お気に入りの3部作」の最初は、アダムス=ビューレン・カルテットの出会いであった、1980年8月の録音の『Earth Beams』。2作目が、1981年4月の録音の『Life Line』。そして、3作目が、1984年2月の録音の『Decisions』。この3作がお気に入りである。

今日は、この中から、1984年2月の録音の『Decisions』(写真左)を採り上げる。アダムス=ビューレン・カルテットの9作目に当たる。ちなみにパーソネルは、George Adams (ts,vo), Don Pullen (p), Cameron Brown (b), Dannie Richmond (ds) の鉄壁の4人。
 

Adams_pullen_decisions

 
9作目なので、カルテットとしても成熟した味わいを見せた演奏となっていて、どの曲を取ってみても、アダムス=ビューレン・カルテットの音である。これがまあ、感心するばかりである。カルテットとしてのまとまりが抜群。

自由度が高い、適度にアブストラクトな面をみせながらも、十分にアレンジされ、十分にリハーサルされ、しっかりと演奏全体のイメージをバンド全体で共有化した、素晴らしい即興演奏。できる限りの自由度を追求しながらも、必ず伝統のど真ん中に戻ってくる「構築美」。

アダムスのテナーは、かなりアブストラクトに振れる面が強く出て、限りなく自由に吹きまくっていて、遂には歌い出したりする。ボーカルも「楽器」の一部。アダムスは、テナーで歌い、肉声で歌う。ピューレンの十八番「こぶし奏法」は、ちょっと大人しめですが、適度に「グリグリ」しています(笑)。この「グリグリ」が趣味の良いアブストラクトさで僕は好きです。

そして、僕はこのアルバムの2曲目「"His Eye Is on the Sparrow」をこよなく愛しています。アダムスのテナーとピューレンのピアノのデュオ。朗々と歌い上げるテナー・バラード。リリカルにロマンティックに、そしてゴスペルチックに寄り添うピューレンのピアノ。息をのむほどの素晴らしいバラード演奏。至福の4分28秒。

良いアルバムです。ハードで時にフリーキーになる瞬間がありますが、これも適度な度合いで納めて、基本はメインストリームなジャズです。聴き易く、自由度の高い即興演奏。このアルバム、アルバム・ジャケットが何種類もあるんで困るんですが、僕は、写真左のものが馴染みです。

 
 

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2013年2月20日 (水曜日)

アダムス=ビューレンとの出会い

秘密の喫茶店のママさんのお陰で、ビリー・ハーパーで聴き馴れたコルトレーン・ミュージックの個性を、次に本家本元のジョン・コルトレーンのリーダー作で確認していく。このやり方で、随分、ジョン・コルトレーンの音楽の理解が進んだ。

そして、そのジョン・コルトレーンのフォロワーの音を聴くことが、とても楽しくなってきた1980年代初頭。僕は、George Adams & Don Pullen Quartetに出会った。このカルテットの音は衝撃的だった。このカルテットは、ジョン・コルトレーンの音世界に根ざしながらも、そのコルトレーン・ミュージックを整理し発展させ、より拡がりと彩りのある、自由度の高い即興音楽を表現した。

このカルテットの結成は1979年。ちなみにパーソネルは、George Adams (ts,fl), Don Pullen (p), Cameron Brown (b), Dannie Richmond (ds)。このカルテットは、バンドとしてのまとまりを強く感じさせるカルテットで、それ故に「アダムス=ビューレン・カルテット」とバンド名で呼ばれる。

ジョージ・アダムスのコルトレーンばりの自由度の高い、ちょっとフリーキーなテナー、エネルギッシュでテンション高い「拳(こぶし)奏法」のドン・プーレンのピアノ(この拳奏法は、YouTube等の動画で確認して下さいね)。力強く芯の入ったキャメロン・ブラウンのベース、そしてダニー・リッチモンドのフレキシブルでハードでロックテイストなドラムと、とにかく元気で格好良い、黒人音楽の伝統に乗っ取った音楽演奏が繰り広げられてます。
 

Earth_beam

 
この「アダムス=ビューレン・カルテット」との初めての出会いは『Earth Beams』というアルバム。1980年8月の録音。このアルバムに、確か1981年に出会った。冒頭の「Earth Beams」を聴いてぶっ飛んだ。はち切れんばかりの情熱と気迫。充実した音の重なり、地に足が着いたリズム・セクション。自由度の高い、適度にアブストラクトな演奏。凄く聴き易い、聴き込みに耐えるハードなメインストリーム・ジャズであった。

自由度が高い、適度にアブストラクトな演奏でありながら、冗長な面や緩慢な面は全く無い。恐らく、十分にアレンジされ、十分にリハーサルされ、しっかりと演奏全体のイメージをバンド全体で共有化した、そんな構築美を感じる、素晴らしい即興演奏。そう、とにかく聴き易い。コルトレーン後期のカルテットと同質の演奏でありながら、この「アダムス=ビューレン・カルテット」の演奏は、圧倒的に聴き易かった。

ハードで時にフリーキーになる曲調のものと、ゴスペルバラード風のもの、テキサス・ツイスト風なもの、元気で格好良い、黒人音楽の伝統に乗っ取った演奏がギッシリと詰まっている。ところどころハードではあるが、全体的に楽しいジャズがここにある。このところどころハードなところがジャズ者にとっては、ちょっと「グッと」くるんですよね〜。耳当たりが良いばっかりだとね〜。やっぱり適度な刺激が無いとね。

「男気」と「男の色気」。そんな言葉を想起させるアダムス=ビューレン・カルテットの『Earth Beams』。僕はこのアルバム『Earth Beams』一枚で、アダムス=ビューレン・カルテットに「ぞっこん」となったのである。

 
 

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