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2024年2月21日 (水曜日)

菊池雅章+ギル・エヴァンス

ジャズ・オーケストラの演奏の中で一番のお気に入りは「ギル・エヴァンス」。音の魔術師「ギル・エヴァンス」の主宰するビッグ・バンドの演奏はどれもお気に入り。ギル・エヴァンスのアレンジが大好きで、ギル・エヴァンスのアレンジのジャズオケがバックの演奏であれば「なんでも通し」である。

特に、1970年代に入って以降、電気楽器を導入、8ビートをメインにアレンジされたジャズオケの演奏が堪らない。ギルのアレンジの最大の魅力は、1950年代から、従来のジャズオケでは珍しい、木管楽器を縦横無尽に駆使した幽玄なサウンドにある。そんなギルの唯一無二の有限な響きの中で、エレピ、エレギが乱舞する。これは堪らない。

そして、もう一つ、ギル・エヴァンスのアレンジの特徴が、ソロイストのアドリブ展開に相当なスペースを与える、というもの。ギルのアレンジをバックに、一流ジャズマンのアドリブ・パフォーマンスがふんだんに展開される。圧巻である。

そんなギル・エヴァンスが、我が国に残してくれた音源がある。NYで、ギル・エヴァンスが菊地雅章と意気投合、菊地雅章が日本に招き、全国4都市でコンサートをやった後、スタジオ・レコーディングされたアルバム。

我が国にて、ギル・エヴァンスのアレンジに見合う本格的なジャズオケを組む中で、メンバーには、日本のトップ・ジャズメンのほか、NHK交響楽団から木管楽器奏者とフレンチ・ホルン奏者が加わっている。

菊地雅章 with Gil Evans Orichestra『Masabumi Kikuchi + Gil Evans』(写真)。1972年7月5日の録音。ちなみにパーソネルは以下の通り。ビッグバンド編成なので、かなりの大人数になる。

Gil Evans (arr, cond, p), 菊地雅章 (el-p),Billy Harper (ts, fl, chime), Marvin Peterson (tp, flh), 峰厚介 (as, ss),鈴木重男 (as, fl), 多戸幾久三 (tuba),山本直 (fr-h),松原千代繁 (fr-h),篠原国利 (tp, flh),鈴木武久 (tp, flh),宗清洋 (tb),中沢忠孝 (b-tb),衛藤幸雄 (piccolo, a-fl, b-fl), 中川昌三 (piccolo, a-fl, b-fl),旭孝 (piccolo, a-fl, b-fl),高柳昌行 (g),中牟礼貞行 (g),江藤勲 (el-b),鈴木良雄 (b),山口浩一 (timpani),高橋みち子 (marimba, vib),宮田英夫 (perc),中村よしゆき (ds),富樫雅彦 (ds)。
 

Masabumi-kikuchi-gil-evans  

 
ギル・エヴァンスが米国から連れてきたのが、テナー・サックスのビリー・ハーパーと、トランペットのハンニバル・マーヴィン・ピーターソンの二人。それ以外は全員日本人ミュージシャンで固められたジャズオケ。これが、ギル・エヴァンスのアレンジのもと、素晴らしいパフォーマンスを展開しているのだから堪らない。

演奏のベースは、電気楽器と8ビートを導入したクロスオーヴァー・ジャズ&ジャズ・ロック。それをギル・エヴァンスのアレンジのもと、ジャズオケでやるのだから、参加した各ミュージシャンも相当な演奏テクニックを求められる。

しかし、この日本人主体の日米合同のジャズオケは、素晴らしい演奏をやってのけている。何度聴いても実に爽快。聴き終えた後、清々しい気持ちになる、素晴らしい演奏である。

ジャズオケ全体のアンサンブルやハーモニーもずば抜けて良い。ギル・エヴァンスのアレンジ独特のグルーヴ感、音の響きも的確に表現されていて、このジャズオケの充実度が相当に高かったことが窺い知れる。

ソロイストそれぞれのパフォーマンスも聴きどころ満載。とりわけ、米国から参加の二人、テナーのビリー・ハーパーと、トランペットのハンニバル・マーヴィン・ピーターソンが大活躍。

ハーパーもピーターソンも独特なビル・エヴァンスのアレンジをバックに、自由度の高いモーダルなフレーズを流麗に吹きまくり、時折、フリーキーに、時折、アブストラクトに展開する。堂々の吹きっぷりは見事。

1970年代以降のギル・エヴァンスのジャズオケの原点となる、このアルバムに詰まっているパフォーマンスは、今の耳で聴いても新しく響く、素晴らしい演奏の数々。「音の魔術師」ギル・エヴァンスの面目躍如である。
 
 

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