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2023年2月12日 (日曜日)

ベツレヘムのハードバップ名盤

ベツレヘム・レーベルの聴き直しをしていて、ハードバップのインスト盤がユニークで内容があって、隠れ名盤的なアルバムが意外とある。名盤は言い過ぎでも、ハードバップ時代の優秀盤レベルが、ベツレヘムのカタログの中の、ここかしこに転がっている。

Paul Quinichette & Charlie Rouse『The Chase Is On』(写真)。1957年8月29日、9月8日の録音。ベツレヘム・レーベル~のリリース。ちなみに、Charlie Rouse, Paul Quinichette (ts), Hank Jones (p, tracks 2 & 5), Wynton Kelly (p, tracks 1, 3, 4 & 6-8), Freddie Green (g, tracks 2 & 5), Wendell Marshall (b), Ed Thigpen (ds)。

ハードバップ時代の中でも意外と珍しい編成でのセッションの記録。チャーリー・ラウズとポール・クイニシェットのテナーがフロント2管、2曲にギターが入る、変則クインテット編成。このラウズとクイニシェットのテナー・バトルが「聴きもの」のハードバップ名盤である。

とにかく、ラウズとクイニシェットのテナーの音が良い。力強く骨太でダンディズム溢れるテナー。音が太くて大きくグイグイくる方がラウズ、ちょっと繊細さが見え隠れするストレートな方がクイニシェットかな。
 

Paul-quinichette-charlie-rousethe-chase-

 
タイトルにある様に、チェイス、そして、ユニゾン&ハーモニーが心地良い。お互いに相性が良くて、タイミングが合いやすいのだろう。そんな2人が渋いスタンダード曲を吹きまくる。悪かろうはずが無い。

バックのリズム・セクションも良い音を出している。ピアノは、端正なバップ・ピアノのハンク、流麗でファンキーなケリーを使い分け、マーシャルの堅実ベースとシグペンの職人ドラミング。

そして、カウント・ベイシー楽団のリズム・セクションの「オール・アメリカン・リズム・セクション」の最重要人物、フレディ・グリーンのギターが2曲に参入。こういった強者揃いの選りすぐりなリズム・セクションがバックに控える。当然、フロント2管は気兼ねなく溌剌と吹きまくる。

1957年のハードバップ成熟期に、ハードバップ初期の様なジャム・セッション風の演奏だが、演奏するメンバーが、ハードバップ期を生き抜いて来た強者ぞろいで、演奏内容は濃く、出てくる音は「絶品」。

少し柔らかだがしっかりと芯が入っていて、活き活きとした録音も魅力的。ベツレヘムのハードバップ盤は隅に置けないものばかりである。
 
 

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