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2023年3月 6日 (月曜日)

ラーズ・ヤンソンの初期の名盤

北欧ジャズは好きなのだが、このところちょっと北欧ジャズを聴くのが途絶えていた。しかし、最近、Helge Lien Trio『Revisited』を聴いて、北欧ジャズ禁断症状が出てきた(笑)。今、北欧ジャズの好盤をチョイスしている最中。今年は「北欧ジャズ・イヤー」にしようかと企てている。

Lars Jansson Trio『The Window Towards Being』(写真)。1991年2月、オスロのレインボー・スタジオでの録音。ちなみにパーソネルは、Lars Jansson (p), Lars Danielsson (b), Anders Kjellberg (ds), Guest: Brynjar Hoff (oboe on 5,12,13)。リーダーのラーシュ・ヤンソンのピアノ・トリオに、ゲストで3曲に、ブリニャル・ホフのオーボエが入っている。

ラーズ・ヤンソンは、1951年、スウェーデン生まれ。1975年にアリルド・アンドレセンのグループに加わり、プロとしての活動がスタート。自己のトリオを結成した1979年以後は、北欧ジャズの第一線で活躍している。

初リーダー作は1984年。1991年、今回ご紹介している『The Window Towards Being』でメジャーな存在になって、ECMレーベルを通じてだけの北欧ジャズの情報が、我々ジャズ者の間にも、ダイレクトに流布し出した切っ掛けにもなった。

ラーズ・ヤンソンのピアノは、明らかに北欧ジャズのピアノである。流麗でリリカル、透明度が高く耽美的。唄う様に印象的に流れるフレーズ、そして、漂うが如く広がるが如く、幽玄に広がる音の響き。
 

Lars-jansson-triothe-window-towards-bein

 
即興演奏がメインのジャズではあるが、米国の粘りのオフビートがメインのスインギーな4ビート・ジャズとは全く異なる、ファンクネス皆無、黒さは微塵も無く、どちらかと言えば、クラシックに通じる音の流れと響き。しばらく聴き耳を立てれば直ぐに「北欧ジャズ」と判る独特の個性。

ヤース・ダニエルソンのベースも良い。北欧ジャズのベーシストは誰もが「素姓が良い」。ピッチはキッチリ合っているし、ウッドベースの「鳴り」も鋼性豊かでしなりがある。

テクニックは優秀、フロントの即興演奏に応じたベースラインの出し方は正確かつ端正。ラーズ・ヤンソンの北欧ジャズ・ピアノをしっかりサポートし、鼓舞している。

それから、これまたスウェーデン出身のアンダーシュ・シェルベリのドラミングも優秀。柔軟なスティック捌きで、硬軟自在、緩急自在、フロントのフレーズに的確に反応し、フロントの欲しいリズム&ビートをタイムリーに供給するドラミングは見事だ。米国ジャズには無い、テクニカルでアーティスティックなドラミングは、北欧ジャズの特徴のひとつでもある。

ジャケットデザインもアーティスティックで優秀。いかにも「北欧」らしいアートで、これも北欧ジャズの個性のひとつ。1曲目「More Human」の美しさは筆舌に尽くしがたい。この1曲の「個性と特徴」に代表される様に、北欧ジャズは唯一無二の個性を持った、ジャズのメジャーなジャンルのひとつに進化した。北欧ジャズは追求するに値するジャズのジャンルである。
 
 

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