ウエスの弾きっぷりが見事。
リヴァーサイド・レーベル時代のウエス・モンゴメリーのリーダー作に「はずれ」は無い。どのリーダー作でも、ウエスのギターは絶好調。加えて、総帥プロデューサーのオリン・キープニュースのサイドマンの人選がとても良く、ウエスはそんなパーソネルに恵まれて、心おきなく、ギターを弾きまくっている。
Wes Montgomery『So Much Guitar!』(写真左)。1961年8月4日の録音。ちなみにパーソネルは、Wes Montgomery (g), Hank Jones (p), Ron Carter (b), Ray Barretto (conga), Lex Humphries (ds)。ウエス・モンゴメリーの6枚目のリーダー作。米国ではウエスの最高の録音の1つとされる。パーソネルのメンバーの人選も申し分ない。
しかし、まあ(笑)、思いっきり弾きまくるウエスである。鬼気迫る雰囲気ではない、軽やかに爽やかに疾走するように、超絶技巧なギターを弾きまくるウエス。
これが良い。収録された曲の選曲がふるっている。全8曲中、ウエスの自作曲が2曲のみ。他の6曲は渋めのスタンダード曲。意外とひと捻りもふた捻りもある、癖のあるスタンダード曲で、これは弾き甲斐があるだろう。
一本弾きからお得意のオクターブ奏法、そしてコード弾きまで、ウエスの持つテクニックを余すことなく駆使して、ウエスしか弾けないギターで、渋めのスタンダード曲を味わい深く聴かせてくれる。
あまりに軽くかっ飛んだ弾き回しなので、ジャズ・ギター初心者は、何が何だか判らなくなるかも(笑)。それでも、この弾き回しは凄いのはよく判るかと思います。
バックのリズム隊+コンガの叩き出すリズム&ビートは小粋で典雅。ハンク・ジョーンズのファンクネス漂う典雅なバップ・ピアノが効いている。伴奏上手、奥ゆかしく典雅にバッキングするハンクのピアノは、フロントのウエスにピッタリ。
ギターとピアノ、一本弾きからお得意のオクターブ奏法、そしてコード弾きまで全部できる楽器同士なので、音がぶつかったりするのだが、ハンクのテクニックが優れているのか、決して、音がぶつからないのには感心する。
この盤、米国ではウエスの最高の録音の1つとされるが、我が国では「コンガ入り」が良く無いのか、あまりこの盤を「名盤」として紹介される機会は僅少。
が、この「コンガ」の存在が、この盤のシリアスでハードな面を緩和し、若干、ポップな雰囲気を添加していて、効果抜群と僕は聴いている。
ウエス初期の名盤の一つとして、しっかりと聴いてもらいたいリーダー作。成熟し完成し切ったウエスのギターの弾きっぷりが見事です。
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