マルティーノの初リーダー作
3日連続の真夏日。家にいても、エアコンをかけていても、動くと汗がジンワリ出てくる。精神的にも変に疲れてきた様な気がする。これだけ暑いとジャズを聴くどころでは無い。が、やっぱりジャズを聴いて、気分だけでもスカッとしたい。ちょうど最近「小粋なジャズ」を探しては聴いている。「小粋なジャズ」にはシンプルで爽快感溢れる盤が多く存在する。今の「酷暑の日」にピッタリだ。
これだけ暑くなると、まず、フリー・ジャズや、自由度の限りなく高いモーダルなジャズは、難度が高くて、この「酷暑の日々」には、絶対に向かない。1曲聴くだけで、額に汗が噴き出してくる。ガンガンにノリの良い「熱い演奏」のハードバップも駄目だ。1曲聴くと、目の前がクラクラしてくる(笑)。切れ味の良い、スインギーで聴き心地の良い、判り易いジャズが良い。聴いて楽しい「小粋なジャズ」が良い。
Pat Martino『El Hombre』(写真左)。1967年5月1日の録音。Prestigeレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Pat Martino (g), Danny Turner (fl), Trudy Pitts (org), Mitch Fine (ds), Vance Anderson (bongos), Abdu Johnson (congas)。ボンゴとコンガ入り、リーダーのマルティーノのギターがメイン、管楽器にフルートを配し、オルガンを入れた6人編成。マルティーノ、弱冠22歳での初リーダ作の録音であった。
遅れてきたバップ・ギタリスト、マルティーノの初リーダー作。そのマルティーノのギターが爽快。絶好調である。コンガとボンゴを入れてリズム隊を増強した「ファンキー・ジャズ」の範疇の演奏ではあるが、マルティーノのギターは、ストレートで変な捻りが皆無。少し骨太な音で、高速フレーズを弾き進めていく。このマルティーノのギター・パフォーマンスは爽快そのもの。
聴き手に迎合すること無く、硬派で真摯で男気溢れるハードバップな演奏をグイグイ引っ張っていく。飄々と速いフレーズを弾き進めていくので、聴き流している分には単純な弾き回しに聴こえるが、しっかり聴くと結構、複雑なことをやっている。ファンクネスはしっかり備わっているのだが、粘ること無く、黒くなること無く、乾いて、どちらかと言えば「白いファンキーなジャズ・ギター」が当時として新しい個性。
ハイテクニックで意外と複雑なことをやっているのに、切れ味の良い、スインギーで聴き心地の良い「判り易いジャズ」な、聴いて楽しい「小粋なジャズ」な、演奏に仕上げっているのに感心する。シンプルで切れ味が良くて骨太な、単旋律がメインのマルティーノのギター。迫力抜群、グイグイ耳に訴求するマルティーノのギター。爽快抜群で、聴いた後、スカッとします。
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