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2023年12月 9日 (土曜日)

『We Will Meet Again』です。

ビル・エヴァンスの「Warner Bros.〜Elektra」時代のリーダー作、ビル・エヴァンスの生涯最後の一連のリーダー作を聴き直している。が、今回が最終回。

ビル・エヴァンスのワーナー時代、最晩年のリーダー作は、没後のリリースを含めて6枚しかない。1977年8月、ワーナーに移籍して録音を始めたら、なんと1980年9月15日には鬼籍に入ってしまったのだから、ワーナー時代は実質3年ほどしかない。リーダー作が少ないのは仕方が無い。

ワーナーに移籍して最初に録音したのが『You Must Believe in Spring』だったのだが、何故かお蔵入りになって(1981年、エヴァンスの没後にリリース)、多重録音の『New Conversations』が最初のリリース。続いて、ハーモニカのシールマンスと唐突なコラボ『Affinity』と、エヴァンスの代名詞だったトリオ演奏が無い。

当時、エヴァンスが、エレピは弾くわ、かつシールマンスのハーモニカと唐突なコラボはするわ、でプロ、アマ評論家の皆さんはこぞって、概ね不評の大合唱(笑)。とにかく、エヴァンスについては、ストイックで耽美的なピアノ・トリオしか認めない、と言わんばかりだった。で、そんなところで、ワーナーに移籍後、第三弾がトランペットとテナーのフロント2管のクインテット演奏だったのだから、またまた概ね不評の大合唱(笑)。

Bill Evans『We Will Meet Again』(写真左)。1979年8月6–9日の録音。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (ac-p, el-p),
Tom Harrell (tp), Larry Schneider (ts, ss, alto-fl), Marc Johnson (b), Joe LaBarbera (ds)。トム・ハレルのトランペット、ラリー・シュナイダーのテナーのフロント2管のクインテット編成。

このクインテット編成は、エヴァンスの正式なリーダー作を振り返ると、フレディ・ハバードのトランペットとジム・ホールのギターがフロント2管のクインテット編成の名盤『Interplay』以来、僅か2枚目の、エヴァンスにとって珍しい編成での録音になる。ワーナーに移籍後、第三弾がこれまた「期待のトリオ演奏」で無かったので、我が国のプロ、アマ評論家の皆さんはこぞって、概ね不評の大合唱(笑)。
 

Bill-evanswe-will-meet-again

 
しかも、要のリズム隊が、マーク・ジョンソンのベース、ジョー・ラバーベラのドラムの若手に代わっている。かつ、エヴァンスのピアノが、ハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開、外向的なパフォーマンスに変化している。リリース当時は、プロ、アマ評論家の皆さんは訳が判らなかっただろうなあ、と思う。

さて、このエヴァンスのクインテット盤、名盤『Interplay』と同様、エヴァンスのアレンジの妙が素晴らしい。エヴァンスのハード・ボイルドなバップな弾き回し、ダイナミズム溢れる展開、外向的なパフォーマンスによる「バッキング」が素晴らしい。開放的でダイナミックなコンピングなど、聴きどころ満載。

今から思えば、若手有望株のハレルのトランペットとシュナイダーのテナーをフロント管に採用している人選にも感心する。このフロント2管、エヴァンスとの共演で緊張していたのだろう、ちょっと硬い面、ぎこちない面も垣間見えるが、どちらも大健闘。しっかりと、エヴァンス独特の音の重ね方、音の響きに追従して、なんとかフロント2管の責務を果たしている。

今の耳で聴けば、当時、一部で言われたほどでは無い、なかなかの内容のクインテット演奏だと思う。このクインテット、続けて鍛錬を重ねていけば、なかなかのクインテットに育っていったのでは、と感じる、伸びしろのあるパフォーマンス。この盤が、エヴァンスの「遺作」になってしまったのが惜しまれる。

ピアノ教師でありビルの良き理解者であった兄のハリー・エヴァンスが拳銃自殺してしまう。そのハリー・エヴァンスに捧げる形で制作された『We Will Meet Again』。この盤の録音の一年後、ビル・エヴァンスは帰らぬ人となる。

タイトルの「We Will Meet Again」はどこか意味深で、どこか暗示的ではある。が、この盤にそんな「暗さ」は無い。おそらく、ビル・エヴァンス自身、録音の一年後に他界するなんて、微塵も思っていなかったのではないか。そんなことを感じさせる、外向的で開放的な、次なるパフォーマンスを見据えている様なエヴァンスである。
 
 

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