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2022年10月 9日 (日曜日)

シェリー・マンの初リーダー作

最近、ドラマーがリーダーのアルバムを聴き直している。特に、エルヴィン・ジョーンズ、ロイ・ヘインズを中心に聴き直していて、今の耳で聴くと、以前、若かりし頃に聴いた印象とは異なる音、もしくは、若かりし頃には気が付かなかった音が聴けて面白い。

そんな中、まだ、有名なジャズ・ドラマーを忘れているぞ、と思って、ライブラリーを見渡したら、米国ウエストコースト・ジャズのレジェンド・ドラマーであるシェリー・マンのリーダー作をしばらく、聴き直していないのに気がついた。これはこれは、大物ドラマーを見落としていた。即、ライブラリーからリーダー作をチョイスして、聴き直しを始めた。

Shelly Manne『The Three & The Two』(写真左)。"The Three" が 1954年9月10日、"The Two" が 同年9月14日の録音。ちなみにパーソネルは、"The Three" が、Shelly Manne (ds), Jimmy Giuffre (cl, ts, bs), Shorty Rogers (tp)。"The Two" が、Shelly Manne (ds), Russ Freeman (p)。リリース順でいくと、シェリー・マンの初リーダー作になる。

かなり変則な編成である。"The Three" が、リーダーのドラムに、クラリネット&サックス、トランペットの変則トリオ。"The Two" が、リーダーのドラムにピアノのデュオ編成。メンバーそれぞれの演奏力がとても高く、アレンジが優れているので、各曲の演奏それぞれが凄く充実している。
 

Shelly-mannethe-three-the-two

 
演奏の密度、演奏の充実度、演奏のレベル、どれもがかなり「高い」。トリオ演奏、デュオ演奏とは思えないほどである。特に「Autumn in New York」や「Steeplechase」「Everything Happens to Me」「With A Song In My Heart」など、スタンダード曲に、そんな「演奏の妙」が炸裂している。

リーダーがドラマーである。そして、ウエストコース・ジャズ全盛期の録音である。当時のウエストコースト・ジャズの大きな特徴である「優れて洒落たアレンジ」が、シェリー・マンのドラミングを引き立たせ、シェリー・マンのドラミングの妙を前面に押し出している。そして、演奏メンバーそれぞれが、そんな「優れて洒落たアレンジ」に、余裕を持って応えている。

そんな演奏の中、シェリー・マンのドラミングのテクニックは素晴らしいものがある。硬軟自在、変幻自在、緩急自在、シンバルワークのテクニックから、叩き出すリズム&ビートの洗練度合いまで、ウエストコースト・ジャズ独特の個性を反映した「聴かせるドラミング」がアルバムにギッシリ詰まっている。

採用理由は判らないが、異色のペンギンのイラスト・ジャケットが印象深い。可愛いジャケットだが、中身は硬派なハードバップ。ベースレス&ピアノレスの変則トリオ編成とドラムとピアノという異質なデュオ編成。実験的アプローチ満載のシェリー・マンの、とってもウエストコースト・ジャズらしい初リーダー作。名盤である。
 
 

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