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2022年6月12日 (日曜日)

ジム・ホールの小粋なライヴ盤

最近、まだ聴いたことの無い「小粋なジャズ盤」を求めて、ネットを徘徊している。徘徊するのは、音楽のサブスク・サイト、そして、Twitter。Twitterなどでは、様々な国の様々なジャズ者の方々が、ジャズ盤の情報を挙げている。「小粋なジャズ盤」の探索条件は、まず「パーソネル」、次に「録音年」、最後に「ジャケット」。この条件にネットの評論内容を確認して、聴くアルバムをチョイスしている。

この方法で「小粋なジャズ盤」であろう、という予想を立てて盤を聴くと、まず間違いが無い。的中率は90%程度。たまに「ありゃりゃ」という失敗チョイスもあるが、それはそれでご愛嬌。特に「パーソネル」は重要で、やはり一流どころのジャズマンで固められたアルバムには「外れ」は圧倒的に少ない。

Jim Hall『Grand Slam』(写真左)。2000年1月20-22日、マサチューセッツ州ケンブリッジのチャールズホテル「レガッタバー」での録音。Telarcレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Jim Hall (g), Joe Lovano (ts, ss, al-cl), George Mraz (b), Lewis Nash (ds)。ギタリスト、ジム・ホールを中心としたグループ「グランド・スラム」のファースト盤である。

当ライヴ盤の録音時、70歳のプログレッシヴなギタリスト、ジム・ホールがリーダー。フロント管にサックスのジョー・ロヴァーノ、リズム隊に、ジョージ・ムラツのベース、ルイス・ナッシュのドラムという、ピアノレスのギター入り、フロント1管のカルテット編成。メンバーいずれも、職人芸を旨とするベテランばかりで、玄人好みのラインナップである。
 

Jim-hallgrand-slam

 
出てくる音は往年のハードバップ。ジム・ホールのプログレッシヴなギターが好調。唄う様に滑らかに、それでいてメリハリのあるアドリブ・パフォーマンスをガンガンに繰り広げる。録音当時70歳ですよ。音の芯の太さといい、切れ味の良いストロークといい、とても大ベテランの翁のパフォーマンスとは思えないダイナミックさである。

ロヴァーノのサックスも良い味を出している。クラリネットも良い感じで、演奏の主旋律をしっかりと吹き上げていて、聴いていて気持ちが良い。ロヴァーノのサックスは聴いていて「ああ、ジャズやなあ」と思わず口に出るほど、ジャジーでブルージーなサックスで、このロヴァーノのサックスが演奏全体の良いアクセントになっている。

そして、この盤ではリズム隊がかなり充実している。ムラツの重低音ベースがブンブン、ウォーキング・ベースを唸らせ、バンド全体のリズム&ビートを牽引する。そして、ナッシュの硬軟自在なドラムが、時に繊細に、時に大胆に、リズム&ビートを叩き出して行く。この優秀なリズム隊をバックにしているからこそ、ホールのギターとロヴァーノのサックスが自在にパフォーマンス出来るのだ。

我が国では人気が芳しく無いジム・ホールのギターで、ネットでもほとんどそのタイトルが挙がらないライヴ盤ですが、聴いてみると、意外や意外、硬派でメインストリームな純ジャズが展開されていて、演奏内容も充実していて、聴き応え十分。我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では、最近発見した「小粋なジャズ盤」として、ちょくちょく聴いています。
 
 

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