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2023年12月 4日 (月曜日)

エディ・ハリスの初リーダー作

Eddie Harris(エディ・ハリス)。このテナー・サックス奏者については、当ブログで取り上げることがほとんど無かったのではないか。1934年10月、シカゴ生まれ。1996年11月に62歳の若さで鬼籍に入っている。エモーショナルでソウルフル&ファンキーなテナー&ヴォーカルが身上。電気的に増幅されたサックスを紹介したことでも知られる。

Eddie Harris 『Exodus To Jazz』(写真左)。1961年の録音&作品。ちなみにパーソネルは、Eddie Harris (ts), Joseph Diorio (g), Willie Pickens (p), William Yancey (b), Harold Jones (ds)。リーダーのエディ・ハリスのテナーとジョセフ・ディオリオのギターがフロントのクインテット編成。エモーショナルでソウルフル&ファンキーなテナー奏者、エディ・ハリスの初リーダー作。

収録曲を見渡せば、全8曲中、ハリスの自作曲が4曲、ピアノを担当するピケンズの作曲が2曲、スタンダード曲が2曲と、初リーダー作としてバランスの取れた選曲に好感が持てる。ジャズマンの初リーダー作は、そのリーダーのジャズマンの持つ個性&特徴が把握、理解しやすいのだが、自作曲でそのジャズマンの長所が理解でき、スタンダード曲など他人の作曲の曲で、そのジャズマンの個性&特徴が把握できる。そういう面で、このハリスのリーダー作は選曲のバランスがとても良い。
 

Eddie-harris-exodus-to-jazz

 
初リーダー作なので、後の「圧倒的熱量とエモーショナルなファンクネスを撒き散らしたソウルフルなテナー」はまだ存在しないが、ファンキー&ソウルフルなテナーについては、その片鱗がそこかしこに散りばめられている。エディ・ハリスのテナーについては、この初リーダー作にして、他のテナー・マンには無い個性&特徴が備わっていることが良く判る。

冒頭の映画音楽「Exodus」での、情感溢れ、ファンクネスを湛えたテナーの音色。決してハードバップなテナーの延長線上に無い、ファンキー&ソウル・ジャズに端を発したエモーショナル&ソウルフルで典雅なテナーの吹き回し。そして、2曲目の自作バラード曲の「Alicia」での、寂寞感、切ない情感のこもったスピリチュアルなブロウ。ダイナミックかつ繊細、ファンクネス&ソウルフル溢れる情感たっぷりのテナー。エディ・ハリスのテナーの個性&特徴が良く理解出来る。

後のダンサフルでエモーショナル、ソウルフル&ファンキーなテナー&ヴォーカルのハリスと比べると、地味で大人し目の初リーダー作でのテナーだが、ジャズ・テナーとしての個性と特徴について、エディ・ハリスは素性確かなものだ、ということが良く判る。決して「際もの」なテナーでは無い。メインストリームで正統派なファンキー&ソウル・ジャズのテナーである。
 
 

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