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2023年5月31日 (水曜日)

ハードバップな雰囲気を楽しむ

何故か、梅雨の季節になると、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)のトランペットが聴きたくなる。中音域を多用しながら、芯がしっかりしているが、まろやかな歌心ある「哀愁のトランペット」が良い。時々、テクニック的に「ヨレる」ところがあるが、それも個性でご愛嬌。張りのあるブリリアントな「哀愁のトランペット」は、この梅雨の季節に合う。

Kenny Dorham『2 Horns / 2 Rhythm』(写真左)。1957年11月13日と1957年12月2日の録音。リバーサイド・レーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Kenny Dorham (tp, p), Ernie Henry (as), Eddie Mathias (b), G.T. Hogan (ds)。12月2日の録音では、ベースが、Wilbur Ware (b) に代わっている。

基本は、リーダーのドーハムのトランペットとヘンリーのアルト・サックスが2管フロントの「ピアノレス」カルテット。3曲目の「Soon」にだけ、なんと、ドーハムがピアノを弾いている。12月2日のセッションでは、ベースがウエアに交代して、4曲目の「Is It True What They Say About Dixie?」と8曲目の「Jazz-Classic」を演奏、その他の曲は11月13日の録音。

ピアノレスの2管フロント・カルテットという変則な編成だが、演奏全体の纏まりは良い。アレンジが効いているのか、ファンキー・ジャズ志向の根明なハードバップが展開されていて、意外と聴き応えがある。
 

Kenny-dorham-quartet-two-horns-two-rhyth

 
但し、ベースが弱く、12月2日のセッションでは、ウエアに交代して、何とか体裁を整えている。が、ドーハムのトランペットとヘンリーのアルト・サックスが良く鳴っていて、リズム隊の弱さをしっかりカヴァーしている。特に、この録音が最後になる、ヘンリーのアルト・サックスがなかなか健闘している。

ドーハムのトランペットは好調で、この盤では意外と「根明」なバップ・トランペットを吹き回している。冒頭の「Lotus Blossom」は、後の『Quiet Kenny』の「哀愁感溢れる名演」で有名になるドーハム作の名曲だが、この盤では、哀愁感はなく、根明でブリリアントな吹き回し。とても健康的に明るい「Lotus Blossom」で、ちょっと面食らうが、演奏的には、しっかりハードバップしていて、充実している。

2曲目の「Sposin」は、他のジャズマンの演奏よりも、はるかに明るい雰囲気で演奏されていて、この盤のドーハムは「哀愁のトランペッター」というよりは「根明でブリリアントなトランペッター」として、速いフレーズも、テクニックよろしく、バリバリ吹き回している。

但し、3曲目「Soon」でのドーハムのピアノはたどたどしくて、宜しくない。無理にピアノを弾かなくても良かったのに、とも思うし、プロデューサーのオリン・キープニュースにしても、この演奏をアルバムに収録しなくても良かったのに、とも思う(笑)。

この盤については、ドーハムの代表作としては、ちょっと内容的に弱いが、ドーハムのトランペットとヘンリーのアルト・サックスの2管フロントが好調で、ファンキー・ジャズ志向のハードバップ盤として、意外と楽しめる「変則カルテット」の演奏になっている。この盤に溢れるハードバップな雰囲気は聴いていて、単純に楽しい。
 
 

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