夏はボサノバ・ジャズ・その36
チャーリー・バード(Charlie Byrd)は、ブラジリアン・ミュージックに傾倒した米国ギタリスト。 1925年9月16日、米国バージニア州サフォークにて生まれ、1999年12月2日に74歳で鬼籍に入っている。ゲッツと組んでリリースしたボサノバ・ジャズの名盤『Jazz Samba』はつとに有名。
Charlie Byrd『Brazilian Byrd』(写真左)。1964年12月, 1965年1,2月、NYにての録音。ちなみにパーソネルは、Charlie Byrd (g, arr), Tom Newsom (arr), Joe Grimm (sax), 演奏者不明だが、弦楽器+木管楽器+管楽器のオーケストラに、ピアノ、マリンバが加わる。プロデューサーはテオ・マセロが担当。
チャーリー・バードの、1964-65年の録音のアントニオ・カルロス・ジョビン特集。バードはラテン音楽やブラジル音楽、特にボサノバに精通していて、チャーリー・バードのリーダー作では、ボサノバ・ジャズでの好盤が多い。この『Brazilian Byrd』は、そんなチャーリー・バードの、優れたボサノバ・ジャズ盤の中の一枚。
ボサノバ・ジャズは「アレンジが命」と常々思っているが、この盤では、チャーリー・バード自身とトム・ニューサムによるアレンジが効いている。全体に格調高く流麗な、イージーリスニング志向のボサノバ・ジャズが印象的。良好な「ボサノバ・ジャズ」なアレンジに乗って、チャーリー・バードは、耽美的で切れ味の良いギターを弾きまくっている。
「Corcovado」「Jazz 'n' Samba (So Danco Samba)」「The Girl From Ipanema」「Dindi」等々、ジョビンお馴染みのナンバーを、ジャジーで素敵なアレンジとジャジーで印象的なリズム&ビートに乗って、チャーリー・バードが唄う様にギターを弾き進める。特に、オーケストレーションをバックにした、ロマンティックなギターは聴きもの。
ボサノバ・ジャズにはギターの音色がよく似合う。ボサノバ曲の旋律を奏でる時も、ボサノバ風のジャジーなリズム&ビートを刻む時も、チャーリー・バードのギターは、ボサノバの特質と個性をよく理解して、印象的に流麗に弾き進める。イージーリスニング志向のボサノバ・ジャズの名盤の一枚。
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