« グリーンが奏でるラテン・ジャズ | トップページ | ハバードの「隠れ名盤」の一枚 »

2022年3月28日 (月曜日)

ベテランと若手が噛み合う好盤

21世紀に入っても、ジャズ界はコンスタントに将来有望な新人が出てくるし、20世紀の時代から活躍しているベテラン〜レジェンド級のジャズマンも充実した活動を継続している。

そういう環境の中、最近、目に付いたのが「Dave Liebman(ディヴ・リーブマン)」。1946年9月4日生まれなので、現在75歳。レジェンド級のサックス奏者。もともとはコルトレーンのフォロワーな存在だったが、マイルスのバンドに参加して、リーブマン独自の個性を身につける。現在では、コルトレーン・ライクなストレートな奏法ではあるが、どこか温もりと流麗さを兼ね備えた、正統派テナーのレジェンドとして活躍を続けている。

Dave Liebman『IS SEEING BELIEVING?』(写真左)。2016年の作品。ちなみにパーソネルは、Dave Liebman (ss, ts, fl), Ricardo Pinheiro (g), Eric Ineke (ds), Mario Laginha (p), Massimo Cavalli (b) 。フロントがリーダーでテナーのリーブマン、ギターのリカルド・ピニェイロがフロント2管。オランダの正統派ドラマー、エリック・イネケ、そしてポルトガル、イタリア出身の若いプレイヤーを迎えたクインテット編成。録音当時70歳のリーブマンのリーダー作である。
 

Is-seeing-believing_dave-liebman

 
リーブマンがインタヴューで「メロディの大切さ」を語っている。大切なのは「不要な装飾を取り払い、物事の本質を突く演奏」だと。この盤では、そんなリーブマンが目指すパフォーマンスをしっかり具現化している様に感じる。適度にリラックスした、それでいて芯のしっかりした、オリジナリティー溢れるストレートで装飾の無いブロウ。フリーキーに走ることも無く、引用に走ることも無い。温もりと流麗さを兼ね備えた、大らかで力感溢れるテナーが素晴らしい。

冒頭の6/8拍子のテーマと4ビートのソロの間での「リズム&ビートのチェンジ」が小粋で見事な「Old Folks」を聴けば、それが良く判る。暖かく流麗な、それでいてテクニック確かで力感溢れるテナーを、リーブマンが気持ちよさそうに吹き上げていく。「Rainy Sunday」や「Ditto」などのメンバーのオリジナル、「Coraçao Vagabundo」「Beatriz」といったブラジリアン・ナンバーもポジティヴにリラックスした演奏で、聴いていてとても心地良い。

こういった20世紀の時代から活躍しているベテラン〜レジェンド級のジャズマンの充実したリーダー作を聴くと、いや〜、ジャズって懐が深いなあ、裾野が広いなあ、と改めて思う。レジェンド級のリーダー、そして若手有望なメンバーがガッチリ噛み合った、優秀な内容のコンテンポラリーな純ジャズ盤です。
 
 

《ヴァーチャル音楽喫茶『松和』別館 の更新状況》 更新しました!
 
 ★ AORの風に吹かれて        
【New】 2022.03.13 更新。

  ・『AirPlay』(ロマンチック) 1980

 ★ まだまだロックキッズ     【New】 2022.03.13 更新。

  ・遠い昔、懐かしの『地底探検』

 ★ 松和の「青春のかけら達」 【New】 2022.03.13 更新。

  ・四人囃子の『Golden Picnics』

 
Matsuwa_billboard

★ コメント&TBは、全て「松和のマスター」が読んでから公開される仕組みです。表示されるまで少し時間がかかります(本業との兼ね合いで半日〜1日かかる時もあります・・・ごめんなさい)。公開されたくないご意見、ご感想はその旨を添えて送信してください。

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。

東日本大震災から11年。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。

Never_giveup_4

« グリーンが奏でるラテン・ジャズ | トップページ | ハバードの「隠れ名盤」の一枚 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« グリーンが奏でるラテン・ジャズ | トップページ | ハバードの「隠れ名盤」の一枚 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  
2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー