凄まじいディメオラの初ライヴ盤
久しぶりに「アル・ディ・メオラ(以降、ディメオラ)」である。最たる超絶技巧ジャズ・ギタリスト。1974年にチック・コリア率いる「リターン・トゥ・フォーエヴァー」に参加、そして、リターン・トゥ・フォーエヴァーが 1976年に事実上の解散。ディメオラはソロ活動に入り、1976年に初リーダー作をリリース。以降、クロスオーバー&フュージョン・シーンのど真ん中で活躍を続けている。
Al Di Meola『Tour De Force』(写真左)。1982年2月4日、フィラデルフィアの「Tower Theatre」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Al Di Meola (g), Jan Hammer (key), Victor Godsey (key), Philippe Saisse (additional key), Anthony Jackson (el-b), Steve Gadd (ds, perc), Mingo Lewis (perc), Sammy Figueroa (additional perc)。ディメオラ、初のライヴ・アルバムになる。
収録曲が魅力。「Elegant Gypsy Suite」「Egyptian Danza」「Race with Devil on Spanish Highway」といった、1970年台のディメオラのリーダー作の中からの人気曲、そして「Nena」は新曲、加えて、キーボードでバンドに参加しているヤン・ハマー作の2曲「Advantage」と「Cruisin」。どれもが良曲揃いで、ディメオラのラテン志向の超絶技巧ギターが映えに映える。
というか、ディメオラはもちろん、バンドに参加したメンバー全員が超絶技巧のテクニックを駆使して、かっ飛んだ、疾走感&爽快感抜群の、適度に尖ったクロスオーバー&フュージョン・ジャズを聴かせてくれる。凄く密度のある、凄まじいテクニック、凄まじいインプロの嵐。お互いがお互いに挑みかかるインタープレイの応酬。これがジャズかいな、と思うが、これもジャズ。これだけ尖ったハイテクニックのインプロは、ロックにも見当たらない。
バックのリズム隊も凄い。フロントがディメオラなので、相当な力量を備えたリズム隊でないと、太刀打ちできず、吹っ飛ばされてしまう懸念があるのだが、このメンバーは大丈夫。ガッドの縦ノリ・ドラム、ジャクソンのブンブン・エレベ、ハマーの攻撃的な切れ味の良いエレピ&シンセ。バックのリズム隊が束になって、最たる超絶技巧ジャズ・ギタリスト、ディメオラを支え、時に対峙する。この緊張感がたまらない。
LP時代のライヴ盤なので、収録曲がちょっと少ないのと、全体の収録時間が短いのが不満と言えば不満かな。この日のライヴ音源のコンプリート盤を出して欲しいですね。それほど、収録されたライヴの内容は凄まじく素晴らしい。屈指のクロスオーバー&フュージョン志向のジャズ・ギターが主役のライヴ盤です。クロスオーバー&フュージョン者の方々には是非、お勧めの好ライヴ盤です。
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