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2023年4月 6日 (木曜日)

フュージョン最後期のバリサク盤

1970年代後半から1980年代前半にかけて、フュージョン・ジャズが大流行。フュージョン・ジャズとは、基本的には、ジャズを基調にロックやラテン音楽、電子音楽、時にはクラシック音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンル(Wikipediaより)。

厳密には、1970年代前半、ロックやラテン音楽、電子音楽、時にはクラシック音楽などを融合(フューズ)させた8ビートベースのジャズは「クロスオーバー・ジャズ」だと僕は定義付けている。1970年代半ばから、AORやR&Bとの融合が図られ、「ソフト&メロウ」もしくは「アーバン&ファンキー」の雰囲気を強調としたクロスオーバー・ジャズの発展形が「フュージョン・ジャズ」だと解釈している。

言い換えると、クロスオーバー・ジャズは「ロック」なリズム&ビートを前面に押し出したエレ・ジャズだと思うし、フュージョン・ジャズは「ソフト&メロウ」もしくは「アーバン&ファンキー」なリズム&ビートを前面に押し出したエレ・ジャズだと思っている。

Ronnie Cuber『Passion Fruit』(写真左)。1985年の作品。ちなみにパーソネルは、Ronnie Cuber (bs), Richard Tee (key), Rob Mounsey (Syn), Will Lee (b), Dave Weckl (ds), Georg Wadenius, George Benson (g), Manolo Badrena, Sammy Figueroa (perc), David Matthews (arr, cond, produce)。バリトン・サックス(以降、バリサクと略)奏者、ロニー・キューバがリーダーのフュージョン・ジャズのブームの最終時期における録音。

日本発のフュージョン・ジャズ専門レーベル(と言って良いだろう)であるElectric Birdレーベルからのリリース。パーソネルを見渡せば、フュージョン・ジャズで活躍してきた錚々たるメンバーが参加。成熟仕切った「絵に描いた様な」フュージョン・ジャズがこの盤に詰まっている。
 

Ronnie-cuberpassion-fruit

 
当時の帯紙のクレジットでは「with GEORGE BENSON」とあるが、1曲目のタイトル曲「Passion Fruit」、4曲目の「Love Notes」の2曲のみ。他の4曲は、スウェーデンのゲオルグ・ウェデニアスが担当している。しかし、2曲だけの参加のジョージ・ベンソンであるが存在感は抜群。ロニー・キューバのバリサクとのユニゾン&ハーモニーなんか、アーバンでファンキーな雰囲気濃厚。

ロニー・キューバのバリサクが小粋でお洒落。明らかにフュージョン・ジャズの「良いところ」切り取った様な、マシューズのアレンジが巧妙に効いて、無骨で重低音なバリサクであるが、「ソフト&メロウ」もしくは「アーバン&ファンキー」の雰囲気を強調としたブロウになっている。バリサクでもアーバンでお洒落なフュージョン・ジャズが出来る、という好例だと思う。

そして、この盤の演奏に一本筋が入った様に感じるのは、デイヴ・ウェックルのドラミングの賜物だろう。何気なく叩いているが、意外と変幻自在、硬軟自在なドラミングで演奏全体のビートを整え、コントロールしている。このウェックルのドラミングの技術の高さは特筆に値する。このウェックルの優れたドラミングが故、演奏全体のリズム&ビートが引き締められ、ソフト&メロウな演奏に躍動感が加わっていて、効いていて気持ちが良い。

録音の時期が時期だけにあまり内容的には期待出来ない様に感じるが、どうして、フュージョン・ジャズ最後期の録音だが、その内容は意外と良い。演奏者全員、好調なパフォーマンスを発揮していて、演奏の密度は濃い。それぞれのソロ・パフォーマンスも聴きどころ満載。意外や意外、この盤、フュージョン最後期の、エレクトリック・バード・レーベルの好盤だと思います。
 
 

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