大作名盤 『The 2nd Crusade』
クールでアーバン、ソフトでメロウなフュージョン・ファンク集団「クルセイダーズ」。1971年作品の『Pass the Plate』で、それまでのグループ名だった「ジャズ・クルセイダーズ」からジャズを取って、「クルセイダーズ」というシンプルなグループ名に。それまでのジャズ濃厚ファンクから、ジャズから少し距離を置きつつ、クロスオーバー&フュージョン志向な音作りに変化していった。
The Crusaders 『The 2nd Crusade』(写真左)。1973年の作品。ちなみにパーソネルは、Wilton Felder (ts, b), Joe Sample (key), Wayne Henderson (tb), Stix Hooper (ds)。ゲストが、Larry Carlton (g), Arthur Adams (g), David T. Walker (g) のギタリスト3名。
クルセイダーズと改名して以降、『Pass the Plate』(1971年)), 『Hollywood』(1972年), 『Crusaders 1』( 1972年)とリリースしてきて、この『The 2nd Crusade』は、クルセイダーズ名義で4枚目の作品。『Hollywood』で確立し『Crusaders 1』で成熟させた、そんな米国南部のゴスペルチックで、こってこてファンキーで泥臭いグルーヴを纏った「クルセイダーズ・サウンド」を大々的に展開している。
なんとこのアルバムはLP時代では2枚組の大作。クルセイダーズと改名して以降、ライヴ活動も積極的に行い、メンバー全員、サイドマンとしても活躍、やっと知名度も人気も上がりつつあった頃のアルバムである。とりわけこの盤では、ソフト&メロウな側面を削って、クールでアーバン、シリアスでハードな、クロスオーバー&フュージョン・ファンクを展開している。
フリーやモードの影響が顔を出したり、ゲスト参加のギターも意外とヘビーで、サイケデリックな雰囲気もユニークで、後のクールでアーバン、ソフトでメロウなフュージョン・ファンクがメインのクルセイダーズと同一とは思えない、とにかく演奏内容は意外と「硬派」。ソリッドでソウルフルなリズム&ビートを基本に、こってこてファンキーで泥臭いグルーヴが実に芳しい。
まだまだソフト&メロウには傾倒しない、真摯で硬派なクルセイダーズがこの盤に溢れている。メンバー各々、担当楽器でクルセイダーズ独特のグルーヴを叩き出していて、バンド全体のうねるようなグルーヴがとにかく心地良い。クルセイダーズ初期の名盤の一枚でしょう。
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