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2022年4月の記事

2022年4月30日 (土曜日)

スクエアの転換点となった重要盤

フュージョン・ジャズ全盛時、日本のフュージョン・ジャズ・バンドについては、カシオペアとこのスクエアが2大人気バンド。カシオペアがバカテクでクロスオーバー・ジャズ志向のフュージョンな音世界がウリ、スクエアは、ポップ&ロック志向の親しみ易いフュージョン・サウンドな音世界がウリ。どちらも甲乙付けがたく、TPOに応じて聴き分けていた様な気がする。

THE SQUARE『Rockoon』(写真左)。1980年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、安藤正容 (g), 伊東たけし (sax), 久米大作 (key), 中村裕二 (b), 青山純 (ds), 仙波清彦/せんバきヨひコ (perc), 古原正人 (vo)。キーボードが宮城純子から久米大作、ドラムがマイケル河合から青山純に交代。メンバーチェンジを経た7人の新体制で録音されたアルバム。

このアルバム『Rockoon』は、ポップ&ロック志向の親しみ易いフュージョン・サウンドに磨きがかかった、スクエアならではの音世界。米国西海岸のフュージョン志向な音作りから、ポップ&ロックの音の要素に軸足を移した「過渡的な内容」。印象的なボーカル曲が3曲もあり、そのボーカル曲の存在も、ポップ&ロックの音の要素を強調するのに一役買っている。
 

The-squarerockoon

 
冒頭のタイトル曲「Rockoon」を聴けば、確かにそれまでの前3作とは音の作りが全く異なるのが判る。ほとんど「AORなロック」である。TotoやJourneyを想起する様な、エレギ中心のハードなAOR風。英語の歌詞がつけられた「Really Love」「Come Back」「It's Happening Again」、3曲のボーカル曲の存在がそのイメージを加速させる。この盤にだけ参加した、青山純のドラミングが、この「ポップ&ロックの音の要素に軸足を移す」のに大きく貢献している。

3曲目「Tomorrow's Affair」の日本語タイトルは「トゥモロー」。TBS系列ドラマ『突然の明日』のテーマ曲。T-SQUARE名義のオーケストラ・アレンジ盤『Harmony』では、当曲のオーケストラとの共演を聴くことが出来る。雄大な音拡がりと高揚感が素晴らしい、スローテンポの曲であるが、キャッチャーでポップなフレーズは、いまにもスクエアらしい。

いわゆる「脱・米国西海岸フュージョン」。この『Rockoon』を契機に、スクエアは「日本独自のフュージョン」を推し進めていくことになる。カシオペアは「米国西海岸フュージョンから国際化フュージョン」を推し進めていく訳で、ここで、カシオペアとスクエアは、音の志向が全く異なるバンドとなったのだった。
 
 

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2022年4月29日 (金曜日)

マルの西ドイツでの好ライヴ盤

久々に、マル・ウォルドロンのリーダー作を聴き直している。彼のリーダー作の音源については、現在、結構な数が出ていて、まだ聴いたことが無いリーダー作も結構あることに気がついた。なんでかなあ、と思わず「思案投げ首」である。

しばらく、マルのリーダー作を追ってはいなかったので、その間に、音源のサブスクサイト中心に、今まで廃盤になっていた音源が結構な数、リイシューされたようなのだ。よい機会なので、マルのリーダー作でまだ、このブログで記事になっていないリーダー作をチョイスして聴き直している。

Mal Waldron『A Touch of the Blues』(写真)。1972年5月6日、西ドイツ(当時)のニュルンベルクでの「East-West Jazz Festival」におけるライヴ録音。Enjaレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Mal Waldron (p), Jimmy Woode (b), Allen Blairman (ds)。

収録曲は3曲。LPが前提の収録時間で、長尺のライヴ音源が3曲。1曲目の「Here, There And Everywhere」が、11分17秒、2曲目の「The Search」が、10分28秒。ここまでが、LP時代のA面。3曲目の「A Touch Of The Blues」が、16分22秒で、この1曲で、LP時代のB面を占める。
 

Mal-waldrona-touch-of-the-blues

 
収録曲の全てが、マルのオリジナル。1曲目の「Here, There And Everywhere」が、レノン&マッカートニーの名曲のカヴァーか、と思いきや、マルのオリジナルです。かの有名な静的でロマンティシズム溢れるフレーズが出てくるか、あのバラード曲をマルがどう料理するか、と思って構えて聴いていたら、思いっ切り肩すかしを食らいます(笑)。

しかし、この「Here, There And Everywhere」、マルのピアノの個性が全開の展開。タッチは深く、それでいて流麗。右手の奏でるフレーズの基本はマイナーでブルージー。その左手は印象的な重低音のビートを叩き続ける。マルのオリジナル曲ということを踏まえて聴くと、実に聴き応えのある白熱のパフォーマンスで、思わず集中して聴き込んでしまう。

ベースのジミー・ウッズ、ドラムのアレン・ブレアマンも米国出身、マルと併せて「オール米国」のトリオが、西ドイツで、ガンガンに欧州ジャズ志向のモード・ジャズを演奏しまくる。確かに、マルのピアノは「黒い情念」と形容されるが、ファンクネスは希薄。トリオとしても、出てくるリズム&ビートは「ストレートで切れ味が良い」。決して「粘る」ことは無い。

マルの個性は異国である欧州の地で、その個性をさらに輝かせる様だ。特に、ライヴにその傾向は顕著に出る様で、この西ドイツでのライブ音源を聴けば、それが良く判る。資料を見たら、2020年7月に初CD化、とある。僕はこの盤、LP時代には聴いたことが無かったので、知らなかった訳だ。今回、音源のサブスク・サイトで出会えて良かった。マルの好ライヴ盤である。
 
 

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2022年4月28日 (木曜日)

またまたエヴァンスの未発表音源

ビル・エヴァンスは、ジャズ・ピアニストの中で、一番のお気に入り。1980年9月15日、鬼籍に入ってから既に40年以上が経過したのだが、未だに「未発表音源」が出てくる。しかも、ほとんどがかなり良い内容、音質もまずまず良いものばかり。「未発表音源」を出せば、それなりに良いセールスを記録するらしく、今でも、ビル・エヴァンスの人気というのは凄まじいものがあるみたい。

BIll Evans『Behind the Dikes: The 1969 Netherlands Recordings』(写真左)。1969年3月と11月のオランダでの録音。ちなみにパーソネルは、BIll Evans (p), Eddie Gomez (b), Marty Morell (ds)。2つのセッションが継ぎ目なく収められていて、臨場感があって、音もまずまず。トリオ3者の録音バランスが良くないところがあるが、それは正式録音じゃないので、仕方の無いこと。

1969年の録音なので、エヴァンスのピアノは、透明度の高い、耽美的な演奏というよりは、バップなピアノでガンガン弾きまくっている。ただし、音の響き、音の重ね方はエヴァンス独特のもので、バリバリとバップなピアノを弾いている割には、耽美的で流麗な響きが、エヴァンスのフレーズのそこかしこに流れている。とにかく美しくジャジーな珠玉の譜レースがてんこ盛り。さすがエヴァンス、と唸ってしまう。
 

Behind-the-dikes_bill-evans

 
ゴメスのベースの音が前面に出ている傾向の録音なので、逆にゴメスのベースの個性が手に取るように判る。意外とゴメスのベースは重低音。しかもソリッドでしなやか。あまりにブンブン響いて目立つので、ゴメスのベースはイマイチ、なんて意見もあるが、どうして、この時期のバップなピアノでガンガン弾きまくるエヴェンスに相対するベースは、このゴメスのベースが一番だ。

モレルのドラミングもこのライヴ盤では好調。そこはかとなく上手いドラミングのモレルだが、地味なところがところどころあって、この地味なところが耳に付くと、モレルはイマイチだ、ということになる。が、このライヴ盤では、エヴァンスのピアノが相当に溌剌としているので、その溌剌さに触発されたのか、モレルのドラミングも溌剌としてエモーショナルですらある。モレル、やればできるじゃないか、と嬉しくなるドラミングである。

収録されたどの曲にも、このエヴァンス・トリオにかかると、このトリオにしか出来ない、素晴らしいインタープレイが展開される。親しみやすく耳に優しいメロディーを前面に出しつつ、耽美的でリリカルな音の響きを大事にしながら、3者が織りなす迫力あるインタープレイ。ライヴ音源そのままなので、冗長さも少し感じるところもあるが、その冗長さも含めて、どの演奏も上質のピアノ・トリオのパフォーマンスである。
 
 

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2022年4月27日 (水曜日)

ジョアンと川崎の小粋なデュオ盤

最近、ジョアン・ブラッキーンのソロ・ピアノ盤を聴いたこともあって、ジョアンのリーダー作を幾つか聴き直した。振り返ってみれば、ジョアンのピアノって、意外と自分のお気に入りやったんやなあ、ということが判った。意外と枚数を聴いている。そして、そのアルバム探しの中で、まだ聴いたことの無いアルバムに出くわした。

Joanne Brackeen & 川崎燎『Trinkets and Things』(写真)。1978年8月13日の録音。日本でのLP発売時のタイトルが「フェア・ウェザー」。ちなみにパーソネルは、Joanne Brackeen (p), Ryo Kawasaki/川崎燎 (g)。ジョアンと川崎とのデュオ盤になる。

どういう経緯でデュオ演奏をするに至ったかが判らないが、録音当時、エルヴィン・ジョーンズやギル・エヴァンスとのコラボで知られる川崎と、ジャズ・メッセンジャーズ唯一の女性メンバーだったジョアン・ブラッキーンの邂逅の記録である。

ジョアンは録音当時40歳、川崎は31歳。どちらも中堅に差し掛かる、一番、ジャズ演奏家としてノリに乗った時期のデュオ盤なので、内容はしっかりしている。演奏テクニックについて、かなり高度なものをもっている両者なので、デュオでのインタープレイの応酬は聴き応え十分。スリリングな一面あり、双方ピッタリ寄り添うような一面あり、硬軟自在、変幻自在、丁々発止のやり取りは聴いていて爽快です。
 

Trinkets-and-things_1

 
ジョアンが弾きまくる。川崎とのデュオなので、捻ったところやユーモア溢れる展開はちょっと控えめ。逆に、モーダルでオリジナリティー溢れるフレーズをバリバリ弾きまくる。思い切りのあるエネルギッシュなフレーズはまさに「男勝り」。こういう、ジョアンの様なピアノを聴くと「痛快」である。ジャズの世界では男も女も関係無いなあ、と改めて思う。あるのは「クールでヒップな」演奏なのかどうか、だけ。

川崎も弾きまくる。川崎のギターの音源については、あまり数が無いので、なかなかじっくりと聴き込む事が出来ないのだが、この盤は違う。川崎のギターの音をテクニックを十分に聴くことが出来る。アコギもエレギもとにかく上手い。速弾きも難なくこなし、アドリブ・フレーズは歌心満点。しっかりとしたテンションの中、流麗なフレーズをガンガン弾きまくる。しかし、上手い。渡辺香津美と比べても劣らない、素晴らしいギターである。

バリバリ弾きまくるジョアンとガンガン弾きまくる川崎。どちらも高速フレーズをバンバン出しまくるのだが、どちらもお互いの音をしっかり聴きながら、瞬時に応答フレーズを返し、高速なユニゾン&ハーモニーを展開する。音がぶつかることが無く、バックに回った時のリズム&ビートも小洒落に供給する。

意外と言っては失礼だが、内容充実のピアノ&ギターのデュオ盤。今まで聴いたことが無かった分、新しい気分で聴けたが、特に、川崎燎が、こんなに格好良く素敵なギターを弾きまくるとは思わなかった。小粋なデュオ盤に出会ったと感謝している。
 
 

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2022年4月26日 (火曜日)

ゴルソンの小粋なライヴ盤です。

我がバーチャル音楽喫茶『松和』の本館は「ジャズ専門」。エヴァーグリーンな名盤ばかり聴いていても、「ジャズ耳」の感性の幅は広がらないので、最近では、知る人ぞ知る「小粋な優秀盤」をピックアップして聴く工夫をしている。そんな「小粋な優秀盤」の中には、40年以上に渡って「ジャズ者」をやってきた中で、聴いたことの無い盤があるのだから「ジャズ盤の裾野」は広い。

Benny Golson『Up Jumped Benny』(写真左)。1996年5月23日、スイスの「Jazz Club Uster」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Kevin Hays (p), Dwayne Burno (b), Carl Allen (ds)。

録音当時、67歳のテナー・サックス奏者、ベニー・ゴルソンがリーダー、リズム・セクションを担う、ピアノのケヴィン・ヘイズ(録音当時28歳)、ベースのドウェイン・ブルーノ(録音当時26歳)、ドラムのカール・アレン(録音当時35歳)。大ベテランのゴルソンに、当時若手トップクラスのリズム隊のカルテット編成。

ゴルソンのテナー1管の「ワンホーン・カルテット」になる。ワンホーンなので、ゴルソンのテナー・サックスが心ゆくまで楽しめる。収録曲全7曲中、半数以上の4曲がゴルソンの曲。3曲がミュージシャンズ・チューン。自作曲もその他の曲も、ゴルソンのアレンジが「映える」曲である。
 

Up-jumped-benny_benny-golson

 
ゴルソンのテナー・サックスには、以前はあまり良い印象は持っていなかった。特に、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャースの音楽監督として参加していた時のゴルソンのテナーが、何か掴み所の無い「ウネウネ」したテナーで、その印象が強くて、後にゴルソンのリーダー諸作をしっかりと聴き進めるまでは、その印象は変わらなかった。

が、このスイスのライブ盤では、まずまず溌剌としたテナー・サックスが聴ける。ソロはちょっとゴツゴツしていて、流麗とは言い難いが、力感のある骨太なサックスで、「ゴルソン・ハーモニー」の優れたアレンジの後押しを受けて、意外と良い感じで響いている。バックのリズム隊は実に優秀で、適度なテンションの下、ゴルソンの癖のあるテナーをしっかりサポートし、しっかり鼓舞している。

この盤、聴いて思うのは、やっぱりゴルソン作の名曲って良いね。「I Remember Cliford」「Whisper Not」「Gypsy Jingle Jangle」の4曲。いずれも素晴らしい曲。今ではかなりのゴルソン曲がスタンダード曲化している。

このスイスのライブ盤、肩肘張らずに、ゴルソンをメインとするワンホーン・カルテットの演奏をじっくり楽しめる、なかなかの「小粋な優秀盤」である。
 
 

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2022年4月25日 (月曜日)

ジェリの多彩で小粋なトータル盤

中堅女性ジャズ・ピアニストの最近動向を探るなかで、ジェリ・アレン(Geri Allen)の名前を思い出した。多彩かつ個性的な女性ピアニスト「ジェリ・アレン」。男前な新伝承派モーダル・ピアノが身上で、硬派で明確なタッチで、何の揺るぎも無い、確信を持ったインプロビゼーションを展開する。2017年6月、既に他界しているが、彼女のリーダー作をちょっと聴きたくなった。

Geri Allen『Timeless Portraits and Dreams』(写真左)。2006年3月16-17日の録音。ちなみにパーソネルは、Geri Allen (p), Ron Carter (b), Jimmy Cobb (ds), Wallace Roney (tp), Donald Walden (ts), Carmen Lundy (vo), George Shirley (tenor) に、Dwight Andrews指揮の「The Atlanta Jazz Chorus」が加わる。ジョージ・シャーリーとは、メトロポリタンオペラで歌う最初のアフリカ系アメリカ人テノール歌手、とのこと。

ウォレス・ルーニーのトランペットとドナルド・ウォルデンのテナー・サックスが2管フロントのクインテット編成が基本。ボーカルものには2人のソロ・ボーカリストが、そして、伴奏の一部として、ジャズ・コーラス隊が加わっている。内容的には、ジェリ・アレン自作曲、スタンダード曲、そして、スピリチュアル志向の曲とが、上手く融合した「トータル・アルバム」風な内容。ストーリー性のあるアルバム作りになっている。

ジェリ・アレン、48歳のリーダー作になる。若い頃は、M-BASE派の代表的ピアニストの1人として、ブイブイ言わせていたが、さすが、アラフィフに差し掛かって、角の取れたリラックスしたピアノに変化している。ただ、弾き紡ぐフレーズは「キラリと輝く」小粋なものが随所に聴くことが出来て、優秀なテクニックと合わせて、十分に楽しめるピアノになっている。
 

Geri-allentimeless-portraits-and-dreams

 
リズム隊がロン・カーターとジミー・コブだが、これが、ジェリの「角の取れたリラックスしたピアノ」と相性が良いみたいで、良い雰囲気のトリオ演奏が展開されている。以前「ジェリはリズム隊によって、ピアノのアプローチが変わる」と感じたのだが、恐らく、ジェリは、このアルバムでは、ロンとコブに合わせた「ピアノの弾きっぷり」を選択したのだろう。

まず、ボーカル、コーラス抜きのクインテットの演奏が良い。コブのダイナミックではあるが、要所要所での繊細なドラミングが良い。モーダルな展開でのロンのベースラインはやはり素晴らしい。ルーニーのトランペットは2曲のみの参加だが、さすがのトランペットを聴かせてくれる。2006年時点での、先端を行く新伝承派なモーダルな展開が瑞々しい。

ボーカル、コーラス入りの曲の存在が気になるのだが、コーラスについては上手く使っている印象。2曲目の「Melchezedik」では、味付け程度のコーラスで、バックでさらっと歌っている感じが実に良い。他の曲でも、決して、ゴスペル・コーラスの様に「グワーッ」という盛り上がったコーラスにはなっていない。

ボーカルについては、ジョージ・シャーリーはテノール歌手なので、正統派テノールの如く、ブワーツと歌い上げてしまうのは仕方が無い。やはり、ジャズ盤の中では「テノール」な歌唱は違和感がある。特にCDではボーナスCDとして別扱いになっている「Lift Every Voice and Sing」については、ジャズ・アルバムとしては、あまり必然性を感じない。

だが、アルバムを通して聴けば、まずまずの満足感を感じる。「トータル・アルバム」風な、ストーリー性のあるアルバム作りが、ジェリの個性のひとつである「多彩さ」とマッチして、アルバム全体の完成度を高めているようだ。この盤の「多彩さ」の1つ、ライトで静的なスピリチュアル・ジャズ的な雰囲気は、確実に時代を先取りしている。
 
 

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2022年4月24日 (日曜日)

ロスネスの「温故知新」な好盤

久し振りに「ジョアン・ブラッキーン」のソロ・ピアノを聴いたら、他の中堅女性ジャズ・ピアニストの動向が気になった。ちょうど、小粋なジャズ盤はないかいな、と音源を物色していた矢先、まず「Renee Rosnes(リニー・ロスネス)」の名前が目に入った。おお、ロスネスか。しばらく御無沙汰やなあ、ということで、この盤を選盤。

Renee Rosnes『Manhattan Rain』(写真左)。2009年9月25-26日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Renee Rosnes(p), Steve Nelson(vib), Rich Perry(ts), Peter Washington(b), Bill Stewart(ds)。ベースにピーター・ワシントン、ドラムにビル・スチュワートと、実に玄人好みの味わい深いリズム隊がバックに控えている。これには、絶対に「触手が伸びる」。

1980年半ばからの「純ジャズ復古」のムーブメント以降、優れた女性ジャズ・ピアニストの頭角が相次いだが、このリニー・ロスネスなどはその先駆的存在。カナダ出身、1962年3月生まれなので今年で 60歳。還暦である。もうベテランの域に達した、ジャズ・ピアニスト才媛である。

ロスネスのピアノの展開の基本は「モード」。1960年代の新主流派の音作りを踏襲するものだが、その懐かしさの中に現代の新しい響きが織り込まれているところが、ロスネスのリーダー作の小粋なところ。所謂「温故知新」な音作り。

オリジナル曲の主旋律もアドリブ部の展開も、そのフレーズは美しく、ロスネスのリリカルで耽美的なピアノの面目躍如といったところか。リリカルで耽美的なところで留まらず、明快なタッチでキリッと締まった弾き回しは、現在でも活躍するロスネスの矜持を強く感じる。
 

Manhattan-rain_renee-rosnes

 
フロント楽器に、テナー・サックスとヴァイブが入っていて、メリハリが効いた展開が小気味良い。ロスネスのオリジナルが4曲と、エリントン、ジョン・ルイス、ジョビン曲他で全9曲。

いずれも、ピアノ、ヴァイブ、テナー共に「歌心」を重視したパフォーマンスで統一されていて、聴き心地満点。リリカルで耽美的なパフォーマンスの中に、しっかりと現代的なモード展開をしつつ、過去の伝統的なジャズなかでのモード奏法も踏襲していて「温故知新」。

タッチも以前は「ハービー・ハンコック」のフォロワーかと思った時期もあったが、この盤でのタッチは「チック・コリア」にちょっと通ずるものがあると感じた。加えて、以前は内省的なピアノが得意か、とも思ったが、この盤では意外と陽気でポジティヴな展開もあって、着実にロスネスのピアノの表現の幅が広がっているのを感じる。

この盤の録音時点で47歳のロスネス。この歳の辺りから、恐らく、ロスネスのピアノの表現の幅が広がりだしたのかもしれない。そういえば、ロスネスが、ビ・バップの表現方法の中での「リリカルで耽美的な」ジャズ・ピアノが個性の「古いスタイルだが新しい」ピアニスト、ビル・チャーラップと結婚したのが2007年。意外とその辺が好要素として作用したのかもしれない。

何十回も聴き直す様な「歴史的な名盤」では無いが、時々、思い出しては聴き直す、小粋な内容の盤。ロスネスの現時点での個性を確認するのにも適した好盤である。
 
 

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2022年4月23日 (土曜日)

ブラッキーン最後のソロ・ピアノ

自分のアルバム・カタログを見渡していて、久々に、Joanne Brackeen(ジョアン・ブラッキーン)の名前が目に留まった。1938年7月26日、米国カリフォルニア州バンチュラ生まれ。今年で84歳の高齢になる。ジュリアード音楽院を卒業し、フレディ・ハバードのグループでデビュー。69年にはメッセンジャーズに参加。力強く前衛的、捻りが効いた柔軟でリリカルな弾き回しが個性。

Joanne Brackeen『Popsicle Illusion』(写真左)。2000年の作品。ジョアン・ブラッキーンのソロ・ピアノ盤になる。彼女のキャリアの中で、ソロ・ピアノ盤は数枚あるが、その最後の盤。彼女のディスコグラフィーを確認したら、この盤を最後に、ブラッキーンのリーダー作は途絶えている。このソロ・ピアノ盤については、彼女のピアノの個性が非常に良く判る、優れた内容になっている。

ブラッキーンのピアノは端正でタッチが強い。とても明快なピアノである。しかし、アレンジはちょっと「捻くれている」。素直に、ハードバップ風な、モード・ジャズ風なアレンジかと思いきや、変則拍子であったり、いきなりアブストラクトに走ったり、転調を繰り返したり。でも、それが実に自然に展開するのだから素晴らしい。この「捻くれている」ことが、ブラッキーンの最大の個性なのだ。
 

Popsicle-illusion_joanne-brackeen

 
このソロ・ピアノ盤も、その「捻くれている」個性が随所に現れていて、ブラッキーンのピアノやなあ、と思わず感心するのだ。冒頭の「If I Were A Bell」、ストライド奏法で始まる。スタンダード曲をストライド奏法。と思いきや、4分の7拍子で演奏している。いや〜「捻くれている」(笑)。何か不思議な雰囲気の「If I Were A Bell」。

タイトル曲で自作の「Popsicle Illusion」は、ブラッキーンらしい複雑な曲。逆に、ビートルズの名曲カヴァー、2曲目の「Michelle」は、味わい深くリリカルなタッチで聴かせる。4曲目のスタンダード曲「From This Moment On」のダイナミズム溢れる弾きっぷりは、ブラッキーンならではのもの。7曲目の「Telavivision」も変拍子で硬派に攻めた演奏。演奏ラス前の「Prelude To A Kiss」は歌心満点なバラード演奏。

このソロ・ピアノ盤の録音当時、ブラッキーンは62歳。ジャズ・ピアニストとして、まだ老け込む年齢では無いし、隠遁する年齢でも無い。このソロ・ピアノ盤以降、ブラッキーンについてはリーダー作の無い状態が続いていて(現在、バークリー音楽院で教鞭を執っているようだ)、ちょっと惜しいなあ、という気持ちにさせてくれるソロ・ピアノ盤。最後に、このアルバムのラストに収録されている「Interview With Joanne(インタヴュー音源)」は「蛇足」ですね。
 
 

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2022年4月22日 (金曜日)

現代の「新伝承派」な音世界

この2〜3年であるが、ジャズ・ピアノの範疇で優秀な盤が多数出ている。中堅〜ベテランを差し置いて、現在20〜30歳代の若手有望ピアニストが、続々と優秀盤をリリースしているのが主な理由だろう。加えて、ベテランのレベルのジャズ・ピアニストの活動が滞ったのも理由のひとつだろう。

Emmet Cohen『Future Stride』(写真左)。2021年1月のリリース。ちなみにパーソネルは、Emmet Cohen (p), Russell Hall (b), Kyle Poole (ds), スペシャル・ゲストとして、Melissa Aldana (ts -M2, 3, 7), Marquis Hill (tp -M2, 3, 7, 10)。米国の若手有望ピアニスト、エメット・コーエンのリーダー作になる。

エメット・コーエンは、1990年5月生まれ。この盤の録音時で満20歳。最近ではちょっと珍しい、早熟のジャズ・ピアニストである。2011年、ワシントンDCで開催されたセロニアス・モンク国際ピアノ・コンクールのファイナリストとなってその名が認知された。

「Masters Legacy Series」など、ジャズの歴史を扱ったリーダー作に特徴がある。また過去には、ジャズの伝統的スタイルを探求するが如く、ロン・カーター、ジミー・コブ、ベニー・ゴルソンといった巨匠を迎えた,作品もリリースしている。この最新盤『Future Stride』も、ジャズの過去と現代をシームレスに繋いだ内容の「ジャズの歴史」を扱った盤になる。
 

Future-stride_emmet-cohen

 
冒頭、軽快かつ流麗なストライド・ピアノが躍動する展開でスタートし、1920〜30年代の4ビート・スウィングから、現代の「対位法的奏法」まで、ジャズの歴史の中での「演奏スタイル」の数々を踏襲し、現代の「コンテンポラリーな純ジャズ」として取り纏めた内容になる。

どこか、1980年代後半から台頭した、ウィントン・マルサリスを筆頭とする「新伝承派」の演奏アプローチを彷彿とさせる内容で、この盤における「音の響き」「インプロビゼーションの展開方式」「採用されたリズム&ビート」などは、確かに「新伝承派」の雰囲気がプンプンする。現代においては「新伝承派」は「ネオ・ハードバップ」に置き換わってはいるが、この盤は「新伝承派」のアプローチを、現代において再現した様な音世界がユニーク。

コーエンいわく「今のジャズ・ミュージシャンを見渡すと、トラディショナル、ビバップ、フリー・ジャズ、コンテンポラリーと、なぜか全てジャンルに分断されているように感じる。僕は、それをナンセンスに感じ、自分が素晴らしいと思うジャズ・ピアノのスタイルを、全て盛り込んだアルバムにしたかった」。なるほど。

1919年に作曲されたクラシック・ナンバー「Dardanelle」など、古い楽曲が新しい伊吹きを宿していたり、伝統に立脚しながら、現代的であることを示す演奏の数々。コーエンの狙いは、このアルバムで十分実現されている。つまりは、現代の「新伝承派」な音世界と理解した。
 
 

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2022年4月21日 (木曜日)

シャイ・マエストロの最新盤

ジャズ・ピアノについては、長年、実力、人気共にトップの座に君臨していた、キース・ジャレット、チック・コリア、ハービー・ハンコックの3人のうち、チックは鬼籍に入り、キースは脳溢血により再起不能状態、ハービーは隠遁状態。次世代を担う存在、ブラッド・メルドーは元気だが、マーカス・ロバーツは目立たなくなり、ジェリ・アレンなどの女性ピアニスト達もちょっと地味な存在になりつつある。

しかし、最近の新盤を聴いていると、ブラッド・メルドーの世代を飛び越えて、20歳代〜30歳代の若手中心に、キース、チック、ハービーの世代の次々世代を担うジャズ・ピアニストが多く出てきている様だ。そんな有望株の中に、キースやチック、メルドーのフォロワーがいたりして、時代の移り変わりを感じる。僕等が若い頃は「(バド・)パウエル派」か「(ビル・)エヴァンス派」が主流だったなあ。

Shai Maestro『Human』(写真左)。2020年2月「Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines」での録音。2021年1月、ECMレーベルからのリリース。ちなみにパーソネルは、Shai Maestro (p), Philip Dizack (tp), Jorge Roeder (b), Ofri Nehemya (ds)。現在のイスラエルを代表するジャズ・ピアニストのシャイ・マエストロの、2年ぶりのリーダー作。シャイ・マエストロは、1987年、イスラエル生まれ。今年で35歳。キース・ジャレットからも賞賛される若手有望なピアニストである。
 

Human_shai-maestro

 
キースが賞賛するのも何となく判る。シャイ・マエストロのピアノは、どこかキースのピアノの雰囲気を持っている。耽美的でリリカルで端正な弾き回しなど、キースのフォロワーと言っても良いくらい。しかし、キースほどどっぷり入り込んだ様な流麗さでは無く、サッパリとした切れ味の良いタッチで、シンプルなリリカルさはシャイ・マエストロ独特の個性だろう。

シャイ・マエストロと、ドラムのオフリ・ネヘミヤはイスラエル出身。ベースのホルヘ・ローダーはペルー、トランペットのフィリップ・ディザックは米国と、多国籍なカルテット編成。叙情的で穏やかなメロディー、流麗で透明感溢れるタッチ、シャイ・マエストロのピアノに、語りかける様に、肉声の様なトランペットが絡む。ベース&ドラムのリズム隊も柔軟にフロントを支え、鼓舞する。現代の先端を行く、自由度とイマージネーションに溢れるインタープレイの数々。

イスラエル出身シャイ・マエストロだが、この盤での音はイスラエル色は薄い。それでも、この盤に詰まっているのは、現代のコンテンポラリーな純ジャズであり、伝統的なメインストリーム系のジャズを踏襲しつつ、新しい響きと要素を盛り込んだ、洗練された神秘的なサウンド。カルテットの一体感が素晴らしく、雑誌Jazz Lifeの「2021年度 Disc Grand Prix 年間グランプリ」に、この盤のタイトルが挙がるのも頷ける。
 
 

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2022年4月20日 (水曜日)

「バンクシア・トリオ」の2nd.盤

雑誌Jazz Lifeの「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事に載っている2021年度の新盤を順番に聴き進めているのだが、最近の傾向として、和ジャズの充実度が高くなっている。10年ほど前は、女性ジャズ・ミュージシャンの新盤ばかりがもてはやされ、なんとなくバランスが悪かったのだが、最近はそのバランスの悪さも是正され、和ジャズ全体のレベルアップが顕著になってきた。

Takashi Sugawa Banksia Trio『Ancient Blue』(写真左)。2021年の作品。ちなみにパーソネルは、須川崇志 Takashi Sugawa (ac-b, el-b, cello), 林 正樹 Masaki Hayashi (p), 石若 駿 Shun Ishiwaka (ds, perc) = 須川崇志 バンクシア・トリオ。日本人ベーシストの中堅、須川崇志が率いる「バンクシア・トリオ」のセカンド盤になる。(ファースト盤『Time Remembered』については、2020年1月28日のブログ参照

出てくる音は、従来の米国のネオ・ハードバップでも無ければ、ネオ・モードでも無い。どちらかと言えば、現在のECMレーベルから出てくる「現代のニュー・ジャズ」に近い響きである。ECMレーベルの音作りのコンセプトである『沈黙の次に美しい音』 では無いが、即興演奏がメインのピアノ、ベース、ドラム、それぞれが対等の立場に立った、自由度の高いインタープレイ。
 

Ancient-blue_takashi-sugawa-banksia-trio

 
トリオを編成する各人の高い演奏テクニックが前提になる自由度の高い、それでいて、しっかりとした構成度の高いインタープレイ。ポジティヴで骨太で多彩な表現力が魅力の須川崇志のベース。知的でリリカル、響きが豊かな林正樹のピアノ。イマージネーション豊か、変幻自在、硬軟自在な石若駿のドラム。この演奏力の高い3者が織りなすアンサンブル。非常にレベルの高い演奏に思わず引き込まれる。

思えば、このトリオを構成する3人が同等に「バンクシア・トリオ」独特の音をクリエイトしているのだろう。テンションが適度に効いていて、決して「甘く」無い。流れる様ではあるが「麗しく」は無い。黄昏時の仄かな陽射しの様な、ブルージーで耽美的でリリカル、そして、どこか寂寞感とミステリアスな雰囲気が漂う欧州ジャズ的な響き=「Blueな響き」と僕は解釈している。

このところ、ECMレーベルの最近の新盤を聴いていたのだが、このバンクシア・トリオの演奏は、ECMがプロデュースする、現代のコンテンポラリーな純ジャズに勝るとも劣らない、現代のメインストリーム系純ジャズの先端を行く演奏になっている。こういう演奏が「和ジャズ」の範疇からリリースされることに、ちょっとだけ「誇り」を感じる。
 
 

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2022年4月19日 (火曜日)

ECM盤を出した3人目の日本人

雑誌Jazz Lifeの「Disc Grand Prix 年間グランプリ」の記事を眺めていて、日本人女性がリーダーの盤を見つけた。しかも、 ECMレーベルからのリリースとある。え〜っ、ECMレーベルが日本人ジャズ・ミュージシャンをピックアップして、リーダー作を作らせたのか? 慌てて、ECMレーベルのカタログを見直してみたら、やっぱり「ありました」。

Ayumi Tanaka Trio『Subaqueous Silence』(写真左)。2019年6月、ノルウェーのオスロ「Nasjonal Jazzscene Victoria」での録音。リーダーは日本人の「田中鮎美」。邦題は「スベイクエアス・サイレンス − 水響く −」。

ちなみにパーソネルは、Ayumi Tanaka (p), Christian Meaas Svendsen (b), Per Oddvar Johansen (ds)。ノルウェーの優秀なリズム隊をバックに従えた、日本人女性ジャズ・ピアニストがリーダーの「ピアノ・トリオ」編成。

田中鮎美は、現在ノルウェー在住の日本人ピアニスト&作曲家。2011年にオスロに渡り、ノルウェー国立音楽院のジャズ・即興音楽科に入学、故ミシャ・アルペリンに師事。そして、2013年、ノルウェーの若手有望ベーシスト、Christian Meaas Svendsen、同じくノルウェーの中堅人気ドラマー、Per Oddvar Johansenに出会い、田中鮎美トリオを結成、2016年にアルバム『Memento』にてデビュー。本作はそれ以来5年ぶりとなる2枚目のリーダー作。
 

Subaqueous-silence_ayumi-tanaka

 
テンション張った、即興演奏がメインの演奏になる。静的なリズム&ビートを底に忍ばせながら、ハードバップやモーダルな演奏とは全く正反対の、現代クラシックの室内楽アンサンブルの様な、ピアノ、ベース、ドラム、それぞれが対等の立場に立った、フリーなインタープレイ。

ピアノ、ベース、ドラム、それぞれの音数は少ない。最小限の音で表現される音の浮遊感、音の響きの広がり、音と音との「間」を活かした即興演奏。決して無手勝流の、激情にまかせたフリーなインプロビゼーションとは異なる、透明度高く、音の広がりと浮遊感をメインとした、静的なフリーなインプロビゼーション。

まるで、日本の「水墨画」を見る様な音世界である。音と音との「間」を活かしたインタープレイは、「静寂」「侘び」「寂び」な音の響きを紡ぎ上げている。

今までにも、日本人による同様な音の浮遊感、音の響きの広がり、音と音との「間」を活かした即興演奏はあるにはあったが、今回の田中鮎美トリオによる「表現」は次元が違う。かなり高度なレベルの、実にアーティステックな「静的でフリーなインプロビゼーション」である。

ピアニストの菊地雅章、ドラマーの福盛進也に次いで、日本人でECMからリーダー作を発表する3人目となった「田中鮎美」。ECMレーベルの音作りのコンセプトである『沈黙の次に美しい音』 ”The Most Beautiful Sound Next To Silence” を具現化した、注目に値するアルバム『Subaqueous Silence』。リーダーの田中鮎美には、この盤だけの単発に終わること無く、定期的にリーダー作をリリースし続けて行くことを望みたい。
 
 

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2022年4月18日 (月曜日)

ECM発、ハルスマンの新盤

昨日ご紹介した Maciej Obara『Three Crowns』(写真左)。ECMレーベルのカタログを見ていたら、同じ様なオブジェのジャケ写のアルバムを見かけた。恐らく、どこかの美術館かどこかで撮影した同じ作者のオブジェを使い回したのではないか、と思いつつ、何故か強く惹かれたので、「ジャケ買い」第2弾として、この盤をチョイス。

Julia Hulsmann『Not Far From Here』(写真左)。2019年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Julia Hulsmann (p), Uli Kemoendorff (ts), Marc Muellbauer (b), Heinrich Kobberling (ds)。リーダーの Julia Hulsmann(ジュリア・ハルスマン)は、1968年、独ボン生まれの女性ジャズ・ピアニスト。繊細でリリカルなタッチ、耽美的で流麗なフレーズが個性。

このハルスマンのピアノが、ECMレーベルの音世界にバッチリ合っている。 ECM独特の深いエコーの中、漂うが如く、流れるが如く、それでいてタッチが明確で、フレーズの一音一音がクッキリと浮かび上がる。まさに「ECMレーベルの申し子」の様なピアノ。暫く聴いていて、ふと「Steve Kuhn(スティーヴ・キューン)」のピアノを想起したが、キューンのピアノよりも繊細で浮遊感があるのが独特の個性。
 

Not-far-from-here_julia-hulsmann

 
繊細でリリカルなタッチ、耽美的で流麗なフレーズが個性のピアノなので、浮遊感を活かした幽玄なフレーズが間延びしたりしそうだが、そこはこの盤、テナー・サックスが入ったカルテット編成の演奏なので、テーマ部の旋律がクッキリしていて、演奏全体にメリハリが付いていてバランスが良い。テナーが入ることによって、逆に、ハルスマンのピアノの個性が良い方向に作用している。

収録されたどの曲も、ハルスマンのピアノの特性を活かした、耽美的でリリカル、そして、どこかミステリアスな演奏がメイン。3曲目の「This Is Not America」は、デヴィッド・ボウイとパット・メセニー、ライル・メイズが共作した、映画「コードネームはファルコン」の主題歌。メロディアスで深みのある展開で、アルバム全体の演奏の中で、ちょっとユニークな内容になっている。

そして、この「This Is Not America」は、ラストで、ハルスマンのピアノ・ソロで再演されるのですが、これが絶品。ハルスマンのピアノの個性がこのピアノ・ソロに凝縮されて、聴き応えのある、滋味溢れるパフォーマンスに仕上がっている。現代のコンテンポラリーな純ジャズ、現代の欧州のニュー・ジャズとして、一聴の価値が十分にある好盤だと思料。
 
 

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2022年4月17日 (日曜日)

ECM発マチェイ・オバラの新盤

欧州ジャズ・レーベルの老舗レーベルの「ECM(Edition of Contemporary Music)」。1969年、マンフレート・アイヒャーにより創設。以降、米国ジャズの基本となったハードバップとは一線を画する、欧州ジャズの特質を明確に宿した、即興演奏を旨とした「ニュー・ジャズ」をメインに活動した。

限りなく静謐で豊かなエコーを個性とした録音が特徴で、ファンクネス皆無、透明度が高く、演奏のテクニックが高度な演奏が繰り広げられる。即興演奏を旨とするが、決して、フリー・ジャズに偏らない。というか、意外とフリー・ジャズ、アバンギャルド・ジャズは少数派。即興演奏を旨とするが、基本的にリズム&ビートはキープした中での、モーダルな演奏、無調な演奏がメイン。

新人ジャズマン、有望ジャズマンの発掘も積極的。特に、欧州各国における代表的ジャズマンの発掘に長けている。そんなECMレーベル、21世紀に入ってもその活動は順調で、毎年、コンスタントに新盤を一定数リリースし続けている。カタログに入っているアルバムも相当数に登っていて、最近ではカタログ番号順に聴き進めることは諦めた。カタログを見て、これは、と思った盤を聴くことにしている。

Maciej Obara『Three Crowns』(写真左)。2019年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Maciej Obara (as), Dominik Wania (p), Ole Morten Vagan (b), Gard Nilssen (ds)。リーダーのアルト・サックスとピアノがポーランド、ベースとドラムがノルウェー出身の混成カルテット。

いかにも、ECMレーベルらしい音世界に思わず聴き入ってしまう。限りなく静謐で豊かなエコーをはじめ、半世紀以上続くECM独特の音世界なのだが、演奏するメンバーが個性的なので飽きることは無い。
 

Three-crowns_maciej-obara

 
この盤のリーダー、マチェイ・オバラのアルト・サックスの音だって、ちょっと聴けば「ヤン・ガルバレクか?」と思うが、暫く聴き進めると、ガルバレクよりも音が少し明るく丸く暖かく、フリー&アバンギャルドな演奏にも長けているところがオバラ独特の個性。

オバラ作が6曲、Henryk Mikolaj Grecki(ヘンリク・ミコワジ・ゴレツキ)作が2曲。冒頭の「Three Pieces in Old Style (Part 1)」は漂う様な、ECMらしい繊細なバラードで、あまりの静謐さに「これはちょっと」と思うが、2曲目の「Blue Skies for Andy」の哀愁感溢れる、アグレッシヴでモーダルな演奏に俄然、聴く気が湧いてくる。現代の即興演奏に重点を置いたモード・ジャズの典型的な演奏が良い。ラストの「Mr. S」はしっとりとしたメロディーがキャッチャーな、自由度の高いバラード演奏。

他、即興演奏に重点を置いた印象的なモード・ジャズをメインに、フリー・ジャズあり、アバンギャルド・ジャズあり、現代のコンテンポラリーな純ジャズの良いところがギッシリ詰まっている。ワニアのピアノはリリカル、バーガンのベースはテクニック優秀で重量感豊かでしなやか、ニッセンのドラムは柔軟かつ堅実。実に充実したカルテット演奏である。

タイトルの「Three Crowns」は、ポーランド南部のピエニィニ山脈のトルツェコロニー山脈の頂上にちなんだもの、とのこと。ジャケットも前衛的なECMらしいものでグッド。

実を言うと、僕はこのジャケットに惹かれてこの盤を聴くに至った、いわゆる「ジャケ買い」盤だった。しかし、聴いて感心することしきり、さすがECM、現代のコンテンポラリーな純ジャズのいいところを押し出してきた。現代の欧州ジャズの注目株である。
 

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2022年4月16日 (土曜日)

日だまりのようなジャズです。

ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)は、メインストリーム志向のジャズ・ヴィブラフォン(ヴァイブ)の第一人者。伝説のカルテット、Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバー。しかし、1974年、ミルトが退団したいと申し出たのが発端で解散。理由は22年間、MJQで地道に音楽活動を続け、それなりの評価を得て来たにも拘わらず、新進のロック・ミュージシャンに較べ報酬が少ないことが不満だったから、とか。

が、解散後、ミルト・ジャクソンはロック・ミュージシャンに転身した訳ではない。逆に、純ジャズ志向のミルト・ジャクソンは、クリード・テイラーが設立したクロスオーバー&フュージョン・ジャズがメインのジャズ・レーベルの下で、解散前の1970年代前半に4枚のリーダー盤をリリースしている。その最初の一枚がこの盤。

Milt Jackson『SunFlower』(写真左)。1972年12月12, 13日の録音。ちなみにパーソネルは、Milt Jackson (vib), Freddie Hubbard (tp, flh), Herbie Hancock (p), Jay Berliner (g), Ron Carter (b), Billy Cobham (ds), Ralph MacDonald (perc)。このパーソネルに、ストリングス・オーケストラが加わる。アレンジは Don Sebesky (arr, cond)。

錚々たる面子による、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズだが、ミルト・ジャクソンのヴァイブが全面的にフィーチャーされている。ミルト・ジャクソンのヴァイブの個性がしっかり押し出されている。マイルドで優しいヴァイブの音色。途方も無く素晴らしい演奏テクニック。ブルージー&ジャジーな、そして、グルーヴ感溢れるパフォーマンス。
 

Sunflower_milt-jackson

 
そんなミルト・ジャクソンのパフォーマンスを聴いていて、「日だまりのようなジャズ」をイメージした。ホンワカして柔らかで、それでいて、芯がしっかり通っていて優しくて心地良い。ストリングス・オーケストラとエレピで優しく包んだ、どこか切なくなるような柔らかいミルトのヴァイブ。

そんな「日だまりのようなジャズ」は、1970年代、クロスオーバー&フュージョン・ジャズを牽引し、後のスムース・ジャズの源を作った、CTIレーベルのアルバムに多く聴くことが出来る。1950年代のハード・バップの様に熱くは無い。1960年代のファンキー・ジャズの様にノリノリでは無い。フリー・ジャズやアヴァンギャルド・ジャズの様に激しくない。聴いていて柔らかく心地良い、ソフト&メロウなモダン・ジャズ。

バックは決して甘きに流れない、一本芯の入った、玄人好みのバッキング。超一流のバックの面々。彼らの演奏テクニックが、甘きに流れてしまいそうな、イージーリスニングに陥りそうなソフト&メロウなジャズを、しっかりと、メインストリーム志向のモダン・ジャズに留めている。

聴き入っていると、ついつい、まどろんでしまいそうな儚さ。ほんわかして柔らかで、それでいて、芯がしっかり通っていて、優しくて心地良い、甘美で官能的な響き。1970年代ジャズの成果である、フュージョン・ジャズの音世界のひとつがここにある。
 
 

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2022年4月15日 (金曜日)

「エレ・マイルス」を確立した盤

マイルス・デイヴィス(MIles Davis)は、ジャズを聴き始めた時からの「僕のアイドル」。特に、エレクトリック・マイルスの音世界は大好き。振り返ってみると、マイルスの主要な名盤については、当ブログで約10年から15年前に記事が集中していて、今、読み返すと、言葉足らずや表現足らず、情報足らずの部分が多々あるので、今回、エレ・マイルスの諸盤から補訂再掲することにした。今日は「マイルスがエレ・マイルスを確立した盤」。

Miles Davis『In a Silent Way』(写真左)。1969年2月18日の録音。ちなみにパーソネルは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ss), John McLaughlin (el-g), Chick Corea (el-p), Herbie Hancock (el-p), Joe Zawinul (el-p, org). Dave Holland (b), Tony Williams (ds)。1960年代黄金のクインテットからロン・カーターが抜け、エレギのマクラフリン、エレピのザヴィヌル、ベースのホランドが追加参加している。

パーソネルを見て、この盤は「エレ・マイルスを確立した盤」だと感じる。前作でマイルスは確信した。エレ・ジャズにはエレ・ジャズの演奏の仕方、表現の仕方があるということを。電気楽器には電気楽器なりの感性と弾き方があるということを、エレ・ジャズには、エレ・ジャズなりの演奏テーマや演奏スタイルが必要なことを。アコ・ジャズで実績を出してきたメンバーが、エレ・ジャズもそのままいけるかと言えばそうじゃないということを。

ただ、マイルスとしては、1960年代黄金のクインテットのメンバーは「代え難い存在」だったのだろう。何とかエレ・ジャズをものにして貰いたい、とロン以外をしっかりと残している。しかし、エレギについては、プログレッシヴなギタリスト、マクラフリンが、ベースについては、エレベ独特の感覚をアコベで弾きこなすホランドが、キーボードについては、エレピ独特の弾き回しが個性のザヴィヌルが参加して、確実に「エレ・マイルス」の表現方式を固めている。

この盤で確立された「エレ・マイルス」は、エレクトリック楽器の特性・響きをしっかりと捉えて、ジャズの統制のとれたグループ・サウンズの中で、インプロビゼーションの自由度が圧倒的な「希有な成果」。LP時代A面の「Shhh / Peaceful」を聴けば、それを直ぐに実感出来る。この「Shhh / Peaceful」の演奏の中に、1960年代のモーダルな演奏は欠片も無い。明らかに新しい、8ビートが「必然」のインプロビゼーションが展開されている。

LP時代B面の「In a Silent Way / It's about That Time」も素晴らしい。冒頭「In a Silent Way」の牧歌的な響き。ビートの無い、ただただ漂う様なモードの響き。そして、打って変わって、8ビートをベースとしたポリリズムを基に、躍動的なモードの響き。

決して派手派手しくない、どちらかと言えば、クールで冷静なポリリズムのビートなんだが、しっかりと躍動感が伝わってくる。ジャズとしての創造性が圧倒的。ビートの無い、漂う様な「In a Silent Way」と躍動感溢れるビートがベースの「It's about That Time」の対比。好対照な演奏イメージの対比。美しい。
 

In_a_silent_way

 
この『In a Silent Way』は、マイルスのセッションの録音を、プロデューサーのテオ・マセロがテープ編集を駆使して出来上がった、いわゆる「テープ・コラージュ」の成果だと言われる。決して、マイルスの音楽的成果では無い、と。

しかし、ボックス盤『The Complete In a Silent Way Sessions』に収録されている、オリジナルの「In a Silent Way」と「It's About That Time」の演奏だけでも十分に名曲・名演であることが実感出来る。現代においても、この2曲のオリジナル演奏は、エレクトリック・ジャズの先端を行く演奏である。現代においてしても、これだけの演奏を追求できるバンドは殆ど無い。

恐らく、LPは片面25分程度しか収録出来なかったので、そのLPの片面の収録時間に合わせて、テオ・マセロが巧みにテープ編集したのではないか、と睨んでいる。

このテオ・マセロの「テープ・コラージュ」のお陰で、マイルスの思い描いていた音楽的イメージが、しっかりと起承転結をなす「一つの曲」として、はたまた、「一つの曲」としてのライブ演奏として、十分に音楽的成果として成立するものだ、ということが証明された、と言えるだろう。

8ビートをベースとしたポリリズムを基に、躍動的なモード演奏が長尺の演奏として成立するんだ、ということが、このテオ・マセロの「テープ・コラージュ」で証明された。

『In a Silent Way』、「エレ・マイルス」のプロトタイプがここにある。この演奏に漂う「適度な緊張感」と「クールな躍動感」、そして「広大で自由なインプロビゼーション・スペース」。以降の1970年代、「エレ・マイルス」のベースとなるプロトタイプがここに提示されている。

この『In a Silent Way』の成果を基に、ジャズ・ミュージシャンに対して、相当に卓越した創造性と演奏テクニックが求められる、かなりハイレベルな、電気楽器を最大限に活用するに相応しいエレ・ジャズに、マイルス・デイヴィスはチャレンジしていくことになる。

この盤は、私が「エレ・マイルス」に初めて触れたアルバム。これは30年以上経った今でもしっかりと覚えている。「エレ・マイルス」は、ジャズ者初心者の方々には、ちょっと理解しにくいかと思う。1970年代のプログレッシブ・ロックを聴き込んだ経験のある方々には、意外と入りやすいかも。ちなみに私もそうだった。

感動に次ぐ感動。ジャズという音楽ジャンルが、ここまで自由で、ここまでクリエイティブな音楽表現ができるとは思わなかった。フリージャズなんて目じゃない。これだけ統制のとれたグループ・サウンズの中で、圧倒的に自由度のあるインプロビゼーションの嵐。ジャズという音楽ジャンルにドップリはまる切っ掛けを作ってくれた、僕にとって凄く重要なアルバムである。
 
 
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2022年4月14日 (木曜日)

『キリマンジャロの娘』は語る

マイルス・デイヴィス(MIles Davis)は、ジャズを聴き始めた時からの「僕のアイドル」。特に、エレクトリック・マイルスの音世界は大好き。振り返ってみると、マイルスの主要な名盤については、当ブログで約10年から15年前に記事が集中していて、今、読み返すと、言葉足らずや表現足らず、情報足らずの部分が多々あるので、今回、エレ・マイルスの諸盤から補訂再掲することにした。

さて、『Miles in The Sky』でいきなり、エレクトリック・ジャズに転身したマイルス。冒頭の「Stuff」が8ビート+電化ジャズ。マイルス初の8ビート・ナンバー。他の曲を含めて、この盤はマイルスの8ビート採用とエレ・ジャズへのチャレンジであった。そして、続くエレ・マイルスの2枚目がこれ。

Miles Davis『Filles De Kilimanjaro』(写真左)。邦題『キリマンジャロの娘』。1968年6月のセッションのパーソネルは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (el-p), Ron Carter (el-b), Tony Williams (ds)。「Petits Machins (Little Stuff) 」「Tout De Suite」「Filles De Kilimanjaro」の3曲が演奏されている。

そして、1968年9月のセッション。パーソネルは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Chick Corea (el-p), Dave Holland (b), Tony Williams (ds)。黄金のクインテットから、Herbie Hancock (el-p), Ron Carter (el-b)が抜けて、チックとホランドに代わっている。 「Mademoiselle Mabry」「Frelon Brun」の2曲が演奏されている。

この2つのセッションが収録されているところがこのアルバムの重要なポイント。マイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏は、ハービーがエレピ(フェンダー・ローズ)を弾き、ロンはエレベ(電気ベース)を弾く。しかし、エレピもエレベも、それぞれの電気楽器独特の特性や響きを活かした弾き方にはなっていない。演奏全体の雰囲気はアコースティック・マイルスと変わらない。というか、ハービーもロンも半信半疑、手探り状態でのパフォーマンスに終始している様で、ちょっと気の毒になる。

でも、ビートは8ビートである。この マイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏を聴いていると、ジャズは4ビートだけではなく、8ビートでもしっかりとジャズになるということが良く判る。8ビートに乗って、モーダルな演奏も全く問題無く展開し、このアルバムでは、実にアーティステックで、かなり自由度の高いモーダルな演奏が繰り広げられている。
 

Filles_de_kilimanjaro

 
このマイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏の3曲を聴いていると、この演奏は8ビートであり、ハンコックはエレピを弾き、ロンはエレベを弾いてはいるが、内容的にはアコースティック・マイルスの限りなく自由度の高いモーダルな純ジャズな演奏と変わりが無い、言って良い。でも、その演奏レベルたるや、限りなく自由度の高いモーダルな純ジャズな演奏の中でも最高峰の演奏である。これはこれで凄い。

しかし、1968年9月のセッション、チックとホランドが参入したエレ・マイルスな演奏は、マイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏とは明らかに異なる。チックのエレピ、ホランドのアコベ、どちらともエレクトリック前提の、エレクトリック楽器独特の響きを宿している。チックのエレピ(フェンダー・ローズ)は、その楽器の特性と響きを活かした、エレピ独特の弾き回しと雰囲気を実現している。そして、ホランドはアコベを弾いているんだが、弾き方は明らかにエレベのテイストになっているのが興味深い。

ここでマイルスは知る。アコースティック・ジャズはアコースティック・ジャズなりの演奏の仕方、表現の仕方があり、エレクトリック・ジャズにはエレクトリック・ジャズの演奏の仕方、表現の仕方があるということを。エレクトリック楽器にはエレクトリック楽器なりの感性と弾き方があるということを、エレクトリック・ジャズには、エレクトリック・ジャズなりの演奏テーマや演奏スタイルが必要なことを。

つまり、演奏するメンバーは適材適所。アコ・ジャズで実績を出してきたメンバーが、エレ・ジャズもそのままいけるかと言えばそうじゃないということ。そして、8ビートでも、アコ、エレ共に確実にジャズになるということ。8ビート=エレクトリック・ジャズ、4ビート=アコースティック・ジャズでは無いということ。

前作『Miles in The Sky』の兄弟盤の様な『Filles De Kilimanjaro』。この2枚のエレ・マイルス黎明期のアルバムで、エレ・マイルスの表現コンセプトが固まったのではないか、と感じている。

先人の実績の全く無い、1968年当時のエレクトリック・ジャズ。マイルスは次作『In A Silent Way』で、エレクトリックならではの、マイルスならではのエレクトリックな演奏を展開することになる。そのコンセプトの基本は、この『Miles in The Sky』と『Filles De Kilimanjaro』の2枚に散りばめられているのだ。
 
 
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2022年4月13日 (水曜日)

エレ・マイルス発祥のアルバム

マイルス・デイヴィス(MIles Davis)は、ジャズを聴き始めた時からの「僕のアイドル」。特に、エレクトリック・マイルスの音世界は大好き。振り返ってみると、マイルスの主要な名盤については、当ブログで約10年から15年前に記事が集中していて、今、読み返すと、言葉足らずや表現足らず、情報足らずの部分が多々あるので、今回、補訂再掲することにした。まずは「エレ・マイルス」から。

MIles Davis『Miles in The Sky』(写真)。1968年1月16日、5月15–17日の録音。パーソネルは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), George Benson (g), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)。後に、あのソフト&メロウな歌うジャズ・ギタリストとして一世を風靡したジョージ・ベンソンが、マイルス・バンド初のエレクトリック・ギタリストとして採用されている。

さて、この『Miles in The Sky』は、マイルスが初めて電気楽器を導入したアルバム。つまりは、エレ・マイルス発祥のアルバムである。8ビートを積極的に採用したアルバムでもある。いわゆる「4ビートからの脱却」。この『Miles in The Sky』は、マイルスの電化、そして、8ビート化のアルバムとした方が座りが良い。

冒頭の「Stuff」。1968年5月17日の録音。この「Stuff」が、マイルス初の8ビート・ナンバー。とてもシンプルな8ビートで、今の耳には凄く判り易い。この8ビート・ナンバーは、Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds) という、マイルスの60年代黄金のクインテットでのエレ・マイルスな演奏。

ロン・カーターがエレクトリック・ベースを、ハービー・ハンコックがフェンダー・ローズを使用させられてのエレ・マイルス対応。初めてのエレ楽器に、意外と苦戦している様子が聴いてとれる。どう聴いても「確信」を持って弾いているとは思えない、ちょっと恐る恐る演奏している風情。微笑ましいといえば微笑ましい。

逆に、トニー・ウィリアムスだけが喜々として叩きまくっている。8ビートという新しく魅惑的な課題を与えられて、単に8ビートを刻むだけで無い、ビートの間に様々なパターンのフィル・インを小まめに挟んで、淡々としたクールなシンバル・ワークで絶妙なビートを叩き出していきながら、様々なバリエーションの8ビートを叩き出している。これが凄い。今の耳にも「聴いたことの無い」8ビートなドラミング。
 

Miles_in_the_sky
 

そこに、マイルスとショーターが自由にモーダルなフレーズを紡いでいく。基本のリズム&ビートの反復によるグルーヴ感が醸成され、供給する8ビートが単純でクールな分、エレクトリック・ジャズのファンキーでエモーショナルなグルーヴ感が判り易い。

2曲目の「Paraphernalia」が面白い。エレクトリック・ギターの入ったセッションであるが、エレクトリック・ギターの参入の効果、いわゆる「エレクトリック・ジャズ」の雰囲気はほとんど感じられない。この盤以前の「モーダルで限りなく自由度の高いメインストリーム・ジャズ」が展開されている。ただし、エレギのカッティングの音は印象的であり、クールである。

他の曲「Black Comedy」や「Country Son」は『Miles Smiles』や『Nefertiti』の延長線上の演奏ばかりだが、8ビートの採用とトニーのグルーヴ感溢れる変幻自在な8ビートが効果的に作用して、このモーダルな演奏の雰囲気は、エレクトリックな「ジャズ・ロック」。

といって、コマーシャルで売れ線を狙ったジャズ・ロックとは違って、その演奏内容は硬派で秀逸。マイルスの60年代黄金のクインテットの面目躍如。マイルスのブロウは自由度が高く、凄まじいばかりの切れ味。トニーのドラミングは自由奔放、ショーターはほとんどフリーだし、ハービーは実にクールな響きのバッキングが個性的だし、ロンのベースはいつになく攻撃的。

エレ・マイルス発祥のアルバムである『Miles in The Sky』。我々エレ・マイルス者にとっては、冒頭の「Stuff」は絶対に外せない。そして、ジョージ・ベンソンの参入は不発には終わったが、この盤のベンソンのエレギの響きは今でも新鮮に響く。よって、続く2曲目の「Paraphernalia」の存在も、エレ・マイルス者にとっては外せない。

ジャケット・デザインも秀逸。「名は体を表す」というが「ジャケットは内容を表す」である。アコ・マイルスからエレ・マイルスへの過渡期ならでは「中途半端さ」が、エレ・マイルスの骨格を浮かび上がらせている。なかなか聴いていて興味深い、エレ・マイルスを理解する上では必須のアルバムである。
 
 

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2022年4月12日 (火曜日)

バリー・ハリスの初リーダー作

バリー・ハリス(Barry harris)は、「優れた総合力そのもの」を個性とするピアニスト。スタイルは「バップ」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに転化した弾きっぷりで、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが特徴。

Barry Harris『Breakin' It Up』。1958年7月31日、シカゴでの録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), William Austin (b), Frank Gant (ds)。デトロイト出身の「総合力勝負」のピアニスト、バリー・ハリスの初リーダー作になる。演奏形態は「ピアノ・トリオ」。バリー・ハリスのピアノの特徴が良くわかる演奏形態である。

録音年の1958年と言えば「ハードバップ」の最盛期。ハードバップのピアニストは「一聴すれば直ぐに判る個性」を持ったピアニストが多く、「総合力勝負」のピアニストは数が非常に少なかった。「一聴すれば直ぐに判る個性」の方が、聴く方からすると判り易く、好き嫌いも判別し易い。「一聴すれば直ぐに判る個性」を持ったピアニストの方が人気が高かったのは良く判る。

そんな中、バリー・ハリスの様な「総合力勝負」のピアニストは珍しかった。しかし、「総合力勝負」のピアニストはテクニック優秀、歌心満載。ハンク・ジョーンズ然り、アーマッド・ジャマル然り。味のある、小粋な、職人芸的な燻し銀ピアニストが多くいたと記憶する。
 

Barry-harrisbreakin-it-up

 
バリー・ハリスのピアノは、どこから聴いても「総合力勝負」のピアニストなので、ややもすれば、カルテル・ピアノとか、ラウンジ・ピアノと揶揄される危険性がある。が、フレーズのノリとグルーヴ感がしっかり「ジャズ」しているので、イージーリスニング風なピアノにはならないのは立派。

冒頭の有名スタンダード曲「All the Things You Are」を聴けば、バップなピアノであり、バド・パウエルの影響をウケているのが良くわかる。しかし、バドよりはタッチがジェントルであり、フレーズが典雅である。これが、バリー・ハリスの真骨頂。

甘い旋律を持つ「Stranger in Paradise」など、カクテル・ピアノに成り下がるか、と思いきやそうはならない。バップなピアノで、リズミカルにグルーヴ感溢れるアドリブ・フレーズをさり気なく弾き回して、ジェントルではあるが、しっかり「ハードバップ」していて良い感じだ。

バド・パウエルのピアノから、激しさと鬼気迫る超絶技巧を差し引いて、優雅さと親しみ易さを足した様な、まさに、バド・パウエルのピアノを流麗に聴き易くしたようなピアノであることが良く判る。バリー・ハリスのピアノの特徴がとても良くわかる初リーダー作。好盤です。
 
 

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2022年4月11日 (月曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・97

ジャズ・ピアニストの個性には2通りあると思っている。1つは「一聴すれば直ぐに判る個性」。タッチやフレーズに、その人独特の癖や弾き回しや響き、雰囲気があるパターン。

もう1つは「優れた総合力そのもの」を個性とするパターン。前者はジャズ者の初心者でも直ぐにその個性が良く判る。後者はジャズ者初心者には、ちょっと判り難い個性である。

Barry Harris『Chasin' the Bird』(写真)。1962年5月31日、8月23日の録音。ちなみにパーソネルは、Barry Harris (p), Bob Cranshaw (b), Clifford Jarvis (ds)。パウエル派の「優れた総合力そのもの」を個性とするタイプのピアニスト、バリー・ハリスのトリオ盤である。

バリー・ハリスと言えば、スタイルは「バップ・ピアニスト」。ビ・バップの演奏マナーをハードバップに活かした演奏が個性で、テクニック溢れる流麗な指捌きと簡潔なアドリブ・フレーズが個性。バド・パウエルのピアノから、激しさと鬼気迫る超絶技巧を引いて、優雅さと親しみ易さを足した様な、まさに、バド・パウエルのピアノを流麗に聴き易くしたようなピアノである。
 

Chasin-the-bird_barry-harris_1_20220411192201

 
タッチは明確、テクニックは抜群、歌心に優れ、アドリブ展開もオリジナリティー溢れるもの。という「優れた総合力」が魅力で、そんな優れた総合力の中に、優雅さと親しみ易さが滲み出てくるピアノがハリスの個性。ブルージーな感覚やファンキーな要素は控えめで、典雅な弾き回しのスピード感とオフ・ビートが醸し出すグルーヴ感が特徴。間の取り方も趣味が良く、バップなピアノの好例として聴き応えがある。

「優れた総合力そのもの」を個性とするピアニストは、演奏する楽曲の持つ個性・特性をあぶり出すことに長けている。テクニック溢れる流麗な指捌きは、癖や弾き回しに惑わされる事無く、演奏する楽曲の持つ特性を判り易く表現してくれる。

加えて、この盤の録音がとても良くて、ボブ・クランショウのベース、クリフォード・ジャーヴィスのドラムによる好サポートが、手に取るように聴き取れる。特にクランショウのメロディアスな「唄う様に」響くベースラインがとても魅力的。

バリー・ハリス、33歳のパフォーマンス。この盤では「バップなピアノ」での直球勝負。選曲も、ハリスの個性を引き立たせる、典雅でメロディアスなスタンダード曲が中心で、ハリスの弾き回しには惚れ惚れする。謹んで「ピアノ・トリオの代表的名盤」に選定したいと思います。
 
 

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2022年4月10日 (日曜日)

『Midnight Special』との兄弟盤

ジャズ・オルガンのイノベーター、ジミー・スミスは、ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンに見出され、ジャズ・オルガンのスター的存在となった。当然、スミスのオルガン盤はいずれもヒットし、零細企業のブルーノートにとっては「ドル箱」だった。

が、スミスは、さらなる好条件を提示したヴァーヴに移籍する。自分が育てたジャズマンがステップアップしていくことを、アルフレッド・ライオンは一切止めることは無かった。喜んで送り出したくらいだそうだ。スミスはその恩義を忘れず、かなりの数の優れた内容の録音を残していった。

Jimmy Smith『Back at the Chicken Shack』(写真左)。1960年4月25日の録音。1963年のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Stanley Turrentine (ts), Kenny Burrell (g), Donald Bailey (ds)。前作の名盤『Midnight Special』と同一メンバー、同一日のセッション。

「Back at the Chicken Shack」と「Messy Bessie」2曲がギター入りカルテットの演奏、「When I Grow Too Old to Dream」と「Minor Chant」、CDボートラの「On the Sunny Side of the Street」は、オルガン+テナー+ドラムのトリオ演奏。名盤『Midnight Special』と同一セッションである。『Midnight Special』との兄弟盤的位置づけの盤で、演奏内容は「折り紙付き」である。
 

Back-at-the-chicken-shack_jimmy-smith

 
ジミー・スミスは1962年にヴァーヴ・レコードに移籍したので、このブルーノート盤はスミスの移籍後のリリースになる。ジミー・スミスのオルガン盤は、ブルーノート・レーベルでの「ドル箱」、そして、この『Midnight Special』セッションの未発表音源の出来が凄い良い。当然、アルバム化してリリースするよな、というところか。

ジミー・スミスがハード・バップから、ソウル・ジャズに深化した、歴史的セッションの一部である。初期の頃の様に、攻撃的にオルガンを弾きまくること無く、余裕を持った包み込む様なオルガンの音、ファンクネスだだ漏れ、アーバンでジャジーでソウルフルな、ジミー・スミスのソウル・ジャズがこの盤の中に詰まっている。

『Midnight Special』とセットで聴き通したい。スタンリー・タレンタインのテナー・サックスが「ソウル・ジャズ」を具現化、スミスのオルガンと共に、とってもソウルフルな響きが魅力です。長年の相棒、ベイリーのドラム、漆黒アーバンでブルージーなバレルのギターも良し。良いアルバムです。
 
 

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2022年4月 9日 (土曜日)

コンテンポラリーなデュオ演奏

Denny Zeitlin(デニー・ザイトリン)。「医師とジャズ・ピアニスト」という二足の草鞋を履く異色の人物。しかも、医師は医師でも精神科医。これは異色中の異色な存在。本業である精神科医の仕事をこなす傍ら、プロのピアニストとしての活動も続けてきたザイトリン。しかも双方の仕事において、それぞれ一流の域に達していたと言うのだから凄い。ザイトリンは1938年の生まれ。今年で84歳になる。もはやベテラン中のベテラン、伝説の域である。

ザイトリンのタッチは深く、しっかりと端正に弾きまくる様はエバンス・ライクな個性なんだが、アドリブ・フレーズが全く異なる。アドリブ・フレーズが流麗では無いというかメロディアスでは無い。ザイトリンのアドリブ・フレーズはゴツゴツしていて変幻自在。柔軟性が高く、幾何学模様の様なカクカクしたフレーズ。セロニアス・モンクの様な、ちょっとアウトドライブする突飛なフレーズ。エバンスのアドリブ・フレーズは流麗だが、ザイトリンのアドリブ・フレーズは幾何学模様。

Denny Zeitlin & George Marsh『Telepathy』(写真左)。2021年8月のリリース。ちなみにパーソネルは、Denny Zeitlin(p, hardware & virtual, synth, key), George Marsh(ds, perc)。ザイトリンとマーシュのデュオ演奏。そんなデュオ演奏について、2014年〜2019年に録音された音源を集めた盤。2人が共演した「The Moment (2015) 」『Expedition (2017)』に続く3作目のアルバムになる。
 

Telepathy_denny-zeitlin-george-marsh

 
パーカッションやドラムセット、アコースティック・ピアノや多くのキーボード、シンセサイザー、コンピューター等の電子機器を使用した、コンテンポラリーな「ニュー・ジャズ」志向のデュオ演奏は、新しい響き、新鮮な響きが満載。アコースティックに拘らない、21世紀の現時点での「楽器」を駆使した、新しい響きのデュオ演奏は聴き応えがある。アルバムの宣伝キャッチには「即興エレクトロ・ミュージック」とあるが、確かに「言い得て妙」である。

電子楽器を駆使した即興デュオが素晴らしい。特に、マーシュのドラム&パーカッションがデュオ演奏のリズム&ビートを積極的にコントロールしている。そのリズム&ビートの上をザイトリンのキーボードが様々な表現をもって即興展開する。アドリブ・フレーズが幾何学模様に展開するところなどは圧巻ですらある。シンセサイザーをはじめとするキーボード系の電子楽器が、これほどの表現力を持っているとは、改めて感心した。ザイトリンの電子楽器に関する理解力が相当に深いのだろう。

緩んだところや冗長なところが全く無い、適度にテンションを張った、切れ味の良い即興デュオ演奏である。スピード感も適度にあって、収録曲14曲があっという間。デュオ演奏なので、お互いに出す技やフレーズが枯渇して、曲が進むにつれ、マンネリに陥ることがあるが、このデュオ演奏にはそれが全く無い。イマージネーション豊かで多彩な技を備えた極上のデュオ演奏である。
 
 

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2022年4月 8日 (金曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・7

ジャズとビートルズとの関係は深い。もともとジャズは、その時代時代に流行った音楽のカヴァーや要素の取り込みが上手で、例えば「ラテン・ジャズ」「ボサノバ・ジャズ」などがその好例だと思う。

そして、ロック/ポップス史上最大のイノベーションだった「ビートルズ」についても同様で、ジャズはこぞって、タイムリーにビートルズの楽曲をカヴァーし、その音楽の要素を上手に取り込んだ。

よって、ジャズのニュー・スタンダード化したビートルズ曲も多数ある。「Norwegian Wood(ノルウェーの森)」「A Day in the Life」「A Day in the Life」「Yesterday」などが、ほぼスタンダード化していると思う。

しかし、ビートルズの楽曲って、キー進行が独特で、ブルーノートを踏襲していないので、ジャジーなアドリブを展開するのがなかなかに難しく、なかなかジャズらしい演奏にならない。アドリブ展開を含めた優れたアレンジが全て、といったところかな。

John Pizzarelli『Midnight McCartney』(写真左)。ちなみにパーソネルは、John Pizzarelli (g) をメインに、多くのコンテンポラリー・ジャズ畑のミュージシャンが参加。メインボーカルは、Michael McDonald。加えて、オーケストラがバックに入っている。演奏のアレンジはJohn Pizzarelli(ジョン・ピザレリ)自身が担当、オーケストラのアレンジは Don Sebesky(ドン・セベスキー)が担当している。

タイトルから判る通り、この盤は「ポール・マッカートニー」トリビュートの企画盤。全曲、ポール・マッカートニーがソロになってからの、ポール作の楽曲で占められている。ビートルズでは無い、アフター・ビートルズのポールの楽曲に焦点を当てたところ、これがユニーク。
 

Midnight-mccartney_john-pizzarelli

 
但し、ポールの楽曲の特徴は、≒ビートルズなので、やはり、単純にジャズにはなりにくい。よって、やはりここも「アドリブ展開を含めた優れたアレンジが全て」がポイントになる。アレンジ担当は、リーダーでギタリストのビザレリが担当。さて、その手腕やいかに。

結論から言うと「大成功」。冒頭の「Silly Love Songs」、4曲目「Coming Up」、7曲目「Hi, Hi, Hi」、10曲目「Let 'Em In」等々、基本的に収録曲全曲、しっかりと「ジャズ化」されている。

主旋律のメロディーはアレンジするにせよ崩すこと無く、ポールの曲の主旋律の良さをしっかりと出し、アドリブ部に入って、ポールの楽曲の持つコード進行を捻ったり、裏返したりしながら、原曲の持つコード進行の妙を維持しつつ、ジャズらしいアドリブ展開を実現している。このアレンジには「まいった」。バラード曲でのセベスキーのアレンジもジャジーで良好。

『McCartney II』収録の「Coming Up」や、シングルでヒットした「Hi, Hi, Hi」がジャズになるなんて思いもしなかった。

やはり、ビートルズ関連の楽曲のジャズによるカヴァーはアレンジが勝負。ポールの楽曲も同様で、テーマがあって、アドリブがあって、テーマに戻る。そういった、ジャズとして当たり前のルーチンが実現してこそ、正統なカヴァーと言えるのではないか。

そういう点で、このピザレリの『Midnight McCartney』は大成功の部類。とにかく、小粋なアレンジが素晴らしい「ポール・マッカートニー」トリビュート盤です。
 
 

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2022年4月 7日 (木曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・6

ゲイリー・バートンの音楽が好きである。1960年代後半のサイケデリックなジャズも良いし、クロスオーバーなバートンも良い。1970年代以降のニュー・ジャズなバートンも良い。チックとのデュエットなどは至高の音だ。ゲイリー・バートンの参加作品はできる限り全部聴くことにしている。今でも、たまに「こんなバートン盤ってあったっけ」という盤に出くわすことがある。

このジャケットを見た時は、1960年代後半のクロスオーバー・ジャズ時代のゲイリー・バートンのアルバムかと思った。逆に、こなアルバムあったっけ、という疑問が頭をよぎる。ジャケットを見ると、メンバーの名前が印刷されているが、どう考えても1960年代後半の面子では無い。とにかく聴いてみることにした。

Gary Burton『Cool Nights』(写真左)。1991年のリリース。GRPレコードからのリリース。ちなみにパーソネルは、Gary Burton (vib), Will Lee (b, perc), Peter Erskine (ds, perc), Wolfgang Muthspiel (g), Bob James (key), Bob Berg (ts)。錚々たるメンバーである。この面子から、フュージョン・ジャズ指向の盤だと察しが付く。
 

Cool-nights_gary-burton

 
GRPレコードのロゴがジャケットに無いジャケ写を見たので、1960年代後半のクロスオーバー・ジャズ時代のゲイリー・バートンのアルバムと勘違いしたが、この面子を見れば、これは1980年代後半以降のフュージョン・ジャズ指向の音作りだ、と思いつつ聴くと、やはり、上質のフュージョン・ジャズの音が満載。いずれも百戦錬磨の強者ばかりなので、詳細は割愛するが、とにかく上手い。但し、決して上手いだけでは無い。

しっかりとそれぞれの個性をそこはかとなく出しつつ、バートンのヴァイブとフレーズにあったバッキングをガッチリとやってのける。ベースのリー、キーボードのジェームス、ギターのムースピールなど、少し聴けば直ぐに判る強烈な個性を持ちながら、バートンのバッキングでは、バートンのヴァイブを引き立て、鼓舞する役割に徹している。ううん、これは真の「職人技」やなあ。

純ジャズっぽい8ビートを叩き出すアースキンのドラムが肝。この盤の音を「コンテンポラリーな純ジャズ志向」のフュージョン・ジャズな音に仕立て上げている。決して、ソフト&メロウなフュージョンの音ではない。意外と硬派で純ジャズ志向の演奏は聴いていて爽快。アーバンなグルーヴ感や趣味の良いブルージーな感覚も見え隠れして、聴き応え十分。1990年代のフュージョン・ジャズの優秀盤として、フュージョン者の方々は必聴でしょう。
 
 

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2022年4月 6日 (水曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・5

ズート・シムス(Zoot Sims)は、玄人好みのサックス奏者である。というのも、コマーシャルなところが全く無いので、内容の良いリーダー作についても、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌にその名が上がることが少ない。ズートの正式盤については「駄盤無し」なのだが、我が国ではどうにもマイナーな扱いに甘んじているのが、実に歯がゆい思いがする。

Zoot Sims『Zoot at Ease』(写真)。1973年5月と8月、NYの「A&R Recording Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、Zoot Sims (ts, ss), Hank Jones (p), Milt Hinton (b), Grady Tate, Louis Bellson (ds)。リーダーのズート・シムズのサックス1管がフロントのカルテット編成。いわゆる、ズートの「ワンホーン・カルテット」である。収録曲の中に「Rosemary's Baby(ローズマリーの赤ちゃん)」なんかが入っているのが、いかにも1970年代の録音らしい。

収録曲を眺めてみると、ハンク・ジョーンズ作の8曲目「Beach In The A.M.」以外は、ほぼスタンダード曲。しかも、この盤はズートの「ワンホーン・カルテット」。ズートのサックス奏者としての力量が露わになる内容である。しかも、録音年は1970年代。純ジャズの冷遇時代の中での録音である。ジャズ風のイージーリスニングになっていないか、聴くまでは不安だった。
 

Zoot-at-ease_zoot-sims

 
が、それは杞憂であった。この盤のズートのサックスは力強くて流麗、説得力抜群の吹きっぷりで、これぞズート、ズートのサックスはこれやないと、と感じて嬉しくなる。アレンジも優秀で、このアレンジのお陰で、ズートのサックスの魅力が倍増している。冒頭のアップテンポの「Softly, As In A Morning Sunrise」や7曲目のスイング感抜群「My Funny Valentine」など、手垢の付いた「どスタンダード曲」が、先読みできない優れたアレンジに乗って、新たな魅力を持った楽曲として甦っている。

しかし、ズートのサックスって良いなあ。バックのリズム隊も「渋い」メンバー揃い。ピアノのハンク、ベースのヒントン、ドラムのテイト、もしくはベルソン。ハードバップ時代から第一線で活躍してきた「強者」ばかり。決して、1950年代のハードバップ時代を踏襲したものではない、1970年代ならではの新しい感覚のアレンジに乗って、収録曲に並んでいるスタンダード曲に新しい魅力を加えている。

ズートのリーダー作に駄盤無し。結構な数のリーダー作がありながら、我が国では、玄人好みのサックス奏者、マイナーな扱いになっているのが不思議でならない。ズート・シムスとスタン・ゲッツとを比較して、「ズートには人気盤が無い」などという暴論もあるが、比較するのも意味が無いし、人気盤の有無など「何をか言わんや」である。ズートはズート。今回、この盤を聴いて、今一度、ズートのリーダー作の聴き直しを進めてみよう、という気になった。
 
 

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2022年4月 5日 (火曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・4

ハンプトン・ホーズ(Hampton Hawes)を聴きたくなって、自分のブログの記事を確認していたら、まだ記事にしていないリーダー作が何枚かあった。あれぇ、ほぼ全部、リーダー作は記事にしたと思っていたのだが...。特に、ホーズのキャリア後期のリーダー作で、何枚か、抜けていることが判った。

Hampton Hawes『The Green Leaves Of Summer』(写真左)。1964年2月17日、LAでの録音。Contemporary Recordsからのリリース。ちなみにパーソネルは、Hampton Hawes (p), Monk Montgomery (b), Steve Ellington (ds)。ハンプトン・ホーズお得意のピアノ・トリオ編成。米国西海岸での録音。米国西海岸ジャズ最後期の好盤である。

麻薬禍により、5年間の刑務所で服役した後のハンプトン・ホーズの最初の録音になる。服役のブランクを感じさせないパフォーマンス。指はしっかり回っているし、リズム感は抜群に良い。1950年代の全盛期のパフォーマンスと比べても遜色無い弾きっぷり。逆に5年間のブランクが勿体なかったなあ、という残念な思いが先に立つ。
 

The-green-leaves-of-summer_hampton-hawes

 
録音年は1964年。ジャズは「多様化の時代」に入っている。大衆化かアーティスティック指向か、2者択一の中で、ハンプトン・ホーズは、大衆化の方向に舵を切っている。もともとは、硬質で高速フレーズが得意な、ビ・バップな弾きっぷりが個性なのだが、この盤では、それがほど良くマイルドになって、西海岸ジャズ独特の「聴かせる」ジャズになっているところがこの盤の特徴。

タイトル曲「The Green Leaves Of Summer」が凄く良い。ビル・エヴァンスか、キース・ジャレットか、と思う位の叙情性を発揮している。これが1950年代ホーズと違う、ホーズが進化した点だと思う。カリプソの人気曲「St. Thomas」のビ・バップ・ライクなリズムの独特な処理もホーズらしさが出ていてグッド。

ただ、大人しい角の取れた「イージーリスニング」風のピアノでは無く、しっかりとホーズの個性、硬質で高速フレーズが得意な、ビ・バップな弾きっぷりを残しつつ、マイルドかつ叙情的な弾き回しになっているところがこの盤の良いところ。ハンプトン・ホーズのベストと言っても良い、ビ・バップ風でも無い、パウエル風でも無い、ホーズ独特の個性的な弾きっぷりである。
 
 

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2022年4月 4日 (月曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・3

ハービー・ハンコックが主宰してヒットしたグループ「V.S.O.P.」の余波だったのか、1970年代終わりから、徐々にメインストリーム指向の純ジャズの録音が復活し出した。特に、日本発のレーベルはその機会を捉え、米国に渡って、ベテラン・ジャズマン中心に、意外と小粋な「ハードバップ盤」を録音・リリースしている。

Benny Golson Quintet Feat. Curtis Fuller『One More Mem'ry』(写真左)。August 19 and 20 1981年8月19, 20日、LAの「A&M Studios」での録音。ちなみにパーソネルは、Benny Golson (ts), Curtis Fuller (tb), Bill Mays (ac-p, el-p), Bob Magnusson (ac-b, el-b), Roy McCrdy (ds)。ゴルソンのテナー・サックスとフラーのトロンボーンがフロント2管のクインテット編成。

渋いテナー・サックス奏者&コンポーザー/アレンジャーのベニー・ゴルソンが、1959年から1962年にかけて、ジャズ・グループ「The Jazztet(ジャズテット)」を組んでいた相棒カーティス・フラーを迎えて、日本の「Baystate」に吹込んだハードバップ盤。1981年というフュージョン・ジャズ全盛期に吹き込まれたハードバップ盤で、聴き易さに重点を置いた録音になっている。

タップリとかかったエコーがちょっと気持ち悪いが、そこそこ良い音で録れている。さすが伝説の「ジャズテット」のフロントの2人、ユニゾン&ハーモニーがバッチリ填まっている。控えめではあるが、ゴルソン・ハーモニーもしっかり聴くことが出来て良好。さすがにゴルソン・ハーモニーは強烈で、聴けば直ぐにそれと判るハーモニーは素晴らしい個性である。
 

One-more-memry_golson_fuller

 
フラーのトロンボーンが好調である。良い音出している。この人のトロンボーンって、攻撃的では無くて、どこかホンワリ丸くて、中音域が充実した、実にほのぼのとしたトロンボーン。しかし、テクニックは抜群で、速く難度の高いフレーズもいとも容易く吹き切ってしまう。この盤でのフラーは何時になく「力強い」。ちょっとマッチョなトロンボーンに驚く。

加えて、ゴルソンのテナーが力強い。豪快で骨太でストレートに吹き上げる。こんなに力感溢れるテナーを吹く人だったっけ。1950年代の吹奏は「うねうねテナー」なんて揶揄されていた時もあるんで、この1981年の録音時のゴルソンのテナーの力強さにはビックリした。録音当時、ゴルソンは52歳。脂の乗りきったベテランの時期で、一番、充実していた頃なのかもしれない。

超有名曲「Five Spot After Dark」の再演も収録されている。フラーとゴルソンの力強い吹き回しのお陰で、オリジナルとは違った印象を受ける。力強く切れ味鋭い「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」。オリジナルは、ちょっと霞がかかったような、深夜でアーバンな雰囲気が特徴だったのだが、今回の再演はその逆、とも言える力強さ。さしずめ「1980年代版アフター・ダーク」である。でも、内容は端正で熱演。出来は上々だと思う。

ピアノとベース、そしてドラムのリズム隊が、如何にも1980年代って感じで、若干、緩急・抑揚・陰影に乏しいところがあるが(特にエレ楽器にそれが言える)、ゴルソンとフラーの力強い吹き回しが断然上回っていて気にならない。当時の日本発レーベルでの録音としては、内容良好なものだと言える。ジャケットはイマイチだけど...。「小粋なジャズ」として、時々聴くのにうってつけの内容。好盤です。
 
 
 

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2022年4月 3日 (日曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・2

Ben Webster(ベン・ウェブスター)は、スイング時代からハードバップ時代を経て、1960年代のジャズ多様化の時代まで、長く活躍したテナー・サックス奏者であった。彼のテナーのスタイルは、ジョニー・ホッジスに影響を受けた、しっかりヴィブラートを効かせた完璧な「オールド・スタイル」。生涯、彼はこのテナーのスタイルを変えることは無かった。

ジャズ界は、サックスのスタイルについては、1950年代には「チャーリー・パーカー」、1960年代には「ジョン・コルトレーン」といった強烈なスタイリストが出現したが、スイング時代からの「オールド・スタイル」を貫いたが故、1950年代のハードバップ時代にも、1960年代のジャズ多様化の時代にも、ウェブスターは独特なポジションを確保し続けた。

Ben Webster『In A Mellow Tone』(写真左)。1965年5月14日, 15日、英国はロンドンの「Ronnie Scott's Club」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Ben Webster (ts), Alan Branscombe (p), Lennie Bush (b), Jackie Dougan (ds)。ベン・ウェブスターのテナーがフロント1管の「ワン・ホーン・カルテット」。サイドメンは、皆、クラブの地元の英国のジャズ・ミュージシャン達である。
 

In-a-mellow-tone_ben-webster

 
ウェブスターのテナーは「オールド・スタイル」。とにかく「渋くてクール」。若い時にはピンと来なかった「渋さ」が実に心地良い。「I Got Rhythm」で好調に飛ばすウェブスターも、「Old Folks」のユッタリとした、情感豊かなウェブスターも基本的に「渋くてクール」。タイトル曲「In a Mellow Tone」のスイング感も抜群に心地良い。モダン・ジャズの「心地良い」部分が、このライヴ盤に散りばめられている。

地元英国のリズム・セクションも好演している。ブランズコムのピアノがとてもモダンで良い。タッチも明確、フレーズは淀みなく、正統派なもの。ブッシュのベースも素姓は確か。ピッチが合った流麗なロング・ソロは印象的。ドゥーガンのドラムは、このライヴ・パフォーマンスの「肝」。ウェブスターのサックスを支え、鼓舞し、リズム隊の要として、ジャジーでブルージーな「リズム&ビート」を叩き出している。

録音当時56歳。脂の乗りきったベテラン・ジャズマン、ウェブスターの好演。モダンでジャジーでブルージーなウェブスターのテナーが心ゆくまで楽しめる好ライヴ盤。英国のリズム隊も好演で、実に聴き応えがある。聴いていて「ああ、ジャズってええなあ」とつくづく思ってしまう。こういう盤を「小粋なジャズ」盤と言うのだろう。
 
 

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2022年4月 2日 (土曜日)

最近出会った小粋なジャズ盤・1

以前から、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズ盤紹介本やジャズ雑誌で取り上げられることが滅多に無いジャズの優秀盤をピックアップして、「小粋なジャズ」と名付けて流しているのだが、この「小粋なジャズ」の対象になるジャズ盤って、結構あるから面白い。ネットの時代になって、海外でリリースされたジャズ盤の情報が入手出来る様になって、更にその数は増えているから楽しい。

Jerome Richardson with Tete Montoliu Trio『Groovin' High In Barcelona』(写真左)。1988年5月22日、スペイン・バルセロナの「Estudi Gema」での録音。ちなみにパーソネルは、Jerome Richardson (as, ss), Tete Montoliu (p), Reggie Johnson (b), Alvin Queen (ds)。ジェローム・リチャードソンのサックスがフロント1管のカルテット編成。

Jerome Richardson(ジェローム・リチャードソン)は、米国出身のサックス奏者。1920年11月生まれで、2000年6月、79歳で惜しくも逝去している。リーダー作は5枚程度と少ない。しかし、サイドマンとして参加したアルバムは相当数に登る。僕はこのサックス奏者の名前を、ファンク・フュージョンの人気バンド、Crusadersの『Street Life』での冒頭タイトル曲でのアルト・サックスの印象的なブロウで知った。
 

Groovinhigh-in-barcelona

 
Tete Montoliu(テテ・モントリュー)は、スペイン・バルセロナ出身の盲目のバップ・ピアニスト。欧州ジャズの中でのネオ・ハードバップなバップ・ピアノが見事で、僕の大好きなピアニストの1人だ。そんなテテのピアノが、この盤の冒頭1曲目の「A Child is Born」の前奏から炸裂する。タッチは硬質でアタックが強いが、右手のフレーズは変則的に流麗。独特の音の飛ばし方が堪らない。この盤全般に渡って、テテのピアノがリチャードソンのサックスを好サポートしている。

リチャードソンのサックスがとても良い。テクニックは確か、音は少し丸みがあって、ストレートで凄く聴き心地が良い。時々、引用のユーモアを交えながら、魅力的なフレーズを吹きまくっている。速いフレーズも、ゆったりとしたフレーズも淀みや揺らぎや迷いが無く、スッと真っ直ぐに吹き切るリチャードソンのサックスは爽快だ。テテのピアノとの相性も抜群で、欧州ジャズの「ネオ・ハードバップ」な演奏のレベルの高さを実感する。

ベースのレジー・ジョンソン、ドラムのアルヴィン・クイーンも好演につぐ好演で、このクインテットの演奏のスイング感とグルーヴ感は「癖になる」。切れ味良く、クールで透明感があって、端正で明確。そんな欧州ジャズのハードバップの良いところがグッと凝縮されたような優秀盤です。こういう盤を「小粋なジャズ」盤って言うんだろうな。何度聴いても味わい深く、聴く度に新しい発見があります。
 
 

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Matsuwa_billboard

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2022年4月 1日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・233

去る3月8日、我が国のレジェンド級ベーシストの鈴木勲さんが、新型コロナウイルス感染症による肺炎のため川崎市の病院で逝去された。享年89歳。渡辺貞夫さんのグループなどで演奏。ドラマーのアート・ブレイキーに見込まれて渡米し共演。他にもセロニアス・モンク、エラ・フィッツジェラルドら著名ミュージシャンと共演した実績がある、我が国のジャズ・レジェンドであった。

僕がジャズを本格的に聴き始めた1970年代後半、鈴木勲さんは既に帰国し、TBM(スリー・ブラインド・マイス)からリーダー作を多数リリースしていて、僕にとって、日本のジャズ・ベーシストといえば、鈴木勲さんだった。とにかく、鈴木さんのベースは骨太でブンブン鳴る。リズミカルでグルーヴ感溢れるベースラインは、聴いていると自然と体が揺れるほどだった。

鈴木勲『Blow Up』(写真左)。1973年3月29, 30日の録音。ちなみにパーソネルは、鈴木勲(b), ジョージ大塚(ds), 水橋孝(b), 菅野邦彦(p, Fender Rhodes)。ベーシスト鈴木勲がリーダーのトリオ盤。1973年度 スイング・ジャーナル ジャズ・ディスク大賞 日本ジャズ賞を受賞。ピアノ・トリオ編成と、水橋のベースを加えて、ダブル・ベース+ピアノ+ドラムの変則カルテット編成。 


Blow-up_isao-suzuki

 
冒頭の「Aqua Marine」、出だしから鈴木勲のボウイングが炸裂する。日本人ベーシストらしい、ピッチのしっかりあった、ストレートな、変な揺らぎの無いボウイングの音色。途中、フリーにブレイクしたりするが、基本はメンストリームなモード・ジャズ。菅野のフェンダー・ローズの独特な音色が実に良い。ジョージ大塚の抑制された、緩急自在なドラミングが良い。

2曲目の「Everything Happens To me」では軽快なスイング感が良いし。タイトル曲「Blow Up」は水橋孝を加え、超絶アップ・テンポでのダブルベースの迫力が凄い。もはや、モードというよりは「ファンク」である。

そして、この盤、とても音が良い。ベーシストのリーダー作らしく、鈴木勲のベースの音がとても生々しく捉えられている。3曲目「 I Can't Get Started(言い出しかねて)」での、鈴木勲のチェロのピチカートなど、凄く生々しく録音されている。

1970年代前半の日本の純ジャズ、演奏の成熟度、余裕度という点では、まだまだ発展途上かなとも思うが、ファンクネス希薄な、切れ味の良い、適度にテンションを張ったモーダルな演奏のレベルは高い。録音も良く、ジャケットも良い。演奏良し、録音良し、ジャケ良しの3拍子揃った日本ジャズの名盤の一枚です。
 
 

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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
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