« レアで幻のアルト・サックス奏者 | トップページ | 梅雨空に欧州的ジャズ・ファンク »

2022年6月16日 (木曜日)

ジャズ喫茶で流したい・239

もともとベースは「縁の下の力持ち」的存在。ベーシストの個性はその楽器の特性上(ソロやフレーズのバリエーションが少ない)、管楽器や鍵盤楽器ほど、明確にはならない。リーダーである当の本人が何をやりたいかが明確になっているか、若しくは、担当のプロデューサーが、リーダーのベーシストの何を表現したいかが明確になっていないと、良いリーダー作にはなかなかならない。

Jimmy Haslip『Arc』(写真左)。1993年の作品。ちなみにパーソネルは、Jimmy Haslip (b), Peter Erskine (ds) のリズム隊のみ固定メンバーで、あとは曲毎にメンバーを選定して演奏に臨んでいる。次世代を担う中堅ベーシスト、ジミー・ハスリップの初リーダー作。リリース当時42歳(今年で72歳)。録音当時はバリバリな中堅ベーシストである。

ハスリップはフュージョン・ジャズ畑のベーシストで、彼は長年、Yellowjackets(イエロージャケッツ)のオリジナルメンバー、ベーシストとして活動している(2012年、フェリックス・パストリアスと交代し脱退)。良く唄うエレベで、リズム&ビートを堅実に押さえて、ソロでは旋律楽器の如く「唄う」エレベである。ほど良く角の取れたジャコ・パストリアスといった風情。
 

Jimmy-haslip-arc

 
この盤に詰まっている音は「ウエザー・リポート」。そこはかとなく、ウエザー・リポート全盛期、『ミステリアス・トラベラー』から『ナイト・パッセージ』辺りまでの音が、そこはかとなく、このハスリップの初リーダー作に反映されている。しかし、音のカヴァーでは無い。雰囲気が「ウエザー」で、演奏自体は「ウエザー」の音をスムース・ジャズ化した様な音世界。

ベースとドラムだけを固定して、後は色々なゲストが演奏する、そして、アレンジャーも複数名が担当しているが、アルバム全体の雰囲気の統一感は見事。純ジャズ基調のコンテンポラリーなエレジャズとして、その出来は良い。さすが、イエロージャケッツのオリジナルメンバーとして、フュージョン・ジャズを極めて来ただけはある、見事な初リーダー作である。

ハスリップのベースがほどよく角の取れたジャコの雰囲気、ドラムはウエザー全盛期のドラマー、アースキンそのもの。このベースとドラムのリズム隊だけで、「ウエザー・リポート」の音の雰囲気のベースをしっかり表現しているのは、凄いなあ、と感心するばかり。リーダーである当の本人が何をやりたいかが明確になっている「ベーシストのリーダー作」は聴いていて気持ちが良い。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

  ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年3ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4 
 

« レアで幻のアルト・サックス奏者 | トップページ | 梅雨空に欧州的ジャズ・ファンク »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« レアで幻のアルト・サックス奏者 | トップページ | 梅雨空に欧州的ジャズ・ファンク »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー