ジャズ喫茶で流したい・227
ブルーノート・レーベル4000番台の凄いところは、当時のハードバップの最先端や流行をしっかり押さえ、かたや、有望な新人のリーダー作をもしっかり押さているところ。しかも、そんな中、モダン・ジャズ以前のジャズ、例えば、スイング・ジャズや中間派ジャズもしっかり押さえているところが凄い。
当時のジャズの上質な「ショーケース」であり、ブルーノートを聴けば「その時代のジャズの全貌が判る」というのも頷ける。当然、一般ウケしないアルバムもあるし、どう考えても売れないアルバムもある。しかし、そんな「商業主義」からはみ出たアルバムも含めて、当時のジャズの上質な「ショーケース」を形成しているブルーノートは、やはり尊敬に値する存在。
Ike Quebec『Heavy Soul』(写真左)。1961年11月26日の録音。ブルーノートの4093番。ちなみにパーソネルは、Ike Quebec (ts), Freddie Roach (org), Milt Hinton (b), Al Harewood (ds)。リーダーのアイク・ケベックのテナーがフロント1管のカルテット編成。ピアノの代わりにオルガンが入っているところが「ミソ」。
オルガンが入っているので、ファンキー・ジャズな内容かと思うが、リーダーのケベックのテナーは絶対に「ファンキー・ジャズ」では無い。ケベックは当時のジャズのトレンドからは「超越している」存在。ケベックのテナー・サックスはどう聴いても「スイング」若しくは「中間派」。ファンキー・ジャズでは無いが、ケベックのテナーはファンクネス濃厚。
どっぷりジャジーでブルージーな普遍的なジャズがここにある。オルガンが入ることによって、どこかゴスペルっぽくもあり、厳かな教会音楽風でもあり。しみじみとマイナー調のテナーを引き立てるローチのオルガンの存在は大きい。そして、ケベックのテナー・サックスの魅力が最大限に愛でることが出来る。オルガンのファンクネスが、ケベックのテナーのファンクネスを増幅させている。
当時、最先端のハードバップの様に垢抜けてないし、ポップでもないし、キャッチャーでもない。でも、しみじみと、切々とジャズを感じさせてくれるテナーなんですよね。「Just One More Chance」や「The Man I Love」などのスタンダード曲での太い音だが繊細で豊かなニュアンスの「スイング」若しくは「中間派」のテナーが秀逸。いつ聴いても惚れ惚れする内容です。
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