ジャズって判り易いのが一番
僕がまだジャズ者初心者だった頃、FMラジオは貴重な音源だった。当時、ジャズがメインのFM番組は結構沢山あって、リアルタイムで聞くか、リアルタイムで聞けない時は、タイマー起動でカセットデッキに録音しておいて、家に帰ってきてから、ずっと聞いていた記憶がある。
FM番組でそのジャズLP盤の一部を聴いて、その内容が気に入って、次の日にレコード屋に走ってゲットしたアルバムも結構あった様な気がする。一生懸命、ジャズ入門本やジャズ雑誌を読んだりしているのだが、それでも知らない名前のジャズマンが出てきたら、しっかりメモって、ジャズ人名辞典を引いたりして勉強していたなあ。当時はネットが無かったから、書籍とラジオだけが貴重な情報源だった。
Teddy & Eiji『Live Session』(写真)。1971年7月、東京ヤマハ・ホールとイイノ・ホールでのライヴ音源。トリオ・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、テディ・ウィルソン "Teddy Wilson" (p), 北村英治 (cl), 尾田悟 (ts), 薗田憲一 (tb), 光井章夫 (tp), 増田一郎 (vib), 池沢行生 (b), 須永ひろし (ds)。テディのピアノ・トリオを中心に、日本を代表するスイング系の名手が勢揃い。内容的には「スイング・ジャズ」が基本。
この盤の一部をNHKーFMで聴いて、どの曲に感動したかは覚えていないのだが、テディのスインギーでジャジーなピアノと北村英治の小粋で流麗なクラリネット、横揺れにスイングするリズム隊が凄く印象的に耳に残って、演奏の展開もとても判り易く、これはアルバム全体が聴きたい、と翌日、LPをゲットした思い出の盤である。
今の耳で聴き直してみても、テディのピアノはやっぱり良いし、北村のクラリネットは絶品。バックに控える日本を代表するスイング系の名手達のパフォーマンスも端正で流麗で見事。スイングが基調の演奏なんだが、今の耳にも古さは全く感じさせない、鮮度の高い横揺れスイングの上質のモダン・ジャズがこの盤に詰まっている。
こういう演奏を聴くと、やっぱり、ジャズって判り易いのが一番やな、と思ってしまう。加えて、演奏するジャズマンの演奏テクニックが高ければ高いほど、その演奏は判り易くなるのだから、やっぱりジャズって面白い。この盤の「セント・ジェームス病院」を聴いていて、そんなことを強く思った次第。
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こんにちはせいと申します。
ここ2ヶ月ほど、毎朝、HPを見ています。
斬新な視点や、毎日更新する意欲は素晴らしいですね。
投稿: せいや | 2022年12月30日 (金曜日) 06時43分