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2022年6月 2日 (木曜日)

マクブライドのビレバガ・ライヴ

クリスチャン・マクブライド(Christian McBride)は、現代のモダン・ジャズにおける最高峰のベーシスト。超絶技巧、歌心溢れるフレーズ、鋼の如く硬質にしなるようなウォーキング・ベース。どんな曲想にも適応する、どんな奏法にも適応する高いテクニック。ファースト・コール・ベーシストとして君臨するマクブライドも、今年で50歳。

Christian McBride『Live at the Village Vanguard』(写真左)。2014年12月5–7日、NYのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Christian McBride (b), Steve Wilson (as, ss), Carl Allen (ds), Peter Martin (p), Warren Wolf (vib)。

2014年12月に2週間に渡って行われた、クリスチャン・マクブライド・グループのギグの未発表音源を収録したライヴ盤。2014年の年末最後の6日間に出演したクインテット(Inside Straight)のパフォーマンスが記録されている。フロント楽器として、サックスとヴァイブの2楽器が採用されたクインテット編成。

このライヴ盤を聴けば、現代のネオ・ハードバップの現状が良く判る。モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏。ルーツは、1950年代後半、マイルス・デイヴィスを中心としたメンバーが「モード・ジャズ」にチャレンジし、1960年代には「新主流派」として、当時のジャズ演奏のトレンドを牽引。

一度は沈滞した純ジャズだったが、1980年代中盤の「純ジャズ復古」のムーヴメントの中で現れ出でた、1960年代の「新主流派」の音が最良のジャズとして、1990年代、ウィントン・マルサリスを中心したメンバーが「新伝承派」として、モード・ジャズを深化させた。
 

Christian-mcbride_live-at-the-village-va

 
そして、21世紀に入って、難解になり過ぎた「新伝承派」の音に、1950年代のハードバップの親しみ易さ、ポップさを回帰させた「ネオ・ハードバップ」が主流となって現在に至る、なのだが、この「ネオ・ハードバップ」の好例が、このマクブライドのライヴ盤に詰まっている。

結構、難しいことをやっている割に難解には聴こえない、流麗でポップでキャッチャーな演奏がメイン。要所要所で、それぞれの楽器のロング・ソロがあって、高度なテクニックを披露するところは、ハードバップ時代の良き慣習の「踏襲」。

モーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏をやっているのだが、1960年代の「新主流派」や、1990年代の「新伝承派」の音のクセや志向といったものを全く感じさせないところが、このクリスチャン・マクブライド・クインテットの凄いところ。

マクブライドのベースが、そんなモーダルで限りなく自由度の高いインタープレイ中心の演奏を自在にコントロールしているのが、ライヴ盤全般で聴いて取れる。マクブライドのグループ・リーダーとしての優れた手腕にほとほと感心する。グループ・メンバーの優秀性については「言わずもがな」。

今から7年ほど前の演奏になるが、古さは感じない。我が国では、あまり人気が芳しく無いマクブライドであるが、どうして、コンスタントに素晴らしい内容のリーダー作をリリースし続けている。当ライヴ盤も例に漏れず、現代のネオ・ハードバップを代表する素晴らしい内容の演奏がギッシリ詰まっている。 
 
 

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