ソウルフルなグラント・グリーン
昨日から、ブルーノート御用達、独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーなグラント・グリーンのギターに着目、まだ、当ブログで記事化していないリーダー作を順に聴き直している。特にグリーンのキャリアの後半に未記事化のリーダー作が集中しているので、せっせと聴き直し、である。
Grant Green『Alive!』(写真左)。1970年8月15日、ニュージャージーの「クリシェ・ラウンジ」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), Claude Bartee (ts), Willie Bivens (vib), Neal Creque (org, tracks 2 & 5), Ronnie Foster (org, tracks 1, 4) Idris Muhammad (ds), Joseph Armstrong (congas)。
爽快なライヴ盤。グラント・グリーンの「独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーな」ギターの周りを固めるのは、サックスにクロード・バーティ、オルガンにロニー・フォスター&ニール・クリーク 、ドラムにアイドリース・ムハマッド、ヴァイヴにウィリー・ビヴェンズ、コンガにジョセフ・アームストロング。
ハードバップ期からファンキー・ジャズ期に活躍したジャズマンの名前はなく、どちらといえば、R&B畑のミュージシャンがジャズに参入しているイメージで、演奏全体の雰囲気は、R&B志向が漂うソウル・ジャズ。そう、この盤には、ソウル・ジャズをやるグラント・グリーンが存在しているのだ。
ファンキー・ジャズのグリーンに比べると、確かにポップになってはいるが、基本はジャズ。R&B志向は強いが、唄うようなアドリブ・フレーズは確実にジャジー。主旋律はR&Bの如く唄う様に、ちょっと上質のイージーリスニング・ジャズっぽく弾くが、アドリブ展開はメインストリーム志向のソウル・ジャズ。
グリーンのギターの「独特のシングルトーンで、パッキパキ硬派で、こってこてファンキーな」本質は変わらないのだが、バックを固める、R&B畑のジャジーな演奏が、良い「ソウル・ジャズ」なグルーヴを醸し出していて、このグルーヴに乗ったグリーンのギターが「ソウル・ジャズ」に染まっていくのが良く判る。
ソウルフルなグラント・グリーンがこのライブ盤に溢れている。CDリイシューでは、オリジナルLPには未収録だった3曲がボートラとして追加されているが、このボートラは邪魔にならない。
オリジナルLPに収録されても、全く違和感の無い、熱くソウルフルな演奏で、この盤はCDリイシュー盤で聴きたい。ラストのハンコック作の「Maiden Voyage(処女航海)」のソウル・ジャズなバージョンには思わず、喝采の声をあげたくなる。
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