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2022年2月の記事

2022年2月28日 (月曜日)

バドの最終スタジオ録音盤

バド・パウエルは、1959年、フランシス・ポードラの世話の下、パリに移住する。そして、正式盤として「A Tribute to Cannonball」「A Portrait of Thelonious」(共に1961年)、そして、1963年、パリにて、公式に発表されたスタジオ盤としては、最後の作品を録音する。その後、1964年に米国に戻り、1966年7月31日、鬼籍に入ることになる。

『Bud Powell in Paris』(写真)。1963年2月の録音。ちなみにパーソネルは、Bud Powell (p), Gilbert Rovere (b), Kansas Fields (ds)。プロデューサーは、かのジャズ・ジャイアント、デューク・エリントン。パウエル作の「Parisian Thoroughfare」以外、ジャズ・スタンダード曲で占められたピアノ・トリオ盤。

バドは、リラックスして楽しそうに演奏している風に聴こえる。演奏する曲は、おなじみのジャズ・スタンダード曲。イマージネーションは未だに豊か。その豊かなイマージネーションに指がついていかない部分が散見され、閃いたイメージを弾き切りたい、という前向きな気持ちが出過ぎて、タイム感がふらつく場面が散見されるが、出てくるピアノのタッチ、フレーズは紛れも無く「バド・パウエル」のピアノである。 
 

Bud-powell-in-paris_1_20220228202501

 
1963年と言えば、逝去する3年前。既に健康状態は最悪だった様な気がするのだが、スタンダード曲を弾かせると、やはりバドは凄い。イントロの展開、テーマの崩し方、アドリブ・フレーズの閃き、指がついていかない部分があるとはいえ、やはりバドはバド。一定以上の水準を維持しているから凄い。しかもこの盤でのバドのピアノは「明るい」。ポジティヴにリラックスして弾きまくる。

完璧だったバドが「ミスりヨレる」からこそ良い、なんていうのは余りにセンチな評論だと思う。聴けば判るが、確かにバドは「ミスるヨレる」、タイム感がところどころ「ズレる」のだが、バドの表現しようとする「閃いたフレーズ」が、そのバドの「ミスるヨレるズレる」まで全てをひっくるめて、バド・パウエルの当時、最新のパフォーマンスなのだ。この盤の演奏の全てが「バド」なのだ。それが心に沁みる。

僕は、この盤のバドの、明るくポジティヴにリラックスして弾きまくる音が好きだ。確かにミスタッチはある。確かにタイム感はところどころズレる。しかし、紡ぎ出すフレーズは、紛れも無く「バドの即興フレーズ」なのだ。この唯一無二の個性的な即興パフォーマンスはいつ聴いても良い。特に、彼独特のそこはかと漂う哀愁感が堪らない。
 
 
 

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2022年2月27日 (日曜日)

後期パウエルの「いいところ」

Twitterの「今日のラスト」で、久々にバド・パウエル(Bud Powell)を聴き直していて、やっぱり、モダンジャズ・ピアノの基本はバドやなあ、と改めて感心した。フロントの旋律楽器としてホーンライクな弾き回し、リズム・セクションに回った時の絶妙なバッキング。どれもが、現代のジャズ・ピアノに繋がる「基本中の基本」のスタイルである。

バリバリ弾きまくるバドも凄く良いが、僕は1953年以降、退院後のパウエルがより好きである。絶望的な健康上の問題はあったが、バドのキャリア後半のピアノは、リラックスして楽しんで弾いていて、どこか優しさとジャズ・ピアニストとしての矜持を感じるのだ。全盛期に比べると指は回らない、でも、イマージネーションはより豊かになっている。

Bud Powell『Inner Fires』(写真左)。1953年4月5日、ワシントンD.C.におけるライヴ音源。ちなみにパーソネルは、Bud Powell (p), Charlie Mingus (b), Roy Haynes (ds)。1982年に発掘されたプライベート音源で、僕に取って、LP時代、リアルタイムで聴いたバドである。バドお得意のトリオ演奏。
 

Inner-fires_1

 
冒頭の「I Want to Be Happy」は従来のバドを彷彿とさせる。「Salt Peanuts」「Woody n’You」「Little Willie Leaps」などのバップ・チューンはお手のもの、「Somebody Loves Me」「Nice Work If You Can Get It」等の歌ものについても快調に弾き回している。

バドの力強いタッチが良い。時期的に見て、体調が良かったのだろう、全編、快調に飛ばしている。イントロ部分やアドリブの弾き回しなど、イマージネーションは豊か。指が回らないところはあるし、ミスタッチもある。完璧な全盛期からはほど遠い、という辛口の評価もあろうかと思うが、ほど遠いとは言え、それでも、ジャズ・ピアノの水準としてはかなり高い。

音質がイマイチだが、1953年以降の後期バド・パウエルの「いいところ」を聴き取れる優秀盤だと思う。ジャケがジャズ盤にしてはとびきり前衛的で、かなり「引く」が、意外と違和感が無い。意外と当時のパウエルのイメージを上手く表しているのかもしれない。ちなみに、ラストに入っているインタヴューは、パド・パウエルの貴重な生の声です。
 
 
 
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2022年2月26日 (土曜日)

アイク・ケベックのお蔵入り盤

ブルーノート・レーベルの1500番台、4000〜4300番台には、録音も終わり、ミックスも終わり、ジャケットも決まり、カタログ番号まで割り振られていながら、お蔵入りになった盤が結構ある。演奏に何か問題があったのか、と思うのだが、これが聴いてみると、どれもが水準以上の優れた内容のものばかり。

発売に至るまで、何か問題があったのだろうが、こればっかりは、当時のブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンに直接訊くしかないのだが、既に故人となっているので、それも叶わない。ただ、無理にリリースすると、LP盤をプレスするコスト、販売店へ運送するコストなど、かかるコストが馬鹿にならないので、下手にリリースし続けると、零細レーベルであるブルーノートの経営が危機に陥る可能性があったのだろう。

Ike Quebec『Easy Living』(写真左)。ブルーノートの4103番。1962年1月20日の録音。ちなみにパーソネルは、Ike Quebec (ts), Bennie Green (tb), Stanley Turrentine (ts), Sonny Clark (p), Milt Hinton (b), Art Blakey (ds)。ケベックのテナー・サックス、グリーンのトロンボーン、タレンタインのテナー・サックスがフロント3管のセクステット編成。
 

Easy-living  

 
この盤は、ブルーノート・レーベルお得意の「何故かお蔵入り盤」。録音当時はお蔵入り。この時のセッションのうち、セクステット演奏の5曲だけが、1981年に『Congo Lament』(写真右)のタイトルでリリースされている。この1962年1月20日のセッションの全貌がリリースされたのが1987年であった。当然、このブルーノートの「何故かお蔵入り盤」、内容的には全く問題無い。

演奏内容は、当時の最新のハードバップではなく、どちらかというと、スイングの要素がそこはかとなく入っているので、演奏内容の雰囲気は「中間派」。そんな中間派のジャズを、このパーソネル、ブルーノートのハウス・ジャズマン達が演奏するのだ。悪かろう筈が無い。ブルージーでジャジー、ユッタリ余裕と雰囲気のある「中間派」ジャズがこの盤に詰まっている。

ケベックは1940年代からブルーノート・レーベルの吹き込みがあった、ブルーノート生え抜きの古株のジャズマン。いろいろな新人ミュージシャンを、総帥プロデューサーのライオンに紹介したり、 録音拠点であるRVGスタジオまでミュージシャンを載せて送る運転手をしたりと、演奏で無い別の部分でも、ブルーノート・レーベルに大きく貢献したことも有名な話。
 
 
 
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2022年2月25日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・229

最近、ジャキー・マクリーン(Jackie Mclean)のリーダー作を聴き直しているのだが、マクリーンのリーダー作の一覧を見直してみると、今まで聴いたことが無かったリーダー作もちょっとあることが判った。

あれぇ〜、おかしいなあ、と思うのだが、何故か聴いたことが無かった盤がある。恐らく、パーソネルを事前に見て、後にしよう、と思ったか、ジャケットを見て、これはあかんやろ、と思ったかのどちらかが理由だったんだろう。

Jackie Mclean『Lights Out!』(写真)。1956年1月27日の録音。PrestigeレーベルのPRLP 7035番。ちなみにパーソネルは、Jackie McLean (as), Donald Byrd (tp), Elmo Hope (p), Doug Watkins (b), Art Taylor (ds)。 録音当時は、ハードバップ全盛期。録音メンバーも、ハードバップ黄金時代を彩った、一流どころで占められている。

リーダーのマクリーンのアルト・サックスと、ドナルド・バードのトランペットがフロント2管のクインテット編成。ピアノに早逝の天才バップ・ピアニスト、エルモ・ホープ、そして、これまた、早逝の天才ベーシスト、ダグ・ワトキンスと、伝説の職人ドラマー、アート・テイラーがリズム・セクションで、フロント2管を盛り立てる。
 

Lights-out

 
冒頭のタイトル曲、マクリーン作の「Lights Out」が良い演奏だ。いかにもハードバップらしい長尺の演奏で、13分の演奏時間の中で、参加メンバーそれぞれが、しっかりとアドリブ・パフォーマンスを聴かせてくれる。これがまあ、内容が濃く、マクリーンのアルト・サックスは、この時点で既に歌心溢れるブロウを備えており、バードのトランペットはジャジーでブリリアント。とにかく、フロント2管のパフォーマンスが実に見事に「ハードバップ」している。

ピアノを担当するエルモ・ホープのバッキングが見事。もともとビ・バップなピアニストなので、ハードバップとしてはどうかしら、と思っていたが、この盤のバッキングを聴いて考え方を変えた。切れ味の良い、エッジの少し立ったピアノのバッキングは「爽やか」な雰囲気。フロントのブロウのフレーズの合間合間を埋めて、フロントを鼓舞しつつ、しっかりとリズム&ビートのキープに努めるとこなどは「職人芸」である。早逝が惜しまれるピアニストであった。

ダグ・ワトキンスのベースは骨太でブンブン唸るウォーキング・ベースが凄く魅力的。アート・テイラーのドラミングは硬軟自在、演奏の「質」に合わせて、変幻自在に叩き分けるテイラーはこれまた見事な「職人芸」。

聴き終えて、この盤、実にハードバップらしい好盤ではないか、というのが僕の感想。なんで最近まで聴かなかったのか。恐らく、このジャケットが悪いのだと思う。プレスティッジお得意の「どーでもよいジャケ」(写真左)が、この盤をブート盤に見せたのかも。このジャケじゃあなあ、触手が伸びないよな。 
 
 
 
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2022年2月24日 (木曜日)

スリー・サウンズのアレンジの妙

僕がジャズを聴き始めた頃、今を去ること40数年前になるのだが、その頃から、ブルーノートの企画型ピアノ・トリオ「The Three Sounds(スリー・サウンド)」の人気はイマイチだった。理由はいろいろあったらしいが、僕が記憶しているのは、レーベルが作った企画型のトリオだから、ブルーノートのドル箱トリオで商業主義のコマーシャルなトリオだから、スタンダード曲ばかり演奏していてオリジナリティーが無い、とかで、とにかく、ケチョンケチョンだった記憶がある。

ブルーノート・レーベルのドル箱トリオだったことは事実みたいで、オルガンのジミー・スミスの双璧の「ドル箱」トリオだったそうだ。とにかく判り易い内容、聴き心地の良いスタンダード曲をメインに演奏し、ラウンジ・ミュージックとしても、イージー・リスニングとしても聴くことの出来る「イージーさ」が米国ではウケて、我が国ではウケない理由なのかもしれない。

The Three Sounds『Hey There』(写真左)。ブルーノートの4102番。1961年8月13日の録音。改めて、ちなみにパーソネルは、Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)。ジャズの「多様化」の時代に差し掛かった、ブルーノートの企画型ピアノ・トリオの優秀盤である。
 

Hey-there

 
ラウンジ・ミュージックとしても、イージー・リスニングとしても聴くことの出来る「イージーさ」というが、このトリオの一番優れている点は「アレンジの妙」である。この盤も収録曲は全てスタンダード曲。しかも、俗っぽい「You Are My Sunshine」や「Stompin' at the Savoy」が入っていて、曲名だけみれば、これはもうイージー・リスニングなトリオ演奏なのか、と思うのだが、スリー・サウンズはそうはならない。

とにかく、アレンジが優れている。俗っぽい曲もしっかりしたアレンジで、硬派なファンキー・ジャズに仕立て上げられている。そう、この盤、優れたアレンジで、ちょっとマニアックなものから俗っぽいものまで、スタンダード曲を硬派なファンキー・チューンに変身させている。ネットリとソウルフルに陥ること無く、切れ味の良い、明快なファンキー・ジャズに留めているところが「良い」。

スリー・サウンズって、我が国の人気の無い理由は全く当たらないと思う。スタンダード曲ばかり演奏していてオリジナリティーが無いなんて言うが、このアレンジの優秀性は、自作曲を演奏するオリジナリティーに匹敵するレベルだと思う。そう、スリー・サウンズの最大の個性であり、最大の武器が、この「優れたアレンジ能力」なのだ。
 
 
 
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2022年2月23日 (水曜日)

TRIXの「アニソン」カヴァー盤

以前から思うんだが、1970年代以降のポップス曲などで、ジャズの新しいスタンダード曲になるものが、なかなか出てこない。ジャズやフュージョンでカヴァーはされるんだが、アレンジがチープで、それ軽音楽やん、ってツッコミたくなるような、平凡な演奏が多くて、そのまま21世紀に突入してはや20年。

AABAの形式ソングが、ジャズ・スタンダードになり易いかと思うんだが、確かに、1970年代以降のJポップの曲は、ちょっと複雑な形式の曲が多くて、ジャズ・スタンダードになりにくい。加えて、一番の問題はアレンジだと思う。カヴァー元の原曲の著名なメロディーにこだわるあまり、1曲まるまる、フロンド楽器にそのメロディーを忠実に演奏させてしまうので、全く以て「軽音楽」な演奏になって、おおよそ、ジャズやフュージョンにはならないことが多かった。

TRIX『CoverX』(写真左)。ちなみにパーソネルは、熊谷徳明 (ds), 須藤満 (b), 佐々木秀尚 (g) に、スペシャルサポートとして、宇都圭輝 (key) が加わる4人編成。結成以来、オリジナル曲をメインに演奏してきたTRIXの初のオール・カヴァー・アルバムになる。しかも、なんと「アニソン」をカヴァーしているのだ。その収録曲は以下の通り。

01. ルパン三世のテーマ‘78 (TVアニメ「ルパン三世」オープニング・テーマ)
02. 廻廻奇譚(TVアニメ「呪術廻戦」第1クールOPテーマ)
03. 残酷な天使のテーゼ(TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OPテーマ)
04. となりのトトロ(映画「となりのトトロ」エンディング・テーマ)
05. はじめてのチュウ(TVアニメ「キテレツ大百科」主題歌)
06. ウィーアー!(TVアニメ「ワンピース」OPテーマ)
07. Cagayake! GIRLS(TVアニメ「けいおん!」OPテーマ)
08. 摩訶不思議アドベンチャー!(TVアニメ「ドラゴンボール」OPテーマ)
09. CHA-LA HEAD-CHA-LA(TVアニメ「ドラゴンボールZ」OPテーマ)
10. ようこそジャパリパークへ(TVアニメ「けものフレンズ」OPテーマ)
 

Coverx-trix

 
いやはや、選曲自体が実に良い。しかも、アレンジが抜群に良い。ちゃんとジャズしている。テーマが来て、テーマのコード進行に則った、楽器毎のアドリブ展開が来て、再びテーマが来て終わる。そんなジャズとして、基本的な演奏展開がしっかりとアレンジされている。つまり、アニソンをカヴァーしているのだが、フュージョン・ジャズの演奏として聴いていても、違和感が全く無い。

そんな優れたアレンジを基に、テクニック抜群のTRIXのメンバーが演奏しまくるのだから、どの曲も聴いていて爽快感抜群。カヴァー元の原曲の著名なメロディーを弾くにしても、一捻りも二捻りした魅惑のフレーズを捻りだし、元曲のメロディーに新しい彩りを添えているところがニクい。盤全体を聴き終えて「スカッ」とする。Jポップ曲のフュージョン系のカヴァーは、軽音楽風になってしまって「あ〜あ」と残念に思う演奏が多かったのだが、今回のこのTRIXのアニソン・カヴァーは違う。

ジャズ&フュージョンの新たなスタンダード曲化の切り口に「アニソン」がある、というのは「目から鱗」であった。確かにイケそう。メロディーもいろいろアレンジ出来そうだし、可能性はまだまだある。とにかく、この企画盤は面白い。この盤を聴いて「元歌へのリスペクトが感じられない」というのなら、元歌だけを聴いておけばよろしい、かと思う。
 
 
 
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2022年2月22日 (火曜日)

神保彰のユニークなドラムソロ盤

我が国のフュージョン・ジャズにおける、伝説的ドラマー神保彰。今までは「ファンク、そしてラテン」がメインの音世界。が、今回は新志向であるAORフィーリングなアルバム『SORA』(昨日ご紹介)と、もう一枚、前作の『30 TOKYO Yellow』からの新志向、ドラムソロにフォーカスしたアルバムを同時リリースしている。

神保彰『アメアガリ』(写真左)。2021年12月のリリース。このアルバムは、ドラムは神保自身が叩いているが、その他の音はすべてプログラミングで対応している。つまりは、神保彰のソロ・アルバムであり、ドラムソロのアルバムでもある。ドラム以外のその他の音は、神保のドラムを引き立たせる為にあると捉えた方が判り易い。

この新作『アメアガリ』は「ドラム以外、すべてプログラミング」というコンセプトについては賛否両論だろう。プログラミングのメロディーやフレーズを「無機質」と捉えるか否かで、評価は分かれるだろう。「無機質」と捉えれば、当然、ドラム以外のメロディーやフレーズも、人が演奏するべき、そうじゃないと平板で飽きる、という評価になるだろう。
 

Ameagari

 
しかし、である。神保彰のドラミングにフォーカスを当てて、そのドラミングを引き立たせる為に、プログラミングされたメロディーやフレーズがある、という切り口で考えると、これはこれで「アリ」と思うのだ。全てが自分1人が考える演奏する音世界で完結する。ソロアルバムの究極の姿ではある、と思ったりする。

神保彰いわく「『アメアガリ』の曲は、歌モノような“A・B・サビ”という構成ではなく、1つのグルーヴが最初から最後までずっと続いていて、メロディはすごくシンプルな1つのモチーフが提示され、それが変化していく」。なるほど、納得の説明である。この盤はあくまで、神保のドラミングを愛で、神保独特のリズム&ビートを感じるアルバムなのだ。

どの曲でも、神保のドラミングは興味深く面白い。とても色彩豊かで、様々なグルーヴ感が聴いていて楽しい。そんな様々なグルーヴ感に応じて、プログラミングされた「彼ならでは」のメロディーやフレーズが効果的に挿入される。神保のドラミングが多彩なので、意外と飽きない。面白いチャレンジ、面白いドラムソロ盤である。
 
 
 
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神保彰『SORA』を聴いて思う

我がバーチャル音楽喫茶『松和』は、メインストリームな純ジャズのみならず、フュージョン・ジャズも結構聴く。特に、フュージョン・ジャズについては、僕が本格的にジャズを聴き始めた1970年代後半は、フュージョン・ジャズ全盛期。純ジャズの名盤を集めつつ聴きながら、フュージョン・ジャズ盤は、軍資金が底を突かないよう貸レコードを活用して、積極的に聴いていた。

ちなみに1970年代後半は、ロックの世界では、我が国独特の表現にはなるが、AOR(Adult Oriented Rock)=「大人のロック」の全盛時代。従来のロック盤と同様、アルバム中心主義で、ロック・ビートに乗った、聴いていて心地よい、落ち着いて、洒落ていて、小粋なサウンドがメインのロックが流行していた。

神保彰『SORA』(写真左)。2021年12月のリリース。ちなみにパーソネルは、Jimbo Akira "神保彰" (ds), Jeff Lorber (p), Patrice Rushen (p, vo), Nathan East (e-b, vo), Freddie Washington (e-b)。フュージョン・ジャズの名うての名手達が参加。しかし、ジェフ・ローバーやネイザン・イーストが参加して、日本のフュージョン・ジャズのアルバムが制作されるなんて、夢の様である。
 

Sora-akira-jumbo

 
このアルバムは、一言で言うと「AORな雰囲気満載の日本発のフュージョン・ジャズ」。テクニックは優秀だが、テクニックに走ること無く、余裕ある大人のフュージョン〜スムース・ジャズがこの盤の個性。しかも、ジャジーな雰囲気を失うこと無く、真摯にジャズの雰囲気を残しつつ、ファンクネスが限りなく希薄な、「日本発」独特のフュージョン・ジャズがこの盤の中で展開されている。

そんな「日本発」独特のフュージョン・ジャズの中で、神保のドラミングがクッキリと前面に出て、しっかりと演奏全体をコントロールしている。じっくり聴くと、神保のドラミングが凄い。スティーヴ・ガッドに匹敵する縦ノリ・ビート、粘りの無いクリアなアタック音、表現豊かなポリリズム。とっても素敵なフュージョン・チックなドラミングである。この神保のドラミングを聴いているだけで幸せな気分になれる。

AORの往年の名曲「アントニオの歌(Antonio’s Song)」(1977年)と、パトリース・ラッシェン「Forget Me Nots」(1982年)のカヴァーをヴォーカル入りで収録している。こういう「日本発」独特のフュージョン・ジャズが神保の好みだとすると、確かに「CASIOPEA 3rd」の音はちょっと違うな。「CASIOPEA 3rd」については、サポートメンバーに徹しているのが、何となく判る、神保彰の好みが反映された、日本発のフュージョン・ジャズの好盤である。
 
 
 
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2022年2月20日 (日曜日)

サッチモのディズニー・ソング集

ルイ・アームストロング(Louis Armstrong・愛称「サッチモ」)に関連するトリビュート盤を聴きながら、サッチモの盤で、今まで一番聴いてきた盤ってどれかな、と考え始めた。『Ella and Louis』(1956年)か、いや『Louis Armstrong Plays W.C. Handy』(1954年)もよく聴いた。しかし、一番よく聴いたのは、この盤だろう。

Louis Armstrong『Disney Songs The Satchmo Way』(写真)。邦題『サッチモ・シングス・ディズニー』。1968年5月、ロサンゼルスでの録音。ディズニー映画の主題歌や挿入歌をチョイス、ニューオーリンズ・ジャズ・スタイルのアレンジで、サッチモの味のあるボーカルと相まって、とても楽しい内容になっている。

サッチモのダミ声っぽい渋いボーカルが、ディズニー・ソングに合うのだろうか、という疑義が頭を掠めるが、これが意外とマッチしている。サッチモの歌声の「暖かさ」と「優しさ」が、ディズニー映画のキャラや主題歌に合うんだと思う。これって大人も子供も楽しめる雰囲気で、とにかく聴いていて、とても楽しい気分になること請け合いである。
 

Disney-songs-the-satchmo-way

 
サッチモのトランペットも良い音していて、ディズニー・ソングに花を添える。サッチモのトランペットは、とてもジャジー。このトランペットの音ひとつで、このディズニー・ソングのカヴァー集を「ジャズ」に染める。サッチモのトラペットが鳴り響くからこそ、このディズニー・ソングのそれぞれは「ジャズ」の楽曲として成立している。

特に、『白雪姫』より「Heigh-Ho(ハイ・ホー)」、『メリー・ポピンズ』より「Chim Chim Cher-ee(チム・チム・チェリー)」、『シンデレラ』より「Bibbidi-Bobbidi-Boo(ビビディ・バビディ・ブー)」、『ピノキオ』より「 When You Wish Upon A Star(星に願いを)」などが、サッチモのボーカルにバッチリ合っていて、何回聴いても楽しい。

この盤、僕がジャズを本格的に聴き始めた今から40数年前、某大手レコード屋の「ジャズの初心者向け入門盤」の一覧リストの中にあって、ディズニー・ソングが好きな僕は思わず購入してしまった思い出の盤。冒頭の「Zip-A-Dee-Doo-Dah」でのサッチモのダミ声ボーカルに初めて出会った時、仰け反ってしまった記憶がある(笑)。でも、直ぐに愛聴盤の一枚になりました。サッチモのボーカルの良さが判って「よかった、よかった」である。
 
 
 
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2022年2月19日 (土曜日)

ジャズ喫茶で流したい・228

ブルーノートの4100番台は、1961年からスタート。時代は、ハードバップが成熟し、大衆性と芸術性、2つの志向に枝分かれしつつあった時代。大衆性という面では、ファンキー・ジャズやソウル・ジャズ、芸術性という面では、モード・ジャズ、フリー・ジャズなどが代表例だろう。いわゆる「ジャズの多様化」が本格化した時期である。

Donald Byrd『Royal Flush』(写真左)。1961年9月21日の録音。ブルーノートの4101番。ブルーノート4100番台の栄えある第1作目。ちなみにパーソネルは、Donald Byrd (tp), Pepper Adams (bs), Herbie Hancock (p), Butch Warren (b), Billy Higgins (ds)。リーダーのバードのトランペットとアダムスのバリサクがフロント2管のクインテット編成。

このパーソネルが、この盤の「肝」の部分。ドナルド・バードと言えば、この盤まで、理知的なファンキー・ジャズを前面に押し出していて、ファンキー・ジャズの先端を走っていた。この盤では、バリトン・サックスのペッパー・アダムスをフロント管のパートナーに引き入れ、それまで進めていた理知的なファンキー・ジャズのファンキー度を更に上げた感じがする。
 

Royal-flush

 
そして、もう1人のキーマン、ピアノのハービー・ハンコックの参加。プロデビューしたばかりのハービーだが、ハービーの参加によって、ドナルド・バードのバンド・サウンドがガラッと変わっている。ファンキーなハードバップから、モーダルな、新主流派の感覚が強く反映されている。

1950年代半ば辺りから、ハードバップの第一線に頭角を現して以来、ハードバップ〜ファンキー・ジャズの先頭を走ってきたドナルド・バード。この盤では、そのファンキー度に拍車をかけつつ、音の志向としてはモーダルな音の雰囲気を積極的に導入して、当時として新しい響きのする「ファンク度が増した理知的なモード・ジャズ」に演奏の志向を変化させようとしているチャレンジ精神は立派。

1961年という時代に、従来の手慣れたファンキー・ジャズにこだわること無く、プロデビューしたばかりのハービーを参加させ、モーダルなジャズの雰囲気を積極的に導入、かつ、自らのオリジナリティーであるファンキー・ジャズに拍車をかけて、他の新主流派の音とはちょっと違う「ファンク度が増した理知的なモード・ジャズ」に仕立て上げているのは見事である。
 
 
 
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2022年2月18日 (金曜日)

「現代のサッチモ」が息づく盤

時々、スイング・ジャズ等のオールド・スタイルのジャズが聴きたくなる。今回の切っ掛けは、NHKの朝の連ドラ『カムカムエヴリバディ』。昭和・平成・令和の3時代を、ラジオ英語講座と共に生きた母娘孫3世代のヒロインの一世紀におよぶ家族物語を描くドラマ。このドラマにジャズが出てくるのだ。

ルイ・アームストロング(愛称「サッチモ」)の「On the Sunny Side of the Street」がたびたび流れる。しかも、サッチモのファースト・ネームを取って、二代目ヒロインの名前が「るい」、ニックネームが「サッチモちゃん」(笑)。他、戦前のジャズ喫茶が出てきたり、戦後のジャズのライヴハウスが出てきたり、で、朝の連ドラには珍しく、ジャズに関する事柄は結構出てくる。

Wonderful World Of Louis Armstrong All Stars『A Gift To Pops』(写真左)。2021年9月のリリース。ルイと妻のルシールが1969年に設立したニューヨークの組織LAEF(ルイ・アームストロング教育財団)の50周年を記念して、LAEFのエグゼクティブ・ディレクターであるジャッキー・ハリスの推薦により、ルイ・アームストロング教育財団によって2018年に発案された「オール・スターズ」のパフォーマンスの記録。
 

A-gift-to-pops

 
サッチモのアルバムを、と思ってネットを徘徊していたら、この話題盤に出会った。昨年、生誕120年、没後50年を迎えたジャズの生みの親であり、アメリカ・ポピュラー音楽史上屈指のエンターテイナーであるサッチモへのオマージュを込めたアルバム。アレンジは現代風だが、サッチモ現役時の雰囲気をしっかりと反映していて、聴いていて楽しい。

1930年録音の「The Peanut Vendor」から、1968年録音の、サッチモのキャリアの中で最も有名な「What a Wonderful World」まで、トランペッター兼ヴォーカリストのサッチモの50年にわたるキャリアから、特に印象的な曲を14曲チョイスしている。どの曲も印象的なアレンジが施され、参加ミュージシャンのレベルも高く、演奏はとても「格調高い」。

現代のサッチモがこの盤に息づいている。それぞれの演奏の充実度がかなり高いので、53分の収録時間があっと言う間。サッチモの活躍した時代がちょっと古いので、当時、録音された音源は、どれもが今の耳で聴くと「イマイチ」の音源。しかし、この盤は「今」の録音。サッチモゆかりのパフォーマンスが、現代の音で聴ける。これはこれで「アリ」だと思う。とにかく、聴いていて楽しい。
 
 
 
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2022年2月17日 (木曜日)

スミスの「ウォーラー愛奏曲集」

ジミー・スミスのオルガンは、初期の頃は「プログレッシヴでアグレッシヴ」。これでもか、と言わんばかりに、鋭角な、攻撃的なフレーズを圧倒的なテクニックをもって弾きまくっていた。しかし、1960年代に入る頃から、弾きっぷりにも余裕が出てきて、歌心を重視した「聴かせる」オルガンがとても素敵だった。

『Jimmy Smith Plays Fats Waller』(写真左)。1962年1月23日の録音。ブルーノートの4100番。 4000番台のラスト盤。ちなみにパーソネルは、Jimmy Smith (org), Quentin Warren (g), Donald Bailey (ds)。この盤は、ジミー・スミスのオルガンがベースも兼ねた、シンプルなオルガン・トリオ。フロントの管楽器は無い。

フロントの管楽器が無い分、収録曲の旋律を弾く、ジミー・スミスのオルガンのテクニックと歌心が明確に感じられて良い。歌モノの旋律を弾かせた時のジミー・スミスのオルガンは天下一品で、オルガンってこれだけの表現力がある楽器だったんだ、と再認識させられるほどのテクニックと歌心。
 

Jimmy-smith-plays-fats-waller

 
偉大なピアノ、オルガン奏者ファッツ・ウォーラーの楽曲を取り上げたカヴァー集というか、ウォーラーの自作曲を含めた「ウォーラー愛奏曲集」になる。スタンダードの名曲「Squeeze Me」、大ヒット曲「Ain't Misbehavin'(浮気は止めた) 」や「Honeysuckle Rose」を収録。

さすが、オルガン・ジャズの第一人者、聴いたことの無い情感溢れるオルガンの音色で、歌心満点に名曲の数々を弾き進める。冒頭「Everybody Loves My Baby」での ”絞り出すような” エッジの立った、クリアでブルージーな音色、2曲目の「Squeeze Me」での、”転がる様な” 丸みのある、流麗でタッチの立った音色、どちらもジミー・スミスの歌心溢れる奏法。同一人物の演奏とは思えない。

硬軟自在、緩急自在、抑揚を上手く付けた、オルガンにおける多彩な表現には全く脱帽である。ギターのクウェンティン・ウォーレンも、あまり馴染みの無い名前だが、良い味を出している。ドラム担当のベイリーは、長年のジミー・スミスの相棒を務めただけあって、ジミー・スミスのオルガンにしっかり馴染むドラミングは立派。

この盤、聴けば聴くほど、味わいが深まる「隠れた名盤」だと僕は思う。
 
 
 
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2022年2月16日 (水曜日)

バップなガーランドの魅力。

レッド・ガーランドのピアノは「右手はコロコロと唄う様な繊細なシングルトーン、左手は合いの手を入れるが如く、タイミングが絶妙のブロックコード」。マイルスのバンドに入った時に「アーマッド・ジャマルの様に弾け」とマイルスに言われる。その結果が、前述のガーランドのピアノの個性なんだが、これって、マイルス仕様のガーランドでは無いかと最近思うのだ。

Red Garland『Bright and Breezy』(写真左)。1961年7月19日の録音。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), Sam Jones (b), Charlie Persip (ds)。ガーランドお得意のトリオ編成。1961年当時、中堅の名手だった、サム・ジョーンズがベース、チャーリー・パーシップがドラムを務める。

冒頭の「On Green Dolphin Street」から、ガーランド・トリオは快調に飛ばしていく。僕はこのスタンダード曲が大好きで、様々なジャズマンの演奏を多く聴いている。このガーランド・トリオの演奏は元気が良い。この元気さが、実は、レッド・ガーランドのピアノのもう1つの個性だと思うのだ。

2曲目以降も、この盤については、ガーランド・トリオは、スタンダード曲、ミュージシャンズ・チューンを快調に演奏していく。ガーランドのピアノの右手は、思いっ切り「バップなピアノ」。左手のブロックコードがとても個性的に響く。明るくて明快で爽快なガーランドのピアノである。 
 

Bright-and-breezy_1

 
マイルス・バンド時代のアーマッド・ジャマルの様に「右手はコロコロと唄う様なシングルトーン、左手は合いの手を入れるが如く、タイミングが絶妙のブロックコード」で弾くガーランドが彼の個性の全て、とする向きには、マイルス・バンドを辞した後のガーランドのピアノは、繊細が無くなって演奏が荒くなった、と評されて、酷い評だと、マイルスの下を辞した後のガーランドは聴くに及ばず、というものさえある。

でも、よく聴くと、ガーランドのピアノって「バップ・ピアノ」がもう1つの個性だと思うのだ。右手のコロコロと唄う様な繊細なシングルトーンは、マイルスのバックで、マイルスの邪魔にならないよう、マイルスのトランペットを引き立てる為の特別仕様では無かったか、と思うのだ。

引き立てるべきフロント楽器が無くなって、自分がフロントを勤めるトリオ編成では、自分が前へ出て、メインの旋律を弾く必要がある。加えて、ガーランドはバップ時代バリバリのピアニストである。確かに、マイルスの下を辞して以降のガーランドの右手は「バップの右手」になった。

まあ、ジャズ盤の評価って色々な感じ方があるから、一概には言えないが、この「バップな」右手には軽快な躍動感と歌心があって、僕には、この「バップな」ガーランドの右手も魅力的だと思うのだ。
 
 
 
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2022年2月15日 (火曜日)

ガッド・バンドの来日ライヴ盤

フュージョン・ジャズの話題を。フュージョン・ジャズにおける「ナンバーワン」ドラマーは、圧倒的に「Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)」だと思うのだ。縦ノリのスインギーな8ビート・ドラミング。小気味の良い、印象的なオフビート。しなやかに伸びるリズム&ビート。

緩急自在、速いフレーズには手数の多い高速ドラミング、ゆったりとしたフレーズには間を活かしたシンプルなドラミング。縦ノリのスイング感は、一聴すれば、すぐに「Steve Gadd(スティーヴ・ガッド)」のドラミングだと判る。ガッドの叩く8ビートはスインギー。揺れるが如く、唄うが如くのドラミングはガッドが唯一無二。

Steve Gadd Band『At Blue Note Tokyo』(写真左)。2019年12月16〜18日、Blue Note Tokyoでのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Steve Gadd (ds), Kevin Hays (key, vo), Jimmy Johnson (b), David Spinozza (g), Walt Fowler (tp, flh)。マイケル・ランドウ(Michael Landau)の代わりに、フュージョン・ギターのレジェンド、デヴィッド・スピノザを迎えたクインテット編成。他はガッド・バンドのレギュラー・メンバー。
 

Steve-gadd-band-at-blue-note-tokyo

 
実に渋いフュージョン・ジャズ。大向こうを張って疾走する訳でも無い。こってこてのファンクネスを振り撒いて、低音ベースを轟かせる訳でも無い。途方も無いテクニックを披露して熱くなる訳でも無い。余裕ある、ウォームで小粋でメリハリのあるフュージョン・ジャズが粛々と展開される。仰々しくなく真摯、聴けば聴くほど味わい深いフュージョン・ジャズ。

ギターのスピノザの参加が効いている。さすがに両者共に「フュージョン・ジャズの伝説」のミュージシャン。ガッドのドラミングをバックに弾きまくる、スピノザのグルーヴ感溢れるパフォーマンスは、フュージョン・ジャズ全盛期のアンサンブルを彷彿とさせる。そして、他のメンバーについては、レギュラー・メンバーであるが故、充実度もかなり高い。特に、ジミー・ジョンソンのベースのテクニックはなかなかに聴かせる。

しかし、やはりスティーヴ・ガッドのドラミングが一番、印象に残る。録音当時、ガッドは74歳。大向こうを張る、力強いドラミングはさすがに影を潜めたが、味のあるドラミングには更に磨きがかかって、包み込む様な余裕あるグルーヴ感は聴き応え満点。このライヴ盤の「余裕ある、ウォームで小粋でメリハリのあるフュージョン・ジャズ」は、このガッドのドラミングが創り出している。ガッドの往年のドラミングはまだまだ冴え渡っている。 
 
 
 
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2022年2月14日 (月曜日)

初来日のジャズMの未発表音源

Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ)の音が好きだ。バンドの活動が好調な時代も停滞した時代も、ハードバップの良いところが詰まっている。リーダーのアート・ブレイキーのスカウト力の賜なんだろうが、常にその時代時代毎の良いメンバーが集まっていて、ジャズ・メッセンジャーズならではの音が詰まっている。

Art Blakey & The Jazz Messengers『First Flight To Tokyo : The Lost 1961 Recordings』(写真左)。1961年1月14日、東京の「日比谷公会堂」でのライヴ録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Wayne Shorter (ts), Lee Morgan (tp). Bobby Timmons (p), Jymie Merritt (b)。ジャズ・メッセンジャーズの第1の黄金期のラインナップである。

1961年の初来日ツアーの模様を収録した未発表ライヴ盤である。1961年の初来日ツアーのライヴ音源は、既出の正式な音源としては、1961年1月2日、東京の「サンケイホール」でのライヴ録音(写真右)がある。

この既出の正式なライヴ音源は、当時のジャズの歴史の記録として貴重な音源。我が国のジャズ者の方々が、ファンキー・ジャズだ、と思っていたら、全く異なる「モード・ジャズ」が鳴り響いた、当時の「ジャズの進化」の洗礼を思いっ切り浴びた記録である。
 

First-flight-to-tokyo

 
この今回の発掘ライヴ音源も、既出の正式なライヴ音源と変わらず、当時のジャズ演奏の最新のトレンドのひとつ「モード・ジャズ」に、真摯に取り組むジャズ・メッセンジャーズのライヴの記録である。

リーダーのブレイキー、そして、メッセンジャーズに「モード」を持ち込んだ張本人ショーターは問題無く、「モード」に適応している。しかし、鯔背な天才トランペッターのモーガン、ファンキー・ピアノの申し子のティモンズ、ハードバップど真ん中のベーシストのメリットは、モードの洗礼を浴びて、時々、苦戦している姿が聴いて取れる。

しかし、大歓迎を受けた日本での初のライヴ。メンバーは全員、真摯で全力投球、精魂込めたパフォーマンスを展開していて立派だ。それぞれのアドリブ・ソロは鬼気迫る迫力も持って展開され、ブレイキー御大も珍しく、ロングなドラム・ソロを敢行。その「熱」の入った演奏に、日本の聴衆もビビッとに反応している様は、これまた立派。

ちなみに、この盤は、この初来日ツアーを追いかけたドキュメンタリー映画『黒い炸裂』用に記録されたものだったが、権利等の問題で。この映画がお蔵入り。フィルムは破棄され、それ以降、演奏を記録したマスターテープの所在も長らく不明状態に。しかし、2017年、当時の映画スタッフの遺品からマスターテープが発見され、リリース至った、とのこと。まだまだあるんですね。そういう貴重な未発表音源って。それが聴ける我々はラッキーでした。
 
 
 
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2022年2月13日 (日曜日)

硬派グリーンのポップな異色盤

グラント・グリーン(Grant Green)は、パッキパキな一本弾きファンキー・ギタリスト。そのブルージーかつジャジーなファンキー・ギターは唯一無二なもので、振り返って聴くにつけ、実にジャズらしいギターだなあ、と感心する。しかし、グリーンの現役当時は、あまりウケなかったみたいで、ブルーノートの売り上げに貢献した、という話は聞いたことが無い。

Grant Green 『Sunday Mornin'』(写真左)。1961年7月4日の録音。ブルーノートの4099番。ちなみにパーソネルは、Grant Green (g), Kenny Drew (p), Ben Tucker (b), Ben Dixon (ds)。

パッキパキなファンキー・ギタリスト、グラント・グリーンが単独フロントのカルテット編成。漆黒ブルージーなバップ・ピアニスト、ケニー・ドリューがピアノを担当しているのが珍しい組合せ。

1961年といえば、ハードバップなジャズが技術的にピークを迎え、それぞれの特質を活かした「多様化」に踏み出した頃。ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、フリー・ジャズ、モード・ジャズなど、ジャズのポップ化、イージーリスニング化、逆に、アート志向、精神性志向など、ジャズを音楽芸術のひとつとして捉える向きなど、様々な志向のジャズが現れ出でていた。
 

Sunday-mornin

 
このグリーンの『Sunday Mornin'』は、パッキパキな一本弾きファンキー・ギターの「大衆化」盤である。一本弾きが基本なので、メロディーをクッキリ表現し易い。そこに目を付けたのか、アルバム全体の雰囲気としては、グリーンのギターの個性を活かした「イージーリスニング志向」の演奏、という感が強い。

選曲をみるとそれが良く判る。当時の映画音楽「Exodus(栄光への脱出)」とか、聴き心地の良いスタンダード曲「God Bless the Child」、そして、マイルスの「So What」のポップ化には思わず苦笑い。グリーンの自作曲も主メロディーがキャッチャーで耳当たりの良いものばかりで、グリーンのギターの個性である「一本弾き」が活きて、聴き心地が良い。

ただし、パッキパキでファンキーなところは全く変わっていないので、「イージーリスニング志向」の演奏はしていても、どっぷりジャジーでブルージー、硬派でメインストリーム志向な雰囲気は相変わらずで、ポップでムーディーな雰囲気を得るには至っていない。逆に、パッキパキなファンキー・ギタリスト、グラント・グリーンが「ポップな弾き回しをした」企画盤として捉えると、グラント・グリーンのディスコグラフィーの中での「異色盤」と評価出来て座りが良い。

とにかく、ブルーノート・レーベルには、総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンには、ジャズのポップ化、大衆化は似合わない、ということが、このグラント・グリーンの「ポップな弾き回しをした」異色盤を聴いても良く判る。
 
 
 
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2022年2月12日 (土曜日)

往年のメセニーが戻ってきた。

久し振りに、パット・メセニーらしいパフォーマンスに出会った気がした。メセニーの新たな取り組みである「Side-Eye プロジェクト」。これは、メセニーが選んだ新進気鋭のジャズマンを招聘、新たなアレンジの過去の楽曲や新メンバーのための新曲を演奏するというもの。このところ、メセニーのパフォーマンスは「頭でっかち」な、人工的な演奏が多かっただけに、この「SIDE EYE プロジェクト」には心が躍った。

Pat Metheny『Side-Eye NYC(V1.IV)』(写真左)。2019年9月12, 13日、NYの「Sony Hall」でのライヴ録音とスタジオ録音。ちなみにパーソネルは、Pat Metheny (g, g-bass, orchestrionic), James Francies (org, p, syn), Marcus Gilmore (ds)。ベースレスの、ギター、キーボード、ドラムの珍しいトリオ編成。

Side-Eyeプロジェクトは、近年活躍している若手アーティストに焦点を当てながら新たなサウンドを創り出していくプロジェクト。本作のタイトルには「V1.IV」という記号のようなものがついているが、これはユニットを組んだミュージシャンの組み合わせを示している。メセニーとキーボードのフランシーズを固定メンバーとして、ドラマーが少しずつ変化したユニット編成となっている。この「V1.IV」は、ドラマーがマーカス・ギルモアが担当している。
 

Sideeye-nyc

 
アルバムに収録されているのは、パンデミックで全米がロックダウンとなる直前にニューヨークで録音されたライヴ・レコーディングが4曲に、スタジオ録音が4曲。いずれの演奏も素晴らしい。往年のパット・メセニー・グループ(PMG)のサウンドが戻ってきた様な印象だ。ライル・メイズ亡き後、PMGのサウンドを再び聴くことは叶わないだろうと思っていただけに、今回のこの「Side-Eye プロジェクト」の音には驚くやら嬉しいやら。

聴く前は、ベースレスが気になったが、パットのギターの音の太さからすると、ベースは意外と邪魔なのかもしれない。今回のベースレスの変則トリオの演奏を聴くにつけ、ベースレスは全く気にならなかった。例えば、ジャコと共演した「Bright Size Life」を聴けば、あのジャコとの共演イメージと、今回のプロジェクトのイメージと比較して違和感は無い。音の響きはPMGサウンドに通じる、クリアでスピード感のあるリリカルな音。

ロック・ビートあり、ブルースあり、コンテンポラリーなストレート・アヘッドなジャズが新鮮。そして、セルフカバーはオリジナルとは異なる新たなアレンジが施されて、生まれ変わった感じがする。往年のPMGのサウンドが戻ってきて、メセニーのギターも往年の輝きを取り戻した感が強くする。往年のパット・メセニーのファンとしては、嬉しい「Side-Eye プロジェクト」である。これから続くであろうアルバムが楽しみである。
 
 
 
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2022年2月11日 (金曜日)

レッド・ガーランドの遺作です

僕が所有したジャズ盤の中には、LP時代、購入資金が足りなくて、貸レコードでカセットにダビングして聴いていたものもある。そんな「カセット・ダビング盤」の中には、カセットデッキが壊れて、その盤は聴けなくなって、CDでもリイシューされないという、悲劇的なアルバムもある。

Red Garland『Misty Red』(写真)。1982年4月14,15日の録音。ちなみにパーソネルは、Red Garland (p), Jamil Nasser (b), Frank Gant (ds)。1984年4月に亡くなったガーランドの遺作になる。昨年の12月に、目出度く再リイシューされた(サブスクにもアップされている)。喜ばしいことである。ただ、再リイシューのジャケは良く無い(写真右)。やはり、LP時代の日本盤のお洒落なジャケが良い(写真左)。

この盤は、僕にとっては「カセット・ダビング盤」で、カセットデッキが不調に陥った後、聴くことが叶わなかった盤である。レッド・ガーランドのリーダー作を全て、まとめて聴き直し始めたのが、2010年の頃からだったので、このガーランドの遺作の『Misty Red』の音源が入手出来なくて、ずっと困っていた。で、今回、再リイシューが叶った訳で、やっと30年ぶりに『Misty Red』を聴くことが出来た。
 

Misty-red_1

 
この盤、ガーランドが58歳の時の「遺作」で、ガーランドはピークを過ぎていて、弾き回しがイマイチ、という評が多いが、僕はそうは思わない。もともと、ガーランドはバップなピアニスト。シンプルな右手もバリバリ弾き倒すのがガーランドで、コロコロと印象的にリリカルに弾く右手の個性は、マイルスのカルテットに所属していた時の、マイルスのリクエストに合わせた弾き方だろう。

マイルスの下を離れたガーランドは、結構、バリバリ弾き倒す右手で、左手のブロックコードも結構、ガンゴン、強いタッチで弾き倒している。そういう点からすると、この盤『Misty Red』でも、ガーランドはバリバリ弾き倒している訳で、意外とこの「遺作」でも、ガーランドは好調だったと思うのだ。

録音時、ガーランドは58歳。ジャズマンとしては、充実した中堅バリバリで、ピアニストとして衰えを見せる年齢でも無い。その証拠に「Misty」などのバラード曲のガーランドの弾き回しは絶品である。意外とこの「遺作」にはガーランドらしさが満載なのだ。ガーランドは60歳で鬼籍に入るまで、ガーランドらしさを失わなかったと言える。
 
 
 
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2022年2月10日 (木曜日)

ケベックの渋い渋いテナーに浸る

ブルーノート・レーベルはジャズの老舗レーベル。モダン・ジャズの歴史と共に運用してきたレーベルで、ブルーノートのアルバムを押さえるだけでジャズの歴史が判る、と言われるくらいの「ジャズのショーケース」の様なアルバムの品揃えである。そんなレーベルである、様々な「逸話」にはことかかない。

アイク・ケベック(Ike Quebec)は、とっても渋いテナーマン。スウィング時代にサックス奏者として活動を始め、テナーのスタイルは「中間派」と思われる。スイングの雰囲気が強いテナーにモダンな感覚も併せ持っている。この人はブルーノートに欠かせない存在で、一時期はミュージシャンとしての活動を停止、その後、ブルーノートの運転手として(ライオンの専属運転手)兼タレント・スカウターとして活躍している。

ブルーノートの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンに、2人の天才バップ・ピアニスト、セロニアス・モンクとバド・パウエルを紹介したのはこのケベック。そんなケベックにライオンが再び、リーダー作の録音チャンスを与えたのは1959年のこと。1961年に『Heavy Soul』、1962年に『Easy Living』、そして、今回ご紹介する盤の3枚のリーダー作をリリースしている。
 

Blue-sentimental

 
Ike Quebec『Blue & Sentimental』(写真左)。1961年12月の録音。ブルーノートの4098番。ちなみにパーソネルは、Ike Quebec (ts, p tracks 2, 4, 7), Grant Green (g), Paul Chambers (b, tracks 1-7), Sam Jones (b, track 8) - bass
Philly Joe Jones (ds, tracks 1-7), Louis Hayes (ds, track 8), Sonny Clark (p, track 8)。なんだか、ラスト(track 8)の「Count Every Star」だけが蛇足の様なパーソネル(録音も別日)である。

相変わらず、ケベックのテナーは渋い。とても渋い。スイングのマナーで吹き上げるケベックのテナーに、パッキパキでこってこてファンキーなグラント・グリーンのギターが実に合う。スイングとファンキーなので、全く響きが異なるんだが、相性は抜群。双方の演奏の底に流れる「ブルージーでジャジーな雰囲気」が同じなのだろう。リズム隊もポルチェンのベースとフィリージョーのドラムで、玄人好みの渋いリズム&ビートを聴かせてくれる。

とにかく、ケベックの渋い渋いテナーに尽きる。特にバラード演奏がジャジーでブルージーで堪らない。演奏スタイルとしては「中間派」に属するので、キレッキレのモーダル・ジャズやファンキー・ジャズでは無いので、若い頃はちょっと物足りなさを感じたものだが、今ではそんなことは全く無い。この渋さが良いのだ。どっぷりと「ブルージーでジャジーな雰囲気」に浸りきるのだ。
 
 
 
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2022年2月 9日 (水曜日)

ボブ・ジェームスの最新ライヴ盤

ボブ・ジェームス(Bob James)は、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。ボブ・ジェームスの音に出会って、かれこれ48年になる。初めて聴いた盤が『Bob James One』。彼の弾くエレピに惚れ惚れし、彼のアレンジに感じ入った。そして、演奏するミュージシャンは、フュージョンの一流どころ。そんなハイレベルな演奏にウットリである。

Bob James『Feel Like Making LIVE!』(写真左)。2022年2月のリリース。ちなみにパーソネルは、Bob James (p, key), Michael Palazzollo (b), Billy Kilson (ds)。ボブ・ジェームスによくある、ジャズの大編成の楽団を従えた豪華な演奏では無く、ボブ・ジェームスのトリオによる、シンプルなスタジオ・ライヴ録音になる。

ボブ・ジェームスのライヴ盤と言えば『All Around the Town』(1981年)なんだが、これがあんまし良い出来では無くて、人気絶頂だったボブ・ジェームスのライヴ音源を無理矢理リリースした感じで、ボブ・ジェームスのライヴ盤については、あまり良い思い出がない。今回、新たなライヴ盤が出る、というニュースを聞いても、あまり触手は伸びなかった。
 
が、ボブ・ジェームスは、長年の僕の「フュージョン・ジャズ畑のアイドル」の1人。やっぱり聴きたくなるのが人情ってもので、今回、じっくりと聴いてみた。冒頭の「Angela」は、懐かしいアルバム『Touchdown』に収録された名曲。シンプルにスムースに、ボブ・ジェームスのトリオは演奏を進めるが、ちょっと調子が出ないみたいで、昔のライヴ盤の悪しき思い出が胸をよぎる。
 

Feel-like-making-live

 
しかし、2曲目「Rocket Man」。エルトン・ジョン「ロケット・マン」のカヴァー。これが名演でアレンジ良好、シンプルで流麗なトリオ演奏で、エルトン・ジョンの名曲を朗々と弾き進めていく。この「ロケット・マン」から、ボブ・ジェームスのトリオも調子を出してきて、極上のフュージョン・トリオの演奏が繰り広げられていく。

選曲も充実していて、目立ったところでは、ジャズ・スタンダード曲から「Misty」「Nardis」が演奏されていて、これがまた味のある演奏。これらスタンダード曲をストレート・アヘッドな演奏では無く、あくまで、上質のフュージョン・アレンジで演奏するところが、フュージョン・ジャズの大御所、ボブ・ジェームスの面目躍如。

そして、ボブ・ジェームスの過去のアルバムの中から、懐かしいセルフ・カヴァーである「Nautilus」「Feel Like Making Love」(アルバム『One』収録)、「Night Crawler」(アルバム『Heads』収録)、「Westchester Lady」(アルバム『Three』収録)が演奏されていて、充実の演奏で、在りし日の懐かしさが甦る。

昔のライヴ盤の悪しき思い出を過去のものとした、内容の濃いスタジオ・ライヴ盤です。ボブ・ジェームスは今年83歳。しかし、この今回のライヴ盤からは、年齢から来る衰えは全く感じ無い。どころか、スムースな響きのする今様のフュージョン・ジャズを披露するところなどは、まだまだ現役バリバリである。脱帽である。
 
 
 
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2022年2月 8日 (火曜日)

「ライオンの狂気」第三弾である

ブルーノート・レーベルには、その音を聴いて驚愕するアルバムが幾枚かある。オーナー&プロデューサーのアルフレッド・ライオンのたっての希望で実現した「ライオンの狂気」と呼ばれるアルバム群。ジャズの原風景である「リズム&ビートの洪水」がメインの内容で、ジャズというよりは、今で言う「ワールド・ミュージック」なアルバム群である。

「ライオンの狂気」と呼ばれるアルバムは、まず、ブルーノートの1554番・1555番の、Art Blakey『Orgy In Rhythm, Vol.1&2』(1957年3月録音)。その次に、ブルーノートの4004番・4005番の、Art Blakey『Holiday for Skins vol.1 & 2』(1958年11月9日録音)。そして、今回ご紹介するこの盤の3種類。

Art Blakey『The African Beat』(写真左)。1962年1月24日の録音。ブルーノートの4097番。ちなみにパーソネルは、

Art Blakey(ds, timpani, telegraph drum, gong),
Ahmed Abdul-Malik (b),
Yusef Lateef (cow horn, fl, ts, mbira, oboe),
Curtis Fuller (timpani),
Chief Bey (double gong, conga, telegraph drum),
Robert Crowder (Batá drum, conga)
James Ola. Folami (conga)
Solomon G. Ilori (vo, talking drum, pennywhistle),
Montego Joe (corboro drum, log drum, bambara drum, double gong)
Garvin Masseaux (shekere, African maracas, conga)
 

The-african-beat

 
パーソネルを見渡すと、ジャズではあまりお目にかからない打楽器が多数、使用されている。それら珍しい打楽器の大本は「アフリカ」。タイトル通り、アフリカの打楽器中心の、アフリカン・ネイティヴな、ワールド・ミュージックど真ん中な即興演奏が繰り広げられている。

録音時期は1962年。まだハードバップが多様化し始めた時代に、このような、後の「ワールド・ミュージック」を先取りした演奏が記録されていたとは、驚きでしか無い。さすがは、ブルーノートの総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンである。ジャズの「源」である、アフリカン・ネイティヴなパーッカッション・ミュージックをしっかりと企画し、録音している。

この盤は「ライオンの狂気」と呼ばれる前2作に比べ、単なるリズム合戦からは脱却した、アフリカン・ネイティヴな、リード、パーカッション、ボイスの饗宴となっていて、しっかりとメロディーもあり、リズム&ビートも整ったもので、野趣溢れるパーッカシヴな音世界ではあるが、ワールド・ミュージックとして、今の耳にも十分に訴求する内容である。

アフリカの台地に響く音、草原を吹き抜ける風、人々の生活する雰囲気、動物たちのざわめき、そんなイメージが脳裏をよぎる、古さを感じさせない、ワールド・ミュージックど真ん中な即興演奏は実に魅力的。この「ワールド・ミュージック」志向の音世界が好きな方々には堪らない内容である。
 
 
 
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2022年2月 7日 (月曜日)

遅れてきた「才能」の秀作です

Andrew Hill(アンドリュー・ヒル)は、ブルーノート・レーベルの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンが見出した「最後の才能」であった。時は1963年、ジャズの多様化とポップ化が進み、ヒルのアーティステックでモーダルなピアノは、あまりに硬派で先進的でウケなかった。

当時から、ライオンは、アンドリュー・ヒルを第一線に送り出せなかったことを後悔しており、1980年代にブルーノートが復活した時、ライオンがまず始めたことはアンドリュー・ヒルを再び売り出すことだった。

Andrew Hill『Divine Revelation』(写真)。スティープルチェイス・レーベルのSCS1044番。1975年7月10日、NYでの録音。ちなみにパーソネルは、Andrew Hill (p), Jimmy Vass (fl, ss, as), Chris White (b), Leroy Williams (ds)。ジミー・ヴァスが1管のカルテット編成。北欧のスティープルチェイスであるが、NYでの録音になる。

オール・アメリカンのメンバーで、NYでの録音。スティープルチェイスは、デンマークのコペンハーゲンから、わざわざ、NYに単身飛んで、同様なNY録音を前作『Invitation』と続けて実施している。
 

Divine-revelation

 
この録音環境には意味がある。スティープルチェイス・レーベルの総帥プロデューサー、ニルス・ウインターは、ヒルの才能を買っていて、このヒルのピアノを記録することに、レーベルとしての使命を感じていたと思うのだ。

内容的には、ヒルのピアノの個性が充満している。「新時代のセロニアス・モンク」。判り易いモンクという感じの、予測可能な範囲で飛んだり跳ねたりするピアノ。そんな「癖の強いピアノ」で、思いっ切りモーダルなフレーズをガンガン弾きまくる。

非常にストイックで硬質なモード・ジャズが、実にヒルらしい。タッチも力強い、飛んだり跳ねたりするフレーズにスピード感が加わって、適度なテンション漲り、爽快感は抜群。ポップな響き、コマーシャルなイメージとは全く無縁。ファンクネスもかなり控えめで、スティープルチェイス独特のエコーと相まって、欧州らしい純ジャズな雰囲気が特徴的。

1975年は、ジャズ界ではフュージョン・ジャズの大流行が始まる頃。そんな時代に、こんな硬派でストイックなモード・ジャズが記録されていたとは、スティープルチェイス・レーベル恐るべしである。純粋に良質なジャズを記録し、真のジャズの歴史を記録に留める。そういうところが、スティープルチェイスが優れたジャズ・レーベルとして認識される所以だろう。
 
 
 
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2022年2月 6日 (日曜日)

僕なりのジャズ超名盤研究・13

ジャズ名盤には、ジャズの歴史を彩る「エピソード」が必ず付いて回る。そのエピソードを知ることによって、よりジャズの歴史を理解することになる。この盤、マイルスの、ブルーノート・レーベルの総帥プロデューサー、アルフレッド・ライオンの恩義に報いる「サイドマン」参加盤である。

Cannonball Adderley『Somethin' Else』(写真左)。1958年3月9日の録音。ブルーノート・レーベルの1595番。ちなみにパーソネルは、Cannonball Adderley (as), Miles Davis (tp), Hank Jones (p), Sam Jones (b), Art Blakey (ds)。キャノンボールのアルト・サックスと、マイルス・デイヴィスのトランペットがフロント2管のクインテット編成。マイルスがサイドマンとして入っている珍しい盤。

1950年辺り、マイルスは「ジャンキー」であった。マイルスは麻薬中毒の為、レコーディングもままならない状態に陥っていた。しかし、彼の才能を高く評価していたブルーノートの総帥アルフレット・ライオンは彼をサポート。1952年より、1年ごとにマイルスのリーダー作を録音することを約束。1952年〜1954年の録音から、2枚のリーダー作をリリースしている。

しかし、1955年、麻薬中毒から立ち直ったマイルスはコロムビア・レコードと契約をした。この契約により、ブルーノートへの録音は途切れることになる。が、マイルスは「ライオンの恩義」を忘れていない。自らがオファーして、このキャノンボールのリーダー作にサイドマンとして参加したのである。当然、ライオンは狂喜乱舞。当時の録音テープには、マイルスの名前を記していたという。
 
このキャノンボール盤の録音メンバーもマイルスが人選したらしい。ピアノに流麗なバップ・ピアノの名手、ハンク・ジョーンズ。ベースに堅実骨太のサム・ジョーンズ。ドラムに名手アート・ブレイキー。このリズム・セクションの人選が渋い。明らかに、マイルスが「ライオンの音の好み」を勘案して選んだメンバーだろう。マイルス自身がリーダーだったら、当時のマイルスの先進的な音からすると、こんな人選は絶対にしない。
 

Somethin-else

 
演奏内容は、当時のバリバリ「ハードバップ」な演奏。マイルスは既に「モード・ジャズ」に手を染めていたが、このブルーノートでの録音では、従来のハードバップな演奏に立ち戻っている。前進あるのみのマイルスが「一時後退」しているが、この後退はライオンの為の後退。ライオンにハードバップの究極な演奏をプレゼントしたい、そんなマイルスの気持ちの表れだろう。

この盤は、ハード・バップというジャズ・フォーマットの最高到達地点のひとつ。アーティスティックで高尚な響きが充満し、参加メンバー各人の最高のパフォーマンスを聴くことが出来る。ハンクの旨さ、ジョーンズの堅実さ、ブレイキーの天才的ドラミング、そして、そして、キャノンボールの情感タップリで、そこはかとなくファンキーな香りがかぐわしい、絶妙なアルト・サックス。

マイルスのトランペットは別格。マイルスの生涯に渡っての、最高の部類のパフォーマンスを聴くことが出来る。ミュートもオープンもベストに近いプレイ。しかし、気合いの入ったマイルスは凄い。ちなみにマイルスがブルーノートに残したパフォーマンスはどれもが素晴らしいものばかりである。

ジャズのスタンダード中のスタンダードとされる「枯葉」の決定的名演。曲想は既にハード・バップの先を行く、先進的な響きが素晴らしい、マイルス作の「サムシン・エルス」。芸術的で高尚な響きのスタンダードの定番曲「ラブ・フォー・セール」。情感タップリで、そこはかとなくファンキーな香りが芳しい「ダンシング・イン・ザ・ダーク」。収録曲のいずれもが、ハードバップの最高峰レベルの演奏で占められる。

この盤は、マイルスが、麻薬中毒の苦しい時代にマイルスを見捨てず、マイルスの才能と人格を信じてくれた、ライオンの恩義に報いた結果。そんな背景をしっかりと踏まえて、キャノンボール以下、録音メンバーが最高のパフォーマンスを聴かせてくれる。名盤中の名盤とはこういう盤のことを言うのだろう。
 
 
 
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2022年2月 5日 (土曜日)

70年代のメアリー・ルー再評価

メアリー・ルー・ウィリアムス(Mary Lou William)は、ジャズ界のレジェンドたちからの敬愛を一身に集めた女性ピアニストの草分け、作曲・編曲家である。彼女の経歴を紐解けば、米国では著名で実績豊富な、ジャズ史にその名を留めるべきジャズ演奏家であることが判る。が、我が国では「我が国におけるマイナーなジャズ演奏家」の1人。

Mary Lou Williams『Free Spirits』(写真左)。スティープルチェイスのSCS1043番。1975年7月8日の録音。ちなみにパーソネルは、Mary Lou Williams (p), Buster Williams (b), Mickey Roker (ds)。リーダーのメアリー・ルー・ウィリアムスが録音当時65歳、バックのリズム隊、ベースにバスター・ウィリアムス、ドラムにミッキー・ローカーという名手を従えてのピアノ・トリオの演奏になる。

メアリー・ルー・ウィリアムスの風貌、この盤のジャケットを見れば、何処か、映画女優の「ウーピー・ゴールドバーグ」に似ている感じがして、確か、端正でエレガントで流麗な、そこはかとなくファンキーで、ゴスペルチックな和音もところどころで聴くことができるピアノだった印象があって、この盤もそうかと思って聴き始めたら、これがまったく違う。
 

Free_sprits

 
内容的には、クールでアーティスティックで、静的なモード・ジャズがメイン。音を厳選して、音と音の間を活かしつつ、どこか内省的な内容で、当時のメインストリーム系ジャズの最先端を行く印象。これにはビックリした。初めて聴いた時、思わずジャケットを見直した、そして、最後はCD本体のラベルの名前を見直した位である。

現代の「静的なスピリチュアル・ジャズ」に通じる響きもあり、フリーっぽくなるところも格好良く、トリオ演奏に漂う適度な緊張感が実に心地良い。欧州ジャズ独特のクリスタルでクラシカルな音の響きが、ウィリアムスの持つファンクネスをアーティスティックな響きに「浄化」している。ティモンズ作のファンキー曲「Dat Dere」が、趣味の良いファンキー・ジャズに変化しているのが面白い。

さすが、海外の評価の「ジャズ界のレジェンドたちからの敬愛を一身に集めた女性ピアニスト」であることを、この盤でしっかりと再認識させてもらった。録音当時、ジャズ界はクロスオーバー〜フュージョン・ジャズが流行していて、この盤の様なメインストリーム系の純ジャズは商売にならない、と敬遠されていた時期。いやはや、当時の欧州ジャズ、スティープルチェイスのジャズに対する懐の深さを思い知った。
 
 
 

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2022年2月 4日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・227

スタンリー・タレンタインは、ダンディズム溢れる、ファンキー&ソウルフルなテナー・サックス奏者。兄にトランペッターのトミー・タレンタインがいる。長い名前なので、スタンリー・タレンタインは「スタタレ」、トミー・タレンタインは「トミタレ」と省略して呼んでいる。

スタタレのテナー・サックスは個性が強い。1曲聴けば、スタタレと判る、骨太でブレの無い、こってこてファンキーで「黒い」テナー。フレーズを吹けば、歌心満点のブロウで、こってこてソウルフル。ストレートな吹きっぷりの「どテナー」である。スタタレのテナーを聴けばいつも「全くジャズらしいテナーやなあ」と思うのだ。

が、何故か我が国では人気はイマイチ。ジャズに精神性を求める向きが強い我が国では、スタタレの様な、こってこてファンキー&ソウルフルな判り易いテナーは「俗っぽい」とか、「ポップ過ぎる」とか言われて、硬派なジャズ者であればあるほど、スタタレのテナーを遠ざけてきた。でもなあ、スタタレのテナーほど、ジャズっぽいテナーは無いんだけどなあ、というのが、僕の本音。

Stanley Turrentine『That's Where It's At』(写真左)。1962年1月2日の録音。ちなみにパーソネルは、Stanley Turrentine (ts), Les McCann (p), Herbie Lewis (b), Otis Finch (ds)。ソウル・ジャズなピアニスト、レス・マッキャンのトリオがリズム・セクションに付いた、スタタレのテナーがフロント1管の「ワンホーン・カルテット」な編成。
 

Thats-where-its-at

 
バックにレス・マッキャンのピアノが控えているので、アルバム全体の雰囲気は「ソウル・ジャズ」。硬派なジャズ者の方々が聞けば眉をひそめそうだが、そこはブルーノート・レーベル。過度に俗っぽくならず、過度にポップにならず、真摯でアーティスティックな「ソウル・ジャズ」に仕上げているところは流石である。

もともとスタタレのテナーは「ファンキー&ソウルフル」なので、レス・マッキャンのトリオをバックにしても、違和感は全くない。どころか、ばっちりフィットしている。レコーディングの為の急造カルテットとは思えない、素敵な一体感がこの盤の魅力の1つ。こういうところも、さすがはブルーノート、総帥プロデューサーのアルフレッド・ライオンの敏腕の成せる技である。

しかも、スタタレのワンホーン・カルテットなので、スタタレのテナーの個性がしっかり確認出来る。そういう意味でも、バックのリズム・セクションが、ソウル・ジャズなピアニスト、レス・マッキャンのトリオであることに意味があって、マッキャンのソウル・ジャズな要素に、スタタレのテナーの個性である「ファンキー&ソウルフル」がしっかり反応している。

この盤、意外と「隠れた名盤」だと思うんだけど、どうだろう。真摯でアーティスティックな「ソウル・ジャズ」の好例として、我がヴァーチャル音楽喫茶『松和』では息の長い、長年のヘビロテ盤で、時々、思い出しては聴いています。ジャケットもいかにもブルーノートらしい、アーティスティックな、味のあるデザインで「グッド」ですね。
 
 
 
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2022年2月 3日 (木曜日)

レオ・パーカーの遺作になります

ブルーノート・レーベルは、ジャズのトレンド、演奏スタイルや演奏楽器の「おおよそ」を押さえているところが素晴らしい。ブルーノートと言えば、真面目で硬派なジャズばかりを押さえている「強面」の印象があるが、意外とポップな、例えば、R&B系のミュージシャンが奏でる、ソウルフルなジャズなども、しっかり記録している。

Leo Parker『Rollin' with Leo』(写真左)。1961年10月12 & 20日の録音。ブルーノートの4095番。ちなみにパーソネルは、Leo Parker (bs), Dave Burns (tp), Bill Swindell (ts), John Acea (p), Stan Conover (b, tracks 3 & 4), Al Lucas (b, tracks 1, 2 & 5-8), Wilbert Hogan (ds, tracks 1, 2 & 5-8), Purnell Rice (ds, tracks 3 & 4)。

さすが、R&B系のバリサク(バリトン・サックス)奏者のレオ・パーカーがリーダーのセッションなので、パーソネルを見渡しても知らない名前ばかりである(笑)。この盤は録音当時は、ブルーノートお得意の「謎のお蔵入り」(内容も良く、ジャケットやレコード番号まで決定されていたにも拘らず。何故かリリースされない)。1980年に、マイケル・カスクーナ の「発掘リリース」にて、目出度く、リリースされている。
 

Rollin-with-leo

 
レオ・パーカーは、当時の多くのジャズマンに見られた薬物依存、加えて、結核治療の為、1950年代は休眠状態だった。復帰後、直ぐにブルーノートから『Let Me Tell You 'Bout It』、そして、このアルバムと2枚、なかなかの内容のリーダー作を、立て続けに録音したが、このアルバムの4カ月後に帰らぬ人となってしまったのが、実に惜しいところ。

この盤も前作Leo Parker『Rollin' with Leo』と変わらず、こってこて「ファンキーでソウルフル」。バリサクって、重低音を担当する大型のサックスなので、速いフレーズが苦手でピッチが緩みがち。しかし、レオ・パーカーは、緩まず、意外と「バリサクとしては」速いフレーズをバリバリ吹きまくっている。R&Bなダンサフルなフレーズを散りばめて疾走する、心地良くアーシーでユルユルなバリサク。

バリサクの「重低音を鳴り響かせつつ、アーシーでユルユル」な音色が、意外とR&B系のソウルフルなジャズにバッチリ合う。速いフレーズが苦手な分、ユッタリと吹き上げるフレーズは実にスインギー。バリサクを愛でるアルバムとして、この『Rollin' with Leo』と前作『Let Me Tell You 'Bout It』はお勧めです。
 
 
 
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2022年2月 2日 (水曜日)

スピリチュアルなディッカーソン

ウォルト・ディッカーソン(Walt Dickerson)は、1928年に米国フィラデルフィア生まれのヴァイブ奏者。1962年にはダウンビート誌がベスト・ニュー・アーティストと選出されるくらい、将来を嘱望されたヴァイブ奏者であった。活動期間は1961年〜1985年辺りまで。2008年に鬼籍に入っている(享年80歳)。

ディッカーソンは従来の4ビート基調のスインギーなハードバップ基調では無く、ポスト・バップのヴァイブ奏者である。モーダルでスピリチュアルな展開が持ち味。「ヴァイブのコルトレーン」と呼ばれることもあるほど、ヴァイブの音の広がりを活かした幻想的なフレーズや、フリー一歩手前の限りなく自由度の高いモーダルなフレーズ、感覚的で印象派の様な音の広がりのある無調のフレーズが特徴。

Walt Dickerson『Peace』(写真左)。 1975年11月14日、NYでの録音。SteepleChaseレーベルのSCS 1042番。ちなみにパーソネルは、Walt Dickerson (vib), Lisle Atkinson (b), Andrew Cyrille (ds)。管もピアノも無い、ディッカーソンのヴァイブが唯一フロント楽器のトリオ編成。正式な収録曲が僅か2曲のみの大作である(CDには短いボートラが1曲加わる)。
 

Peace_walt-dickerson

 
ディッカーソンは、1965年から10年間ジャズシーンから離れていたが、この1975年録音のアルバムから、SteepleChaseレーベルより、優れたリーダー作をリリースする様になり、1985年までに11枚のリーダー作をリリースしている。欧州の「ブルーノート」と呼ばれた、バップなジャズがメインのスティープルチェイスのカタログの中では、ちょっと異質な「モーダル&スピリチュアル」な内容のリーダー作が異彩を放っている。

この盤の内容も一言で言うと「スピリチュアル」。適度なテンションの下、限りなく自由度の高いフリーキーなフレーズを繰り出しながら、ヴァイブの音の伸びを活かした幻想的なフレーズで、スピリチュアルな雰囲気を増幅している。ヴァイブって、こういう演奏にも使えるんやなあ、と妙に感心する。硬質でクリスタルな響きが充満した、如何にも欧州的な「スピリチュアル・ジャズ」である。

ブルーノート・レーベルが、エリック・ドルフィーやセシル・テイラーのフリー・ジャズを録音し、残したのと同じ感覚で、スティープルチェイス・レーベルは、このディッカーソンのスピリチュアル・ジャズを録音し、残したのだろう。さすがスティープルチェイス、1970年代の欧州ジャズのトレンド&歴史を、しっかりと残してくれているのだ。
 
 
 
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2022年2月 1日 (火曜日)

前進しチャレンジするデックス

デクスター・ゴードン(Dexter Gordon、愛称「デックス」)は、北欧の老舗ジャズ・レーベル、SteepleChase Labelの看板テナーマンの1人だった。ゴードンが渡欧して、主にパリとコペンハーゲンに滞在した14年間の間に、SteepleChaseにて、30数枚分のリーダー作を録音している。恐らく、総帥プロデューサーのニルス・ウインターとの相性がかなり良かったのだろう。

Dexter Gordon『Stable Mable』(写真左)。1975年3月10日、コペンハーゲンの「Rosenberg Studio」での録音。SteepleChase LabelのSCS1040番。ちなみにパーソネルは、Dexter Gordon (ts, ss), Horace Parlan (p), Niels-Henning Ørsted Pedersen (b), Tony Inzalaco (ds)。デックスのサックスがワン・ホーン・フロント管のカルテット編成。

ワンホーン・カルテットなので、デックスのサックスの個性と歌心が心ゆくまで楽しめる。この盤でのデックスは、サックスを真摯にストイックに吹き上げている。引用などのお遊びを極力控え、硬派に力感溢れるサックスを聴かせてくれる。そんなストイックなサックスで吹くのは「スタンダード曲」。そう、この盤はデックスの「スタンダード曲集」。
 

Stable-mable

 
チャーリー・パーカー作の「Red Cross」や、マイルス・デイヴィス作の「So What」などの、ミュージシャンズ・チューンズを吹きまくるデックスは意外と珍しい。特に、マイルスの「So What」などは、モード・ジャズの名曲なんだが、デックスがモーダルなフレーズを吹き上げるなんて、やはり、デックスはまだまだ「進歩する」サックス奏者だったことが、この盤を聴けば良く判る。

バックのリズム・セクションも優秀。デックスと同じく、NYから渡欧したホレス・パーランがピアノを担当。パーランのファンキーかつモーダルなピアノが、スティープルチェイスに「米国ジャズ」の雰囲気を持ち込んでいる。ベースのペデルセンは、北欧ジャズの至宝ベーシスト。ガッチリとビートの底を押さえ、演奏全体のリズムを整える。ドラムのインザラコは、渡欧組だがドイツ在住。堅実なドラミングで大健闘である。

ジャズ盤紹介本などでは全くタイトルが挙がらない盤であるが内容は濃い。特に、ジャズマンとして「前進する」姿を、音と選曲で教えてくれるデックスは実に頼もしい。そうそう、この盤ではデックスって、ソプラノ・サックスも吹いているみたいなんですよね。チャレンジ精神も旺盛な「欧州のデックス」である。
 
 
 
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