音の確立前夜 『Pass the Plate』
1970年代、フュージョン・ジャズの中で一世を風靡したジャズ・ファンクなバンドが「クルセイダーズ(The Crusaders)」。ポップでファンキーなフュージョン・ジャズが素敵なバンドで、僕の大好きなフュージョン・バンドの一つである。
The Crusaders『Pass the Plate』(写真左)。1971年の作品。ちなみにパーソネルは、Stix Hooper (ds), Arthur Adams (g), Joe Sample (key), Wilton Felder (sax), Wayne Henderson (tb)。ジャズ・クルセイダーズからクルセイダーズ名義に変わった最初の盤。
内容的には、クルセイダーズの音の確立一歩手前という感じ。15分にも及ぶ組曲をやったり、4ビートの曲もあったりで、ところどころ、試行錯誤の部分が見え隠れしている。何となく、初期「シカゴ」のブラス・ロックを意識してるのかな、なんて思ったり。ソウル・ジャズからフュージョン・ファンクへの過渡期で、バンドの音志向を模索している感じ。
それでも、ブラスのユニゾン&ハーモニーは、こってこてファンキーでソウルフル。音の重ね方などは、既に「クルセイダーズ」節になっていてヒップでクール。LP時代のA面は組曲風の試行錯誤だが、B面は「クルセイダーズの音の確立一歩手前」の素敵なフュージョン・ファンクが展開している。
「Listen And You'll See」は疾走感溢れるフュージョン・ファンク。4ビートと16ビートの使い分けなど、フーパーのドラミング・センスが際立つ。「Greasy Spoon」では、サンプルのエレピのグルーヴが心地良い。サンプルのエレピのグルーヴは、既にクルセイダーズのグルーヴになっている。
演奏スタイルと個人技に走る純ジャズではない、グループ・サウンズの基本とした、ソウルやR&Bの音要素を取り込んだ、「クルセイダーズ」流フュージョン・ファンクのグルーヴがこの盤に溢れている。「クルセイダーズの音の確立一歩手前」の素敵なフュージョン・ファンク。あとは、クルセイダーズならではの「音世界の確立と統一」。それは次作で実現する。
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