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2022年5月15日 (日曜日)

全く無名のギター・デュオ盤

ジャズの特質の1つが「即興演奏」。そして「インタープレイ」。3人で演奏する「トリオ」、4人で演奏するのは「カルテット」、5人でえんそうするのが「クインテット」。大人数になればなるほど、演奏家それぞれの即興演奏の特徴、インタープレイの妙が判り難くなる。そう、即興演奏の特徴、インタープレイの妙が一番判り易い演奏フォーマットが「デュオ」。2人でジャズ演奏する形態である。

ジャズ演奏って、基本的に何でもアリ、なんで、使用する楽器も何でもアリ。デュオ演奏だって、この組合せが定番といった楽器の組合せは無い。2人でジャズ演奏するので、双方、違った楽器の方が良いかと思いきや、そうでも無い。

例えば「ピアノとギター」はどちらも旋律も弾けるしコードも弾ける、という似たような特徴を持つため、音がぶつかりやすい。逆に、同じ楽器でデュオをすると、演奏はし易いのだが、同じ楽器が故に演奏が単調になりやすい。

Joachim Schoenecker & Peter Bernstein『Dialogues』(写真)。2010年の作品。ちなみにパーソネルは、Joachim Schoenecker, Peter Bernstein (g)。ギタリスト同士のデュオ演奏になる。ピーター・バースタインは、1967年、米国NY生まれ。ヨアヒム・シューネッカーは、1966年、ドイツ生まれ。同年代の中堅ギタリスト同士のデュオになる。
 

Joachim-schoenecker-peter-bernsteindialo

 
ギター2本、つまり同じ楽器のデュオなので、まず、下手をすると演奏方法自体がぶつかる可能性がある。これは決め事を事前に申し合わせて、事前回避することが出来る。

逆に「同じ楽器が故に演奏が単調になりやすい」部分については、デュオ演奏する双方のギター・テクニックに依存する。演奏表現の引き出しが少ないと単調になる。しかし、この2人の同年代の中堅ギタリストについては、この「テクニックと表現の引き出し」については全く問題が無い。

収録曲を見渡すと「Gone With The Wind」「How Deep Is The Ocean」「Stella by Starlight」などのハードバップ時代の定番曲とオリジナル曲を織り交ぜた構成で、バップ定盤曲では、2人のギタリストのスタンダード曲の解釈とアレンジの妙を感じることが出来、オリジナル曲については、2人のギタリストの演奏テクニックを堪能することが出来る。

テンションの張った、丁々発止と「即興演奏とインタープレイ」を繰り広げる、白熱のデュオ演奏だが、その音は優しく、心地良くスイングする。双方のギタリストの出すフレージングが実に小粋で飽きが来ない。全く無名のデュオ盤ではあるが、この盤に詰まっているギター2本のデュオ演奏は『Dialogues』というタイトル通り、二本のギターで楽しんで対話している様な「ハイレベル」なもの。好盤です。
 
 

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