ジャズ喫茶で流したい・258 『On A Clear Day - Live in Zurich, 1971』
お待たせしました。やっとこさ、ブログを再開しました。よろしくお願いします。
さて、ジャズ・ライフ誌の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」には、2022年度にリリースされた新盤の中に、過去の未発表音源が入っていたりするから、チェックは念入りに怠り無く、である。以前は「コルトレーンもの」や「マイルスもの」が多かったが、最近は、そのレジェンド級ジャズマンについてもバラエティーに富んできて、探索するのが楽しい。
The Oscar Peterson Trio『On A Clear Day - Live in Zurich, 1971』(写真左)。1971年11月24日、スイスのチューリッヒ、Kongresshausでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Louis Hayes (ds)。ラジオ・チューリッヒの放送用の未発表ライヴ音源の初アルバム化である。
ジャケットがいかにもブートらしくて、初めて、このジャケットを見た時は触手が伸びなかった。しかし、ネット情報でトリオのメンバー名を確認して、即ゲットを決意。史上最高のジャズピアノ・マイスターのピーターソン、そして、デンマークの至宝ベーシストのペデルセン、堅実実直なレジェンド級ドラム職人のヘイズ。このトリオ編成は素晴らしい。
というか、僕は「ピーターソン者」。ピーターソンがお気に入りピアニストの1人で、好きなランクの上位に位置する。しかし、このピーターソン、ペデルセン、ヘイズのトリオ編成って、聞いたことが無かった。で、ネットで調査してたら、この今回のライヴ音源が唯一だったらしい。でしょうね。でも、ピーターソンのピアノにペデルセンのベースって、絶対良いよな。そこに、ヘイズの堅実実直なドラムがビートの底を支えるのだ。絶対、内容は良いに決まっている。
で、聴いてみると、やっぱり良いですね。ドライブ感抜群・スイング感抜群・歌心満載のピーターソンのピアノに対等に相対出来るベーシストはなかなか見当たらないのだが、テクニック最高・高速ライン弾き・唄う様なピッツィカートのペデルソンのベースがバッチリ合う。
どちらも高速フレーズを弾きこなすのだが、この2人は決して「うるさくならない」。相手の音を良く聴いて、音がぶつからない様に、相手をしっかりサポートする様に弾きこなしている。素晴らしい。
ヘイズのドラミングも実に良い。ピーターソンとペデルセンが高速フレーズを弾きまくるバックで、演奏全体のリズム&ビートをしっかりと支え、しっかりとリードしている。この堅実実直なヘイズのドラミングがあってこそ、ピーターソンもペデルセンもバリバリ弾きこなせるというもの。
全編、熱演につぐ熱演で、その熱気は聴衆の熱気と共に、様々な音でしっかりと伝わってくる。特に聴衆の盛り上がりは相当なもので、1971年とは言え、さすが欧州。流行に流されず、メインストーリム指向の純ジャズの優れた演奏に正しく反応する感性は素晴らしい。
良いライヴ音源です。こういう未発表音源が、しかも、オスカー・ピーターソンの一期一会トリオの音源が、ラジオの放送音源から作成されたことはとても素晴らしい出来事だったと思います。聴き応えのあるピアノ・トリオの演奏。実際のライヴで聴きたかったですね。
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