デニー・ザイトリンの2nd.盤。
我が国では、余り人気が無いのだが、好きな人はトコトン好きな、いわゆる「マニア好み」「玄人好み」のピアニストが幾人かいる。そんなピアニストの1人が「デニー・ザイトリン(Denny Zeitlin)」。
僕はこの「デニー・ザイトリン」のピアノがお気に入りで、時々、思い出しては聴いている。聴くと「やっぱりええなあ、ザイトリンのピアノ」となる訳で、今でも、ザイトリンのリーダー作が出る度に、ダウンロードしては聴いている。
Denny Zeitlin『Carnival』(写真左)。1964年10月の録音。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin (p), Charlie Haden (b), Jerry Granelli (ds)。ビル・エヴァンスやセロニアス・モンクからも絶賛されたという、隠れた名ピアニスト、デニー・ザイトリンのセカンド盤である。
ザイトリンのピアノは、ビル・エヴァンスのピアノから、翳りを除いて硬質で明快なタッチに置き換えた様な、明るい弾き回し。しかし、音の重ね方やヴォイシングはエヴァンスより複雑で個性的。ザイトリンのピアノは一言で「エヴァンス派」で片付けられていたが、聴けば直ぐ判るのだが、エヴァンスのピアノとは個性の部分で根本的に違う。
ピアノの基本はモード。ハードバップな弾き回しにも長けており、とても素姓の良いジャズ・ピアノである。アップテンポの曲は迫力満点の弾き回し。バラードはエヴァンスに習っているが、先にも書いたが、音の重ね方やヴォイシングが全く異なる。スタンダード曲については、その解釈がユニークで、アレンジが個性的。
デビュー盤では「適度に端正で、適度にアブストラクトで、適度にモーダルなピアノ」だったが、それを少し修正して、聴き易さを優先している。逆にそれが功を奏して、このセカンド盤はリラックスして楽しく聴ける内容になっている。それでいて、要所要所でザイトリンの個性はシッカリ「爪痕を残している」のだから、それはそれで立派ある。
ザイトリンは1938年生まれ。今年で85歳。まだまだ現役で、最近、またまたリーダー作をリリースしたと聞く。このセカンド盤は、ザイトリンが26歳の時の録音。若さに溢れるキラキラ明るい、それでいてどこか複雑な、個性的なピアノが聴ける。良いピアノ・トリオ盤です。
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