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2023年4月11日 (火曜日)

エルヴィンの未発表音源です

ここ2〜3年、ジャズの未発表音源について、対象となるジャズマンのバリエーションが広がって来た様に感じる。以前は、決まって「ビル・エヴァンス」か「ジョン・コルトレーン」。この2人のジャズ・ジャイアントの未発表音源は「絶対に売れる」らしい。よって、この2人の未発表音源ばかりが出回っていた様な気がする。

しかし、最近は、なかなか興味深いジャズマンについての未発表音源のリリースが出てきていて、どの未発表音源も内容が実に濃い。最近の未発表音源で興味深かったのは「エルヴィン・ジョーンズ」「デイブ・ブルーベック」「ローランド・カーク」「チック・コリア」。この5人の未発表音源は良かったなあ。

Elvin Jones『Revival / Live at Pookie's Pub』(写真左)。1967年12月、NYの「Pookie's Pub」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Elvin Jones (ds), Joe Farrell (ts), Wilbur Little (b), Billy Greene (p)。伝説のドラマー、エルヴィン・ジョーンズがリーダーのカルテット編成。コルトレーン死去からわずか2週間後の公演である。

当時、新進気鋭のジョー・ファレルのテナーがフロント1管、曲者ベーシスト、ウィルバー・リトルと、Elvin Jones & Richard Davis『Heavy Sounds』(1967年録音)で共演したピアニスト、ビリー・グリーンとリーダーのエルヴィン・ジョーンズのリズム隊のカルテット編成。

たった4人のライヴ演奏なんだが、音がとても厚くて迫力がある。これは、エルヴィン・ジョーンズの重戦車の様な、重くてポリリズミックでスピード感溢れるドラミングの賜物である。
 

Elvin-jonesrevival-live-at-pookies-pub

 
ライヴ演奏の基本は「モード・ジャズ」。ハードバップの延長線上にある「限りなく自由度の高い」従来の伝統的なモダン・ジャズ演奏の範疇にしっかりと軸足を残したモーダルな演奏。先頭を切って、フロントのジョー・ファレルのテナーが疾走する。このファレルのモーダルなテナーが個性的かつ印象的。1970年代以降の活躍も納得である。

そんなモーダルなテナーをエルヴィンのドラミングが、がっちりとサポートし、頼もしく鼓舞する。そして、リトルのベースとグリーンのピアノが追従する。そう、このリズム・セクションのパフォーマンスが見事なのだ。コルトレーンが、まだ「限りなく自由度の高い」従来の伝統的なモダン・ジャズ演奏の範疇にしっかりと軸足を残したモーダルな演奏をやっていた頃のリズム&ビートを進化させた、エルヴィンならではのリズム&ビート。

エルヴィンがリーダーのライヴ盤なので、エルヴィンのドラム・ソロがふんだんに入っている。大体はライヴ盤でのドラム・ソロって冗長感抜群で、聴いている途中で飽きが来たりするのが常なのだが、エルヴィンのドラム・ソロは飽きない。

コルトレーン死去からわずか2週間後の公演だが、エルヴィン以下、カルテットのメンバーは皆、溌剌とエネルギッシュに演奏している。当時、死去前のコルトレーンは、フリー&スピリチュアルに思いっ切り傾倒していたので、このライヴのカルテットのメンバーとは既に距離があったのかもしれない。

1960年代後半のモード・ジャズのホットなライヴ音源が「今」になって体感できた。やはり、当時の「限りなく自由度の高い」従来の伝統的なモダン・ジャズ演奏の範疇にしっかりと軸足を残したモーダルな演奏はレベルが高かったんやなあ、と改めて再認識した次第。ほんと、良い未発表ライヴ音源でした。
 
 

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