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2022年2月 4日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・227

スタンリー・タレンタインは、ダンディズム溢れる、ファンキー&ソウルフルなテナー・サックス奏者。兄にトランペッターのトミー・タレンタインがいる。長い名前なので、スタンリー・タレンタインは「スタタレ」、トミー・タレンタインは「トミタレ」と省略して呼んでいる。

スタタレのテナー・サックスは個性が強い。1曲聴けば、スタタレと判る、骨太でブレの無い、こってこてファンキーで「黒い」テナー。フレーズを吹けば、歌心満点のブロウで、こってこてソウルフル。ストレートな吹きっぷりの「どテナー」である。スタタレのテナーを聴けばいつも「全くジャズらしいテナーやなあ」と思うのだ。

が、何故か我が国では人気はイマイチ。ジャズに精神性を求める向きが強い我が国では、スタタレの様な、こってこてファンキー&ソウルフルな判り易いテナーは「俗っぽい」とか、「ポップ過ぎる」とか言われて、硬派なジャズ者であればあるほど、スタタレのテナーを遠ざけてきた。でもなあ、スタタレのテナーほど、ジャズっぽいテナーは無いんだけどなあ、というのが、僕の本音。

Stanley Turrentine『That's Where It's At』(写真左)。1962年1月2日の録音。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), Les McCann (p), Herbie Lewis (b), Otis Finch (ds)。ソウル・ジャズなピアニスト、レス・マッキャンのトリオがリズム・セクションに付いた、スタタレのテナーがフロント1管の「ワンホーン・カルテット」な編成。
 

Thats-where-its-at

 
バックにレス・マッキャンのピアノが控えているので、アルバム全体の雰囲気は「ソウル・ジャズ」。硬派なジャズ者の方々が聞けば眉をひそめそうだが、そこはブルーノート・レーベル。過度に俗っぽくならず、過度にポップにならず、真摯でアーティスティックな「ソウル・ジャズ」に仕上げているところは流石である。

もともとスタタレのテナーは「ファンキー&ソウルフル」なので、レス・マッキャンのトリオをバックにしても、違和感は全くない。どころか、ばっちりフィットしている。レコーディングの為の急造カルテットとは思えない、素敵な一体感がこの盤の魅力の1つ。こういうところも、さすがはブルーノート、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンの敏腕の成せる技である。

しかも、スタタレのワンホーン・カルテットなので、スタタレのテナーの個性がしっかり確認出来る。そういう意味でも、バックのリズム・セクションが、ソウル・ジャズなピアニスト、レス・マッキャンのトリオであることに意味があって、マッキャンのソウル・ジャズな要素に、スタタレのテナーの個性である「ファンキー&ソウルフル」がしっかり反応している。

この盤、意外と「隠れた名盤」だと思うんだけど、どうだろう。真摯でアーティスティックな「ソウル・ジャズ」の好例として、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では息の長い、長年のヘビロテ盤で、時々、思い出しては聴いています。ジャケットもいかにもブルーノートらしい、アーティスティックな、味のあるデザインで「グッド」ですね。
 
 
 
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