MJQの発祥が確認出来る盤
モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)は、僕の大好きなジャズ・ユニット。ジャズを本格的に聴き始めた時、最初に手に取ったジャズ盤が、MJQの『Django』。アーティステックで品の良い、クラシックに比肩するほどの高度な音楽性。室内楽的で緻密精巧なアレンジと、ジャズ特有のインプロビゼーションの融合。クールでアーティスティックなジャズの最高峰。
『Modern Jazz Quartet, Milt Jackson Quintet』(写真左)。1952年12月22日と1954年6月16日の録音。Prestigeの7059番。ちなみにパーソネルは、1952年12月22日録音分:Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (ds)。1954年6月16日録音分:1952年のピアノが、Horace Silver (p) に代わり、Henry Boozier (tp)が加わる。
1曲目から4曲目、1952年の録音が「モダン・ジャズ・カルテット」発祥の記録。ドラムはまだ、コニー・ケイでは無い。オリジナル・メンバーのケニー・クラークが担当している。ベースはオリジナル・メンバーのパーシー・ヒースが既に担当している。当然、フロントを担う2人、ピアノのジョン・ルイスとヴァイブのミルト・ジャクソンも揃い踏み。
1954年の録音は、ピアノがホレス・シルヴァーで、基本はミルト・ジャクソンがリーダーのクインテット。同じ「MJQ」だが、クインテット編成だし、こってこてファンキーな演奏で固められている「モダン・ジャズ・カルテット」とは全く関連が無く、音の志向も異なる。「MJQ」つながりでカップリングしただけみたいで、やっつけレーベル、プレスティッジの成せる技。駄洒落が過ぎる。
ここでは、1952年の録音に絞って語りたいのだが、この1952年の時点で、MJQの音の個性は見事に完成されている。ミルト・ジャクソンのファンキーで流麗なヴァイヴ。クールで間を活かしたシンプルなルイスのピアノ。この二人の対比と融合。ミルトの自由なアドリブとルイスのアレンジの規律。そんなMJQの音の個性がこの4曲にしっかりと表現されている。
2曲目の「La Ronde」は、ジョン・ルイスの趣味がだだ漏れのバロックの様式美を取り入れた秀曲だが、端正にコントロールされたルイスのピアノのバッキングに乗って、流麗にドライブのかかった、ファンキーなミルトのヴァイブが素晴らしい。この音世界が「MJQ」の個性だろう。この1曲だけを聴いても、この1952年の録音に、既に「MJQ」は成立していることを実感する。
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