ピエラヌンツィのクインテット盤
最近、やたら、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)のリーダー作が目に付く。コロナ禍にも負けず、ピエラヌンツィの活動は充実しているのだろう。加えて、ピエラヌンツィは現代ジャズ・ピアノ、特に欧州ジャズ、伊ジャズにおけるピアニストの第一人者の1人として、その実力がジャズ界で認められているからだろう、と思っている。
Enrico Pieranunzi Quintet『The Extra Something』(写真左)。2016年1月13, 14日、NYの「The Village Vanguard」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Enrico Pieranunzi (p), Diego Urcola (tp, tb), Seamus Blake (ts), Ben Street (b), Adam Cruz (ds)。トランペット or トロンボーンとテナー・サックスのフロント2管のクインテット編成。
ピエラヌンツィは、フロント楽器としてのピアノのテクニックも素晴らしいが、カルテットやクインテット編成の中で、リズム・セクションに回った時の伴奏楽器としてのピアノのテクニックも卓越したものがある。このライヴでは、現代のネオ・モードな演奏がメインで、限りなく自由度を追求した、柔軟で硬派なモード・ジャズが展開されている。
モードをやらせてもピエラヌンツィのピアノは素晴らしいのだが、このライヴ盤では、バリバリにアグレッシヴに弾きまくっていて、とにかく爽快である。弾きまくるのだが、フロントを差し置いて、独りよがりにバリバリ弾くのでは無い、フロント楽器のフレーズを引き立て鼓舞する、実に小粋な弾き回しをしているのには感心する。とにかく、モーダルなピアノを弾かせたら上手い。
ピエラヌンツィ以外の4人のメンバーも、NYジャズの精鋭達で、ピエラヌンツィのピアノに鼓舞されて、新鮮なネオ・,モードなフレーズをバンバン吹きまくる。しっかりとパフォーマンスの必要最低限の規律を守りつつ、限りなく自由にクリエイティヴにアドリブ展開する様は迫力満点。即興演奏を旨とするジャズの良いところが、このライヴ盤に満載。
そして、このライヴ盤、音が良い。とっても良いライヴ録音で、まるで、ヴィレッジ・ヴァンガードの最前列に陣取って、聴いているような、目の前で楽器が鳴っている様な、生々しい音が魅力的。ピエラヌンツィのクインテット盤、トリオ盤とはまた違ったピエラヌンツィのピアノの魅力が満載で、聴いていて飽きることが無い。
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