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2022年9月14日 (水曜日)

ジャズ喫茶で流したい・249

エルヴィン・ジョーンズのリーダー作を聴き直していて、ドラマーのリーダー作って、面白いなあ、って思う。どれだけ、様々なジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応出来るかが、ジャズ・ドラマーとしての「優秀度合い」の指標のひとつになるんじゃないか、と感じている。

優秀なドラマーであればあるほど、様々なジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を出している。1枚1枚、リリース毎に異なったジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を制作するドラマーもいるし、長年の活動の中で、それぞれの時代時代によって、その時代のジャズの演奏方式や演奏トレンドに対応したリーダー作を制作するドラマーもいる。

Al Foster Quintet『Reflections』(写真左)。2022年1月25日、NYでの録音。Smoke Sessions Recordsからのリリース。 ちなみにパーソネルは、Al Foster (ds), Nicholas Payton (tp), Chris Potter (ts,ss), Kevin Hays (p), Vincent Archer (b)。今年79歳になる伝説のジャズ・ドラマー、アル・フォスターがリーダー、2管フロントのクインテット編成である。

マイルスが信頼を寄せ、ロリンズ、タイナー、ジョーヘンら、レジェンド級ジャズマンと共演してきた、伝説のジャズ・ドラマーであるアル・フォスター。フォスターについては、リーダー作は多く無い。今回のこの新盤で、確か8枚目ではないか。逆に共演は多い。僕は、やはり、マイルスとの共演での「趣味の良いジャズ・ファンクなビシバシドラム」が印象に残っている。

で、今回の新リーダー作を聴いてみて、マイルス・バンドでの「趣味の良いジャズ・ファンクなビシバシドラム」は何処へやら、ポリリズミックで柔軟度の高い、エネルギッシュで「小粋な」ドラミング。アルバムの演奏トレンドは「ネオ・ハードバップのモード・ジャズ」。
 

Al-foster-quintetreflections

 
この盤でのアル・フォスターのドラムは、モード・ジャズに完璧に対応し、21世紀のモーダルなドラミングをきっちり披露している。今年79歳になる、大ベテランのドラミングとは思えないほど、ダイナミックでエネルギッシュ。

パーソネルを事前に確認せずに、この新盤を聴いたのだが、アル・フォスターの見事なドラミングがしっかりと耳に残ったのと、フロントの2管、トランペットとサックスの見事なモーダル・フレーズが強く印象に残った。見事というのは、1960年代のモードでは無い、新伝承派のモードの焼き直しでも無い、純粋に「21世紀のネオハードバップにおけるモード」なフレーズを吹き分けているところ。

トランペットは「ニコラス・ペイトン」、今年49歳のハイテクニックな中堅。サックスは「クリス・ポッター」、今年51歳のリリカルで力感溢れるテナーマン。どちらも若い頃から第一線で活躍してきたジャズマンだが、ここまで、コンテンポラリーで新しい響きのモーダルなフレーズを吹きまくるとは思わなかった。

そんなフロント2管を硬軟自在、変幻自在、緩急自在にサポートし、鼓舞するアル・フォスターのドラミング。これが、これまた余裕をかました見事なドラミングで、柔軟度の高いポリリズムが、ピアノのケビン・ヘイズ、ベースのヴィンセント・アーチャーと共に、フロント2管のフレーズをがっちり掴んで、がっちりリードする。

しかし、アル・フォスターの「21世紀のネオハードバップにおけるモード」に完全対応したドラミングを聴いて、優れたドラマーって、全く隅に置けないなあ、という思いを再認識した。それほど、この新盤における、アル・フォスターの変幻自在なドラミングは素晴らしい。アル・フォスターという伝説のドラマー、まだまだ現役バリバリである。
 
 

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