粋なラテン&フラメンコ・ジャズ
夏はラテン・ジャズが良い。エアコンの効いた涼しい部屋の中で聴くラテン・ジャズは格別のものがある。こってこてラテンな音楽は、ねっとり暑苦しくていけないのだが、シャープなアレンジに乗った、切れ味良く軽快なラテン・ジャズは聴いていて気持ちが良い。ラテンなフレーズには「キメ」のフレーズがあるのだが、それがバッチリ決まると爽快である。
Chano Dominguez, Rubem Dantas & Hamilton de Holanda『Chabem』(写真左)。2022年6月のリリース。ちなみにパーソネルは、Chano Dominguez (p), Rubem Dantas (perc, Cajón), Hamilton de Holanda (bandolim) 等。
ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズを手掛けるスペインのピアニストのチャノ・ドミンゲス、カホンの名手であるルベン・ダンタス、バンドリンの名手のアミルトン・ヂ・オランダ、3人の共同リーダー作。
チック・コリアの名曲「Armando’s Rhumba」を彷彿させるスパニッシュで情熱的な演奏である、2曲目の「Para Chick」では、スナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)がゲスト参加している。
ジャズをベースに、フラメンコ、ブラジル音楽、ラテン音楽を融合した「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」が、この盤の中にてんこ盛り。
基本的に「融合」のジャズなので、フュージョン・ジャズ志向の音作りかと思いきや、意外とメインストリーム志向の純ジャズ風のアレンジが施されていて、聴き応えがある。
しかも、ラテン&フラメンコの民族楽器「カホン」そして「バンドリン」そのものを導入してジャズ化しているので、その民族楽器の響き自体が「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」のイメージを増幅させている。
チャノ・ドミンゲスは1960年スペイン・アンダルシア州のカディス生まれ。ルベン・ダンタスは1954年ブラジル・バイーア州サルバドール生まれ。アミルトン・ヂ・オランダは1976年ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。
共同リーダーを張る3人は、皆、フラメンコ音楽、ブラジル音楽の発祥の地の出身がゆえ、演奏の根幹に「ラテン音楽」のイメージがしっかり根付いている。それが聴き手にダイレクトに伝わって、この盤の「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」には違和感が無い。
ヒスパニックとブラジルの伝統音楽の出会い。この盤における「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」は内容が濃く、粋である。我が国ではあまり人気の無い「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」。この盤を聴けば、「融合」上手なジャズの中で、「ラテン・ジャズ&フラメンコ・ジャズ」は確固たる1ジャンルを確立させている、と感じる。
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