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2022年1月20日 (木曜日)

ポップなウィントン・ケリー盤

ウィントン・ケリーのピアノは、健康優良児的なファンキーで明るいタッチ。しかし、その奥に見え隠れするブルージーな哀愁感が堪らない。転がる様に軽く飛び跳ねるように軽快なフレーズの中に、そこはかとなく漂う粘り。ケリーのピアノは、実に親しみ易いもので、聴いていて楽しく、リラックス度満点のピアノである。

Wynton Kelly『It's All Right!』(写真左)。1964年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Wynton Kelly (p), Kenny Burrell (g), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds), Candido Camero (conga)。6曲目の「The Fall of Love」には、The Tommy Rey Caribe Steel Bandという、スティール・パン&マラカス軍団が加わっている様だ。

この盤は、Verveレコードからのリリース。Verveレコードは当時、大衆向け音楽の大手レーベル。ジャズについても、大衆向けのファンキー・ジャズやソウル・ジャズを量産していた。このケリーの『It's All Right!』は、そんなVerveのジャズ大衆路線の一環。プロデューサーは、後の「フュージョンの仕掛け人」、クリード・テイラー。
 
Its-all-right_wynton-kelly

 
アルバム全体の印象は、聴いて楽しい、アーバンでダンサフルな「ソウル・ジャズ&ラテン・ジャズ」。垢抜けたソウル・ジャズ、そして、当時流行のラテン・ジャズ。Verveのジャズ大衆路線の面目躍如。ケリーの親しみ易い、聴いて楽しいピアノが、この「大衆向けのジャズ」にピッタリ。

キャンディドのコンガが効いている。ゲスト参加のスティール・パン&マラカスが効いている。特に、ラテン・ジャズ志向の演奏については両者、効きまくっている。ポップでダンサフルな雰囲気を撒き散らしている。そして、ケニー・バレルの漆黒アーバン・ギターもバッチリ効いている。アーバンで夜のジャズな雰囲気を思いっ切り増幅する。

ジャケットも、独特な「American cartoon(米国漫画)」風のユニークなジャケットで、とてもジャズのアルバムとは思えない。さすがは、Verveレコードである。ともあれ、お気楽なポップ志向のジャズ盤っぽいが、ケリーのピアノ、バレルのギター、それぞれの個性を最大限発揮していて申し分無い。気楽に聴き流して楽しいケリー盤である。
 
 
 
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