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2022年8月18日 (木曜日)

小粋な Band of Other Brothers

フュージョン・ジャズは時代の徒花だった、あれは間違いだった、という声もあったが、現代のジャズをグローバルに俯瞰してみると、クロスオーバー&フュージョン・ジャズは、今も深化を続けている。新しいイノベーションが生まれる訳では無いが、演奏内容の精度や内容が「深まっている」。米国でも英国でも、クロスオーバー&フュージョン・ジャズはまだまだ「存命」である。

Band of Other Brothers『Look Up!』(写真左)。2021年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Will Lee (b), Keith Carlock (ds), Nir Felder (g) , Jeff Babko (key), Jeff Coffin (sax)。今年70歳。衰え知らずのフュージョン界のレジェンド・ベーシスト、ウィル・リーを筆頭に、LAやNYを拠点に活動するフュージョン畑の名手が集結。小粋なクロスオーバー&フュージョン・ジャズを繰り広げている。

バンド名が「Band of Other Brothers」。ドラムにキース・カーロックは、スティーリー・ダンのドラム担当で有名。ニア・フィルダーはコンテンポラリーな中堅ギタリスト。キーボードのジェフ・バブコはマーク・ジュリアナ’s BEAT MUSIC出身の鬼才。サックスのジェフ・コフィンはベラ・フレック&ザ・フレックトーンズの元メンバー。しかし、フュージョン畑の曲者ばかり集めていると感じる。

これだけの曲者の集まりだと、1つの「音の志向」にまとめるのが大変だと思うのだが、リーダー格のウィル・リーは、そこを上手くやっている様に感じる。とにかく、音のまとまりが素晴らしい。メンバー全員が1つの「音の志向」を見ていてブレが無い。よって、演奏には迷いやダレたところや手慣れたところが無く、適度なテンションの下、しっかりアレンジされ、しっかりまとまりのあるサウンドに仕上がっている。
 

Band-of-other-brotherslook-up

 
音の志向は、基本的には、仄かにファンクネスを感じる、アーバンでアダルトなフュージョン・ジャズ。音の雰囲気は、バブコのキーボードがリードしている。エレピ、アコピ共に、バブコ独特の音を出していて、これが、このバンドの「音の志向」作りに貢献している。とにかく、バブコのキーボードが目立つ。以前のフュージョン・ジャズの時代には無かった個性的な音だけに、このバンドのフュージョンな音作りは「新しく」感じる。

リズム&ビートは、ウィル・リーのベースとキース・カーロックのドラムの「賜」。ジャズ、ファンク、ブーガルーなグルーブを柔軟に適用し、心地良く8ビートにスイングする。カーロックのドラムがビートの前面に出る時は、音の雰囲気は「Steely Dan」っぽくなり、リーのベースがビートの前面に出る時は、音の雰囲気は「Crystal Green」っぽくなるから面白い。

メンバーそれぞれが「匠」の技を繰り出して演奏しているので、それぞれの収録曲の演奏は素晴らしく充実している。アレンジもこの曲者メンバーの集まりに見事に決まり、メンバーそれぞれの演奏がくっきり浮かび上がり、それがまた素晴らしい。かなり高いレベルのフュージョン・ジャズであり、フュージョン・ファンクである。

我が国では、あまり話題に上らなかった「Band of Other Brothers」の新盤であるが、 内容は素晴らしいので、フュージョン・ジャズ者の方々には是非お勧め。ながら聴きのフュージョン・ジャズ盤としてお勧めの優秀盤だと思います。そもそも「Band of Other Brothers」というバンド名も我が国では全く浸透していない。困ったもんです。
 
 
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