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2022年1月23日 (日曜日)

高中正義『T-WAVE』を聴き直す

高中正義の1970年代〜80年代前半、「Kitty Records」時代のリーダー作がサブスク解禁になったようで、1st.作から11th.作まで、一気に聴き直している。すると、意外と今の耳で聴いてみると、リリース当時など、以前に聴いた印象とは違った音が聴こえてきて、意外と面白い。恐らく、歳を取るにつけ、耳が肥えて、良い意味で音に対する許容度が高くなってきたのだろう。

高中正義『T-WAVE』(写真)。1980年6月のリリース。高中6枚目のオリジナル盤。セルフ・プロデュースで、パーソネルも曲毎に異なるが、基本は、高中正義 (g), 小林"MIMI"泉美 & 石川清澄 (key), 高橋ゲタ夫 & 田中章弘 (b), 井上茂 (ds), 菅原裕紀 (perc)。当時のフュージョン・ジャズ畑のミュージシャンとは一線を画した、「高中の音世界」独特のメンバーである。

冒頭の目覚まし時計の音で始まる「Early Bird」から、爽快で疾走感溢れる高中のギターが疾走する。演奏の内容的には「クロスオーバー・ロック」。ロックとジャズが融合した「クロスオーバー」な演奏だが、リズム&ビートは「ロック」。当然、オフビートではあるが「ファンクネス」は皆無。しかし、8ビートが疾走するギター・インストのテイストは「クロスオーバー」。
 

Twave_masayoshi_takanaka

 
そして、3曲目「Mambo No.6」に至っては、ロック・ビートに乗ったマンボな演奏が繰り広げられる。ラテン系のテイストが個性の「高中の面目躍如」。ロックとマンボの融合。フュージョン(融合)なロックである。4曲目「Crystal Memories」やラストの「Le Premier Mars」は、当時の流行である、ソフト&メロウなフュージョン・ジャズなテイストのギター・インストがメインの演奏。

今の耳で聴きながら思うに、この盤って、日本人ならではの「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」なのではないか、と感じている。米国の「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」とは異なり、リズム&ビートは「ロック」、それでいて、疾走感溢れる「弾きまくるギター」はクロスオーバー・ジャズに近いし、ソフト&メロウなギター・インストは、明らかにフュージョン・ジャズ。

特にこの『T-WAVE』は、高中のリーダー作の中でも完成度が高く、テクニック的にも内容的にも、米国のフュージョン・ジャズと比肩するレベル。そういう面からも、この盤は日本人ならではの「クロスオーバー〜フュージョン・ジャズ」の傑作の1枚と評価しても良いかと思う。今の耳で聴くと、この盤のクールな爽快感と疾走感はしっかりと耳に残る。日本のクロスオーバー〜フュージョンの名盤の1枚だろう。
 
 
 
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