ユニークなAJQのセカンド盤
ベツレヘム・レーベルにあって、他のジャズ・レーベルに無いのが、オーストラリアン・ジャズ・カルテット(AJQ)の存在。このオーストラリア出身のカルテットは実にユニークな存在。ベツレヘムはカタログ順に集めたいがAJQは除きたい、というジャズ者の方々もいるくらい、この東海岸でも西海岸でも欧州でも無い、この「オーストラリア出身」のジャズの音は好き嫌いが分かれるところ。
『The Australian Jazz Quartet』(写真)。1955年10月、NYでの録音。ベツレヘム・レーベルの BCP-6003番。ちなみにパーソネルは、Dick Healey (fl), Erroll Buddle (bassoon), Jack Brokensha (vib), Bryce Rohde (p), Jimmy Gannon (b), Nick Stabulas (ds)。AJQの2枚目のアルバム。10インチLPの12インチLPでの再発の後、間髪入れずにリリースしている。
AJQのオリジナル・メンバーの4人は、オーストラリア人のエロール・バドル (bassoon, ts担当), ブライス・ローデ (p担当), ジャック・ブローケンシャ (vib, ds担当) と米国人の ディック・ヒーリー (as, cl, fl, b担当) の4人。ブローケンシャがヴァイブを弾いている時はドラムが、ヒーリーがリード楽器を吹いている時はベースが担当出来ない為、Jimmy Gannon (b), Nick Stabulas (ds) のリズム隊はサポート・メンバー。
オーストラリアン・ジャズ・カルテットと言いながら、パーソネルにジャズマンが6人名前を連ねているのはそんな理由から。もともとはオリジナル・メンバーのカルテットで演奏していたのだが、バズーン、フルート、ビブラフォンをフィーチャーすることになって、ベースとドラムが同時演奏出来ないので、サポートに2人のリズム隊を追加したというところだろう。
6002番の先行リリースの『The Australian Jazz Quartet/Quintet』から8ヶ月後の録音になるが、音の内容は変わらない。ただ、バズーン、フルート、ビブラフォンをフィーチャーがより明確になった様には感じる。ジャズとして聴くと、ファンクネスは希薄、演奏の形態はハードバップ、アレンジはそこそこでラウンジ風。音楽的には整然とまとまったカルテット&クインテットの演奏。
カンガルーをあしらったジャケットも当時の米国ジャズ・シーンからすると異質でありユニーク。しかし、当時、米国ではウケたのだろう、この後もベツレヘム・レーベルにおいて、オリジナル・アルバムのリリースは続くのだ。確かに、黒人ジャズに無い、クラシック音楽で使用されている、ジャズでは珍しい楽器が入ったジャズとして、今の耳で聴けば、ユニークな存在ではある。
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