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2024年2月29日 (木曜日)

縦ノリのグルーヴ 『Gaddabout』

久々にフュージョン・ジャズ盤をチョイス、である。

年配のジャズ者ベテランの方々からは、概ね「ジャズの徒花」扱いされるフュージョン・ジャズであるが、クロスオーバー・ジャズも含めて、内容のある、聴き応えのある傑作、好盤は多々ある。ジャズの裾野は広く、ジャズは柔軟。フュージョン・ジャズの中にも「良い音楽」は沢山ある。

Steve Gadd『Gaddabout』(写真左)。1984年7月、NY「A&R Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds, vo), Lew Soloff (tp), George Young (sax), Ronnie Cuber (bs), Jeff Mironov (g), Richard Tee (key, syn), Neil Jason (b), David Matthews (arr)。

日本のフュージョン・ジャズ・レーベルの「Electric Bird」から、1984年のリリース。「Electric Bird」は日本のジャズ・レーベルながら、フュージョン系の好盤を多数リリースしている。今回の『Gaddabout』は、そんな中の一枚。

パーソネルを見渡すと、バリサクにロニー・キューバー、キーボードにリチャード・ティー、そして、ドラムにリーダーのスティーヴ・ガッド。後に、ガッドが1986年に結成する「The Gadd Gang」のメンバー5人中、3人がこのセッションに参加している。そして、この盤に詰まっている「音」がファンキー&ソウルフル、縦ノリのグルーヴが、まさに「The Gadd Gang」のプロトタイプ。
 

Steve-gaddgaddabout

 
トランペットにルー・ソロフ、サックスにジョージ・ヤングは、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)のフロント2管。アレンジに、MJQのリーダー&ピアノ担当のデヴィッド・マシューズなので、その縁での召集だったのだろうか。この2管がキューバーのバリサクと組んで、見事なフロント3管を形成している。

このフロント3管のアンサンブル、ユニゾン&ハーモニー、そして、ソロ・パフォーマンスが見事で訴求力抜群。この盤での一番の聴きもの。ガッドの縦乗りグルーヴに鼓舞されて、ファンキー&ソウルフルなフレーズを、ダイナミックに骨太に吹き上げている。これがとても良い。

ジェフ・ミロノフのギターがユニーク。職人ワザが光るカッティング。ソウルフルな泣きのフレーズ。渋いバッキングで、バンド全体にファンキーな風味を色濃くする。ニール・ジェイソンのジャズ・ファンクなエレベもファンクネス濃厚。重心の低いベース・ラインが演奏全体の「底」をガッチリ支えている。

「gadabout=ブラブラ歩き」に引っかけたタイトルも「粋」。気ままに鼻歌交じりに楽しくドラムを叩きまくるガッドが素敵。ガッド独特の縦乗りのグルーヴが、ファンキー&ソウルフルな曲想にバッチリ。

フュージョン・ジャズの好盤の一枚です。こんなに内容のある、素敵なフュージョン・ジャズ盤が、日本のレーベル「Electric Bird」からリリースされたことを嬉しく思います。「Electric Bird」はなかなか隅におけないフュージョン・ジャズのレーベルですね。
 
 

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