夏はボサノバ・ジャズ・その38
しかし、お盆も過ぎて、もうあと1週間で8月もおわるというのに「暑い」。暑い、というより酷暑である。「命が危険な暑さ」が午前中からで、もう朝9時には「命を守る引き篭もり」をせざるを得ない。日差しは強烈で、外に出て日に当たろうものなら、数十秒で露出している皮膚が「ジリジリ」してくる。
「命を守る引き篭もり」が7月の終わりから続いているのだが、引き篭もりの間は、ジャズを聴くか、ブログを整理するか、読書をするか、のいずれか。もちろん、家事はしっかりやっている。
ジャズはエアコンが効いた静かな部屋の中なので、色々な種類のジャズが聴ける。それでも、ハードな内容のジャズを聴いて耳がちょっと疲れた時は、感覚のリフレッシュを兼ねて、夏は「ボサノバ・ジャズ」をかける。
Sérgio Mendes and Brasil '66『Equinox』(写真)。1966年11月8日、1967年2月19日の録音。ちなみにパーソネルは、Sérgio Mendes (p, org, vo), John Pisano (g), Bob Matthews (b, sitar, vo, Tracks 2–10), William Plummer (b, sitar, vo, Track 1), José Soares (perc, vo), João Palma (ds), Lani Hall, Janis Hansen (vo)。
セルジオ・メンデスとブラジル'66の2枚目のアルバムで、1967年4月にリリースされている。ボーカリストにはラニ・ホールとジャニス・ハンセンが参加している。リーダーのセルジオ・メンデスはピアノと、意外とプログレッシブなオルガンを弾いている。
内容的には「ボサノバ&サンバ・ジャズ」で、ボサノバ&サンバのリズム&ビートが優しく心地良い。1966年から1967年の録音なので、ソフトロックっぽい要素も入っていて、出てくる音は意外と新しい感覚に溢れている。全10曲中ブラジル人アーティストの作品が7曲、スタンダード・ナンバーが3曲と「ボサノバ&サンバ」色が濃い。
とにかく、従来からの手垢の付いた「ボサノバ&サンバ・ジャズ」の音ではない。それがこの盤の最大の個性。ブラジル側からの「ボサノバ&サンバ・ジャズ」なので、音志向の基本は「ボサノバ&サンバ」。やはり、優れた「ボサノバ&サンバ・ジャズ」は、アレンジが命であることを再認識する。
そして、女性ボーカルが印象的。「ボサノバ&サンバ・ジャズ」には、女性ボーカルがよく似合う。全編に渡って、女性ボーカルが効果的に入っていて、ちょっとコケティッシュに、ちょっとアンニュイに、気怠く唄う女性ボーカル。「ボサノバ&サンバ」の雰囲気を増強する。
当時のポピュラー作品のカヴァーでお茶を濁して、セールスを追求するのでは無く、ジョビンやジルベルトを始めとした、ブラジル人アーティストの作品で固めた、ブラジル側からの「ボサノバ&サンバ・ジャズ」の好盤です。
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