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2022年4月 3日 (日曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・2

Ben Webster(ベン・ウェブスター)は、スイング時代からハードバップ時代を経て、1960年代のジャズ多様化の時代まで、長く活躍したテナー・サックス奏者であった。彼のテナーのスタイルは、ジョニー・ホッジスに影響を受けた、しっかりヴィブラートを効かせた完璧な「オールド・スタイル」。生涯、彼はこのテナーのスタイルを変えることは無かった。

ジャズ界は、サックスのスタイルについては、1950年代には「チャーリー・パーカー」、1960年代には「ジョン・コルトレーン」といった強烈なスタイリストが出現したが、スイング時代からの「オールド・スタイル」を貫いたが故、1950年代のハードバップ時代にも、1960年代のジャズ多様化の時代にも、ウェブスターは独特なポジションを確保し続けた。

Ben Webster『In A Mellow Tone』(写真左)。1965年5月14日, 15日、英国はロンドンの「Ronnie Scott's Club」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ben Webster (ts), Alan Branscombe (p), Lennie Bush (b), Jackie Dougan (ds)。ベン・ウェブスターのテナーがフロント1管の「ワン・ホーン・カルテット」。サイドメンは、皆、クラブの地元の英国のジャズ・ミュージシャン達である。
 

In-a-mellow-tone_ben-webster

 
ウェブスターのテナーは「オールド・スタイル」。とにかく「渋くてクール」。若い時にはピンと来なかった「渋さ」が実に心地良い。「I Got Rhythm」で好調に飛ばすウェブスターも、「Old Folks」のユッタリとした、情感豊かなウェブスターも基本的に「渋くてクール」。タイトル曲「In a Mellow Tone」のスイング感も抜群に心地良い。モダン・ジャズの「心地良い」部分が、このライヴ盤に散りばめられている。

地元英国のリズム・セクションも好演している。ブランズコムのピアノがとてもモダンで良い。タッチも明確、フレーズは淀みなく、正統派なもの。ブッシュのベースも素姓は確か。ピッチが合った流麗なロング・ソロは印象的。ドゥーガンのドラムは、このライヴ・パフォーマンスの「肝」。ウェブスターのサックスを支え、鼓舞し、リズム隊の要として、ジャジーでブルージーな「リズム&ビート」を叩き出している。

録音当時56歳。脂の乗りきったベテラン・ジャズマン、ウェブスターの好演。モダンでジャジーでブルージーなウェブスターのテナーが心ゆくまで楽しめる好ライヴ盤。英国のリズム隊も好演で、実に聴き応えがある。聴いていて「ああ、ジャズってええなあ」とつくづく思ってしまう。こういう盤を「小粋なジャズ」盤と言うのだろう。
 
 

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