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2023年12月14日 (木曜日)

Al Di Meola『Flesh On Flesh』

12月、師走である。今のところ、今年は総じて暖かい冬。それでも、時々、冷える日が出てきた。天気が優れず、冷えた日は体にさわらぬよう、なるべく外出しない様にしている。部屋の中でストレッチなどしながら、ジャズを聴いている。

12月に暖かい室内で聴くジャズ。僕は結構フュージョン・ジャズを聴く。師走の慌ただしい雰囲気の中、流麗で聴き心地の良い、それでいて、しっかりジャズしているフュージョン盤を聴くことが多い。

Al Di Meola『Flesh On Flesh』(写真左)。2002年3-4月の録音。ちなみにパーソネルは、Al Di Meola (g), Gonzalo Rubalcaba (key), Anthony Jackson (b), Gumbi Ortiz (per), Mario Parmisano (p, synth, marimba), Alejandro Santos (fl, b-fl), Jean Valdes, Guillermo Ruiz (as), Williams Polledo(tp), Ernie Adams(ds), Monserat(vo)。

しばらくの間、ラテン・フュージョンまっしぐらのディメオラ。もう超絶技巧なクロスーオーヴァー志向のギター・フュージョンには戻らないだろうな、と思っていたら、なんと、この盤で戻ってきた。しかも、録音時、ディメオラは48歳。年齢的にも脂が乗り切った、ジャズマンとしてバリバリの中堅。実に味のある、余裕のあるクロスーオーヴァー志向のギター・フュージョンを引っ提げて戻ってきた。
 

Al-di-meolaflesh-on-flesh

 
ゴンサロ・ルバルカバがキーボードを担当、ベースにアンソニー・ジャクソンを起用。この辺りにディメオラの本気を感じる。超絶技巧なクロスーオーヴァー志向のギター・フュージョンなので、当然、出てくる音は、超絶技巧が映える凝った曲とアレンジ、そして、ディメオラ独特のエキゾチック&エスニックなフレーズと響き。若きディメオラが戻ってきた様な演奏の数々。

冒頭の「Zona Desperata」を聴けば、それが良くわかる。ドラマチックで哀愁感濃厚で密度の高いクロスオーヴァー・ジャズ。続く2曲目「Innamorata」は、さらに哀愁感が増して、ディメオラらしい大掛かりな展開。いや〜、若き日のディメオラが成熟して帰ってきた様な音世界。

そして、ラストは「Senor Mouse」。チック・コリア率いる、第二期リターン・フォーエヴァー(RTF)の名曲である。ディメオラ、RTFは過去のもの、今は全く関わりがない、なんて言っていたのに、ここで「Senor Mouse」である。これが名演。ディメオラとしては、スタジオ録音では初出なのだが、余裕綽々の超絶技巧な弾き回しで、ディメオラのエレギが良い音を出している。

エレクトリックとアコースティックと両刀使いで、ディメオラのギターが映えに映える。久しぶりのディメオラの超絶技巧なクロスーオーヴァー志向のギター・フュージョン。

でもまあ、この妖艶なジャケットですから、そんな硬派でバリバリのギター・フュージョンが展開されているなんで、思いもしませんぜ(笑)。この妖艶なジャケットに惑わされずに、この盤を存分にお楽しみ下さい。
 
 

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