« ジャズ喫茶で流したい・250 | トップページ | 進取の気性に富む「バロン」 »

2022年9月22日 (木曜日)

宗教的な(religious)ジャズ

Mary Lou Williams(メアリー・ルー・ウィリアムス)。米国や欧州では、他のレジェンド級のジャズメンへの楽曲提供やアレンジャーとしての協力、そして、何より、ジャズ・ピアノの代表的奏者の1人として知られる「一流ピアニスト」でありながら、我が国では「さっぱり」というジャズ・ミュージシャンの1人だろう。

僕がジャズを本格的に聴き始めた40数年前、ジャズ盤紹介本には彼女の名前は無かった。僕が彼女の名前を知ったのは、ネットの時代が本格的になった21世紀に入ってからである。

濃厚なグルーヴ感とゴスペル感、どこか敬虔な雰囲気漂うフレーズ。いわゆる「宗教的な(religious)ジャズ」の先駆けであり、ジャズ・ミサの先駆けなんだが、この辺りが我が国のジャズ評論家、ベテランジャズ者の方々に敬遠されたのかもしれない。でもなあ、コルトレーンをはじめとするスピリチュアルなジャズって、どれもが「宗教性」濃厚なんだけどなあ。コルトレーンの『至上の愛』が大絶賛で、メアリー・ルー・ウィリアムスが「さっぱり」な理由が未だに判らない。

しかし、僕は好きである。アメリカン・アフリカンのブラック・テイスト濃厚な「宗教的な(religious)ジャズ」の響きがとても良い。ソウルフルでファンキーなフレーズは、クワイヤーで唄えそうなゴスペルチックな雰囲気。しかも、ピアニストとして、確かなテクニックと端正な弾き回し。硬派なモダンジャズ・ピアノとしても優れた味わい。
 

Mary-lou-williamszoning

 
Mary Lou Williams『Zoning』(写真)。1974年1月~3月の録音。Mary Lou Williams (p, arr), Zita Carno (p), Bob Cranshaw, Milton Suggs (b), Mickey Roker (ds), Tony Waters (congas)。シンプルだが、グルーヴ感濃厚。不思議に少し捻れたソウルフルなフレーズで、スピリチュアル感を増幅させた「宗教的な(religious)ジャズ」盤である。

彼女は1910年生まれ。早熟の天才としてその名を轟かせ、スイング時代からの著名なレジェンド・ジャズメンとの交流がてんこ盛り。そんな様々なジャズマンとの交流が彼女の豊かな感性を育んでいる。そんな豊かな感性を活かした、ソウルフルでファンクネス漂う、切れ味の良いフレーズがこの盤に溢れている。

ピアノ、エレキベース、ドラム+パーカッションという、変則ピアノ・トリオなんだが、エレキの音とパーカッションの音とロッカーのちょっと捻れたドラミングが、これまたスピリチュアル感の増幅に貢献していて、「宗教的な(religious)ジャズ」テイストがコッテリと漂って来る。これが良い。

通常のモーダルなジャズとは、かなり異なる、敬虔さすら感じる音の響きが「宗教的な(religious)ジャズ」の真骨頂。ゴスペルチックな音の重ね方も良い。メアリー・ルー・ウィリアムスの個性全開の優秀盤である。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

   ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年6ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ジャズ喫茶で流したい・250 | トップページ | 進取の気性に富む「バロン」 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジャズ喫茶で流したい・250 | トップページ | 進取の気性に富む「バロン」 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

カテゴリー