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2022年12月の記事

2022年12月31日 (土曜日)

明日〜来月3日までお休みします

いよいよ今年も今日で終わり。コロナ禍が終息しそうで終息せず、結局、未だにコロナ禍が続いた年。それでも、死亡率、重症化率とも低下、行動制限も緩和されて、治療薬も出てきて、来年こそはコロナ禍は終息するのでは、という期待を持てる年末になりました。

ジャズ界では逝去するミュージシャンが続々出て、主だっただけでも以下の通り。ジャズを聴き始めて、馴染みのあるジャズマンが鬼籍に入るのは、見ていて辛いですね。

1月9日 - ジェームズ・エムトゥーメ
1月23日 - ビージー・アデール
3月8日 - 鈴木勲
3月8日 - ロン・マイルス
4月11日 - チャーネット・モフェット
6月3日 - グレイシャン・モンカー3世
7月19日 - マイケル・ヘンダーソン
8月23日 - クリード・テイラー
8月25日 - ジョーイ・デフランチェスコ
9月12日 - ラムゼイ・ルイス
9月24日 - ファラオ・サンダース
10月7日 - ロニー・キューバー

しかし、ジャズについては、コロナ禍を越えて、録音も増え、若手、ベテラン、レジェンド、皆、バランスの取れたリーダー作の安定したリリースが戻って来て、なかなか充実した1年ではなかったか、と感じています。ただ、目立った新人が出てこなかったかなあ、という印象はありますね。

来年は恐らく、コロナ禍を越えて、感染防止は必要にせよ、行動制限は緩和され、感染症法上のウイルスの危険度も「2類相当」から「5類」に引き下げられると思うので、より普通の日常になっていくかと思ってます。ジャズも通常の状態に戻っていくでしょう。そろそろ、ニュー・ヒーローの出現を期待したいですね。

個人的には、近しい人達の中で、入院、手術、そして永眠と慌ただしく、趣味の音楽と天文については、かなり控えめになった一年でした。僕自身もそんなに残された時間は無い身なんで、来年はもう少し穏やかな年になって欲しいです。

さて、この「ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログ」については、明日1月1日〜来年1月3日までお休みします。記事のアップの再開は1月4日を予定しています。よろしくお願いします。

それでは皆さん、よいお年をお迎えください。
 
 
Oomisoka1
 

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 ★ 松和の「青春のかけら達」 

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
 
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東日本大震災から11年9ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

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2022年12月30日 (金曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・21

「サウンド・オブ・ミュージック」というミュージカル映画がある。結構、お気に入りの映画で繰り返し見ている。その中の有名曲に「My Favorite Things」というのがある。雷を怖がる子供たちを「楽しいことを考えて」と、主人公のマリアが励ます場面で使われる曲。そうそう、JR東海「そうだ 京都、行こう」のCMにも、長年使われている。

ジャズの世界では、この「My Favorite Things」は超有名なスタンダード曲扱いで、その切っ掛けは、伝説のテナー・マン、ジョン・コルトレーンになる。コルトレーンが、この「My Favorite Things」という愛らしい楽曲を気に入り、自らのレパートリーにした。そして、それがジャズ者の間で有名にあり、他のジャズマンもカヴァーしたりして、ジャズの世界では超有名曲になっている。

John Coltrane『My Favorite Things』(写真左)。1960年10月21, 24, 26日の録音。ちなみにパーソネルは、John Coltrane (ss, ts), McCoy Tyner (p), Steve Davis (b), Elvin Jones (ds)。メンバー的には、まだ、ベースにギャリソンが参加していないので、「伝説のカルテット」直前の録音になる。

この盤は、コルトレーンがソプラノ・サックスを初めて正式盤で吹いた盤とされ、そのソプラノ・サックスを吹いた「My Favorite Things」の初収録された盤とされる。

が、この盤でのコルトレーンのソプラノ・サックスは、テクニック的にもまだまだ稚拙で、よくこんな平凡な吹奏の「My Favorite Things」をリーダー作に収録したもんだ、と変に感心している。最近のジャズ本や雑誌を見ると、この『My Favorite Things』のソプラノ・サックスはイマイチという評価になっているのも無理は無い。冒頭収録の「My Favorite Things」については「これが初収録」という評価に留まる。
 

John-coltranemy-favorite-things

 
それより、2曲目のバラード「Ev'ry Time We Say Goodbye」の、ビブラートの無い、真っ直ぐなブロウ、そのストレートな音のシンプルなバラード表現にコルトレーンの個性を感じるし、やっとまともな演奏レベルになりつつあるソプラノ・サックスが聴ける。

LPのB面、CDでは3曲目「Summertime」と4曲目の「But Not for Me」は、テナー・サックスに戻して、目眩くバカテク、疾走するシーツ・オブ・サウンドが素晴らしい。モード奏法と前提とした、伝統的なテナー・サックスの奏法については完全に完成の域に達している。

バックの、エルヴィン・ジョーンス(ds), マッコイ・タイナー(p), がやっとコルトレーン好みの「モーダルなリズム隊」の機能を果たしだしたことが良く判る。あとはベースを待つだけ。スティーヴ・デイヴィスのベースは終始、従来のウォーキング・ベースに徹していて、モーダルな他のメンバーとは違和感がある。高速モーダルなフレーズを追うのにウォーキング・ベースは辛そうだ。

この『My Favorite Things』って、結構、扱いが難しいアルバムである。コルトレーンがソプラノ・サックスを初めて正式盤で吹いた盤だが、ソプラノ・サックスについては、まだ吹きこなされていない様で、コルトレーンのソプラノ・サックスを堪能するには、もう少し後のリーダー作を聴いた方が良いだろう。

3曲目「Summertime」と4曲目の「But Not for Me」については、コルトレーンのモード・ジャズの成熟が聴けるが、この2曲だけではちょっと物足りない。

それでもこの盤は「コルトレーンの名盤」とされ、ジャズ者初心者の入門盤の1枚とされる。そういう面では、ジャズ者として、一度はしっかりと聴いておくべき盤、ということは言える。ソプラノ・サックスについては、もう少し練習を積んでから、正式録音に臨んで欲しかったなあ。
 
 

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2022年12月29日 (木曜日)

ジャズって判り易いのが一番

僕がまだジャズ者初心者だった頃、FMラジオは貴重な音源だった。当時、ジャズがメインのFM番組は結構沢山あって、リアルタイムで聞くか、リアルタイムで聞けない時は、タイマー起動でカセットデッキに録音しておいて、家に帰ってきてから、ずっと聞いていた記憶がある。

FM番組でそのジャズLP盤の一部を聴いて、その内容が気に入って、次の日にレコード屋に走ってゲットしたアルバムも結構あった様な気がする。一生懸命、ジャズ入門本やジャズ雑誌を読んだりしているのだが、それでも知らない名前のジャズマンが出てきたら、しっかりメモって、ジャズ人名辞典を引いたりして勉強していたなあ。当時はネットが無かったから、書籍とラジオだけが貴重な情報源だった。

Teddy & Eiji『Live Session』(写真)。1971年7月、東京ヤマハ・ホールとイイノ・ホールでのライヴ音源。トリオ・レコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、テディ・ウィルソン "Teddy Wilson" (p), 北村英治 (cl), 尾田悟 (ts), 薗田憲一 (tb), 光井章夫 (tp), 増田一郎 (vib), 池沢行生 (b), 須永ひろし (ds)。テディのピアノ・トリオを中心に、日本を代表するスイング系の名手が勢揃い。内容的には「スイング・ジャズ」が基本。
 

Teddy-eijilive-session

 
この盤の一部をNHKーFMで聴いて、どの曲に感動したかは覚えていないのだが、テディのスインギーでジャジーなピアノと北村英治の小粋で流麗なクラリネット、横揺れにスイングするリズム隊が凄く印象的に耳に残って、演奏の展開もとても判り易く、これはアルバム全体が聴きたい、と翌日、LPをゲットした思い出の盤である。

今の耳で聴き直してみても、テディのピアノはやっぱり良いし、北村のクラリネットは絶品。バックに控える日本を代表するスイング系の名手達のパフォーマンスも端正で流麗で見事。スイングが基調の演奏なんだが、今の耳にも古さは全く感じさせない、鮮度の高い横揺れスイングの上質のモダン・ジャズがこの盤に詰まっている。

こういう演奏を聴くと、やっぱり、ジャズって判り易いのが一番やな、と思ってしまう。加えて、演奏するジャズマンの演奏テクニックが高ければ高いほど、その演奏は判り易くなるのだから、やっぱりジャズって面白い。この盤の「セント・ジェームス病院」を聴いていて、そんなことを強く思った次第。
 
 

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2022年12月28日 (水曜日)

マイルスのブルーノート録音・1

マイルス・デイヴィスのリーダー作は、どの盤も「奥が深い」。まず、駄盤、凡盤の類が無い。各リーダー作には、それぞれ、録音時の「音の背景」とか、録音時の「音の志向」とか、が必ずあって、マイルスのリーダー作は、それぞれの盤毎に必ず「意味や意義」が存在する。マイルスは立ち止まったり、振り返ったりすることが無い。そして、マイルスには「適当に」という言葉は存在しない。

『Miles Davis Volume 1』(写真左)。1952年5月9日, 1953年4月20日の録音。ブルーノートの1501番。ちなみにパーソネルは、1952年5月9日:Miles Davis (tp), J. J. Johnson (tb), Jackie McLean (as), Gil Coggins (p), Oscar Pettiford (b), Kenny Clarke (ds)。1953年4月20日:Miles Davis (tp), J. J. Johnson (tb), Jimmy Heath (ts), Gil Coggins (p), Percy Heath (b), Art Blakey (ds)。どちらもセクステット編成。

1949年-1950年録音の『Birth of the Cool』の後、ブルーノートへの初録音と第2回目の録音から選曲された12-inch LP仕様のアルバム。当初は10-inch LP3枚に分けてリリースされたものを、12-inch LPへの移行時、2枚のLPに再編したものの最初の1枚である。

録音当時、マイルスは重度の麻薬禍に陥っており、録音も激減していたのだが、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンは、マイルスの才能を高く評価していて、重度の麻薬禍の状態にあったマイルスに録音の機会を与えている。マイルス自体、麻薬禍から何とか立ち直りたいと努力していた時期でもある、ライオンはそんなマイルスに救いの手を差し伸べた訳である。
 

Miles-davis-volume-1_1

 
マイルスはそんなライオンの恩義に報いるかの様に、麻薬禍の真っ只中にありながら、素晴らしい録音をブルーノートに残している。時代はビ・バップの流行が下火になり、ハードバップの萌芽を感じられる録音がちらほら出だした頃。マイルスは、ブルーノートの録音に、いち早く、ポスト「ビ・バップ」な、後のハードバップの先駆けとなる音を残している。

まだ編成楽器によるインタープレイは無いにしろ、演奏を「聴くこと」を意識したアーティスティックなアレンジ、聴き手に訴求する為のアドリブ展開におけるロング・プレイ、ビ・バップの熱気溢れる演奏志向からクールでヒップな演奏志向への変化は、既にこの1952年5月9日, 1953年4月20日の録音で、マイルスは「ものにしている」。

収録曲については、1952年5月9日録音は「How Deep Is the Ocean?」「Dear Old Stockholm」「Chance It」「Yesterdays」「Donna」「Woody 'n' You」の6曲、1953年4月20日録音は「Tempus Fugit」「Kelo」「Enigma」「Ray's Idea」「C.T.A」「C.T.A" (Alternate Take)」の6曲。

1952年5月9日録音の演奏の方が、ちょっと「くすんだ様な」大人しい演奏でクール度が高い。1953年4月20日録音の演奏の方は、溌剌とした度合いが高く、フレーズも明るめで健康的。でも、そんなに大きな変化は無くて、総じて、流麗で張りのある力強い演奏で統一されている。特にマイルスのトランペットは素晴らしい。当時のジャズ・シーンの中で、最高レベルのトランペットである。

マイルスは、ライオンの恩義に報いるように、ブルーノートに「ハードバップの萌芽」を感じさせ、トランペッターとして最高レベルのブロウを残したのだ。決して、やっつけの録音では無い、しっかりリハーサルされ、しっかり集中して演奏された素晴らしい録音の数々。やはり、当時から「マイルスは只者では無かった」のだ。
 
 

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2022年12月27日 (火曜日)

フリゼール・スタイルのエレギ

Bill Frisell(ビル・フリゼール)。米国ボルチモア〜デンヴァー出身のジャズ・ギタリスト。しかし、出てくるギターの音は伝統的なジャズ・ギターの音では無い。軽くサスティーンが聴いて、複雑にねじれ、自由度の高いモーダルなフレーズで、無調に展開することもしばしば。

1970年代以来、ECMレーベルに代表される「ニュー・ジャズ」を地で行くようなエレギで、伝統的なジャズ・ギターを愛でるジャズ者の方々からは、とにかく評判が悪い。でも、僕は初リーダー作『In Line』を聴いて以来、フリゼールはお気に入りのギタリストの1人である。

とにかく自由度の高いエレギで、伝統的な4ビートに収まることは「まず無い」。しかし、フリゼールのギターは、硬軟自在、緩急自在で、変幻自在なモーダルなフレーズを駆使して、即興性溢れるインプロを展開するところは、ジャズの最大の特徴である即興演奏という面ではその個性は突出している。

Bill Frisell『Four』(写真左)。2022年11月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bill Frisell (g), Greg Tardy (ts, cl, b-cl), Gerald Clayton(p), Johnathan Blake (ds)。ブルーノート・レーベルでの3作目となるリーダー作になる。パーソネルを見るとベーシストがいない。ベースレスの変則カルテットでの演奏。
 

Bill-frisellfour

 
フリゼールというレジェンド・ギタリストはブレが無い。初リーダー作の『In Line』(ECM, 1983)以来、エレギの音は一貫して「軽くサスティーンが聴いて、複雑にねじれ、自由度の高いモーダルなフレーズ」を維持。伝統的な4ビートのハードバップな演奏をやることは一切無い。一貫して「ニュー・ジャズ」なエレギを弾きまくっていて立派だ。

この新作でも、フリゼールは変わらない。冒頭「Dear Old Friend (for Alan Woodard)」の一発目のエレギのフレーズを聴けば、直ぐに「フリゼールのギターや」と判るくらいに個性的な音。以降、エレギの展開はフリゼールの個性のショーケース的内容。とにかく自由度が高い変幻自在なエレギはフリゼールの独壇場。

そんなフリゼールを、ジェラルド・クレイトン(p)、ジョナサン・ブレイク(ds)という若手バリバリのリズム隊が、これまた、柔軟に臨機応変に、フリゼールのギターにガッチリ適応し、フリゼールのギターにクイックに反応し、フリゼールのギターをバッチリ際立たせている。そして、グレッグ・タルディ(sax, cl)が、フロントの片翼を担って、フリゼールのインプロにしっかりと寄り添っている。

若き良きサイドマンに恵まれ、今年で71歳になる大ベテラン、レジェンド・ギタリストのフリゼールは、そのテクニックを惜しみなく披露し、思う存分、ねじれたエレギを弾きまくっている。以前は「変態ギター」なんて形容された時代もあったが、この新作を聴いていて、もはやこれは「フリゼール・スタイル」のジャズ・エレギなんだなあ、と感じた。しかし、本当にフリゼールのエレギは「ブレが無い」。
 
 

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2022年12月26日 (月曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・20

ジャズ盤には、我が国のジャズ者だけにウケて、他国では全く知られていない盤が結構ある。例えば、ブルーノートの「女性の足元ジャケ」で有名な、Sonny Clark『Cool Struttin'』がそうで、我が国のジャズ者の方々の中では知らぬ者はいない位の人気盤だが、本場米国では全く知られていない。そもそも、リーダーのピアニスト、ソニー・クラーク自体がマイナーな存在。

このエピソードはジャズ雑誌で読んで、最初は「眉唾」と思っていたのだが、実際に米国にビジネス出張に行った折、先方のキーマンの1人が大のジャズ好きで、通訳を通して色々な話をさせて貰ったのだが、確かに、Sonny Clark『Cool Struttin'』については「?」だった。そして、Mal Waldron『Left Alone』もそうだった。しかし、その後、彼もこの2枚を聴いたらしく、「どちらも、なかなか良いハードバップ盤だ、ありがとう」という電子メールが届いたのを覚えている。

Mal Waldron『Left Alone』(写真左)。1959年2月24日の録音。ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p), Jackie McLean (as :track 1のみ), Julian Euell (b), Al Dreares (ds)。マル・ウォルドロンのビリー・ホリディ追悼盤。基本はピアノのマルがリーダーのトリオ。1曲目の「Left Alone」のみ、アルト・サックスのジャッキー・マクリーンが客演している。

我が国ではこのマルの『Left Alone』は大人気盤で、ジャズ初心者向けのジャズ名盤紹介には必ずといっていいほど、この盤のタイトル名が上がってくる。しかし、である。それぞれの評論文を読むと、1曲目のタイトル曲「Left Alone」の「泣きのマクリーン」だけが絶賛されていて、この1曲だけで名盤扱いされているフシがある。確かにマクリーンのアルト・サックスは情感溢れ力強く、聴き応えのあるブロウなのだが、この盤のリーダーはマルであり、マルはピアニストである。

まず、この有名なタイトル曲「Left Alone」では、伴奏上手なマルのピアノが堪能出来る。なるほど、かの伝説の女性ジャズ・ボーカリスト、ビリー・ホリディがマルを伴奏者に指名したのが良く判る。情感を込めて唄う様にアルト・サックスを奏でるマクリーンに対して、絶妙なバッキングで応えるマル。この「伴奏のマル」は聴きもの。
 

Mal_left_alone_1

 
2曲目以降はマルがリーダーのピアノ・トリオの演奏になる。2曲目の「Catwalk」は名演だろう。なぜか、ジュリアン・ユールのベースとマルのピアノの絡みが良い感じなのだ。アル・ドリアースのドラムはあまり目立たないのだが。そうそう、「Catwalk」は曲自体も良い感じ。マルの作曲能力の高さを感じる。

が、である。3曲目の「You Don't Know What Love Is」から「Minor Pulsation」、演奏ラストの「Airegin」まで、内容的に悪くは無いんだが、なんだか演奏が重い。もう少し溌剌と、もう少し躍動感があっても良いと思うのだが、どうも良くない。この盤については、ベースとドラムのリズム隊のパフォーマンスに物足りなさを感じるのだが、このリズム隊がマルのピアノに上手く反応出来ていないというか、マルのピアノについていっていないのが惜しい。

そして、ラストのトラックには、マルが最晩年のビリー・ホリデイの伴奏者だったこともあってか、ビリー・ホリディの思い出についての「マルの語り」が収録されている。マルがとうとうとビリーについての思い出を語っているのだが、当然、英語で語っているので、ほとんど何を語っているのかが判らない。日本盤についても「対訳」が付いている訳でも無い。LP時代、この盤を入手して初めて聴いた時、このラストの「マルの語り」が出てきた時はビックリした(笑)。

このMal Waldron『Left Alone』について、名盤扱いされているのは、冒頭のタイトル曲「Left Alone」でのジャッキー・マクリーンのアルト・サックス、いわゆる「泣きのマクリーン」の素晴らしさだけがその理由で、マルの名盤、名演については他に沢山ある。

確かに、冒頭の「Left Alone」については、「泣きのマクリーン」の素晴らしさ故、ジャズ者であれば一度は聴いておく必要はあるかとは思う。しかし、2曲目以降については、決して、マルの代表的なパフォーマンスでは無いことを考慮しておく必要がある。ちょっと「こまったちゃん」な盤である。
 
 

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2022年12月24日 (土曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・19

僕は、マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスのコラボレーションが大のお気に入りだ。Columbiaレコード移籍後の(レコーディングは前だが)『'Round About Midnight』から『Miles Ahead』『Milestones』『Porgy and Bess』『Kind of Blue』『Sketches of Spain』まで、ギルが直接関与したものから、間接的なものまで、マイルスとギルのコラボの成果はどのアルバムを聴いても、今でも惚れ惚れする。

時期的には、1955年から1960年初頭、ジャズでいうと「ハードバップ全盛期」である。そんな「ハードバップ全盛期」に、マイルスはいち早く、ポスト・ハードバップを打ち出し、モード・ジャズへのチャレンジと確立に取り組んでいる。この辺が、魔王ルスの「先取性」であり「革新性」の優れたところなんだが、マイルスが「ジャズの帝王」と呼ばれる所以だろう。

『'Round About Midnight』で、いち早く、ハードバップの演奏フォーマットを確立させ、次作の『Miles Ahead』から、ギルとのコラボで、モード・ジャズに取組み始める。最初の明確な成果が『Milestones』、そして、そのモード・ジャズを確立し、奏法的にも「けりを付けた」のが『Sketches of Spain』だろう。

Miles Davis『Sketches of Spain』(写真左)。1959年11月、1960年3月の録音。ちなみにパーソネルは、と言いたいところだが、細かいメンバー紹介は割愛する。
 

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なんせ、この盤の演奏は、Miles Davis (tp) が主役、Gil Evans (arr, cond) とのコラボで、バックに錚々たるメンバーのジャズ・オーケストラ。それもフレンチ・ホルン,バスクラ、オーボエ、チューバ、バズーン、加えて、ハープが入る、ギル・エヴァンスならではの楽器構成。

スペインの作曲家ロドリーゴの人気曲をギル独特のアレンジで再編した、アルバム冒頭を飾る「Concierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)」の人気でこの盤は評価されるが、それは違う。この盤は、マイルス=ギルのコラボがモード・ジャズに「けりを付けた」、モード・ジャズを確立させた、ジャズの歴史的にも意義のある名盤である。

このアルバムに収録された曲は、殆どがいわゆるスパニッシュ・モードによる演奏。マイルスのスパニッシュ・モードの的確な解釈とギルの個性的なアレンジと共に、スパニッシュ・モードをベースとした演奏によって、モード・ジャズを「ものにしている」。この盤での、淀みの無いマイルスのモーダルな演奏は素晴らしいの一言。

それまでのジャズは「猥雑、庶民的、アクロバット的」で「クラシックの様な芸術性には無縁」という定評を覆し、ジャズというフォーマット、ジャズという音楽ジャンルが、モード・ジャズの確立によって、アーティスティックな側面を全面に押し出し、芸術性の高い音楽的成果を残すことが出来る、それを証明できる最高の一枚である。
 
 

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僕なりのジャズ超名盤研究・18

ジャズを本格的に聴き始めた頃、この盤の存在が不思議だった。ジャズの評論からすると、概ね、ディブ・ブルーベックというピアニストは「イモ」なピアニストという評価だった。やれスイングしないだの、やれ歌心が無いだの、そして、酷いなあと思ったのは「下手くそ」や「イモ」という評価。ジャズ者初心者として、これは下品やなあ、と思いつつ、ブルーベックの諸作については、なかなか手が伸びなかった。

しかし、である。ジャズ初心者向けのジャズ盤紹介には、必ずと言って良いほど、この盤のタイトルが上がる。ハワイ出身の S・ニール・フジタがデザインを手掛けた、前衛的な模様の絵をあしらったジャケットが印象的で、ジャズ初心者向けのジャズ盤ならば、とジャズを聴き初めて2年目位にゲットしている。

Dave Brubeck Quartet『Time Out』(写真左)。1959年6月の録音。ちなみにパーソネルは、Paul Desmond (as) Dave Brubeck (p) Gene Wright (b) Joe Morello (ds)。変則拍子ジャズの定盤中の定盤。ジャズで定番のビート、4ビートと2ビート以外を「Time Out(変拍子)」と呼んでいる訳だが、この盤は、その「変拍子の演奏ばかりを集めたアルバム」である。

1曲目の「Blue Rondo A La Turk(トルコ風ブルーロンド)」は「9分の8拍子」。スイングしないピアノとして、一部で忌み嫌われるブルーベックのピアノが印象的な旋律を奏でる。2+2+2+3拍子という刻み。これでは横揺れのスイングは出来ない。ちなみに、ブルーベック・カルテットでは、ブルーベック十八番の「スクエアなスイング」で、この「9分の8拍子の曲」をノリの良い演奏に仕上げている。
 

Time_out_1

 
3曲目のタイトル曲が、かの有名な「Take Five」。「5分の4拍子」の変拍子ジャズで、3+2拍子という刻み。これも横揺れスイングは無理。この「5分の4拍子」の曲も、ブルーベック・カルテットは「スクエアなスイング」で乗り切っている。ジョー・モレロのドラミングの巧みさ。それを支えるブルーベックのピアノのコンピング。

「変拍子の演奏ばかりを集めたアルバム」とは良く言ったもので、前述の1曲目が「9分の8拍子」、3曲目が「5分の4拍子」で完璧な変拍子。他の曲は「3分の4拍子」や「12分の8拍子」といった「3拍子」が主体の曲。5曲目の「Kathy's Waltz」は、6分の8拍子をインテンポで4分の4拍子に強引に被せている様で、これもある意味「変拍子」。

但し、「変拍子の演奏ばかりを集めたアルバム」だと難解になりがちなんだが、ブルーベック・カルテットはそうならない。ブルーベック・カルテットの演奏はどのアルバムも、どの演奏も「判り易い」。この「判り易さ」がブルーベック・カルテットの特徴であり、最大の長所。この『Time Out』がジャズ初心者向けのジャズ盤紹介に上がるのも、この「判り易さ」があるからだろう。

まず優れたアレンジがベースにあって、カルテットのメンバーの演奏能力とテクニックが高いこと。そこに、ブルーベックの理知的でスクエアなノリのピアノが演奏全体を統率し、ウォームで丸く力強いデスモントのアルト・サックスがフロントを担い、破綻の無い抑制の効いた、クールなインプロを展開する。これが「判り易さ」に繋がっている。ジャズにとって「判り易さ」は大切な要素。

しかし、「判り易い」からと言って、この変則拍子の「Take Five」が、1987年、アリナミンVのCMのバックで流れた時には驚きました。「ジャズはお洒落」なんていう、バブル期の産物なんでしょうが、よくこんな変則拍子のジャズ曲をCMに採用したもんです。今でも感心します。
 
 

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2022年12月22日 (木曜日)

バッキング上手のケイブルス

しばらく、お休みしていたのだが、ジョージ・ケイブルス(George Cables)のリーダー作の聴き直しを再開した。というのも、以前はサブスク・サイトには、ケイブルスのリーダー作が5〜6作はアップされているのだが、他のアルバムは対象外。CDにもなっておらず、廃盤状態の盤が多数で、ケイブルスのリーダー作の聴き直しを中断した。

しかし、最近、サブスク・サイトでケイブルスのリーダー作を検索したら、出てくる出てくる。ケイブルスのリーダー作の中で、スティープルチェイス・レーベルからのリリースが9作あって、この全てがアップされているのを確認した。他のアルバムと併せて、ケイブルスのリーダー作の3分の2程度をサブスクでカヴァー出来るので、聴き直し再開と相成った訳である。

George Cables『Cables' Vision』(写真左)。1979年12月17–19日の録音。ちなみにパーソネルは、George Cables (ac-p, el-p), Freddie Hubbard (flh), Bobby Hutcherson (vib), Ernie Watts (ts, fl), Tony Dumas (ac-b, el-b), Peter Erskine (ds), Vince Charles (perc)。

フレディ・ハバードのフリューゲルホーンとアーニー・ワッツのテナー、そして、ボビー・ハッチャーソンのヴァイブの3楽器がフロント、バックのリズム隊は、リーダーのケイブルスのピアノとベース+ドラムにパーカッションが入った4人。総勢7名のセプテット構成。

ケイブルスは電子ピアノも弾いていて、ちょっとフュージョン寄りの演奏もあるが、コンテンポラリーな純ジャズ志向といった雰囲気なので、目くじらを立てるほどのことは無い。逆に、電子ピアノを硬派に弾きまくっていて、ケイブルスって電子ピアノもイケるなあ、と感心したほど。
 

George-cablescables-vision

 
ケイブルスのアコースティック・ピアノは、適度に硬質のタッチで、適度に多弁なインプロビゼーションが個性。適度に硬質ではあるが、マッコイ・タイナーの様にガーンゴーンと叩く様な硬質さでは無い。「しなやかな硬質さ」と表現したら良いだろうか。そして、シーツ・オブ・サウンドほど多弁では無いが、モーダル・ジャズほど間を活かすことは無い。

この盤では特に、ケイブルスのピアノの「伴奏上手」なところが聴ける。しなやかで硬質なピアノでフロントをサポートする訳だが、ケイブルスはバックに回った時には「多弁」を封印する。逆に、モーダルなフレーズを弾き回しなかで、間を活かしたピンプロに徹して、フロント楽器とバッキングのフレーズがぶつかることが無い。職人芸的なバッキングに、思わず身を乗り出して聴き耳を立てる。

このバッキングが、フロントにとって快適なのか。それは、あの高テクニック+多弁なハバードのトランペットが気持ちよさそうに抑制したフレーズを聴かせてくれていることから、そして、ワッツのテナーとハッチャーソンのヴァイブが何時になく、熱い躍動感に溢れていることから、ケイブルス率いるリズム隊のサポートが抜群なことが良く判る。

米国では人気が高く、リーダー作は40枚を超える。伴奏上手でもあるため、サイドマンとしての他のリーダー作への参加も多い。それでも、我が国ではケイブルスのピアノは全く人気が無い。が、リーダー作を聴き漁るうちに、ケイブルスの優秀な個性に気がついて、僕のお気に入りのピアニストの1人となっている。やはりジャズは自分の耳で聴いて、自分で良し悪しを判断するに限る。
 
 

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2022年12月21日 (水曜日)

フュージョン・ジャズのポンティ

ジャン=リュック・ポンティ(Jean-Luc Ponty)は、ステファン・グラッペリと並んで、テクニックに優れ、後進に影響力が大きい、レジェンド級のジャズ・ヴァイオリニストとされる。レビューから初期のポンティは、明確に「クロスオーバー・ジャズ」。クロスオーバー・ジャズのエレギの役割をバイオリンに置き換えて、優れたパフォーマンスを生み出していた。

Jean-Luc Ponty『Upon the Wings of Music』(写真)。1975年1月の録音。米国ハリウッドでの録音。ちなみにパーソネルは、Jean-Luc Ponty (vln, strings-syn), Ray Parker Jr., Dan Sawyer (el-g), Patrice Rushen (ac-p, el-p, clavinet, syn, org), Ralphe Armstrong (el-b), Leon "Ndugu" Chancler (ds, perc)。前作からメンバーを総入れ替えして臨んだリーダー作の12作目、Atlanticレコードへの移籍後、最初のリーダー作である。

1曲目のタイトル曲「Upon the Wings of Music」を聴けば、ポンティのリーダー作の音の変化が良く判る。エレクトリックなクロスオーバー・ジャズの傑作『King Kong: Jean-Luc Ponty Plays the Music of Frank Zappa』と比べると、明らかにロック色が後退して、ファンクネスは希薄だが、ジャズロック色が濃厚になった、テクニック優秀で流麗でポップなジャズロック、いわゆる「爽快感溢れるフュージョン・ジャズ」の先駆けの様な音世界に変化しているのが判る。
 

Jeanluc-pontyupon-the-wings-of-music

 
当のリーダーのポンティのエレ・ヴァイオリンはあまり変わらないとは思うんだが、エレギとキーボードの音がクロスオーバー・ジャズの音志向の時とは全く異なる。それまでは「ロックっぽい」ところがあって、ジャジーな雰囲気は抑え気味だったのだが、この盤では、8ビートなエレクトリックなジャズロックの志向が強くなっている。

レイ・パーカーJr.のエレギは、ファンキーで超絶技巧、フュージョン・ジャズ・ギターの傾向が濃厚。そして、パトリース・ラッシェンのエレピは、ファンクネス控えめ、ジャズロック志向のエレピでロック志向は皆無。このエレギとキーボードの音の傾向の変化がこのポンティのリーダー作の音志向を変化させている。

いち早く「爽快感溢れるフュージョン・ジャズ」の音世界にチャレンジしているポンティのパフォーマンスはなかなかに意欲的。プログレ的なアプローチはまだ残ってはいるが、出てくる音は、ジャズロックであり「爽快感溢れるフュージョン・ジャズ」。上品かつクール、ドライブ感溢れる演奏は聴いていてスカッとします。
 
 

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2022年12月20日 (火曜日)

メイバーン初期のソロ・ピアノ

Harold Mabern(ハロルド・メイバーン)は、僕のお気に入りのピアニストの1人である。メイバーンはテネシー州メンフィス出身。1936年3月生まれ、2019年9月17日に惜しくも鬼籍に入っている。享年84歳。1968年に初リーダー作、意外とサイドマンでの活躍が目立っているが、リーダー作は多い。自身では2002年にヴィーナス・レコードに録音した『Kiss of Fire』が一番売れたリーダー作だ、としている。

Harold Mabern『Joy Spring』(写真左)。1985年の録音。ちなみにパーソネルは、Harold Mabern (p)。ドライブ感溢れるファンキー・ピアニスト、ハロルド・メイバーンのソロ・ピアノ盤。カナダのトロントの「カフェ・デ・コパン」でのライヴ録音。ラジオでも放送されたとのこと。

活動初期の頃のソロ・ピアノ盤なので、演奏するピアニストの個性がシンプルに判り易い。そして、このライヴ盤は、収録曲のほとんどはスタンダード曲で占められている。他のピアニストとの比較がし易い。メイバーンのピアノを理解するには恰好のアルバムである。
 

Harold-mabernjoy-spring

 
メイバーンのピアノは、明快で切れ味の良い、重量感溢れるタッチ。適度なテンションの下、アグレッシヴでポジティヴな、ドライヴ感溢れる弾き回し。濃厚に漂うファンクネス。このメイバーンのピアノ・ソロを聴いていて、思わず、レイ・ブライアントの『Alone at Montreux』を思い出した。

しかし、どこか似ているのだが、基本的にメイバーンのタッチの方がエッジが立っていて硬質。フレーズはメイバーンの方が「シュッと」している。こってこてファンキーなピアノであることには違いない。この「スッキリ&カッチリしたファンクネス」がメイバーンの個性であり、他のファンキー・ピアニストとの「差異化要素」である。

このスッキリ&カッチリしたファンキー・ピアノでスタンダード曲をユッタリとしたドライブ感を醸し出しながら、淀みなく、破綻無く弾き進めていく。スタンダード曲の解釈も良い感じ。ファンキーでありながら、どこか小粋でアーバンな「お洒落な」雰囲気が漂うところが「ニクい」。なかなかに聴き応えのあるソロ・ピアノ盤だと思う。
 
 

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2022年12月19日 (月曜日)

「ブルーベック4」初期の傑作盤

Dave Brubeck(ディブ・ブルーベック)のリーダー作の「落ち穂拾い」をしている。

もともと、ブルーベックのピアノが好きなので、当ブログでは、ブルーベックのリーダー作はかなりの数、記事にしてアップしている。が、ブルーベックはキャリア上、リーダー作については「多作の人」。ブルーベックを語る上で、重要と思われる盤もスポッと抜けていたりして、もう少し、充実させる必要があるなあ、と感じた次第。

Dave Brubeck Quartet『Jazz At Oberlin』(写真左)。1953年3月2日、米国オハイオ州のOberlin Collegeでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dave Brubeck (p), Paul Desmond (as), Lloyd Davis (ds), Ron Crotty (b)。ブルーベック=デスモンドの「大学巡回ライヴ」の中の「とりわけ優れた」1枚である。

収録曲は全て「有名な」スタンダード曲。しかし、全曲、ブルーベックのアレンジが秀逸で、他の同一曲の演奏とは異なる、オリジナリティ溢れる「ブルーベック=デスモンド」ならではの個性的な演奏に仕上がっている。

スタンダード曲の持つ流麗なテーマ部は、はっきりとそれと判る、判り易いフレーズで印象付け。アドリブ展開では、ブルーベック独特のスクエアにスイングする、現代音楽の様な硬質タッチのピアノと、流麗に優しく語りかける様に、ソフト&メロウな、デスモンドのアルト・サックスとが対比する様な、独特な雰囲気を醸し出すインタープレイが見事。
 

Dave-brubeck-quartetjazz-at-oberlin

 
以降の「ブルーベック=デスモンド」のカルテット演奏の個性は、この時点で完全に確立されている。

横揺れにスイングすることは無く、ファンクネスは皆無。それでも、このカルテット演奏は「ノリ」が良い。そして、出てくるフレーズがキャッチャーで流麗。ブルーベックの硬質タッチのピアノのフレーズは実に捉えやすく、流麗で柔らかなデスモンドのアルト・サックスは聴いていて、とても心地良い。その2人のパフォーマンスを支えるリズム隊は堅実で破綻が無い。

つまりは「ブルーベック=デスモンド」のカルテット演奏は判り易く、親しみ易いのだ。聴き手にしっかり訴求する「ブルーベック=デスモンド」のジャズ。聴衆もそれをしっかり感じて、ノリノリで演奏を楽しんでいる様子が良く判る。

僕がジャズを聴き始めた1970年代後半、我が国におけるブルーベックの評価は甚だ悪かった。やれスイングしないだの、やれ歌心が無いだの、そして、酷いなあと思ったのは「下手くそ」という評価。

しかし、僕は「秘密の喫茶店」で、この「大学巡回ライヴ」の中の「とりわけ優れた」1枚を聴かせてもらって、ブルーベックのピアノのファンになった。ジャズを本格的に聴き始めた良い時期に、ブルーベックの「真の演奏」を聴くことが出来、ブルーベックのピアノを「聴き誤らなかった」のは幸いだった。やっぱり、ジャズは自分の耳で聴いて、自分の耳で判断するのが一番だ。
 
 

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2022年12月18日 (日曜日)

ユニークなAJQのセカンド盤

ベツレヘム・レーベルにあって、他のジャズ・レーベルに無いのが、オーストラリアン・ジャズ・カルテット(AJQ)の存在。このオーストラリア出身のカルテットは実にユニークな存在。ベツレヘムはカタログ順に集めたいがAJQは除きたい、というジャズ者の方々もいるくらい、この東海岸でも西海岸でも欧州でも無い、この「オーストラリア出身」のジャズの音は好き嫌いが分かれるところ。

『The Australian Jazz Quartet』(写真)。1955年10月、NYでの録音。ベツレヘム・レーベルの BCP-6003番。ちなみにパーソネルは、Dick Healey (fl), Erroll Buddle (bassoon), Jack Brokensha (vib), Bryce Rohde (p), Jimmy Gannon (b), Nick Stabulas (ds)。AJQの2枚目のアルバム。10インチLPの12インチLPでの再発の後、間髪入れずにリリースしている。

AJQのオリジナル・メンバーの4人は、オーストラリア人のエロール・バドル (bassoon, ts担当), ブライス・ローデ (p担当), ジャック・ブローケンシャ (vib, ds担当) と米国人の ディック・ヒーリー (as, cl, fl, b担当) の4人。ブローケンシャがヴァイブを弾いている時はドラムが、ヒーリーがリード楽器を吹いている時はベースが担当出来ない為、Jimmy Gannon (b), Nick Stabulas (ds) のリズム隊はサポート・メンバー。
 

The-australian-jazz-quartet_2

 
オーストラリアン・ジャズ・カルテットと言いながら、パーソネルにジャズマンが6人名前を連ねているのはそんな理由から。もともとはオリジナル・メンバーのカルテットで演奏していたのだが、バズーン、フルート、ビブラフォンをフィーチャーすることになって、ベースとドラムが同時演奏出来ないので、サポートに2人のリズム隊を追加したというところだろう。

6002番の先行リリースの『The Australian Jazz Quartet/Quintet』から8ヶ月後の録音になるが、音の内容は変わらない。ただ、バズーン、フルート、ビブラフォンをフィーチャーがより明確になった様には感じる。ジャズとして聴くと、ファンクネスは希薄、演奏の形態はハードバップ、アレンジはそこそこでラウンジ風。音楽的には整然とまとまったカルテット&クインテットの演奏。

カンガルーをあしらったジャケットも当時の米国ジャズ・シーンからすると異質でありユニーク。しかし、当時、米国ではウケたのだろう、この後もベツレヘム・レーベルにおいて、オリジナル・アルバムのリリースは続くのだ。確かに、黒人ジャズに無い、クラシック音楽で使用されている、ジャズでは珍しい楽器が入ったジャズとして、今の耳で聴けば、ユニークな存在ではある。
 
 

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2022年12月17日 (土曜日)

オーストラリア出身のカルテット

ベツレヘム・レーベルのアルバムを、Bethlehem 6000 series (12 inch LP)」のカタログから、カタログ番号順に聴き直すと、このレーベル独特のグループやジャズ・ミュージシャンの名前に出くわすので、思わず面食らう。

ベツレヘム・レーベルの創始者、ガス・ウィルディは、他社とは違うことをやらなければ、レコード・ビジネスで勝負していけない、と思っていたそうで、そういう面から、他の有名ジャズ・レーベルとは異なる、ユニークなジャズ・ミュージシャンやグループ、そして、将来有望そうな新人をチョイスしては、リーダー作を録音させている。すると、ジャズ者の我々からすると「こんなジャズ・ミュージシャン、グループ名って聞いたことがない」と反応して、思わず敬遠してしまうのだ。

『The Australian Jazz Quartet』(写真左)。1955年10月、NYでの録音。ベツレヘムのBCP-6003番。ちなみにパーソネルは、Errol Buddle (ts, bassoon), Dick Healey (ts, as, fl, piccolo fl, cl, b), Bryce Rohde (p), Jack Brokensha (vib, ds), Nick Stabulas (ds)。

オーストラリア出身のグループ、オーストラリアン・ジャズ・カルテット(AJQ)のデビュー盤である。AJQはオーストラリア人3名、米国人1名が基本構成。このグループは、従来のジャズ楽器であるサックス、ピアノ、ベース、ドラムに加えて、バズーン、フルート、ビブラフォンをフィーチャーしていたという点で珍しい存在。活動期間は1954〜58年と短いが、室内楽的な味わいが魅力で、米国では当時、結構、人気のカルテットだったみたい。
 

The-australian-jazz-quartet

 
この盤はタイトルは「カルテット」だが、中身はカルテット演奏とクインテット演奏がチャンポンしているが、音の志向は変わらない。聴けば、興味深いサウンドで、演奏の基本はハードバップなんだが、ジャジー&ファンキーな雰囲気は希薄、といって、聴き手を意識したアレンジとアンサンブルを基本としている訳でも無い。つまり、当時の東海岸ジャズでも無ければ、西海岸ジャズでも無い。といって、クラシックな雰囲気を宿した欧州ジャズでも無い。いわゆる当時の「第三世界」でのジャズである。

個々の演奏者の個性は薄い。バズーン、フルート、ビブラフォンを交えたジャズ演奏が耳新しく響く。室内楽的ではあるが、モダン・ジャズ・カルテットの様に、クラシックの技法を積極的に導入した本格的なものでは無い。黒人ジャズに無い、クラシック音楽で使用されている、ジャズでは珍しい楽器が入ったジャズとして、当時は米国ではウケたのだろう。

ジャズとして聴くと、ファンクネスは希薄、演奏の形態はハードバップ、アレンジはそこそこでラウンジ風、メンバーはいずれも音楽関係の学校で正規な教育を受けていることから、音楽的には整然とまとまったカルテット&クインテットの演奏。佇まいを正して演奏と対峙する様な、ストイックでシビアな演奏では無い。どちらかと言えば「ながら聴き」に向くジャズだろうか。

ベツレヘム・レーベルは、ジャケット・デザインも良い、と聞くが、この盤のカンガルー4匹横並びのジャケットはちょっと「引く」(笑)。このジャケだと、AJQの存在を知らないジャズ者の方々は、絶対に触手は伸びないだろう(笑)。でも、中身については、東海岸でも西海岸でも無い「第三世界」のジャズの音が詰まっていて、一聴には値する。
 
 

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2022年12月16日 (金曜日)

ジャズ・バイオリンの名盤の1つ

ジャズ・バイオリンはジャズの中でもかなりマイナーな存在。有名なジャズ・バイオリニストとして、僕の頭に浮かぶのが、ステファン・グラッペリ、ジャン=リュック・ポンティ、そして、寺井尚子。この3名くらいしか浮かばない。調べれば、14〜5名くらいはいるみたいだが、先に挙げた3名以外、知らない名前ばかりで、当然、リーダー作に出会った記憶も無い。

その僕の頭に浮かぶジャズ・バイオリニストの中で、一番、良く聴いたのが、ジャン=リュック・ポンティ。特にジャズを本格的に聴き始めた頃、1970年代終わり以降、クロスオーバー〜フュージョン・ジャズのジャン=リュック・ポンティを良く聴いた思い出がある。が、最近、とんと御無沙汰。もう音のイメージも薄れつつあるので、これではいかん、とポンティの主だったリーダー作を一気聴きである。

ジャン=リュック・ポンティ。1942年9月29日フランス生まれ。クラシック音楽に囲まれた環境で育つが、ステファン・グラッペリやスタッフ・スミスのジャズ・バイオリンの演奏を聴いて、クラシックからジャズに転向。

高度なテクニックで、ロック〜ハイテク・フュージョン感覚のバイオリンが個性。この『King Kong』では、クロスオーバー・ジャズ志向の演奏の中で、ロック・テイストなバイオリンを弾きまくっている。

『King Kong: Jean-Luc Ponty Plays the Music of Frank Zappa』(写真)。1969年10月6ー7日の録音。難解&変態の孤高のロッカー「フランク・ザッパ」の名曲のカヴァー集。
 

King-kong

 
ちなみにパーソネルは、Buell Neidlinger [A1, B1, B2], Wilton Felder [A2 to A4] (b), Arthur Dyer Tripp III [A1, B1, B2], John Guerin [A2 to A4] (ds), George Duke (el-p), Jean-Luc Ponty (el-vln), Ernie Watts (A2 to A4) (sax), Frank Zappa (arr, g [A4])。

ザッパの名曲のカヴァーに、ザッパ本人がアレンジとエレギまで担当(曲: A4,m)している。そして、エレピにジョージ・デューク。ザッパの名曲のカヴァーなので、ロック・テイストに音の志向が傾く傾向にあるところを、しっかりとジャジー&ファンキーな要素を積極的に注入して、アルバム全体をクロスオーバー・ジャズの音の志向に落ち着かせているのは、ジョージ・デュークのエレピ。

ジョージ・デュークがしっかり押さえたクロスオーバー・ジャズな音世界の中で、ポンティはロック・テイストなバイオリンを弾きまくる。音の特徴としては、アタッチメントを効果的に適用したエレギの様な音なんだが、エレギのサスティーン以上に太い音の伸びがあるところ。バイオリンでなければ、この太い音の伸びは出ないだろう。ジャズ・バイオリンの特徴を最大限に活かした、クロスオーバーな弾き回しは見事。

ロック・テイストなポンティのバイオリンに相対する、ロック・テイストなサックスは誰だろうとパーソネルを見たら、なんと「アーニー・ワッツ」が大活躍である。ローリング・ストーンズのサックスの音が、この盤に充満している。ザッパの名曲のカヴァーとしては、ワッツのテナーは適任だろう。

ロックのユニークな名曲をカヴァーした、クロスオーバー・ジャズの名盤の1枚だろう。ポンティのジャズ・バイオリンも聴きどころ満載である。
 
 

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2022年12月15日 (木曜日)

現代のピアノ・トリオの好例の1つ

New York Trio。トリオ名からして「胡散臭い」(笑)。とかく評判の良くない、日本発のヴィーナス・レコードからのリリースが主。これまた「胡散臭い」(笑)。才能ある若手〜中堅ピアニストのフォービートな純ジャズ・トリオで、しかも、スタンダード曲が中心の演奏。これまた「胡散臭い」(笑)。

正直言って、最初、このトリオのアルバムに出会った時、そんな「胡散臭さ」満載で触手が伸びなかった。が、ピアノ担当のビル・チャーラップのピアノがお気に入りになり、チャーラップがピアノを担当しているのなら、ありきたりな「やらせ」なピアノ・トリオ盤にはならないだろう、という見通しの中、一気に3〜4枚、New York Trioのアルバムを集中聴きした。

チャーラップのピアノは「耽美的でリリカル、そしてバップなピアノ」。それまでに無い、新しいモーダルな響き。ハードバップ期の焼き直しでは無い、新しい感覚のモーダルなバップ・ピアノが新しい。そこに、レオンハート~スチュワートのリズム隊が、これまた新しいイメージのリズム&ビートを駆使して、チャーラップ共々、新しいイメージが散りばめられたインタープレイを繰り広げている。New York Trio 侮り難しである。
 

New-york-triothe-things-we-did-last-summ

 
New York Trio『The Things We Did Last Summer』(写真左)。2002年4月3ー4日、NYでの録音。邦題『過ぎし夏の思い出』。ちなみにパーソネルは、Bill Charlap (p), Jay Leonhart (b), Bill Stewart (ds)。収録曲は全曲スタンダード曲で固めている。1〜2曲は自作曲を挟むのが慣わしだが、実に潔い選曲である。逆に、この方が、このピアノ・トリオの個性が良く判る。

選曲が渋い。このNew York Trioは、ゆったりとしたバップっぽい演奏が得意なんだが、この盤の選曲は「バッチリ」である。「The Things We Did Last Summer」「How High The Moon」「It's Only A Paper Moon」などは「ウットリ」。手垢の付いた、どスタンダードの「You'd Be So Nice To Come Home To」「As Time Goes By」は、斬新なアレンジと高度なテクニックで、今まで無い、新しい魅力を付加しているのは立派。

そして、冒頭の「The Shadow Of Your Smile(いそしぎ)」のチャーラップのピアノ・ソロが絶品。これこそ、チャーラップのピアノの個性。耽美的でリリカル、そしてバップなピアノ。それにバッチリ合わせたリズム&ビートを叩き出すレオンハート~スチュワートのリズム隊。現代のピアノ・トリオの「最良のパフォーマンス」のひとつがこの盤に記録されていると思う。
 
 

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2022年12月14日 (水曜日)

クリスの "バードランドの子守唄"

ベツレヘム・レーベルのアルバムを、Bethlehem 6000 series (12 inch LP)」のカタログから、カタログ番号順に聴き直している訳だが、カタログを見渡すと、ジャズ・ボーカルのアルバムが散見される、というか、資料によると、全カタログの4分の1がジャズ・ボーカルのアルバムとのこと。他のジャズレーベルと比べると、かなりボーカル盤が多いということになる。

ベツレヘムの創始者、ガス・ウィルディは、他社とは違うことをやらなければ、レコード・ビジネスで勝負していけない、と思っていたらしく、その切っ掛けは、レーベル初期の「クリス・コナーのアルバムのヒット」だろう。このクリス・コナーのアルバムのヒットによって、ボーカル重視路線が固まったと思う。しかも、ベツレヘム・レーベルは、名の売れたボーカリストよりは、新人を発掘して世に出すことに力を入れていた、とのことだが、カタログを見渡すとその傾向が良く判る。


Chris Connor『Sings Lullabys of Birdland』(写真)。録音日時とパーソネルは3つ分かれる。1-5曲目が、1954年8月9 & 11日の録音で、バックは、Ellis Larkin (p) Trio。6-8曲目が、1953年12月17 &18日の録音で、バックは、Sy Oliver (arr.cond) 's Orchestra。9ー14曲目が、1954年8月21日の録音で、バックは、Vinnie Burke (b) Jazz String Quartet。録音場所は全てNY。
 

Chris-connorsings-lullabys-of-birdland

 
この盤が、その「クリス・コナーのアルバムのヒット」の1枚。聴くと判るが、とても馴染み易い、女性ジャズ・ボーカルである。正統派なジャズ・ボーカルの特徴である、フェイクやビブラート、シャウトなどがほとんど無い。クリスの声はハスキーで明確、パワフルでメロー。耳に優しく、耳に馴染む、しっとりした、どこか爽やかな歌声。

選曲も良い。3つのセッション(3つの10" LP盤)の寄せ集めではあるが、クリスのボーカルを前面に出した録音がメインなので、それぞれアレンジやバックの演奏が異なるのだが、しっかりとした統一感があって、寄せ集め感が無いのも良い。1曲当たり、3分程度と短いが、クリスのボーカルを愛でる上では気にならない。とにかく、聴いていて心地良い女性ボーカル盤である。

聴き終えて、クリスのボーカルの良さが沁みてくる、なるほどクリスの代表盤、と感心する内容です。良い意味で「ながら聴き」も出来るジャズ・ボーカル盤。当時、クリスのボーカルは、ジャズファン以外の他のジャンルのボーカル好きにも訴求したのではないか、と思います。当時、ヒットしたのが良く判りますね。
 
 

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2022年12月13日 (火曜日)

ブルーベックとデスモンドの融合

ジャズの楽器の中ではピアノが一番好きである。もともと、子供の頃、中学生まで、クラシック・ピアノを習っていたこともあって、ジャズ・ピアノは「聴く」ばかりでなく、及ばずながら「弾く」側の気持ちやテクニックを慮って、鑑賞することが出来る。

ジャズ・ピアニストはあまたあれど、お気に入りのピアニストは数十名。その中に「デイブ・ブルーベック」がいる。ブルーベックと言えば、僕がジャズを本格的に聴き始めた頃、評論家筋を中心に「スイングしないピアニスト」だの「ファンクネスが無い」だの「白人だからジャズじゃない」だのケチョンケチョンに書くものだから、本当に我が国では人気がイマイチだった。

しかし、21世紀、ネットの時代になって、我が国のジャズ者の方々の中にも、ブルーベックのピアノがお気に入り、という意見もちらほら見る様になった。米国ではデビュー当時から、人気のピアニストである。魅力が無ければ人気は出ない。やっと我が国でも、ブルーベックのピアノの本質を、個性を直接感じて評価するジャズ者の方々が出てきたということ。頼もしい限りである。

Dave Brubeck Quartet『Jazz at the College of the Pacific』(写真左)。1953年12月14日、カリフォルニア州ストックトン「College of the Pacific」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Dave Brubeck (p), Paul Desmond (as), Ron Crotty (b), Joe Dodge (ds)。ブルーベック・カルテットの「大学巡回ライヴ」の音源のひとつ。

ブルーベックの「大学巡回ライヴ」には、『Jazz at Oberlin』をはじめとして名盤揃い。この「College of the Pacific」でのライヴも、ちょっと音質に難があるが、同様に内容は充実している。ブルーベックの硬質のスクエアにスイングするピアノ、暖かくてクールなアルト・サックスの個性は、この1953年のライヴで完成しているのが判る。
 

Dave-brubeck-quartetjazz-at-the-college-

 
ブルーベックのピアノを聴いていると、もともとブルーベックのピアノはスイングしようとはしていない。そもそもオフビートでは無い、ブルージーなキーを多く使わない、クラシックのテクニックをアレンジに反映する。

なるほど、これでは、スイング・ジャズ時代から培われた「横揺れスイング」をしようにも出来ない。しかし、ビートにはしっかり乗っている。リズムはスクエアに乗っている。「スクエアなグルーヴ感」。「スクエアにスイングする」のがブルーベックのピアノであり、ブルーベックの専売特許なのだ。

そんな硬質でスクエアのスイングするピアノに、全く正反対の個性で相対するのが、デスモンドのアルト・サックス。デスモンドのアルト・サックスは「丸い」。暖かく「丸い」。そして、よくよく聴くと、ブルーベックの「スクエアにスイングする」ピアノに乗って、デスモンドのアルト・サックスは「丸くスクエアにスイング」している。

このブルーベックのピアノとデスモンドのアルト・サックスの「正反対の個性の融合」こそが、このカルテットの「肝」。その「正反対の個性の融合」が、このライブ盤にしっかりと記録されている。

聴衆もノリノリ。このブルーベック初期の時代に既に人気は高かったことが窺い知れる。「スクエアなスイング感」が不思議と心地良い。なにも「横揺れスイング」だけが全てでは無い。
 
 

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2022年12月12日 (月曜日)

ベツレヘム・レーベルの特色

ジャズの有名レーベルのひとつに「ベツレヘム・レーベル」がある。カタログを見渡すと、他の有名レーベル、ブルーノートやプレスティッジ、ヴァーヴ、インパルス、リヴァーサイドなどとはちょっと異なる、ユニークなラインナップが面白いレーベルである。

ベツレヘムは1953年、株のディーラーだったガス・ウィルディという人物とプロ・ドラマーだったジェームズ・クライドがNYにて設立した「ポップスのシングルを扱うレーベル」。しかし、設立の翌年、1954年には早々にジャズ専門レーベルへと衣替え。

このレーベルの一番の特色は、米国の東海岸と西海岸の両方にオフィスを構え、偏ること無く、双方のジャズマンのリーダー作をリリースしたこと。ハードバップ期の黒人中心の東海岸ジャズと、白人中心の西海岸ジャズを偏ること無くピックアップし、記録していった珍しいジャズ・レーベルといえます。カタログを見渡せばそれがハッキリ判る。

活動期間は1953~61年と短いのだが、ちょうど、ハードバップ初期から60年代のハードバップ多様化が始まった頃まで、ハードバップ期をほぼ網羅した活動期間なのも興味深い。今回、このベツレヘム・レーベルのアルバムを「Bethlehem 6000 series (12 inch LP)」のカタログから、カタログ番号順に聴き直していこう、と思い立った。

K+ J.J.『East Coast Jazz/7』(写真)。1955年1月26日、NYでの録音。ベツレヘムのBCP-6001番。ちなみにパーソネルは、J.J. Johnson, Kai Winding (tb), Dick Katz (p), Wendell Marshall (b), Al Harewood (ds)。2人の名ジャズ・トロンボーン奏者、カイ・ウィンディングとJ.J.ジョンソンとの最初期の双頭リーダー・アルバム。パーソネルを見渡すと、東海岸でも西海岸でも無い。東と西のハイブリット的なメンバーチョイスである。
 

East-coast-jazz_7

 
この双頭リーダーの2人、2人ともトロンボーン奏者であり、それぞれ黒人と白人である。当時のジャズ・シーンの中では、ベツレヘム・レーベルならではと言える、実にユニークな取り合わせ。

ボワンとしたトロンボーン独特な音色が作り出すユニゾン&ハーモニーが、実にほのぼのとした心地よさ。双方のアドリブの、かたやファンクネス濃厚で黒い雰囲気、かたやスマートでシュッとした小粋な雰囲気、正反対の個性も楽しい響き。

タイトルが「East Coast Jazz」なんだが、出てくる演奏は東と西のハイブリット的な音の志向。しっかりアレンジが施され、2本のトロンボーンのフロントに立てた「ユニークなフレーズとアドリブ」を前面に押し出す思慮深いプロデュース。この音の傾向は「ウエストコースト・ジャズ」。しかし、演奏される音色と雰囲気にはファンクネスが漂い、音はアーバンで黒い。この音の傾向は「イーストコースト・ジャズ」。

いみじくも「Bethlehem 6000 series (12 inch LP)」のカタログの最初の1枚目のこのK+ J.J.の双頭リーダー作が、ベツレヘム・レーベルの特色を具体的に音にしているなあ、と感じる。

ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌のアルバム紹介に、まず、そのタイトルが上がることを見たことが無い地味なアルバムだが、聴けば、そのユニークな内容に思わず、一気に聴き込んでしまう。この盤を聴くだけでも、ベツレヘム・レーベルは侮れない、と思わず構えてしまう(笑)。
 
 

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2022年12月11日 (日曜日)

"キング・オブ・カルテット" である

コロナ禍でどうなることかと思ったが、現代ジャズはコロナ禍に負けること無く、その活動と深化を継続している。コロナ禍当初は、スタジオ録音が出来なかったり、ライヴ演奏が出来なかったりで、ジャズのみならず、音楽活動というものが潰えてしまうのでは無いか、と不安になったが、何とか厳しい時期を乗り越えた様だ。

その現代ジャズであるが、深化は脈々と続いている。21世紀に入って、ネオ・ハードバップの成熟、クールで静的なスピリチュアル・ジャズ、21世紀版フュージョン&スムース・ジャズの充実など、1950年年代〜1960年代のジャズに回帰すること無く、モダン・ジャズの「クラシック化」は進んでいない。

Redman Mehldau McBride Blade『LongGone』(写真左)。2019年9月10–12日の録音。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts, ss), Brad Mehldau (p), Christian McBride (b), Brian Blade (ds)。現代ジャズのおける「若きレジェンド」が集結した、レッドマンのサックスが1管のワンホーン・カルテットの編成。

2020年リリースの前作『RoundAgain』は強烈だった(2020年10月8日のブログ参照)。モーダルで自由度と柔軟度の高い演奏あり、アーシーでちょっとゴスペルチックでファンキーな演奏あり、コルトレーン・ライクなスピリチュアルな演奏あり、現代のネオ・ハードバップをより洗練し、より深化させた演奏内容となっていた。振り返って見ると、2020年までのモダン・ジャズの総括的な内容だった気がしている。

今回のアルバムは、その先を行くものと認識した。落ち着いた、クールで静的なネオ・ハードバップ。しかし、録音年月日を見てみると、前作『RoundAgain』と同一録音ではないか。そして、ラストに「2007年のSFJAZZの25周年記念のライブ演奏」から1曲追加して、今回の新作となっている。う〜ん、前作と同じ録音なのか〜。
 

Redman-mehldau-mcbride-bladelonggone

 
今回の新作と前作と基本的な雰囲気が全く違う。前作はエネルギッシュに、2020年までのモダン・ジャズの総括し、今回の新作は、これからのモダン・ジャズをクールに静的に落ち着いた雰囲気で披露する。

しかも、今回はラストのライヴ音源以外、全6曲がジョシュア・レッドマンのオリジナルで固められている。そういう意味では、このカルテット、ジョシュアがリーダー的立場なんだろうな。

この新作を聴いて、痛く感心したのが、モーダルで自由度と柔軟度の高い演奏がメインなんだが、フレーズや音の響きの新鮮さ。決して、過去のジャズの焼き直しでは無い、「どこかで聴いたことがある」感が無い、鮮烈で機微に富むモーダルなフレーズがこれでもか、と出てくる。

前作でもそう感じたが、この新作では更に、フレーズや音の響きの新鮮さが増している。さすが、現代ジャズにおける「キング・オブ・カルテット」である。

アルバム全体の雰囲気が「落ち着いた、クールで静的」な演奏がメインだったので、ちょっと地味ではないのか、と感じたのは最初だけ。聴き込めば聴きこむほど、このカルテットの演奏は滋味深い。

このカルテットの演奏、しばらく、続けて欲しいなあ。聴く度に、現代のモダン・ジャズの到達点のひとつを確認出来る。現代のモダン・ジャズ、現代のネオ・ハードバップの最高レベルの演奏のひとつである。
 
 

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2022年12月10日 (土曜日)

マイルス・ジャズの新たな解釈

今週の水曜日に「マイルス・ジャズの高度な再現」と題して、マイルス・デイヴィス没後30年を記念し、ACTの創始者シギ・ロッホのキューレーションで、2021年にベルリンで行われたコンサートの模様をとらえたライヴ盤をご紹介した。

特に後半は、マイルスとギル・エヴァンスとのコラボでのジャズ・オーケストラの名演を、マグナス・リンドグレンのアレンジ&指揮の下、シオ・クローカー・カルテットとベルリン・フィルとの共演で再現したもので、なかなかの「聴きもの」だった。

『Miles Español - New Sketches of Spain』(写真)。2011年のリリース。曲毎に、メンバーを総入れ替えしているイメージ。収録曲もCD2枚組で16曲。1曲当たり平均5人としても、のべ80人以上になるので、パーソネルについては割愛する。マイルス・ディヴィス生誕85年・没後20周年記念企画盤である。

アルバムの概要を引用すると「敏腕プロデューサー、ボブ・ベルデンが、新たな解釈を加えた現代版『Sketches of Spain』を録音。チック・コリア、ジョン・スコフィールド、ジャック・ディジョネット等、マイルスゆかりのミュージシャンとスペインのアーティスト等を起用し、マイルスが“スペインのブルース”として捉えたフラメンコをより深化させたサウンドを展開」とある。
 

Miles-espanol_new-sketches-of-spain

 
この盤は「マイルス・ジャズの新たな解釈」の成果である。ボブ・ベルデンをプロデューサーとして、マイルス&ギルの『Sketches of Spain』をモチーフに大胆な新しい解釈を付加して、チック、ジョンスコ、ディジョネット等、マイルスゆかりのジャズマンと、興味深いのはスペインのアーティスト等を起用して、本場のフラメンコの雰囲気を前面に押し出しているところ。

CD2枚組、収録曲全16曲。それぞれの曲を担当するジャズマンのパフォーマンスも充実、素敵で小粋な「スパニッシュな雰囲気が横溢するジャズ」が展開されている。但し、『Sketches of Spain』をモチーフにしているだけなので、本家本元、マイルス&ギルの『Sketches of Spain』との関連性は、ほとんど感じることは無い。ボブ・ベルデンがプロデュースをした、新しい「ストイックなラテン・ジャズ」と言った方がピンとくる。

これって、チックが1970年代からずっとやってきたことやん、と、ちょっと心の片隅でぼやきつつ、それぞれの演奏については、非常に高度かつテクニカル、モーダルで即興性抜群とくるのだから、この盤については、本家本元の『Sketches of Spain』から切り離して、この盤のみで十分、鑑賞に耐える内容になっている。

タイトルがちょっと誤解を生むのかも。でも副題に「新しいスペインのスケッチ」とあるのだから、本家本元の『Sketches of Spain』を踏襲していなくても納得がいく。そうこの盤は「新しいスペインのスケッチ」を現代ジャズで、優秀どころが集まって、ブワーッとやっているという感じ。力作だと思います。
 
 

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2022年12月 9日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・256

小粋なジャズ盤を探索していると、好きなジャズマンのリーダー作なのに、何故か疎遠になって、かなりの長期間、聴くことの無かったアルバムに、不意に出会うことがある。ジャケ写を見て「あっこれは知ってる、好きな盤」とは思うのだが、直ぐに「あれっ、この盤、前に聴いたのって何時だっけ」ということになる(笑)。

The Oscar Peterson Trio『At The Concertgebouw』(写真左)。1957年9月29日の録音。ちなみにパーソネルは、Oscar Peterson (p), Ray Brown (b), Herb Ellis (g)。ジャズ・ピアノのレジェンド&ヴァーチュオーゾ、オスカー・ピーターソンの「オールド・トリオ」(「ピアノ+ベーズ+ギター」のトリオ)のライヴ録音である。

この盤、懐かしい。僕がジャズを聴き始めて2年位経った時に、LPの廉価盤で見つけたゲットした記憶がある。ジャズ・ピアノの達人、ピーターソンのトリオ盤なので、内容には間違いは無いだろうと軽い気持ちで購入した。というのも、ジャケットに引かれた。これはどう見ても「オランダの風車」。「コンセルトヘボウ」という変な場所の名前はオランダにあるものだと確信した。欧州での録音かぁ。子供の頃から欧州には限りない憧れがあって、そういう経緯もあって、迷わずゲットした訳でる。

しかし、この盤、曰く付きで、コンセルトヘボウは、オランダ・アムステルダムにあるコンサートホールなんだが、この盤、実は、シカゴの「シヴィック・オペラ・ハウス」でのライヴ録音、ということが後に判明している。どうして、こんなことになったのかは判らぬが、オスカー・ピーターソンのトリオのライヴ録音ということは間違い無い。

僕がジャズを聴き始めて2年目の頃、ピアノ・トリオは、ピアノ・トリオが出現した時からずっと「ピアノ+ベース+ドラム」の編成しか無い、と思っていた。が、それは違うのに気がついたのが、この盤を聴いてから。
 

At-the-concertgebouw

 
もともと、ピアノ・トリオって「ピアノ+ベーズ+ギター」の編成が発祥とのこと。ビ・バップ時代に、バド・パウエルが「ピアノ+ベース+ドラム」の編成を採用して以降、ピアノ+ベース+ドラム」がピアノ・トリオのスタンダードの編成になったことをこの盤で知った。

というのも、このピーターソン・トリオのライヴ盤、トリオの編成が「ピアノ+ベーズ+ギター」なのだ。初めて聴いた時、これにはビックリした。が、ギターってリズム楽器としてジャズに登場しているので、直ぐに納得した。ギターとドラムの違いは、ギターはリズム楽器と旋律楽器の両方に対応、ドラムはリズム楽器オンリー、なところ。

このライヴ盤では、このハーブ・エリスのギターが大活躍。ギターって繊細な音色という先入観があって、時に、ハーブ・エリスのギターは音の線が細くて繊細なリズム&ビート、という印象があったのだが、このライヴ盤でのエリスのギターは「スピーディー&雄弁」。アドリブ・ソロは弾きまくり、リズム&ビートのコード弾きの音が、何時になく「大きい」。こんなエリスのアグレッシヴでスピーディーで弾きまくりのギターって、あまり聴いたことが無い。

ハーブ・エリスのギターがアグレッシヴで弾きまくりな分、ピーターソンのピアノが安心してバリバリ弾きまくり、レイ・ブラウンの重低音ベースがブンブンブンブン、高らかに鳴り響く。このライヴ盤、当時のピーターソン・トリオのパフォーマンスの中で、一番、アグレッシヴでダイナミックでスピード感溢れたものになっている。オールド・スタイルのピアノ・トリオの代表的名演のひとつとしても良いだろう。

タイトルは「オランダのコンセルトヘボウ」のライヴ録音なのだが、実は「シカゴのシヴィック・オペラ・ハウス」でのライヴ録音だった、なんて変なライヴ盤ではあるのだが、演奏内容は一級品。聴き応え十分の、オスカー・ピーターソンの「オールド・トリオ」です。しかし、オランダの風車の油絵のジャケット、好きなんだけどなあ。
 
 

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2022年12月 8日 (木曜日)

ジョン・レノンの42回目の命日

12月8日、ジョン・レノンの命日。1980年12月8日、ジョン・レノンは凶弾に倒れた。40歳にて急逝であった。42年前のことである。

ジョン・レノンの名前を知らない人、ジョン・レノンに興味の無い人にとっては、何のことか良く判らないだろう。しかし、僕達にとっては大事件中の大事件、今までの逝去に関するニュースで一番ショックだった出来事である。

「何故、ジョンが撃たれたのか、40歳で命が途絶えたのか」。あれから42年経った今でも、その真相は藪の中だ。今でも強く思う。何故、ジョンは撃たれなければならなかったのか、と。

僕の生涯の中で、この「ジョンの死」が一番不条理なものだと思う。ロック・ミュージシャンの急逝のよくある理由の「オーバードーズ」では無いのだ。全く知らない狂人に、ふいに銃で撃たれて死んだのだ。当時、僕はまだ大学生。この不条理が理解出来なくて、しばらくの間、下宿で親友と飲んだくれていた。今でも、ジョンの逝去については、思い出す度に無力感に囚われる。

さて、ジャズである。ジョン・レノンの楽曲をカヴァーしたジャズ盤はあるのか、ということなんだが、探せば数枚はある。楽曲単独のカヴァーは、圧倒的に「Imagine」がカヴァられている以外は、あまり無い。

ジョンの楽曲はシンプルなものが多いので、ジャズ化はし易いかと思うのだが、ジョンが亡くなって42年。恐らく「Imagine」以外、若い世代のジャズマンは、ジョンの楽曲を知らないのかもしれない。
 

Jazzcover-john-lennon-songs

 
Edison Jazz Console『Imagine -Jazzcover John Lennon Songs』(写真左)。2002年のリリース。「探せば数枚ある」中の1枚。本作はジョン・レノンの作品をジャズ風にアレンジしたアルバム。アシッド・ジャズ、ラウンジなど多彩なアレンジで、ジョンの名曲をカヴァーしている。

収録曲は「Imagine」「Woman」「(Just Like) Starting Over」「Beautiful Boy」「Love」「Jealous Guy」「Watching The Wheels」「Real Love」「Instant Karma」「Mind Games」の10曲。冒頭の「Imagine」は鉄板。個人的には、「Woman」「(Just Like) Starting Over」「Mind Games」の収録が嬉しい。

どの曲もジャズとして違和感の無いアレンジが施されている。ロックのジャズ・アレンジについては、ラウンジ風のイージーリスニング・ミュージックになってしまう「トホホ」なものも多々あって、このジョンの楽曲のジャズ化もそれを危惧するのだが、聴いてみてホッとした。意外とちゃんとモダン・ジャズしているのだ。

テーマがあってアドリブがあって、アドリブもしっかりジャズっぽい。テーマの処理もジャズらしい工夫がいろいろ施されていて、ラウンジ&カクテル・ミュージック風の「毒にも薬にもならない」平凡なアレンジは全く無い。意外と「ながら聴きのジャズ」として、十分ローテーション出来る内容である。

彼の音楽に乗ったメッセージは数知れず。しかし、現時点で、戦争は無くなっていないし、人種差別も無くなっていない。それでも、今でも「Imagine」を聴くと、そのメロディーに、その歌詞に感動する。

ジョンの命日には、日頃、考えもしない、実は自分にとって「大事なこと」を思い出す。ジョンの命日は、僕にとって「大切な日」であることは確かだ。
 
 

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2022年12月 7日 (水曜日)

マイルス・ジャズの高度な再現

この盤の宣伝文句を読んで、マイルスが亡くなってから、もう30年も経つのか、と改めて驚いた。マイルスが亡くなったのは、1991年9月28日。確かに、現時点で既に31年が経過している。マイルスが亡くなってからも、未発表音源が定期的にリリースされているので、没後30年と言われても、あまり実感が湧かないのが本音。

『Jazz at Berlin Philharmonic XIII: Sketches of Miles』(写真左)。2021年11月27日、ベルリンでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Theo Croker (tp), Danny Grissett (p), Joshua Ginsburg (b), Gregory Hutchinson (ds), Magnus Lindgren (cond, ts,fl)。シオ・クローカー・カルテットにマグナス・リンドグレンをゲストに迎えたクインテット編成と、シオ・クローカー・カルテットとベルリン・フィルとの共演、の2形態。

マイルス・デイヴィス没後30 年を記念し、ACTの創始者シギ・ロッホのキューレーションで、2021年にベルリンで行われたコンサートの模様をとらえたライヴ盤。

前半は、シオ・クローカー・カルテットにマグナス・リンドグレンをゲストに迎えたクインテットで、マイルスの2つの黄金のクインテットで演奏されたモーダルなジャズを現代風にリメイク。後半は、マイルスとギル・エヴァンスとのコラボでのジャズ・オーケストラの名演を、マグナス・リンドグレンのアレンジ&指揮の下、シオ・クローカー・カルテットとベルリン・フィルとの共演で再現したもの。
 

Jazz-at-berlin-philharmonic-xiii-sketche

 
まず、前半のモーダルなジャズ。収録された曲は「Pinocchio」「Footprints」「My Funny Valentine」「So What」の4曲。これがまあ、本家本元を上回る内容の濃さで、見事に充実したモード・ジャズを聴かせてくれる。とにかく切れ味が良く、スピード感も抜群。これらの曲がマイルスの下で演奏されていたのが、1950年代後半から1960年代前半。その頃の演奏から比べると、遙かに精度も良く、密度も濃い。ジャズの演奏技術の進歩を強く感じる演奏の数々。

後半のジャズ・オーケストラの演奏については、ジャズとクラシックを融合させた作品を得意としているマグナス・リンドグレンの面目躍如。マイルスの場合は、ギル・エヴァンスのジャズ・オーケストラをバックにしていたが、この盤の場合は、バックにクラシック・オーケストラが控える。つまり、ジャズ・オーケストラの楽器それぞれのパートを、クラシックの楽器のそれぞれに置き換えていく、というアレンジが必要になるのだが、リンドグレンはその無理難題にしっかりと応えている。

収録曲は「Miles Ahead Suite」「Sketches of Spain Suite」「Porgy and Bess Suite」「All Blues」の4曲。いずれも、オリジナルの「マイルスのシンフォニック・ジャズ」と全く違和感の無いレベルで、クラシック・オーケストラをバックに再現されているのは見事。音の響き、音の重なり具合の再現性は半端ない。

オリジナルの演奏があるのなら、オリジナルを聴けば良いではないか、と思わないではないが、ジャズの演奏技術の進歩、ジャズのアレンジ技術の進歩を確認するのには必要な作業であり、これはこれで、有意義なチャレンジではないかと思う。実は、マイルス者としては、このライヴ盤を聴いていて、意外と楽しい気分になるのだ。それほど、このライヴ盤での再現性は素晴らしい。
 
 

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2022年12月 6日 (火曜日)

ヴィクター・フェルドマンの到着

ジャズには「ジャケ買い」という言葉がある。ジャケットのデザインが優れているアルバムは、押し並べて良好な内容のアルバムである、という経験則からの言い回しなんだが、確かにこれが、ジャズに限っては当たることが多い。

特に、ジャケットのデザインに全く無頓着なジャズ・レーベルにおいても、これが当たるから面白い。ジャズ名盤のジャケットは、確かに優れたものが大多数である。

但し、逆もある。もともとジャズ・レーベルは、ブルーノートを除いて、ジャケットにはあまり感心が無いようなんだが、「これは一体どうしたんだ」とビックリする様な、劣悪なデザイン、ふざけたデザインがたまに出てくる。

こういう問題のあるジャケットの場合、LP時代は特に、レコード屋でカウンターに持って行くのが憚られた。店員がジャズに明るい場合は良いのだが、その逆の場合、カウンターに持って行った当方の感性が疑われる(笑)。

Victor Feldman『The Arrival of Victor Feldman』(写真左)。1958年1月21, 22日、ロサンゼルスでの録音。ちなみにパーソネルは、Victor Feldman (vib, p), Scott LaFaro (b), Stan Levey (ds)。リーダーのフェルドマンがヴァイブとピアノを担当、伝説の早逝ベーシスト、スコット・ラファロの参加が目を引く。ドラムには、ウエストコースト・ジャズの職人ドラマー、スタン・レヴィーが控えている。

ジャケットが「ふざけたデザイン」(笑)。フェルドマンは英国ロンドン出身。1955年にロニー・スコットの強い勧めもあって、米国に移住。1957年にはロサンゼルスに定住。そして、その翌年早々に、この米国での初リーダー作『The Arrival of Victor Feldman』を録音している。
 

The-arrival-of-victor-feldman

 
このタイトル、直訳すると「ヴィクター・フェルドマンの到着」。つまり、英国から米国西海岸にフェルドマンがやって来たぞ、という意味だろう。しかし、フェルドマン(ラファロもレヴィーも同様だ)も良く、このパロディー風のジャケ写の撮影に付き合ったもんだ。

しかし、アルバムの内容はまずまず良好。ウエストコースト・ジャズの範疇での録音だと思うが、英国ジャズのフェルドマン、東海岸がメインのラファロの志向が前面に出ているのか、ウエストコースト・ジャズの範疇でありながら、ウエストコースト・ジャズ特有の「聴かせるアレンジ」「アーティスティックなアレンジ」の形跡はほどんど無い。

といって、東海岸特有の丁々発止としたインタープレイでも無い。趣味良く流麗で小粋なハードバップな演奏が小気味良い。この盤の聴きものはやはり、フェルドマンの洒脱なヴァイブとシンプルで軽快なピアノが良い。クールで乾いたヴァイブ&ピアノの音を聴けば、やはりこの盤は、ウエストコースト・ジャズの範疇の録音なんやなあ、と感心する。

以前から、この盤は、ラファロのベースが凄い凄い、と評判だが、ブンブン唸るベース音が、フェルドマンのシンプルで軽快な流麗なヴァイブ&ピアノと対照的で、逆にフェルドマンのクールで乾いたヴァイブ&ピアノの音が前面に出てくるから面白い。ラファロは我関せずとマイペースに弾きまくってはいるんだが、こういう効果も見越して、フェルドマンはベースにラファロを調達したんだろう。

スタン・レヴィーのドラム。彼の叩き出す、正確でスインギーなリズム&ビートが、フェルドマンのヴァイブ&ピアノと、ラファロの重低音ベースとのバランスを上手く取っている。フェルドマンはリーダーとして、上手くベースとドラムの選定をしているなあ、つくづく感心する。

ヴァイブ&ピアノにベースとドラム。変則な編成ではあるが、なかなか内容の良いトリオ盤。スタンダード曲を中心に、フェルドマンのシンプルで軽快な流麗なヴァイブ&ピアノが良い雰囲気です。 
 
 

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2022年12月 5日 (月曜日)

ジャズ喫茶で流したい・255

ジャズの関連本などで紹介されていて、名前は知っているのだが、リーダー作をまともに聴いたことが少ないジャズマンに出会った。クレア・フィッシャー(Clare Fischer)である。

1928年10月22日ミシガン州デュランド生まれのピアニスト、アレンジャー。1962年のリーダー作『First Time Out』で高評価を得ている。メインストリーム・ジャズばかりでなく、ポップなラテン・ジャズやボサノバ・ジャズも演奏し、多くのリーダー作ををリリースしている。ちなみに、ハービー・ハンコックに大きな影響を与えたジャズマンの1人とされる。

1970年代以降、オーケストラのアレンジなども手掛けるようになり、R&Bやロック畑のチャカ・カーン、ポール・マッカートニー、セリーヌ・ディオン、そしてプリンス等、多くのR&Bやロック畑のアーティストとコラボしている。僕は、クレア・フィッシャーについては、こちらのR&Bやロック畑のアーティストとの協働の印象の方が強い。

Clare Fischer『Surging Ahead』(写真)。1963年の録音。米国ウエストコースト・ジャズのメイン・レーベルのひとつ「Pacific Jazz」からのリリース。ちなみにパーソネルは、Clare Fischer (p), Albert Stinson (b, #1-4), Colin Bailey (ds, #1-4), Ralph Pena (b, #5-7), Larry Bunker (b, #5-7), Gary Peacock (b, #8), Gene Stone (ds, #8)。

パーソネルはちょっと複雑だが、気にすることは無い。ベースとドラムのリズム隊は、リズム・キープにほぼ専念していて、担当が代わっても、大きく音が変化することは無い。このトリオ盤は、クレア・フィッシャーのピアノだけを前面に押し出した、クレア・フィッシャーのピアノだけを愛でる為にあるトリオ盤である。
 

Clare-fischersurging-ahead  

 
録音年は1963年だが、フィッシャーのピアノはオーソドックスなバップ・ピアノ。ところどころ、モードに展開するところやアブストラクトにブレイクダウンするところはあるが、概ね、伝統的なバップ・ピアノな弾き回すに終始している。しかし、これが意外と新鮮に響くのだからジャズは面白い。

演奏全体の雰囲気は、米国のウエストコースト・ジャズな雰囲気で、音はカラッと乾いていて、響きは流麗。しかし、ウエストコースト・ジャズ特有の「聴かせるアレンジ」「アーティスティックなアレンジ」の形跡はほどんど無く、どちらかと言えば、東海岸のバリバリ弾きまくるバップ・ピアノの雰囲気なのだ。収録曲8曲のうち、フィッシャーの自作曲は1曲のみ、他は小粋なスタンダード曲が選曲されていて、聴き心地がとても良い。

但し、テクニックのレベルは、フィッシャーは勿論のこと、リズム隊のメンバーも併せて高く、流麗な弾き回しはとても端正で爽快感がある。この辺は、ウエストコースト・ジャズの雰囲気。加えて、ファンクネスは希薄。爽快なウエストコースト・ジャズにおける「バップ・ピアノ」という感じがユニークに響く。

良い感じのピアノ・トリオ盤。爽快なウエストコースト・ジャズにおける「バップ・ピアノ」が聴き心地が良くて、聴き始めると、ついつい引き込まれて、一気にラストの「Without a Song」まで聴き切ってしまう。クレア・フィッシャーを体験するのに好適なトリオ盤です。
 
 

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2022年12月 4日 (日曜日)

現代ジャズの最新形の1つである

ジェラルド・クレイトン(Gerald Clayton)はオランダの出身。1984年生まれ。2006年のセロニアス・モンク・ジャズ・ピアノ・コンペティションでは堂々の2位。クラーク・テリー、ラッセル・マローン、ロイ・ハーグローブなどと共演。アレンジャー&プロデュースなど、多彩な才能を持つ、今年で38歳の現代ジャズの中堅を担う優れたピアニストの1人である。

Gerald Clayton『Bells On Sand』(写真左)。2022年3月、ブルーノートからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gerald Clayton (p, or,rhodes, vib), John Clayton (b), Justin Brown (ds), Charles Lloyd (ts, #9), MARO (vo, #3, 7)。伝統的でメインストリームなジャズの響きがしっかり「底」にある、理知的で耽美的な現代のコンテンポラリーな純ジャズ。

基本は、ピアノのジェラルド・クレイトンをリーダーとした、ジョン・クレイトンのベース、ジャスティン・ブラウンのドラムの「ピアノ・トリオ」編成。そこに、チャールズ・ロイドのテナー・サックスとMAROのボーカルがゲストで1曲ずつ参加している。収録曲は全てジェラルド・クレイトンのオリジナル。ちなみにベースのジョン・クレイトンはジェラルドの父君である。
 

Gerald-claytonbells-on-sand

 
ピアノはリリカルで耽美的、系統としては「エヴァンス派」もしくは「メルドー派」。特にこのアルバムでは「耽美的」な響きに満ちている。弾き上げるフレーズは「モード」が基本。決して、バップなピアノでは無い。幽玄に、漂う様に、流麗に、リリカルに、深いエコーの効いたピアノのフレーズが流れていく。ヴィブラフォンやローズの響きがそのピアノの響きを更に豊かにさせる。この静的なスピリチュアルな響きが堪らない。

とても「思慮深い」音世界。音の1音1音、演奏の隅々まで、しっかりと「考え尽くされた」音世界。トリオ編成でありながら、厚みのあるユニゾン&ハーモニー。流れるが如く、流麗に弾き進められるモーダルなフレーズ。エレクトリニクスを活かした、現代の新しい響きを宿したジャジーなグルーヴ感。美しくグルーヴィーな、理知的で耽美的な「静的なスピリチュアル・ジャズ」。

旧来のジャズの「発展形」だけでは無い、今までに無い「新しい何か」を織り込んで、新しい雰囲気のジャズを聴かせてくれる、理知的で洗練された、とても美しいピアノを弾くジェラルド・クレイトン。この最新作には、現代ジャズの最新形のひとつがしっかりと記録されている。将来の「名盤」だろう。
 
 

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2022年12月 3日 (土曜日)

ジュリアナの傑作カルテット盤

ドラマーがリーダーのアルバムは、その意図が分かりやすいものが多い。ドラマーは「リズム・セクション」のリズム&ビート供給の要の楽器。演奏するジャズのスタイルや演奏のトレンドの全てに対応出来るのが「ドラム」。そんなドラマーがリーダーを務めるリーダー作は、リーダーのドラマーが演奏で表現したい「志向」がメインになることが多い。

Mark Guiliana『The Sound of Listening』(写真左)。2022年3月、NYのブルックリンでの録音。ちなみにパーソネルは、Mark Guiliana (ds; syn on 3, 5, 7; drum programming on 7; Perc on 10), Chris Morrissey (b), Shai Maestro (p; Mellotron on 1, 5, 7; Ampliceleste on 1, 5, 7; Fender Rhodes on 2), Jason Rigby (ts; b-cl on 1, 3, 5, 7; cl on 1, 5; fl on 5)。

現代最高峰のドラマー&作曲家のマーク・ジュリアナ(Mark Guiliana)のリーダー作。ジェイソン・リグビーのサックスがフロント1管のカルテット編成。メンバー全員がマルチ・インストルメンタル。この盤の多彩は表現力は、この「マルチ・インスト」の成せる技である。現代ジャズの最新の表現技術を投入した、現代の新しいジャズの響きで満たされた音世界。

リーダーでドラマーのジュリアナは、本職のドラム以外に、シンセやドラム・プログラミングもこなす。ピアノ担当のシャイ・マエストロは、ピアノ以外のメロトロンやローズを弾きこなす。サックス担当のジェイソン・リグビーは、テナー・サックス以外に、バスクラやクラリネットも吹きこなす。
 

Mark-guilianathe-sound-of-listening

 
静的で流麗なスピリチュアアルなニュー・ジャズ志向の音世界がこの盤を支配する。基本はアコースティックな演奏だが、効果的にエレクトロニクスの手法を取り込んで、表現の幅を大きく拡げている。

ユーロ・ビートの要素も感じるし、アンビエント・ミュージックの要素も感じる。ECMっぽいニュー・ジャズな雰囲気も良い。しかし、リズム&ビートはジャジー。演奏全体に適度なテンションが張り巡らされて、緩んだところは微塵も無い。現代の静的で印象的なスピリチュアル・ジャズの好例。

静的で印象的でスピリチュアルな音世界の中で、やはり「要」となるのは、ジュリアナのドラミング。そして、クリス・モリッシーのベースが、演奏の音の底をしっかりと支えている。シャイ・マエストロのキーボードは、旋律楽器、リズム楽器の両方で八面六臂の大活躍。そんな充実しまくったリズム・セクションをバックに、ジェイソン・リグビーのリード楽器が心地良く吹き上げられていく。

「ドラミングのエキサイティングなニュースタイルの最前線に立っている」と評されたドラマー。デヴィッド・ボウイのアルバム『ブラックスター(★)』への参加でも知られる新世代ドラマー。そんなジュリアナの、アコースティックとエレクトロニクスの要素が効果的に統合された、静的で印象的なスピリチュアル・ジャズ。聴き応え十分です。
 
 

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2022年12月 2日 (金曜日)

企画盤「危険な関係のブルース」

レジェンド級の「哀愁のピアニスト」、デューク・ジョーダン。ピアニストの腕前もさることながら、作曲家としての才能が素晴らしい。とにかく、書く曲書く曲、良い曲ばかり。特に、ブルース調の曲、マイナー超の曲が素晴らしい。「哀愁のピアニスト」の面目躍如である。

ジョーダン作曲の曲の中で一番有名なのが「NoProbrem(危険な関係のブルース)」。この曲は、元々は、1959年のフランス映画「危険な関係(Les Liaisons Dangereuses)」の為に書き下ろされたもの。

しかし、このサウンドトラックには、作曲者については「J. Marray」という名前が記載されており、本来の作曲者であるデューク・ジョーダンには著作権料が一切入って来なかった。全く以て酷い話である。

これを見かねたチャリー・パーカー未亡人のドリス・パーカーが、経済的支援を含め、デューク・ジョーダンの為に、1962年に録音した企画盤がある。

Duke Jordan『Les Liaisons Dangereuses』(写真左)。1962年1月12日、NYでの録音。パーソネルは、Duke Jordan (p), Eddie Khan (b), Art Taylor (ds), Sonny Cohn (tp #1,3-7), Charlie Rouse (ts #1,3-7)。ちなみに収録曲は以下の通り。

side 1 (A)
01. No Problem #1 (Duke Jordan) 8:50
02. No Problem #2 (Duke Jordan) 4:15
03. No Problem #3 (Duke Jordan) 6:21

side 2 (B)
04. Jazz Vendor (Duke Jordan) 4:52
05. Subway Inn (Duke Jordan) 4:04
06. The Feeling Of Love #1 (Duke Jordan) 7:14
07. The Feeling Of Love #2 (Duke Jordan) 3:18
 

Duke-jordanles-liaisons-dangereuses

 
この曰く付きの名曲「No Problem」が3バージョン連続して収録されている。ジャズ・メッセンジャーズのような熱いハードバップな演奏の「No Problem #1」。ちょっぴりラテン志向が見え隠れする、アップテンポのピアノ・トリオ演奏の「No Problem #2」。ユッタリとしたテンポで、印象的にメリハリを付けて演奏される「No Problem #3」。

名曲というのは、どんなアレンジにも十分耐える。この「No Probrem」の3連発は、アレンジを変えているだけだが、冗長なところは全く無く、飽きることが無い。

後半(LP盤だとB面に相当する)は、トランペットとテナー・サックスがフロント2管、クインテット演奏の佳曲が並ぶ。どの曲も良い感じの曲ばかり。ジャズの名作曲家、デューク・ジョーダンの面目躍如的な演奏。

但し、この盤で誤解されやすいのは、デューク・ジョーダンは、この「No Problem」1曲だけの「一発屋」の様に感じるところ。何も、デューク・ジョーダン作の佳曲は「No Problem」だけでは無い。彼の書く曲はどれもが「佳曲」。

そういう意味で、この企画盤、デューク・ジョーダンの代表作として、よくジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で紹介されているが、とんでもないことである。

この盤は、真の作曲家に著作権を認めない、という酷い仕打ちに怒ったドリス・パーカー(Doris Parker)が、デューク・ジョーダンの名誉回復のために録音した企画盤であり、デューク・ジョーダンの優れたリーダー作は他に沢山ある。

この企画盤は、デューク・ジョーダンのリーダー作をある程度、聴き込んで、彼のピアノの個性、優れた作曲能力を踏まえた上で、気分転換的に聴く盤だろう。これを代表作とするなんて、何て乱暴な事をするのか、未だに理解に苦しむ。
 
 

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2022年12月 1日 (木曜日)

ジョーダンとファーマーの共演盤

デューク・ジョーダン(Duke Jordan)。欧州に渡った後、1970年代に、スティープルチェイス・レーベルに残したリーダー作は良好盤ばかりで駄盤が無い。スティープル・チェイスの総帥ディレクター、ニルス・ウィンターがデューク・ジョーダンの才能を高く評価していたこと、そして、なにより、双方の相性が相当良かったのだろう。

Duke Jordan『Duke's Artistry』(写真)。1978年6月30日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Duke Jordan (p), Art Farmer (flh), David Friesen (b), Philly Joe Jones (ds)。フロント管にアート・ファーマーのフリューゲルホーン1管のカルテット編成。ファーマーのフリューゲルホーンが優しく唄い上げ、ジョーダンのピアノのバッキングの巧みさ、そして、ジョーダンの書く曲の良さが、とても良く判る盤である。

全曲デュークによりオリジナル曲で占められており、これがまた、どの曲も出来が良い。作曲家としてのデューク・ジョーダンの才能を改めて認識出来る内容。この良き曲に恵まれて、ファーマーの暖かくて丸みのある、それでいて、相当にテクニカルで力感溢れるフリューゲルホーンが映えに映える。
 

Duke-jordandukes-artistry

 
デューク・ジョーダンのピアノ、デイヴィット・フリーゼンのベース、フィリー・ジョーのドラムによるトリオのバッキングがこれまた見事。特に、ジョーダンの伴奏上手なピアノには感心する。フリーゼンのベースは厚みのある骨太な音で堅実、そして、フィリージョーは意外と整ったバップ・ドラミングで、リズム&ビートを供給する。

ジョーダンの曲はどれもが「ユッタリ&シットリ」していて、どの曲も良好。5曲目の「Lady Dingbat」はバラード曲。ジョーダンのバラード曲は絶品。ジョーダンのピアノがイントロから映えに映える。ファーマーの丸いフリューゲルホーンによるアドリブ展開も優しくて良し。そうそう、ブルース曲も良いですね。ラストの「Dodge City Roots」など、小粋で格好良くて、気品溢れる展開が聴き応え十分。

この盤、裏面の解説を紐解くと、ファーマーが当日夕刻のフライトで移動するという、相当タイトなスケジュールの中の録音だった様です。そんな中、リーダーのデューク・ジョーダンの周到な準備によって、メンバー集まり次第、即、録音に臨むことが出来、1曲当たり多くても2テイク、トータルで2時間で録音を完了したとのこと。そんなタイトな録音環境を全く感じさせ無い、とても充実した内容のアルバムです。
 
 

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