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2023年2月の記事

2023年2月28日 (火曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・23

 エリック・ドルフィーは、お気に入りのアルト・サックス奏者。ジャズを聴き始めた頃、ドルフィーに出会って、これが即興演奏の極致か、とぶっ飛んで以来、ずっとドルフィーは聴き続けている。

twitter で「朝一番のジャズ盤」や「昼下がりのジャズ盤」、そして、寝る前の「今日のラストのジャズ盤」のご紹介のツイートをしているのだが、ここにはドルフィーなど、メインストリーム志向のジャズの伝統的な展開を踏まえながら、アブストラクトにフリーに、限りなく自由度の高いジャズは登場させていない。刺激が強すぎる、というのが理由。

よって、ドルフィーは、個人的に、バーチャル音楽喫茶『松和』で聴いているのだが、ドルフィーはどのリーダー作を聴いても「駄盤」が無い。どのブロウの平均点以上の優秀なパフォーマンスばかりなので、ドルフィーを感じる上で、アルバムを選ぶ必要は無い。その中でも、敢えてどれが良いのか、と問われれば、僕はこのアルバム2枚を推すことにしている。

Eric Dolphy『At The Five Spot, Vol.1 & Vol.2』(写真左)。1961年7月16日、NYの「Five Spot」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Eric Dolphy (as, b-cl, fl), Booker Little (tp), Mal Waldron (p), Richard Davis (b), Ed Blackwell (ds)。エリック・ドルフィーのアルト・サックスと、ブッカー・リトルのトランペットがフロント2管のクインテット編成。

このパーソネルのメンバーを今から振り返れば、力量十分、テクニック十分の中堅ジャズマンの中でも「曲者」揃い。出てくる音は、当然「曲者」で、メインストリーム志向のジャズの伝統的な展開を踏まえながら、アブストラクトにフリーに、限りなく自由度の高いジャズが展開される。恐らく、当時、最高レベルの「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」だと思う。
 

Eric-dolphyat-the-five-spot-vol1-vol

 
まず、Vol.1、1曲目の「Fire Waltz」での、冒頭のドルフィーのアルト・サックスの捻れフレーズを聴くだけで、このライヴ盤は「穏やかではない」ことを感じる。捻れてブッ飛んで疾走するドルフィーのアルト。そこに、負けずに捻れてブッ飛んで疾走するブッカー・リトルのトランペットが絡んでくる。限りなく自由に、従来の穏やかなフレーズを踏襲すること皆無の、鋭角にスクエアにスイングする唯一無二なアドリブ・フレーズ。

Vol.1では、スリリングでハイ・テンションな「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」が、これでもか、と言わんばかりに展開する。ジャズとしての「即興演奏」の極致がここにある。

Vol.2は、やや穏やかで懐深い「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」が繰り広げられる。オリジナルLPでは、「Aggression」と「Like Someone in Love」の2曲のみ。ほとんどが「即興演奏の嵐」なんですが、やはり、ドルフィーは尋常では無い。特に、バスクラの「異次元さ」が極めつきで、もうこれは癖になる(笑)。ブッカー・リトルのトランペットも熱くて良いんですが、ドルフィーの「変態度合い」が凄くて、これはまあ(笑)。

Vol.2を聴いていて、ドルフィー&リトルのフロント2管は唯一無二で凄いなあ、と改めて感動。「限りなく自由度の高いモーダルな演奏」がどんどん自由度高く、自由度高くなって、アブストラクトにフリーに展開しそうになるのだが、決して、メインストリーム志向のジャズの伝統的な展開を逸脱することは無い。このジャズの伝統的な展開にグッと踏みとどまって演奏するところが良い。何度聴いてもグッとくる。

このEric Dolphy『At The Five Spot, Vol.1 & Vol.2』を聴くと、ジャズとしての「即興演奏」というものが良く判る。ジャズの一番の特徴は「即興演奏」というが、このライヴ盤でのドルフィー&リトルのフロント2管のパフォーマンスは、その「即興演奏」の好例だろう。このライヴ盤を聴く度に、ジャズって凄いなあ、と思うのだ。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて 

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

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 ★ 松和の「青春のかけら達」

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
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東日本大震災から11年11ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

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2023年2月27日 (月曜日)

エリスとパスの爽快弾きまくり

コンコード・レコードは、1972年にカール・ジェファーソンによって設立されたジャズのレーベル。米国西海岸のビバリーヒルズに本拠を置く。

1970年代、クロスオーバーからフュージョンが台頭する中、従来のメインストリーム系ジャズに留まった中堅〜ベテランのジャズマンを中心にピックアップして、玄人好みの純ジャズな内容のアルバムをリリースしていたのが「コンコード・レコード」。

我が国では、日本のレコード会社との契約が上手くいかなったのか、日本盤として、コンコード・レコードのアルバムがリリースされた枚数はかなり少なかった思い出がある。今では、幾度か、有名盤がCDリイシューされ、音楽のサブスク・サイトにも、まずまずの数のアルバムがアップされているので、コンコード・レコードのジャズ盤を聴く機会が多くなった。喜ばしいことである。

Herb Ellis & Joe Pass『Seven, Come Eleven』(写真)。1973年7月29日の録音。コンコード・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Herb Ellis (g), Joe Pass (g), Ray Brown (b), Jake Hanna (ds)。ジャズ・ギタリストのバーチュオーゾ、ハーブ・エリスとジョー・パスの2人がフロントを務める変則カルテット編成。カルフォルニアの「Concord Boulevard Park」でのライヴ録音。
 

Herb-ellis-joe-passseven-come-eleven

 
1973年で、この硬派なハードバップ。エリスとパスのギターのユニゾン&ハーモニーが切れ味良く、2人の秘術を尽くした、熱気溢れるアドリブ合戦が聴き応え満点。特に、アドリブ合戦の展開では、2人のギタリストが、フロントの役割とバックの役割を交代しながら、速いテンポのアドリブが展開されるところが実にスリリング。

歌心も満点で、熱気溢れる弾きまくりながら、聴いていて爽快。演奏される曲は、ラストの「Concord Blues」以外、渋いスタンダード曲。そんな渋いスタンダード曲を、切れ味の良い、やや速いテンポのアレンジで、バーチュオーゾの2人は、秘術を尽くしてギターを弾きまくる。

丁々発止と技を繰り出してギターのアドリブ合戦を展開するバックで、レイ・ブラウンの重低音ベースが、ブンブンと胴鳴りの唸りを響かせて、しっかりとリズム&ビートをキープする。ジェイク・ハナのドラミングは堅実で、リズム&キープを冷静にコントロールする。

このジャズ・ギターのバーチュオーゾの2人の弾きまくり、バックのリズム隊の熱いサポートの演奏をライヴで聴く聴衆の盛り上がりも凄い。熱気ムンムン、気合い十分、1973年という時期で、この純ジャズの演奏がこれだけ聴衆に受けている。つまりは、何時の時代も「良いものは良い」ということだろう。
 
 

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2023年2月26日 (日曜日)

北欧ジャズの好トリオ盤です

北欧ジャズが好きだ。1970年代後半、本格的にジャズを聴き始めた頃、友人からECMレーベルのアルバムを紹介されて、その耽美的でリリカルで流麗なフレーズと余裕のある大らかで包容力のあるリズム&ビートに驚いた記憶がある。それまで「ジャズ」と思って聴いていた米国ジャズと全く異なる雰囲気。これが欧州ジャズか、とひどく感心した。

Helge Lien Trio『Revisited』(写真左)。2020年3月31日、10月3日の録音。ちなみにパーソネルは、Helge Lien (p), Johannes Eick (b), Knut Aalefjaer (ds)。ノルウェーのヘルゲ・リエン (p) がリーダーのピアノ・トリオの、2019年の『10』以来となる最新作。演奏曲は、過去に演奏したもののセルフ・カヴァーである。

一聴して「これは北欧ジャズやな」と思うくらいの、北欧ジャズの特徴溢れるピアノ・トリオ演奏。北欧ジャズの雰囲気をグローバル・サイズで知らしめたのは、キース・ジャレットのヨーロピアン・カルテットの功績が大きいと思うが、確かに、キースのピアノで聴いたことのある雰囲気、フレーズが出てくる。が、基本的に「タッチと手癖」が異なるので、キースの物真似とは感じ無い。逆に「北欧ジャズ」の典型的な演奏が出てきたぞ、と嬉しくなる。
 

Helge-lien-triorevisited

 
オール・ノルウェーのメンバー構成。ゆったりとした、少しほのぼのとした、仄かに明るく、耽美的でリリカルで流麗な音世界。硬質ながら、ややエッジの丸いリエンのピアノ、程良く絡むエイクのベース、多彩で柔軟度の高いオーレフィアールのドラム。透明度の高い楽器の響き。印象的なエコー。

リエンのピアノが個性的で良い。クールで冷たい熱気が伝わってくるのだが、どこかほのぼのと暖かい響きがする。雰囲気的には「北欧の夏」の様な、明るく暖かなピアノの響き。テクニックに優れ、速い弾き回しには淀みは無い。でも、そのテクニックをひけらかすことは無い。北欧ジャズらしい、耽美的でリリカルで流麗なフレーズを、余裕を持った、ゆったりとした雰囲気で、しっかりと聴かせてくれる。このリエンのピアノは「癖になる」。

4ビートのスイングでなければ、ファンクネスは皆無、ジャム・セッション風のバトルも無い。それでも「ジャズ」である。冷たい熱気溢れる、クールでスタイリッシュな展開。硬軟自在、緩急自在の柔軟度の高い、即興性溢れるアドリブ。エコーのかかった独特の透明度の高い響きは「北欧ジャズ」の最大の個性。そんな「北欧ジャズ」の雰囲気満載の好トリオ盤である。
 
 

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2023年2月25日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・259

「小粋なジャズ」の探求は続く。20世紀のネット時代以前とは違って、現代ではネットを通じて、ジャズ盤の情報が結構、潤沢に入手出来る。「小粋なジャズ」の探索も、ジャズ盤紹介本からネットにシフトして、「これは聴いたことが無いなあ」と感じて即聴きして、これは「小粋なジャズやねえ」と感心する盤に出会うことが多くなった。

『Jay Jay Johnson Quintet / Live at Café Bohemia, 1957』(写真)。1957年2月、NYのカフェ・ボヘミアでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、J.J. Johnson (tb), Bobby Jaspar (ts, fl), Tommy Flanagan (p), Wilbur Little (b), Elvin Jones (ds)。パーソネルを見れば、1957年の『Dial J.J.5』と同一メンバー。内容はこのパーソネルを見るだけで期待出来ることが判る。

1957年は、J.J.にとっては素晴らしい年で、『Dial J.J.5』(1957年1月29, 31日 & 3月14日録音)、『First Place』(1957年4月11,12 & 26日録音)、『Blue Trombone』(1957年4月26日録音)と立て続けに、後世に残る、優れた内容のリーダー作を録音している。そして、このカフェ・ボヘミアでのライヴは『Dial J.J.5』と同一パーソネルでのパフォーマンスになる。
 

Jay-jay-johnson-quintet-live-at-cafe-boh

 
この『Dial J.J.5』のパーソネルの中の、フラナガン・リトル・エルヴィンのピアノ・トリオは、北欧ツアー中にピアノ・トリオの名盤、Tommy Flanagan『Overseas』を録音している。このピアノ・トリオがリズム・セクションを務めているのだ。さぞかし、J.J.とジャスパーのフロント2管は吹きやすかっただろう、このカフェ・ボヘミアのライヴでも、J.J.とジャスパーは、ベストに近い吹きまくりで迫力がある。

そして、このバックを務めるフラナガン・リトル・エルヴィンのリズム・セクションが、小粋で充実したリズム&ビートを叩きだし、フロント2管を完璧にサポートする。フラガナンのバップな弾き回し、リトルの個性的なベースライン、エルヴィンの繊細でダイナミックなブラシワーク。この上質でダイナミックで職人的なリズム・セクションが、このライヴ盤の聴きものにひとつ。

内容充実のハードバップな演奏にグイグイ引き込まれる。1978年に限定LPとして発売以来、一度、小ロットでCDリイシューされただけの「幻の名盤」級のライヴ盤が、今では、サブスク・サイトでダウンロードして、『Dial J.J.5』のパーソネルでのライヴ・パフォーマンスを聴くことが出来る。これは実に有り難いことである。
 
 

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2023年2月24日 (金曜日)

ネオ・ハードバップ志向の快作

しかし、Smoke Sessions Records って、良いアルバムをリリースするよな、とつくづく思う。日本ではあまり知られていない、ベテラン・ジャズマンを中心に、ネオ・ハードバップ志向の内容の濃いアルバムをコンスタントにリリースしている。しかも、ジャケット・デザインに統一感があって、以前のブルーノート・レーベルの様な雰囲気がとても良い。

Steve Davis『Bluesthetic』(写真左)。2022年2月、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Steve Davis (tb), Peter Bernstein (g), Steve Nelson (vib), Geoffrey Keezer (p), Christian McBride (b), Willie Jones III (ds)。トロンボーンのスティーヴ・デイヴィスがリーダー、デイヴィスのトロンボーン、バーンスタインのギター、ネルソンのヴァイブがフロントのセクステット編成。

面白い編成である。定番のトランペット、サックスがフロント楽器に「居ない」。力感溢れるホンワカ・ブロウのトロンボーン、線が細くて繊細なギター、流麗で硬質な響きのヴァイブ。そんな、ジャズにおいて、ややマイナーな楽器がフロント張っているのだ。通常の純ジャズとは音の響きが異なる。これが、この盤の個性であり、一番の特徴。
 

Steve-davisbluesthetic_20230224210901

 
内容的には、時代の先端を行く「ネオ・ハードバップ」の響きが色濃く漂う。お洒落なモーダルなメロディ−・ライン、ややアブストラクトにブレイクダウンする、限りなくフリーに近い自由な響き、フロント楽器のユニゾン&ハーモニーも響きは新しく洗練されており、昔のモード・ジャズの焼き直しで留まっていないことが良く判る。

バックのリズム隊が、そんな新しい響きを湛えた「ネオ・ハードバップ」な雰囲気作りに、大いに貢献している。キーザーのピアノ、マクブライドのベース、ジョーンズIIIのドラム。現代の最先端のネオ・ハー痔バップなリズム&ビートを叩き出している。実に現代のネオ・モードらしいフレーズとビート。このリズム隊があって、ユニークなフロント3楽器が更に輝きを増している。

安定感抜群の懐深いネオ・ハードバップ。ストレート・アヘッドでメインストリーム志向の純ジャズは聴いていてスカッとする。全ての曲がオリジナル曲ではあるが、親しみのあるフレーズがてんこ盛りで、小難しいところが無いところも評価出来るところ。ジャズはまず「判り易い」が重要なことを再認識させてくれる好盤。
 
 

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2023年2月23日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・258 『On A Clear Day - Live in Zurich, 1971』

お待たせしました。やっとこさ、ブログを再開しました。よろしくお願いします。

さて、ジャズ・ライフ誌の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」には、2022年度にリリースされた新盤の中に、過去の未発表音源が入っていたりするから、チェックは念入りに怠り無く、である。以前は「コルトレーンもの」や「マイルスもの」が多かったが、最近は、そのレジェンド級ジャズマンについてもバラエティーに富んできて、探索するのが楽しい。                                       

The Oscar Peterson Trio『On A Clear Day - Live in Zurich, 1971』(写真左)。1971年11月24日、スイスのチューリッヒ、Kongresshausでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Louis Hayes (ds)。ラジオ・チューリッヒの放送用の未発表ライヴ音源の初アルバム化である。

ジャケットがいかにもブートらしくて、初めて、このジャケットを見た時は触手が伸びなかった。しかし、ネット情報でトリオのメンバー名を確認して、即ゲットを決意。史上最高のジャズピアノ・マイスターのピーターソン、そして、デンマークの至宝ベーシストのペデルセン、堅実実直なレジェンド級ドラム職人のヘイズ。このトリオ編成は素晴らしい。

というか、僕は「ピーターソン者」。ピーターソンがお気に入りピアニストの1人で、好きなランクの上位に位置する。しかし、このピーターソン、ペデルセン、ヘイズのトリオ編成って、聞いたことが無かった。で、ネットで調査してたら、この今回のライヴ音源が唯一だったらしい。でしょうね。でも、ピーターソンのピアノにペデルセンのベースって、絶対良いよな。そこに、ヘイズの堅実実直なドラムがビートの底を支えるのだ。絶対、内容は良いに決まっている。
 

The-oscar-peterson-trioon-a-clear-day-li

 
で、聴いてみると、やっぱり良いですね。ドライブ感抜群・スイング感抜群・歌心満載のピーターソンのピアノに対等に相対出来るベーシストはなかなか見当たらないのだが、テクニック最高・高速ライン弾き・唄う様なピッツィカートのペデルソンのベースがバッチリ合う。

どちらも高速フレーズを弾きこなすのだが、この2人は決して「うるさくならない」。相手の音を良く聴いて、音がぶつからない様に、相手をしっかりサポートする様に弾きこなしている。素晴らしい。

ヘイズのドラミングも実に良い。ピーターソンとペデルセンが高速フレーズを弾きまくるバックで、演奏全体のリズム&ビートをしっかりと支え、しっかりとリードしている。この堅実実直なヘイズのドラミングがあってこそ、ピーターソンもペデルセンもバリバリ弾きこなせるというもの。

全編、熱演につぐ熱演で、その熱気は聴衆の熱気と共に、様々な音でしっかりと伝わってくる。特に聴衆の盛り上がりは相当なもので、1971年とは言え、さすが欧州。流行に流されず、メインストーリム指向の純ジャズの優れた演奏に正しく反応する感性は素晴らしい。

良いライヴ音源です。こういう未発表音源が、しかも、オスカー・ピーターソンの一期一会トリオの音源が、ラジオの放送音源から作成されたことはとても素晴らしい出来事だったと思います。聴き応えのあるピアノ・トリオの演奏。実際のライヴで聴きたかったですね。

 
 
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2023年2月19日 (日曜日)

桑原あいの10周年記念ライヴ盤

「Disc Grand Prix 年間グランプリ」を眺めていて、このピアニストの名前が目に入った。「桑原あい」。ジャズ・ピアニスト。1991年生まれ。そろそろ、ジャズ・ミュージシャンとしては、まだまだ若手。

幼い頃より、天才エレクトーン少女として頭角を現し、中学生後半よりピアノに転向。2012年5月、完全セルフ・プロデュースによる初リーダー作、桑原あい Trio Project『from here to there』をリリース。実は、僕はこの「桑原あい」については、デビュー盤から、リーダー作をほぼ聴き続けているクチである。

彼女のピアノは、明確に「日本人のジャズ・ピアノ」。ファンクネスは希薄、端正で切れの良いオフビートでジャジーな雰囲気を醸し出し、芯の入った繊細でロマンティシズムが仄かに香るタッチと流れる様な弾き回しが特徴。チック・コリア、ブラッド・メルドーに通じるリリカルで切れ味の良い、現代音楽に通じる硬質なタッチが個性。

桑原あい ザ・プロジェクト『Making Us Alive』(写真左)。2022年4月から7月にかけて、全国4ヶ所で開催した「Recording Tour 2022 “Live Takes”」を全編録音し、その中からベスト・テイクを厳選して収録。ちなみにパーソネルは、桑原あい (p), 鳥越啓介 (b), 千住宗臣 (ds)。桑原あいデビュー10周年記念作。日本全国で繰り広げた白熱のトリオ・ライヴ盤である。
 

Making-us-alive

 
真面目である。真摯である。とにかく、息をつく間もない、「真面目で真摯」でストイックなジャズが展開される。聴き手の期待する「コンテンポラリーな純ジャズ志向」のパフォーマンスを堅実に実行している。

なんせ、冒頭の曲が、あのデューク・エリントンの「Money Jungle」である。こんなに硬派で玄人好みの選曲があるだろうか。このエリントンの名演を、桑原なりに解釈し、桑原オリジナルの「Money Jungle」になっている。いや〜、硬派やなあ。

全編ストイックでコンテンポラリーな純ジャズ、正統派のメインストリーム・ジャズで埋め尽くされる。選曲がユニークで、ルー・リードの「Pale Blue Eyes」や、ローリング・ストーンズ「She's a Rainbow」、ウエストサイド・ストーリーから「Cool」、歌劇カルメンから「Habanera」など、他のジャズ・ミュージシャンが選ばない曲を、個性的なアレンジで、なかなか洒落たカヴァーに仕立て上げている。

途中、現代音楽風にアブストラクトに展開したり、フリーに展開したりするところがあるが、これはちょっと「肩に力が入り過ぎ」かな。全編、かなり真面目で真摯でストイックなジャズで統一されているので、硬派にアブストラクトやフリーに展開するなら、ちょっとポップに、ちょっとソウルフルに展開した方が良いアクセントになるんではないかなあ、と思った次第。
 
 

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2023年2月18日 (土曜日)

西海岸の小粋な「2テナー」盤

「小粋なジャズ」を探し当てては聴いている。最新の新盤や昔のフリー・ジャズを聴き込んだ後、耳休めと気分転換に「高貴なジャズ」盤を聴く。以前から聴き込んだアルバムも良いが、これは聴いたことが無いなあ、とか、前に聴いたけどもう一度聴きたい、といった「小粋なジャズ」盤に出会えた時が一番嬉しい。

Bill Perkins『Tenors Head-On』(写真左)。1956年7月の録音。Libertyレーベルの LRP 3051番。ちなみにパーソネルは、Bill Perkins (ts, b-cl), Richie Kamuca (ts), Pete Jolly (p), Red Mitchell (b), Stan Levey (ds)。米国西海岸ジャズのテナー・マン、ビル・パーキンスとリッチー・カミューカがフロント2管のクインテット編成。フロント楽器がテナー2本なので、変則な「ワンホーン・カルテット」と解釈しても良い編成。

昔、旧スイング・ジャーナル誌の別冊「幻の名盤読本」でこの盤の存在を初めて知った。東海岸ジャズでフロント2管がテナー同士だったら、即、テナー・バトルがウリのジャムセッションか、と構えるのだが、西海岸ジャズでのフロント2管がテナー同士である。優れて小粋なアレンジが施されて、2本のテナーをどう活かして、どう聴かせてくれるのか、と聴く前からワクワクする。
 

Bill-perkinstenors-headon

 
聴けば、さすが西海岸ジャズ、アレンジ優秀、テクニック優秀、聴かせるジャズでグイグイ押してくる。まずは、タイトル通り、パーキンスとカミューカのテナーの「ユニゾン&ハーモニー、そして、チェイス」がアーバンで小粋でお洒落。俺が俺が、と前に出ようとするテナー・バトルでは無く、相手の音をちゃんと聴いて反応して、その瞬間その瞬間に相応しいフレーズを紡ぎ上げている。もともと2人ともテクニックで勝負するタイプでは無い。2人のテナーが双方で良い方向に共鳴して、良い雰囲気を醸し出している。

セッション・メンバー間のチーム・ワークが抜群。特に、ピート・ジョリーのピアノ、レッド・ミッチェルのベース、スタン・レヴィーのドラムのリズム・セクションが良い音を出していて小気味良い。さすが西海岸ジャズのリズム隊、出てくるリズム&ビートがクールでお洒落。それぞれの楽器のソロも「小粋」。それでいて、リズム・キープ感はバッチリで、このリズム隊あっての「2テナー」の快演である。

アルバムを聴き通して、この盤、典型的な「ウエストコースト・ジャズ」な内容。ジャズ盤紹介本やジャズ誌の名盤紹介では、そのタイトルが上がることが先ず無い盤ですが、録音年を見れば「1956年」。ウエストコースト・ジャズ全盛期の中で録音された「隠れ名盤」でしょう。ジャケがちょっと平凡ですが、そこは「ご愛嬌」ということで....(笑)。
 
 

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2023年2月17日 (金曜日)

定着するイスラエル・ジャズ

21世紀に入って「イスラエル・ジャズ」が認知される様になった。それまで、ジャズの本場と言えば「米国」、その米国のジャズが欧州に飛んで、英・独・仏・伊などの「欧州ジャズ」、そして、スカンジナビアに飛んで「北欧ジャズ」が定着した訳だが、21世紀には入って、ジャズのグローバル化が進み、この「イスラエル・ジャズ」、そして、旧共産圏の「東欧ジャズ」が台頭してきた。

イスラエル・ジャズは、その名の通り、ジャズの中心地が「イスラエル(テルアビブを含む)」。従来のメインストリームなジャズのスタイルをベースに、中東地域の伝統音楽の要素を融合して、明確にエスニックな雰囲気が漂う独特の音世界が特徴。イスラエル・ジャズは、その音の特徴を活かした「静的なスピリチュアル・ジャズ」に長けている。4ビートのジャズというよりは、1970年代のECMの様な「ニュー・ジャズ」の範疇の音世界が多数を占めている。

Avishai Cohen『Naked Truth』(写真左)。ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Avishai Cohen (tp), Yonathan Avishai (p), Barak Mori (b), Ziv Ravitz (ds)。テルアビブ出身のトランペッター、アヴィシャイ・コーエンのECMレーベルからの5作目になる。コーエンのトランペットのみがフロントの「ワンホーン・カルテット」である。
 

Avishai-cohennaked-truth_20230217201701

 
曲名と曲順を見ると、ジャズ即興による組曲のような形を取っている。冒頭「Naked Truth Part 1」から始まり、コーエンの吹き上げるテーマを基に、即興演奏として、その瞬間瞬間に音の意味を解釈〜理解し、音世界を刻々と変化させ、フレーズをバリエーション良く発展させていく。Naked Truth Part 1から、Naked Truth Part 8まで、そして、ラストの「Naked Truth: Departure」まで、静的なスピリチュアル・ジャズ志向の即興演奏が粛々と展開されていく。

音の基本は「耽美的でリリカル」。リズム&ビートは曲想に合わせて柔軟に変化するので、ネオ・ハードバップの様な雰囲気は全く無い。ECMレーベルお得意の「ニュー・ジャズ」の範疇である。この盤の音世界は「精神性」を追求している様に感じるので、やはり、この盤の音は「静的なスピリチュアル・ジャズ」だろう。アルバムの終演で、イスラエルの詩人、ゼルダ・シュナーソン・ミシュコフスキーのヘブライ語の詩「Departure」をコーエンが朗読しているところからも、「静的なスピリチュアル・ジャズ」な雰囲気を濃厚にしている。

フレーズはどこかエスニックな雰囲気が漂い、イスラエル・ジャズの面目躍如的な演奏が素晴らしい。米国ジャズにも欧州ジャズにも無い、21世紀ならではの、ジャズの「第三極」的な音志向である「イスラエル・ジャズ」。一時の流行で終わるなどと揶揄された時期もあったが、2023年の今、イスラエル・ジャズは、ジャズの「1ジャンル」として、しっかりとその「範疇」を確立している。
 
 
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2023年2月16日 (木曜日)

CASIOPEA-P4の1st.盤 『NEW TOPICS』

カシオペア。我が国発の老舗フュージョン・バンド。デビューは1977年。幾度かのメンバー変遷と2006年から2011年までの活動休止期間を経て、第1期〜第2期「CACIOPEA」、第3期「CASIOPEA 3rd」、第4期「CASIOPEA-P4」とバンド名をマイナーチェンジしながら、現在も活動中である。

現在は、2022年にレギュラー・サポートメンバーであった神保の脱退を受けて。7月に後任の新ドラマー・今井義頼が正式なメンバーで加入。それを機に、バンド名を「CASIOPEA-P4」に変更して活動中。振り返って見れば、ギターでリーダーの「野呂一生」は不変だが、他のメンバーは総入れ替えになっている。フロント楽器がギターで、バックにリズム・セクションという編成は変わらないが、サウンド的には大きく変化してきている。

CASIOPEA-P4『NEW TOPICS』(写真左)。2022年の作品。ちなみにパーソネルは、野呂一生 (g), 鳴瀬喜博 (b), 大高清美 (key), 今井義頼 (ds)。結成45周年。25年振りにドラムに正規メンバー、今井義頼を迎え、第4期「CASIOPEA-P4」としての初のスタジオ録音盤。デビュー当時のキャッチコピーである「スリル・スピード・スーパーテクニック」をそのまま継続している様な、スピード感と高テクニック溢れるフュージョン盤である。
 

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デビュー当時から、フロント楽器がギターで、バックにリズム・セクションという編成で、長らくギター・サウンドが前面に押し出された「ギター・バンド」志向なフュージョン・ミュージックが身上だった様な記憶がある。が、第3期「CASIOPEA 3rd」で、キーボードが大高清美に代わってから、バンド・サウンドの中で、キーボードがフロント楽器の役割を果たす割合が増加、この第4期「CASIOPEA-P4」に至って、キーボードがフロントの一定の割合をコンスタントに担う様なサウンド構成に変化している。

1970年代のプログレッシブ・ロック、もしくは、キーボードがメインのジャズ・ロックの様な音志向になっていて、デビュー当時のキャッチコピーである「スリル・スピード・スーパーテクニック」はしっかり踏襲されているが、ギターとキーボードが半々でフロントを担って、サウンド的には、ギターによる鋭角で切れ味の良い音世界が、マイルドで流麗で爽快感のある音世界に変化して来た様に感じる。

1970年代からのギター小僧からすると「何だこの変化は」だが、1970年代からのキーボード小僧からすると「これは良いぞ」な感じのサウンドなのだ。デビュー当時からの「カシオペア者」の方々からすると賛否両論なんだろうな。それでも、この「CASIOPEA-P4」の音は、我が国のエレ・ジャズ・バンドの最高峰のポジションを維持しているし、グローバルなレベルで見ても、現役ばりばりの「Yellowjackets」などに比肩する、レベルの高いエレ・ジャズ・バンドの位置をキープしている。流石である。
 
 

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2023年2月15日 (水曜日)

「たなかりか」のボーカルが良い

前のブログで「Disc Grand Prix 年間グランプリ」でも、日本のジャズ・ミュージシャンの優秀盤が結構な数、上がっている」と書いた。このジャズ・ライフ誌の年間グランプリは、ジャズ評論家の方々が、忌憚の無い、自らが良いと感じたアルバムをノミネートしている雰囲気が伝わってきて、ノミネートされたアルバムに関して、以前の様な商業主義は殆ど感じ無い。

たなかりか『Japanese Songbook "Winter" with Jazz standards』(写真左)。2022年の作品。ちなみにパーソネルは、たなかりか (vo), 鈴木正人 (b), ハタヤテツヤ (key), 小沼ようすけ (g), 坂田 学 (ds)。ジャパニーズ・ポップスを日本語のままジャズ・カバーする、たなかりかのプロジェクト「ジャパニーズ・ソングブック」の10周年を記念した企画盤。

ジャケット・デザインを見て、ちょっと「眉をひそめる」。これって、バブル時代に量産された、聴き心地が良いだけの「お洒落なイージーリスニング・ジャズ」では無いのか。でも、それでは、ジャズ・ライフ誌の年間グランプリにそのタイトルが上がる筈が無い。でもなあ、このジャケはなあ。でも、パーソネルを見れば、現代の和ジャズの腕利き達がズラリと並ぶ。やっぱり、これは大丈夫や、と聴き始める。

アルバム構成は2枚組で、Disc1:ジャパニーズ・ポップス“冬”の名曲。Disc2:プロジェクト初収録のジャズ・スタンダード。Disc1に収録されたジャパニーズ・ポップスは「冬」をテーマに選曲。Disc2は、人気のジャズ・スタンダード曲集。どちらも、ライトでコンテンポラリーな純ジャズ志向にアレンジされていて、聴き応え十分。

Disc1は「12月のエイプリル・フール(EPO)」から始まって、冬の定番「恋人がサンタクロース(松任谷由実)」、そして、「氷の世界(井上陽水)」「白い恋人達(桑田佳祐)」「ネイティブダンサー(山口一郎)」「恋人よ(五輪真弓)」と続き、「CHRISTMAS TIME IN BLUE(佐野元春)」で締める。
 

Japanese-songbook-22winter22-with-jazz-s

 
ジャパニーズ・ポップス“冬”の名曲の選曲が、僕にとっては素晴らしい。全て学生時代から社会人の生活の中でリアルタイムに聴いた名曲ばかりで「僕好み」の曲が並ぶ。それらが、ライトでコンテンポラリーな純ジャズ志向にアレンジされて、たなかりかが軽快に情感込めて唄い上げる。「恋人がサンタクロース」「氷の世界」「恋人よ」など、涙涙の絶品、絶唱である。

そして、Disc2の人気のジャズ・スタンダード曲集が、これまた絶品。「Fly me to the moon」「My favorite things」「L-O-V-E」「Come rain or come shine」「Bye bye blackbird」「Devil may care」「That’s all」の全7曲。これまた「僕好み」のスタンダード曲がズラリ。特に「Fly me to the moon」「L-O-V-E」「Bye bye blackbird」など、涙涙の絶品、絶唱である。

たなかりかのボーカルは素姓良く、力感もあり、アーバンでスマート。ストレートな歌唱は、現代のコンテンポラリーな純ジャズ志向のアレンジにピッタリで、違和感無く適応している。表現力も豊かで、決して単調にならず、CD2枚組、全14曲を一気に聴かせるパワーを秘めている。

良質な「現代の和ジャズのコンテンポラリーなボーカル」を聴かせてもらった気分。「ジャパニーズ・ソングブック」10周年は「伊達では無い」。バックのリズム・セクションも素晴らしい。フロントのボーカルとバックのリズム隊が一体となった、たなかりかのボーカルの力量がダイレクトに伝わってくる好盤である。
 
 

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2023年2月14日 (火曜日)

メリッサ・アルダナを初めて知る

毎月、新しくリリースされる盤を聴いていると、ジャズは生きているなあ、と実感する。未だに、ジャズの新人はコンスタントにデビューしてくるし、新人の有望株は着実にリーダー作を重ねて、中堅にステップアップしている。中堅ジャズマンは、着実に経験と年齢を重ねて、ベテラン・ジャズマンへと昇華していく。

Melissa Aldana『12 Stars』(写真左)。2022年3月のリリース。ちなみにパーソネルは、Melissa Aldana (ts), Sullivan Fortner (key), Pablo Menares (b), Kush Abadey (ds), Lage Lund (g)。メリッサ・アルダナのブルーノート・レーベルのデビュー作である。

メリッサ・アルダナ(Melissa Aldana)は、チリのサンチャゴ出身。ブルックリンを拠点に活動する33歳の女流テナー・サックス奏者。ソニー・ロリンズを聴いて、テナーを持ったと聞く。

初リーダー作は2010年。マイナー・レーベルのインナーサークルからのリリースだった。そして、今回、メジャー・レーベルのブルーノートからのリリースである。メリッサの「ジャイアント・ステップ」である。
 

Melissa-aldana12-stars

 
メリッサのテナーを初めて聴いたが、テクニックは申し分無し。それでいて、そのテクニックをひけらかす様な、シーツ・オブ・サウンドを吹き回すことはしない。排気量の大きい車が、悠然とゆっくりと走る様な、良い意味での「余裕」を感じる吹きっぷり。これって、ベテランの吹きっぷりやん、と突っ込みを入れたくなる(笑)。

各曲の演奏自体の「組立て、展開、トーン選び」がしっかりしていて感心する。テナーを技倆良く吹くだけでなく、演奏のオーガーナイザーとしての才能もしっかり持っていると聴いた。近い将来、アレンジ&コンポーズにも長けた、総合力で勝負するテナー奏者に成長するのではないか、という「伸びしろ」をこの盤を聴いていて感じる。

ギターのラージ・ルンドの存在も良いアクセント。音の志向としては、メリッサと同じ志向をしている様で、思索的で瞑想的な「静的なスピリチュアル」な響きが実に印象的。そんなルンドが、この盤のプロデュースを担当しているもの興味深い。

静的なスピリチュアル・ジャズを志向している様なメリッサの新盤。とても思索に富み、とても考慮に富んでいる、数々のフレーズを聴いているうちに、ついつい引き込まれていく。不思議な魅力を持ったメリッサの新盤である。
 
 

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2023年2月13日 (月曜日)

「ショパン曲のカヴァー集」再び

カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)は、僕がずっと注目しているギタリストの1人。1970年、米国フィラデルフィア生まれ。今年で53歳になる。若手ギタリストが今や「中堅」ギタリストになって、その個性は確立され、テクニックは成熟の域に達している。リーダー作は、2〜3年に1枚程度のペースで、優れた内容のアルバムをコンスタントに残している。

カートは、バークリー音楽大学に入学、約2年半の在籍後、ゲイリー・バートンのツアーのサポート・メンバーとして誘われ、そのまま活動拠点をニューヨークへ移しプロとしてのキャリアをスタートさせたている。いわゆる「ゲイリー・バートン組」のギタリスト。パット・メセニーの後輩的なギタリストである。

Kurt Rosenwinkel & Jean-Paul Brodbeck『The Chopin Project』(写真左)。2022年の作品。ちなみにパーソネルは、Kurt Rosenwinkel (g), Jean-Paul Brodbeck (p), Lukas Traxel (ac-b), Jorge Rossy (ds)。カート・ローゼンウィンケルのギターが飛翔する、スイスの気鋭ピアニスト、ジャン・ポール・ブロードベックがアレンジとプロデュースを手掛けた、カルテット編成のフレデリック・ショパン曲集。改めて、この盤を聴き直した。

ショパンは「ピアノの詩人」。ピアノの特性を知り尽くし、ピアノを美しく唄わせ、ピアノを美しく響かせる。ショパンの書く楽曲は「難曲揃い」と言われる。真にピアノを美しく唄わせ、ピアノを美しく響かせるには、それ相応の高度なテクニックが必要とされる。その必要とされる高度なテクニックを音符に置き換えたのが、ショパンの書くピアノ曲である。
 

Thechopinproject_2

 
そんなピアノ曲の数々を、ジャン・ポール・ブロードベックのアレンジの下、カートがバリバリ、ギターで弾きまくる。ピアノの鍵盤を弾くタッチとフレーズをギターに置き換えて弾く。これは意外と困難な作業だと思われる。音階を流麗に上り下りするのは同じ様な感じがするが、ブロックコードや、音を大きく飛び越えるところはピアノとギターでは勝手が違う、弾き方が違う。

果たして、ショパンの難曲をギターに置き換えて、ショパンの難曲を本来のピアノで弾く様にギターで弾けるのか、ピアノで弾くクオリティーと同様のフレーズがギターで出せるのか。ピアノは弦を叩くが、ギターは弦を弾く。この難題にカートとブロードベックは果敢にチャレンジしている。

結論から言うと「カートのギタリストの才能」と「ブロードベックの秀逸なアレンジ」の賜物だろう。とても良く出来た「ショパン曲のカヴァー集」に仕上がっている。クラシックとジャズの融合、ショパンの新解釈とかの「俗っぽい表現」では無い、カートの流儀、カートの感性によるショパン曲の優れたカヴァー演奏。

ピアノ曲をギターでやるのだ。ジャズ・カルテットでやるのだ。アレンジは当然、必要だろう。そのアレンジが秀逸。その秀逸なアレンジに応える様に、カートのギターが、ショパン曲を自らの個性とテクニックで、カート自身の流儀でカヴァーしている。そこが見事なのだ。カートが、ショパンの曲に乗って、バリバリ弾きまくっている。頼もしいことこの上無い。

このショパン曲のカヴァー集で、カートのギターは「ひとつの極み」に達した感がある。テクニックのレベルは高く、クールでダイナミックで流麗。次作では、カートはどんなジャズ・ギターをやってくれるのか。今から楽しみである。ワクワクする。
 
 
 
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2023年2月12日 (日曜日)

ベツレヘムのハードバップ名盤

ベツレヘム・レーベルの聴き直しをしていて、ハードバップのインスト盤がユニークで内容があって、隠れ名盤的なアルバムが意外とある。名盤は言い過ぎでも、ハードバップ時代の優秀盤レベルが、ベツレヘムのカタログの中の、ここかしこに転がっている。

Paul Quinichette & Charlie Rouse『The Chase Is On』(写真)。1957年8月29日、9月8日の録音。ベツレヘム・レーベル~のリリース。ちなみに、Charlie Rouse, Paul Quinichette (ts), Hank Jones (p, tracks 2 & 5), Wynton Kelly (p, tracks 1, 3, 4 & 6-8), Freddie Green (g, tracks 2 & 5), Wendell Marshall (b), Ed Thigpen (ds)。

ハードバップ時代の中でも意外と珍しい編成でのセッションの記録。チャーリー・ラウズとポール・クイニシェットのテナーがフロント2管、2曲にギターが入る、変則クインテット編成。このラウズとクイニシェットのテナー・バトルが「聴きもの」のハードバップ名盤である。

とにかく、ラウズとクイニシェットのテナーの音が良い。力強く骨太でダンディズム溢れるテナー。音が太くて大きくグイグイくる方がラウズ、ちょっと繊細さが見え隠れするストレートな方がクイニシェットかな。
 

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タイトルにある様に、チェイス、そして、ユニゾン&ハーモニーが心地良い。お互いに相性が良くて、タイミングが合いやすいのだろう。そんな2人が渋いスタンダード曲を吹きまくる。悪かろうはずが無い。

バックのリズム・セクションも良い音を出している。ピアノは、端正なバップ・ピアノのハンク、流麗でファンキーなケリーを使い分け、マーシャルの堅実ベースとシグペンの職人ドラミング。

そして、カウント・ベイシー楽団のリズム・セクションの「オール・アメリカン・リズム・セクション」の最重要人物、フレディ・グリーンのギターが2曲に参入。こういった強者揃いの選りすぐりなリズム・セクションがバックに控える。当然、フロント2管は気兼ねなく溌剌と吹きまくる。

1957年のハードバップ成熟期に、ハードバップ初期の様なジャム・セッション風の演奏だが、演奏するメンバーが、ハードバップ期を生き抜いて来た強者ぞろいで、演奏内容は濃く、出てくる音は「絶品」。

少し柔らかだがしっかりと芯が入っていて、活き活きとした録音も魅力的。ベツレヘムのハードバップ盤は隅に置けないものばかりである。
 
 

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2023年2月11日 (土曜日)

ベツレヘムならではの企画盤

ベツレヘム・レーベルのハードバップなインストの優秀盤は、他のレーベルに比べて、ちょっとユニーク。米国東海岸ジャズと西海岸ジャズの要素がほどよく融合して、独特の雰囲気のハードバップが成立している。例えば、この企画盤に詰まってる音は、ベツレヘムならではの音作りになっていて、とても面白い。

『Winner's Circle』(写真)。1957年9月,10月の録音。ちなみにパーソネルは、以下の通り。

奇数曲(1957年9月録音)ー Art Farmer (tp), Rolf Kühn (cl), Eddie Costa (vib), Kenny Burrell (g), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds)。

偶数曲(1957年9月録音)ー Donald Byrd (tp), Frank Rehak (tb), Gene Quill (as, 2.のみ), John Coltrane (ts), Al Cohn (bs), Eddie Costa (p), Freddie Green (g, 2.のみ), Oscar Pettiford (db), Ed Thigpen (ds, track:2 を除く), Philie Jo Jones (ds, track:2 only)。

Winner's Circle。競馬用語では「勝ち馬表彰式場」。直訳だと「勝者の輪」。この盤の制作経緯を読むと、ダウンビート誌が1957年に発表した批評家の投票結果を基にメンバー選定して録音に臨んだ企画盤とのこと。

ただし、各楽器毎の一位のジャズマンばかりが選ばれている訳では無い。この盤でその存在がクローズアップされるジョン・コルトレーンはテナー・サックス部門で2位。ベース部門では、オスカー・ペティフォードが1位。ペティフォードは全8曲に参加していて、この企画盤、ペティフォード名義でも良かったのでは、とも思う。

冒頭「Lazy Afternoon」の演奏を聴けば、米国西海岸ジャズか、と思うだろう。エディ・コスタの硬質で透明感溢れるヴァイブのフレーズが心地良い。アート・ファーマーもトランペットもリリカルで流麗。ケニー・バレルのギターは漆黒アーバンでファンキーな響き。アレンジもシンプルで秀逸。しっかりアレンジされた、聴かせるジャズ。米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚である。
 

Winners-circle  

 
2曲目の「Not So Sleepy」は、フロント楽器の担当が東海岸のメンバーがメイン。でも、出てくる音は、どちらかと言えば、西海岸ジャズの雰囲気濃厚。お目当てのコルトレーンは、ゆったりしたミッドテンポに乗って、演奏の西海岸ジャズの雰囲気に似使わない、ゴツゴツとした硬いフレーズに終始する。

この盤でのコルトレーンは8曲中の4曲のみ参加、かつ、フロント4管構成の1つなので出番は極めて少ない。大凡は「普通の何の変哲も無いフレーズ」を吹いていく。この盤でのコルトレーンは発展途上と聴いた。聴きどころは殆ど無い。が、LP時代、日本のレコード会社は、この企画盤をコルトレーン名義として発売している。呆れた商業主義である(笑)。

それでも、コルトレーン以外のメンバーは、西海岸ジャズの雰囲気に乗って、情感豊かでリリカルなフレーズを紡ぎ上げている。演奏全体の雰囲気は良い。

以降、ラストの「Turtle Walk」まで、ミッドテンポが中心の、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な演奏が続く。演奏自体はハードバップ。アレンジ良し演奏良し、聴かせるジャズ、聴いて楽しいジャズが小粋に展開されている。

「Winner's Circle(勝者の輪)」なんてタイトルが付いているので、批評家の投票結果の上位者が集まって、丁々発止とバトルを繰り広げるジャム・セッション集かと思ったら、米国西海岸ジャズの雰囲気濃厚な、しっかりアレンジされた、聴かせるジャズが展開されているので、初めはちょっと面食らう。

米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、東海岸と西海岸、どちらに偏ることも無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしていたベツレヘム・レーベルならではの優秀盤といえるだろう。ベツレヘムのハードバップはユニークなものが多い。
 
 

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2023年2月10日 (金曜日)

ベツレヘムのブレイキー好盤

ベツレヘム・レーベルのアルバムを聴き直している。ベツレヘムにはボーカルのアルバムが多いのだが、ハードバップ系のアルバムにも優れた内容のアルバムが多くある。ベツレヘムのアルバムについては、あまりジャズ盤紹介本やジャズ雑誌の特集記事に上がることが無いので、いわゆる「隠れ名盤」化しているものがほとんど。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Hard Drive』(写真左)。1957年10月 9,11日の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Bill Hardman (tp), Johnny Griffin (ts), Junior Mance (p), Sam Dockery (p, track 3のみ), Spanky DeBrest (b)。

1950年代のジャズ・メッセンジャーズの「停滞の時代」のアルバムである。翌年、ブルーノート・レーベルに移って、大名盤『Moanin'』で再起〜躍進を遂げるわけだが、それまでは、ホレス・シルバーと袂を分かって以降、既存のジャズマンでメンバーを編成し、メンバーも流動的で、決定打に欠ける時代が続いた。

しかし、内容的にはそんなに悪い訳では無かった。既存のジャズマンのチョイスがまずまずで、ハードバップとして、意外と整った内容のアルバムを量産している。ただ、何かが足りない。決定打に欠ける。そんな「停滞の時代」だった。
 

Art-blakey-the-jazz-messengershard-drive

 
この『Hard Drive』もそんなアルバムの1枚。内容的には意外と充実している。まず、テナーのグリフィンが良い。バリバリ吹きまくっている。全編に渡って溌剌としたグリフィンが実に良い。トランペットのハードマンも健闘はしている。グリフィンに煽られているが、何とか、バリバリ吹きまくっている。

ジュニア・マンスがピアノを担当している。ファンキー・ピアノのマンスのドライブ感溢れる弾き回しが、この盤の「ハードバップらしさ」を増幅している。ファンクネスを湛えつつ跳ねるようなタッチでバリバリ弾きまくる。マンスのピアノが意外と良い雰囲気を醸し出している。

当然、ブレイキー御大もバッシバッシ叩きまくる。ブレイキー独特のアクセントで叩きまくるファンキー・ドラム。ただ、代名詞の「ナイアガラ・ロール」や、カカカカカッという個性的なリムショットは、まだ表舞台に出てきていない。そんなところが「何かが足りない」と感じる所以だろう。

2曲目の「Right Down Front」などは、ゴスペル風のファンキー・チューンで、翌年以降、流行となる「ファンキー・ジャズ」の先駆け的な演奏が素敵だ。他のハードバップ・チューンも粒が揃っていて、なかなかのもの。だけど、どこか、決定打に欠ける雰囲気が漂う。それでも、内容的には「ハードバップな優秀盤」で、これはこれで聴き応えは十分ある。ベツレヘムのジャズ・メッセンジャーズは聴く価値あり、だ。
 
 

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2023年2月 9日 (木曜日)

納浩一『琴線/ The Chord』です

もともと、ジャズ・ライフ誌は、日本のジャズの新盤を結構多く扱っているので、その時その時の日本のジャズの活性度合いや活躍度合いが良く判る。「Disc Grand Prix 年間グランプリ」でも、日本のジャズ・ミュージシャンの優秀盤が結構な数、上がっている。頼もしい限りである。

納浩一『琴線/ The Chord』(写真左)。2006年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、納浩一 (b), クリヤ・マコト (p), 則竹裕之 (ds), 小沼ようすけ (g)。「納浩一」=おさむ こういち、と読む。納浩一はベーシスト。和ジャズでは珍しいベーシストのリーダー作。2006年の作品なので、ちょっと古いが、内容は現代の耳にも十分に訴求する優れた内容。

収録曲各曲で、納浩一のベースがしっかりとした存在感を出しつつ、演奏のベースラインをガッチリと支えている。とにかく、納浩一のベースラインが力強く流麗で端正。フロントのフレーズを邪魔すること無く、納浩一のベースラインがクッキリ浮き出てくる。ベースの弾き方が素晴らしくハイテクニックなんだろう。
 

The-chord

 
そして、この盤、選曲が凄く良い。僕がジャズを本格的に聴き始めた頃、1970年代後半より、リアルタイムで聴いた、新しい世代の名曲がズラリと並ぶ。「Bud Powell」「Three Views Of A Secret」「Some Skunk Funk」「I Wish」などは、原曲がスッと思い浮かぶほどの愛聴曲。これを、シュッとしたクールなアレンジでカヴァーされる。そして、その底に、しっかりとハイテクニックな納浩一のベースがしっかりと流れている。

フロントを担うクリヤ・マコトが、溌剌としてエッジが快く立って、バリバリと躍動感溢れるピアノを弾きまくる。これがかなり「聴きもの」である。そして、ゲストで2曲に参加している小沼ようすけのギターが小粋で良い。たった2曲の参加だが、とても良いアクセント。冒頭の「Actual Proof」と6曲目の「Some Skunk Funk」で、バンバン弾きまくっている。

ベーシストのリーダー作として、内容優秀な好盤。何より選曲が良い。選曲が良くて演奏が良い。日本のジャズのみならず、グローバルなレベルで、このベーシストのリーダー作は高く評価されて然るべき内容だと思う。
 
 

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2023年2月 8日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・258

Jazz Lifeの「2022年度 Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を見ていると、日本のジャズも頑張ってるなあ、って思う。バブルが弾けた後、1990年代前半、日本のジャズは沈滞して行ったが、1990年終盤から少しずつ上向き始め、2000年代にはいって、ピアニストの山中千尋がデビュー盤をリリースすることから、日本のジャズは復活し、活性化していった。

そして、こうやって、ジャズライフ誌の「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を毎年読んできて、日本のジャズ・シーンは完全に復活し、深化している。最近、有望新人の出現が緩やかになってきているが、既に中堅〜ベテランの域に達した、2000年代に出現した有望新人達が堅実に活躍している。

『魚返明未 & 井上銘』(写真左)。2022年の作品。 ちなみにパーソネルは、魚返明未 (p), 井上銘 (g)。ピアノとギターのデュオ。「魚返 明未」= おがえり あみ、と読む。「井上 銘」= いのうえ めい、と読む。難度の高い「ピアノとギターのデュオ」のチャンジブルなパフォーマンスの記録である。

魚返明未(おがえり あみ)は、1991年東京都生まれ。4歳からピアノを始め、高校でモダンジャズ研究部に入部し、ジャズピアノに転向。 2015年7月、初リーダーアルバムをリリース。 2017年3月に東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業。新進気鋭のピアニストとして、ジャズ・シーンをメインに活動中。

井上 銘(いのうえ めい)は、1991年生まれ、神奈川県出身の日本のギタリスト/コンポーザー。幼少期よりピアノ、ドラムなどの楽器に親しみ、15歳でマイク・スターンの演奏に触れて、ギターを始める。高校在学中よりジャズ・クラブで演奏活動を始め、高校3年で鈴木勲のグループに参加。2011年、初リーダーアルバムをリリース。中堅ギタリストとして、様々なシーンで活躍中。
 

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ピアノとギターのデュオは難しい、と言われる。楽器の音量が違いすぎて、アンサンブルで、デュオ演奏で一番大事な「お互いに聴きあう」ということが難しい。そして、どちらの楽器も、メロディーとコード、どちらも弾けるので、メロディー弾きとコード弾きが、双方の意に背いて重なる危険性が高い。特にジャズは「即興の音楽」ゆえ、どちらのリスクも突発的に連続して起きる可能性がある。

ピアノとギターのデュオで思い出すのは、ビル・エヴァンスとジム・ホールのデュオ。この2人のデュオは見事だった。ピアノとギターのデュオのリスクを、綿密なリハーサルで乗りきり、高テクニックで疾走感溢れ、歌心満点でスリリングな、奇跡的な、唯一無二のデュオ演奏を残している。

そのデュオ演奏と単純に比較するのは酷だが、それでも『魚返明未 & 井上銘』のデュオは大健闘している。リハーサルをしっかり積んだんだろう、ということは演奏を聴いて直ぐに判る。とても堅実に慎重に演奏を進めている様子が良く判る。それでも、演奏の疾走感は保たれているし、ユニゾン&ハーモニーに淀みが無い。日本人ジャズ独特の「ファンクネスは希薄だが、切れ味の良いオフビート」が心地良い。

印象派絵画の様な、耽美的でリリカルな風景を見るような印象的なデュオ演奏は、どこか、パット・メセニーとライル・メイズのデュオを想起する。想起するどころか「比肩」するレベルではないか。と、僕は聴いた。

少しだけの「もったり感」が気になる部分があったが、あと2枚ほど、この2人のデュオを聴いてみたい。出来れば、チック・コリア&ゲイリー・バートンの様な「パーマネントな名デュオ・ユニット」として名を残して欲しい、位に思っている。
 
 

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2023年2月 7日 (火曜日)

アップル・レコードのMJQ・2

ビートルズで有名なAppleレコード。レジェンドなカルテット、モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet・MJQと略)は、この「場違い」なAppleレコードに2枚のアルバムを残している。

その経緯は僕は知らないが、昔、Appleレコードのカタログを眺めていた時、MJQのアルバムを見つけた時は思わず「え〜っ」と声を上げた。なんで、純ジャズ最高のグループの音源が、Appleレコードからリリースされていたのか。謎である。

The Modern Jazz Quartet『Space』(写真)。 1969年、ロンドンの「Trident Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p, harpsichord), Percy Heath (b), Connie Kay (ds) の鉄壁のカルテット。Appleレコードでの2枚目のリリースになる。

アルバム・タイトルを見て「?」。収録曲のタイトルを見て、冒頭の2曲が「金星からの訪問者」「火星からの訪問者」。どうも宇宙を意識した企画曲っぽい。録音年の1969年と言えば、アポロ計画、月面着陸など、世界の人々が宇宙へと想いを馳せた時代。

そんな時代背景に影響を受けて、この2曲のコンセプト曲を作ったのだろうか。聴いてみると、非常にアーティスティックで創造的な、そして、こかクラシック&プログレ的な、理路整然とした組曲の様な音世界。
 

The-modern-jazz-quartetspace

 
そんなガッチリと組み込まれたアレンジの中を、ファンクネスを封印した、無機質な響きの浮遊感溢れる流麗なミルトのヴァイブが飛翔する。そして、ジャジーな響きとは無縁の冷たくメタリックなタッチのルイスのピアノ。ジャズをしっかりと知る者が聴けば、思わず仰け反る、成熟したMJQだから為し得るコンセプト曲。

しかし、この宇宙を想起するコンセプト曲2曲の後に「Here's That Rainy Day」「Dilemma」と有名なジャズ・スタンダード曲が続き、ラストに長尺の「Concierto de Aranjuez(アランフェス協奏曲)」。

この如何にも純ジャズらしい有名曲3曲が素晴らしい出来。この3曲は「いつものMJQ」で、1969年の音楽の時代背景をバックに、高速でテクニカルで、珍しくファンクネス微少な「MJQらしい演奏」を聴くことが出来る。

冒頭2曲の宇宙的なコンセプトがメインなのか、後半の有名スタンダード曲の1969年的な解釈がメインなのか、よく判らないプロデュース。中途半端な印象は拭えない盤ではあるが、MJQの演奏内容は相当に高度で素晴らしい。アルバムが表現しかったコンセプトなどという難しいことは考えずに、高度でテクニカルな、成熟したMJQを楽しむのに好適。

MJQの推薦盤に全くタイトルが上がらない、かつ、不可思議でジャズらしくないジャケなので、触手がなかなか伸びないとは思うが、とりわけ、MJQ者の方々には一度は聴いて欲しい良好盤である。
 
 

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2023年2月 6日 (月曜日)

躍動するスナーキー・パピー

基本は、8ビートに乗った、ピアノ&キーボード、時々エレギをフロント・メインとしたインスト。高速8ビートのスムース・ジャズといった雰囲気。「クロスオーバー+ファンク+ダンス+フュージョン」を融合したエレクトリック・ジャズ。ダンサフルな面もあり、プログレッシヴ・ロックの様な側面もあり、ロックとジャズの間を突き抜ける、現代の「ジャズ・ロック」の担い手である。

Snarky Puppy『Empire Central』(写真左)。2022年3月3ー10日、ダラスの「Deep Ellum Art Company」でのライヴ録音。パーソネルを見渡すと、エレクトリックなジャズ・ビッグバンドといった風情。特徴としてはパーカッションが充実していて、リズム&ビートがしっかり効いていて、ダンサフルでもあり、疾走感抜群でもあり。ライトでポジティヴなジャズ・ファンクの響きが個性。

スナーキー・パピーのルーツであるテキサス州ダラスで、50人の観客を前にしたスタジオ・ライヴ録音。リーダー格は、Michael League (el-b, Minimoog Model D bass)。このマイケル・リーグのベースがスナーキー・パピーの個々の音をガッチリとまとめ、統率している。収録曲はボーナス曲を含み17曲。メンバーの19人中12人が作曲に参加するという、気合いの入った内容になっている。
 

Snarky-puppyempire-central

 
バンドのメンバーはそれぞれ、テクニック優秀で、あらゆる展開にしっかりと追従していて、その統一感には舌を巻く。揺るぎやズレの無いユニゾン&ハーモニー、流麗なアドリブ・リレー。純ジャズの様に、フレーズにマイナーな翳りが稀少なので、演奏全体の雰囲気は明るくダンサフル。疾走感溢れる流麗なアンサンブルは、どこか、1970年代のプログレッシブ・ロックやジャズ・ロックの響きがしていてグッド。

米国出身のジャズ・ファンクらしく、内容的にはシンプル。欧州ジャズの様な複雑さやカオスは無い。爽快感と流麗さが前面に押し出されているので、気がつき難いが、R&B、ゴスペル、ファンクなど、米国ルーツ・ミュージックのルーツがしっかり組み込まれていて、それが、このスナーキー・パピーの演奏を「ジャズ」のジャンルに踏みとどまらせている。

こういうインスト・バンドって、最近のジャズ・シーンには稀少になってきたので、スナーキー・パピーって貴重な存在。演奏力もアレンジも最高で、バンドのピークを捉えたライヴ盤に仕上がっているのでは無いだろうか。高みに達したスナーキー・パピー。次の展開はどこへ行くのか。少々不安になるくらい、上出来のライヴ盤である。
 
 

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2023年2月 5日 (日曜日)

アップル・レコードのMJQ・1

モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet・MJQと略)のアルバムの落ち穂拾いだが、マイナーな盤は結構、スルーしていることが良く判った。もともとCD廃盤になっていたものや、そもそもCDリイシューされていなかったものがあって、そんな廃盤状態の盤が、ここ2〜3年で、サブスク・サイトにアップされてきたので、初めて聴く機会に恵まれたものもある。

The Modern Jazz Quartet『Plastic Dreams』(写真左)。1971年5月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p, harpsichord), Percy Heath (b), Connie Kay (ds), Joe Newman, Snooky Young (tp (tracks 4-6)), Garnett Brown (tb (tracks 4-6)), Jimmy Buffington (French horn (tracks 4-6)), Don Butterfield (tuba (tracks 4-6))。

この盤は、MJQの盤というか、ジャズ盤として珍しい、ビートルズで有名なAppleレコードからのリリース。Appleレコードって、ビートルズのアルバムだけでは無く、ロックやシンガーソングライターの渋めのミュージシャンのアルバムを扱っていたのだが、こってこて本格的メインストリーム・ジャズのMJQまで扱っているのを知ったのは、ほんに10年位前。
 

The-modern-jazz-quartetplastic-dreams

 
この盤では「成熟仕切った」MJQのパフォーマンスを確認することが出来る。冒頭からの3曲、「Walkin' Stomp」「Dancing」「Plastic Dreams」では、成熟しきって、これ以上の「伸びしろ」は無いのでは無いかと思われるくらいの流麗で完璧な演奏。「Plastic Dreams」では、ジョン・ルイスはハープシコードを取り入れて、演奏に変化を付けている。MJQ独特の「良い意味でのスノッブな雰囲気」が増幅されているところが、実にMJQらしい。

後半の3曲「Variations on a Christmas Theme」「Trav'lin」「Piazza Navona」では、トランペット、ホルン、チューバの管が入った、MJQとしては珍しい演奏内容になっている。ただ、MJQはもともと4人のパフォーマンスの最高の表現が出来るグループなので、管のバッキングはあまり必要が無い、どころか、MJQのパフォーマンスを楽しむのに、ちょっと邪魔だなと思う位だから、この管入りは蛇足だろう。それでも「Trav'lin'」のミルトとルイスのアドリブ・ソロの流れは絶妙で惚れ惚れする。

AppleレコードからリリースされたMJQの異色盤ではあるが、内容は充実している。というか、ほとんど成熟しきった流麗さは、イージーリスニング・ジャズの域を超え、そのテンションたっぷり、テクニック最高な演奏は、聴いていて、ちょっと耳にもたれるくらい。この盤の3年後、一旦、活動を停止するのも理解出来る位の、相当高い成熟度がちょっと「もたれ気味」だが、一筋縄ではいかない、内容充実の優秀盤であるには違いない。
 
 

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2023年2月 4日 (土曜日)

MJQのモントルー・ライヴ '82

僕の大好きな伝説のカルテット、モダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet・MJQと略)のアルバムの落ち穂拾いをしている。主だったアルバムは、このブログの初期に記事をアップしているのだが、まだまだ聴き方も未熟で、リライトしたいアルバムもある。改めて、ディスコグラフィーと照らし併せてみて、まだ10枚程度、記事にしていないアルバムがあるみたいで、せっせと聴き直している。

The Modern Jazz Quartet『Together Again! - Live At the Montreux Jazz Festival '82』(写真左)。1982年7月25日、スイスのモントルー・ジャズ・フェスでのライヴ録音。Pabloレーベルからのリリース。ちなみに不動のパーソネルは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。4人のメンバー全員が鬼籍に入ってしまっていて、名実共に「伝説のカルテット」である。

このライヴ盤は、MJQが1974年に一旦解散し、その後、1981年に日本ツアーのために再会〜再結成した後、翌年のモントルー・ジャズ・フェスに出演した時のライヴ録音。時代はフュージョン・ジャズ全盛期でありながら、MJQの再結成はジャズ者の方々に好意的に受け入れられた様で、ジャズ・フェスの観客の反応も熱気溢れるもの。

再結成を好意的に受け入れられた状況をしっかりと受け止めて、MJQの演奏は、いつに増して熱が入っている。フュージョン・ジャズ全盛期の影響なのか、演奏のスピードがちょっと速くて、疾走感溢れる弾き回しが凄い。
 

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特に、ミルト・ジャクソンのヴァイブは気合い十分で、とにかく高速フレーズを弾きまくる弾きまくる。ジョン・ルイスのピアノは至って冷静で、ミルトの暴走を未然に防いでいる様だ。

恐らく、MJQの歴史上で、一番、高速な演奏だと思うが、リズム隊のパーシー・ヒースのベースとコニー・ケイのドラムが、その高速演奏についていくどころか、リードしているのには驚いた。やはり、このMJQの4人、演奏テクニックは抜群なのだ。4人が一体となって疾走感溢れる、流麗で味わい深い演奏を繰り広げている。

収録された曲は全て、MJQが演奏しなれた、定番曲がズラリと並ぶ。それでも、アレンジは少しずつ、1980年代前半に合わせて、洒落てシュッとしたものにリアレンジされていて、ジョン・ルイスのアレンジ力の高さを改めて感じた次第。

あまり話題に上がらない、MJQのアルバムの中でも注目されないライヴ盤だが、その時代の雰囲気を反映していて、これはこれで「アリ」の好ライヴ盤だと思います。MJQのライヴ盤で「いの一番」に聴くライヴ盤ではありませんが、他の有名なライヴ盤を聴いた後に聴くと、MJQの演奏力の奥の深さを感じることが出来ます。
 
 

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2023年2月 3日 (金曜日)

ボーダーレスなジャズの響き

ロバート・グラスパーの5th.アルバム『Black Radio』から10年。ジャズ、ユーロ、ラップ、ヒップホップ、R&Bなど、ブラック・ミュージックを融合して、新しい響きを宿したニュー・ジャズな音世界も、いよいよ充実〜成熟の域に達したのでは無いかと感じる今日この頃。昨年、その集大成の様なアルバムがリリースされている。

Robert Glasper『Black Radio III』(写真左)。2022年2月のリリース。ネットの情報では「この作品は、社会の変化によって破壊された世界のフラストレーションとチャンスを、グラスパーが最も直接的に表現したもの」とのこと。ボイスの英語があまり聞き取れないので、そのメッセージの革新性は良く判らない。何とか理解出来るのは、そのバックの音の革新性。

以前、マイルス・デイヴィスが生前、遺作となったアルバム『Doo-Bop』で、ラップとエレ・ジャズの融合を試みたのだが、その試みが、ロバート・グラスパーの5th.アルバム『Black Radio』で、ほぼ完成の域に達したのでは、と感じたが、今回の『Black Radio III』では成熟の域に達し、1つのジャズの演奏スタイルとして定型化したのではないか、と高く評価している。
 

Robert-glasper-black-radio-iii_1

 
基本は、1960年代から綿々と引き継がれているブラック・ミュージック。このブラック・ミュージックの様々な響きを外していないところが素晴らしい。そして、ビートは「エレ・ファンク」。マイルスが起源となった「エレ・ファンク」を、現代の楽器環境、録音環境を積極活用して洗練されたビートは、これまた素晴らしい。

もともと、グラスパーは、ヒップホップ志向のピアニストだと思っているので、ジャズとヒップホップ、ラップを融合させた成果は、ジャズの歴史に残ると思っている。この「ブラック・レディオ」シリーズでは、ピアニストというよりは、バンドマスター的存在であり、どちらかといえば、プロデューサーとしての才能が際立っている。

フィーチャリングされた歌手の豪華な面子はやっぱり凄いですが、やっぱり、バックの音とリズム&ビートに僕は惹かれるなあ。ジャズとヒップホップ、ラップを融合させて、ブラック・ミュージックのサウンドの味付けをスパイスの様に忍ばせる、グラスパーならではの音世界は唯一無二。この最新盤は、その音世界がさらに研ぎ澄まされ成熟して、1つのマイルストーンの様な位置づけになっている。現代ジャズを理解する上では、避けて通れないジャンルのアルバムだろう。
 
 

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2023年2月 2日 (木曜日)

欧州風味のスムース・ファンク

ブログを再開しました。よろしくお願いします。

さて、Jazz Lifeの「2022年度 Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を読んでいて、キャンディ・ダルファー(Candy Dulfer)のアルバムが紹介されていて、おお、未だ第一線で活躍しているのか、と頼もしく思えた。

意外と、僕はこのブログでキャンディ・ダルファーのアルバムについて語っていない。彼女の音楽性は、基本的に「ジャズ・ファンク」で、オランダはアムステルダムの出身なので、貴重な「欧州のジャズ・ファンク」の担い手なのだ。アルバムは出る度に聴いているんだが、どうもブログの記事にする機会が無かった。

Candy Dulfer『We Never Stop』(写真左)。2022年10月のリリース。パーソネルは曲毎にメンバー編成を変えているので、かなり多数のミュージシャンが参加しているので、詳細は割愛する。

キャンディ・ダルファーはサックス奏者。4歳の時、ジャズのヘビー級サックス奏者、ソニー・ロリンズを見てサックス奏者を志し、父のサックス奏者、ハンスの支援の下、研鑽に励み、12歳の頃には、他に尊敬できる女性サックス奏者が殆どいなかった環境の中で、次の世代のミュージシャンにとって、目標となる女性サックス奏者になりたい、と思っていたそうである。
 

Candy-dulferwe-never-stop

 
さて、このキャンディの新盤であるが、初期の頃のあっけらかんとした「ジャズ・ファンク」に立ち戻って、シンプルに聴いて楽しい「スムース・ファンク」なアルバムに仕上がっていて見事である。

このキャンディの「スムース・ファンク」、1970年代後半から80年代前半にかけても、フュージョン・ブームの中での、ジョージ・デュークやラムゼイ・ルイス等の類なんですが、当時の米国系のフュージョン・ファンクから、濃厚なファンクネスを軽くして、欧州ジャズらしい、音のシャープさと精巧さを加味した、キャンディ独特の「欧州のジャズ・ファンク」を成立させているところが素晴らしいですね。

マーカス・ミラー等、大物アーティスト、シンガーのドゥランド・ベルナール、トランペット奏者フィリップ・ラシータ、若干11歳の若き才能、ベーシストのアロン・ホデック等、バラエティ豊かなゲスト・ミュージシャンを迎えた華やかな内容。それでいて、シンプルに聴いて楽しい「スムース・ファンク」になっている、良い感じのアルバムです。

良い出来の「スムース・ファンク」なアルバムです。他のアルバムも遡って聴き直して、感想を記事にしてアップしたい。そんな気持ちがフツフツと湧き上がってきた。
 
 

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