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2022年6月 3日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・236

長年、ジャズを聴いていると、あまり名盤ばかり聴いていると、はっきりいって「飽きる」。ジャズの世界で「名盤」と呼ばれる盤は、1950年代〜60年代に集中している。いわゆる「オールド・スタイル」なジャズである。ジャズは長い年月を経て、進化&深化しているのだから、現代のジャズにも当然「優秀盤」は沢山ある。そんな「現代の名盤」候補となる優秀盤を見つけては聴き込む。これが、ジャズ盤鑑賞の醍醐味でもある。

David Kikoski『Surf's Up』(写真左)。2001年1月18日、NYはBrooklynでの録音。Criss Crossレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、David Kikoski (p), James Genus (b), Jeff 'Tain' Watts (ds)。中堅ピアニスト、デヴィッド・キコスキーのピアノ・トリオ盤。ベースにジェームス・ジーナス、ドラムにジェフ・ティン・ワッツ。リズム隊に一流どころを配して、聴き応えのあるトリオ・パフォーマンスを聴くことが出来る。

デヴィッド・キコスキーは、1961年米国はニュージャージ生まれのピアニスト。1980年代にはバークレー音楽院でジャズを学ぶ。いわゆる「正統な教育を受けた」ジャズ・ピアニストである。タッチはやや硬質で端正、流麗な右手。ひねったり、ねじったりしたところは一切無し。ダイナミックにバリバリ弾き進めるバップなピアノ。いわゆる「総合力で勝負する」タイプのピアニストである。
 

David-kikoskisurfs-up

 
「総合力で勝負する」タイプのピアニストのトリオ盤は、アルバム自体の「企画性」と収録した楽曲の「アレンジ力」が重要になる。今回のこのキコスキー盤は収録曲が面白い。1曲目がフランク・ザッハの「Oh No」、4曲目がデュラン・デュランの「A Noite Do Meu Bem」、6曲目がビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソン作の「Surf's Up」という風で、ポップス・ロック畑の有名曲をジャズ・アレンジしている。これがなかなか出来が良い。キコスキーの「アレンジ力」の高さをしっかりと感じることが出来る。

ミュージシャンズ・チューン系のスタンダード曲にも「アレンジ力」が発揮されている。チャーリー・パーカー作の2曲目「Cardboard」は、テンポが速くてゴキゲンな明るさでトリオが疾走。セロニアス・モンク作の3曲目「Four In One」はちょっとコミカルにお茶目にモンク・ライクな旋律を弾き回す。ジャッキー・マクリーン作の5曲目「Little Melonae」は、アップテンポでノリが良いが、どこか影のある印象的な表現。キコスキーの個性溢れる「アレンジ」が印象的。

リズム隊がしっかりしているので、この「総合力で勝負する」タイプのピアノ・トリオの演奏がとても魅力的に仕上がっている。そんな魅力的な演奏力のあるトリオが、小粋なアレンジを施されたポップス・ロック畑の有名曲とミュージシャンズ・チューン系のスタンダード曲を演奏する。これ、なかなか良い感じのピアノ・トリオ盤ですよ。硬派でストイックな現代のピアノ・トリオ盤ですが、どこか「小粋」な雰囲気漂う優秀盤です。
 
 

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