« 『Affinity』はエヴァンス好盤 | トップページ | Return to Foreverのラジオ音源 »

2022年11月18日 (金曜日)

エヴァンスの「多重録音」第3弾

ビル・エヴァンスのワーナー時代、最晩年のリーダー作を再度、聴き直している訳だが、実は6枚しかない。1977年8月、ワーナーに移籍して録音を始めたら、なんと1980年9月15日には鬼籍に入ってしまったのだから、ワーナー時代は実質3年ほどしかない。リーダー作が少ないのは仕方が無い。

Bill Evans『New Conversations』(写真)。1978年1月26~28日30日、2月13~16日録音。パーソネルは、Bill Evans (ac-p,el-p)のみ。ビル・エヴァンスのソロ盤ですが、作りは「多重録音」。アコピとフェンダー・ローズをオーバーダビングするという手法を駆使して録音した作品。邦題は『未知との対話ー独白 対話 そして鼎談』。なんと仰々しい邦題であることか(笑)。

ワーナーに移籍して最初に録音したのが『You Must Believe in Spring』だったのだが、何故かお蔵入りになって(1981年、エヴァンスの没後にリリース)、この多重録音の『New Conversations』がワーナー移籍後の初リーダー作になる。

エヴァンスは多重録音によるソロ・パフォーマンスが好みな様で、ヴァーヴ時代に『Conversations with Myself』(1963年)、『Further Conversations with Myself』(1967年)と2枚の「多重録音」盤を出している。そして、今回ご紹介する『New Conversations』は、この「対話シリーズ」の第三弾になる。
 

Bill-evansnew-conversations

 
第3弾となって、やっとこの「多重録音」での個性の表出が上手く出来る様になった感がある。前の2作にあった違和感、喧噪感が無い。多重録音による「良い効果」を自己表現出来る様になった。この多重録音による「良い効果」によって、ビル・エヴァンスのアコピとエレピの個性というものがハッキリ感じ取れる。

アコピにせよ、エレピにせよ、出てくるフレーズは「エヴァンス・オリジナル」なもので、全く異論は無い。特にこの時期のエヴァンスのアコピの特徴である、タッチは明快でフレーズは切れ味良く耽美的、エヴァンス独特の音の響きを伴った「流麗なバップ・ピアノ」な弾き回しが良く判る。

また、この盤を聴いて、改めて感心したんだが、エヴァンスはエレピが上手い。特に、フェンダー・ローズの扱いが上手い。軽く聴いていたら、どこかチック・コリアに似た、ローズの特性を十分に把握した、とてもリリカルでエモーショナルな弾き回しは見事。エヴァンスのエレピについては十分に評価するべきだろう。当時としても、このエレピの弾き回しは秀逸。

ワーナーに移籍して最初のリーダー作に「ソロ・パフォーマンスの多重録音」盤を持って来た理由は図りかねるが、録音当時のエヴァンスのピアニストとしての特徴が良く判る内容になっている。「ソロ・パフォーマンスの多重録音」はどこか際物の匂いがするが、気にすることは無い。エヴァンスのソロ・パフォーマンスを愛でるに十分なアルバムである。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

   ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« 『Affinity』はエヴァンス好盤 | トップページ | Return to Foreverのラジオ音源 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『Affinity』はエヴァンス好盤 | トップページ | Return to Foreverのラジオ音源 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

カテゴリー