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2023年7月 3日 (月曜日)

マクリーンの個性は変わらない

ジャキー・マクリーンのプレスティッジ盤には外れが無い。いきなり集まっていきなり本番の「行き当たりばったりのジャム・セッション風のやっつけ録音」そして「録音日、録音セッションの塊を無視した、感覚で切り貼りしたアルバム編集」が個性のジャズ・レーベルのプレスティッジの録音ながら、マクリーンの録音はどれもしっかりした内容で、ハードバップな好盤として聴き応えがある。

Jackie McLean『Jackie McLean & Co』(写真左)。1957年2月8日の録音。プレスティッジのPRLP 7087番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Bill Hardman (tp), Ray Draper (tuba, #1-3), Mal Waldron (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。プレスティッジの録音では意外と珍しい、単一日、単一セッションを1枚のアルバムに収録したアルバム。

この頃のマクリーンは、バンドのメンバーを基本的に固定していた様で、リーダー作に臨む時は、必ず、この固定メンバーのバンドを引き連れて録音に臨んでいた様で、演奏の内容もしっかりリハーサルされた様な、端正でしっかりアレンジされたもので固められている。この辺が「マクリーンのプレスティッジ盤には外れが無い」と言われる所以だろう。

この盤でも、マクリーンの吹奏の素晴らしさは変わらない。ところどころ、ちょっとピッチがずれた、ハードバップな吹奏が爽快。アドリブ・フレーズは切れ味良く流麗で、いかにもジャジーな響きの吹き回しがとても良い。
 

Jackie-mcleanjackie-mclean-co

 
ウォルドロン・ワトキンス・テイラーの「燻し銀」リズム・セクションとの相性が良く、マクリーンのちょっと個性的な吹き回しにジャストフィットしている様子が良く判る。

そして、この盤の面白いところは、1曲目から3曲目に参加しているチューバの存在。レイ・ドレーパーのチューバなんだが、チューバでジャズが出来るとは、ジャズのアドリブ・フレーズの吹奏が出来るとは思ってなかったので、初めて聴いた時にはビックリした。

さすがに速いフレーズの吹き回しは苦手みたいだが、ミッドからスローなテンポのフレーズの吹き回しについては、意外と雰囲気があって良い感じ。それでも、アルバム全体に判って聴くにはちょっと辛くて、この盤の様に3曲程度くらい、音の彩りを添える、という観点でのチューバの採用には納得出来る。しかし、チューバでこれだけ旋律を吹けるとは。実にユニークな存在である。

ハードマンのトランペットは相変わらず、端正でブリリアントな、教科書的なジャズ・トランペットを吹き上げていて良い感じ。マクリーンとのフロント2管のユニゾン&ハーモニーも熟れたもので、ハードバップな雰囲気を更に高めている。

ハードバップな雰囲気をしっかり湛えた、マクリーンの好盤です。チューバの存在も、音の彩りとして捉えれば意外と楽しめます。こういうアレンジやアンサンブルの工夫も、ハードバップ期には盛んに行われていたんでしょうね。
 
 

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