« ベニー・グリーンの初トリオ盤 | トップページ | カナダ発の「小粋なジャズ」盤 »

2022年8月31日 (水曜日)

ピム・ヤコブスの「この一枚」

「小粋なジャズ」を求めて、ピアノ・トリオをネットで漁っていたら、懐かしいピアノ・トリオ盤に遭遇した。ちょうど、僕がジャズを本格的に聴き始め13年目。ジャズの良し悪しや特徴が自力で理解出来る様になった頃、とあるレコード屋で、このピアノ・トリオ盤を発見した。確か、Philips原盤の日本フォノグラムから発売された日本盤だったと記憶する。ちょっと試聴させて貰って、即ゲットでだった。

Pim Jacobs『Come Fly With Me』(写真左)。1982年の録音。ちなみにパーソネルは、Pim Jacobs (p), Ruud Jacobs (b), Peter Ypma (ds)。オランダの有名ジャズ・ピアニスト、ピム・ヤコブスがリーダーのピアノ・トリオ編成。ちなみに、ベースのルード・ヤコブスは、ピム・ヤコブスの弟。ドラムのピーター・イプマもオランダ出身のジャズ・ドラマー。オール・オランダのピアノ・トリオである。

ピム・ヤコブスは、1934年10月、オランダのヒルフェルスム生まれ。1996年7月に、61歳で鬼籍に入っている。オランダでは有名なジャズ・ピアニストで、傍らで、ラジオおよびテレビ番組のプロデューサーとして働いたり、音楽番組の司会を務めたりしている。ネットで経歴を振り返ってみて、リーダー作は多く無い。サイドマンとしてのレコーディング参加もさほど多く無い。
 

Pim-jacobscome-fly-with-me

 
しかし、このピアノ・トリオ盤『Come Fly With Me』は、突出して、その出来が素晴らしい。まず、ピム・ヤコブスのピアノが良い。端正でテクニック優秀、歯切れが良くて、メリハリがキッチリ効いた、優等生的なハードバップなピアノである。フレーズもハードバップ時代のコードに沿った、判り易いフレーズをメインにしていて、とにかく、聴き易く判り易い。

オランダのジャズ・ピアノなので、当然、ファンクネスは皆無。しかし、そこが欧州ジャズらしくて良い。変に粘ったり、アーシーになったりしない、端正で歯切れの良い、どこかクラシック・ピアノの雰囲気を想起させる弾き回しは健康的。ベースとドラムのリズム隊は、決して前に出ず、ピム・ヤコブスのピアノを支え、引き立てる役に徹していて清々しい。

ピアノ・トリオ演奏の教科書の様なパフォーマンスがこの盤にギッシリ詰まっている。選曲もスタンダード曲がメインで、とにかく聴き易い。それでいて、ジャジーでブルージーな「ツボ」はしっかり押さえていて、スインギーな弾き回しと合わせて、しっかり、純ジャズしているところがこのトリオ盤の「肝」。難しいこと考えずに、歯切れ良くスインギーなピアノ・トリオを楽しむのに最適な盤。ピム・ヤコブスは、この一枚のトリオ盤の存在だけで、僕の記憶の中にその名を留めている。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!

 ★ AORの風に吹かれて        【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

   ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

   ・四人囃子の『Golden Picnics』
 
 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« ベニー・グリーンの初トリオ盤 | トップページ | カナダ発の「小粋なジャズ」盤 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ベニー・グリーンの初トリオ盤 | トップページ | カナダ発の「小粋なジャズ」盤 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        

カテゴリー